水中戦

登録日:2012/09/02(日) 20:56:30
更新日:2020/06/09 Tue 17:11:48
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水中戦とは、その名の通りの水中に置ける戦闘である。

■概要


この場合の水中とは主には海中を指すが、水深が深ければ川や湖、沼や池などでも起こりうる。

人魚や半魚人などのエラ呼吸が出来る亜人種ロボット*1ならともかく、肺呼吸である人間は、当然の事ながら水の中で呼吸は出来ない上、水圧や水の抵抗により活動が大幅に制限される。
そのため、「水中での戦い」が史上に登場するのは潜水艦の誕生を待つ事となった。

「海の上で船に乗って戦う」と言う概念は割りと早い内から行われていたが、これは「水上戦」であり、ここでは別物とする。


■現実における水中戦


捕鯨船の漁師がを追い詰めるためにモリ一本で海に飛び込むということはあったようだが、史実上「水中で戦闘を行う」と言うシチュエーションはやはりあまり見かけない。
まあ、必要も無かったし、リスクも大き過ぎたのだろう。

人類が戦いの場を海中にまで広げたのは、やはり潜水艦の登場からであった。
潜水艦を用いての戦闘は一般には「対潜戦」と呼ばれ、機雷、爆雷の撃ち合いの他、天候、潮流などにも大きく左右される、数ある戦闘の中でもかなり高度な戦術性、戦略眼が必要となるものとされる。

現在は、これらに加え、ソナーやレーダーの発達、専用のヘリコプター(哨戒ヘリ)や、果てには人工衛星まで使った探索や偵察などの概念まで現れ、より複雑高度な戦闘になっている。


スポーツでも、泳ぎや水上の競技はあっても、水中で選手同士が戦うような競技は存在しない。


■創作における水中戦


バトルものや戦争ものにおいては、やはり花形は「陸上戦」、「空中戦」であり、水中戦は1つの概念、シチュエーションとしては存在するものの、水中戦を主としたバトルものや戦争もののジャンルというものは少ない。

そして、だいたいは、「水中戦を得意とする敵が現れ、主人公は慣れない水中戦で苦戦を強いられる」と言うパターンになる。


なお、特撮の場合、水中戦のみならず海上戦さえも扱うケースが非常に少ない。
マスクの中に水が入りやすく、下手すればスーアクが呼吸できなくなり死にかけるからである。
またスーツが腐蝕する恐れもあり、有名どころでは水に濡れるシーンの多かった仮面ライダーギルスのスーツは他よりも腐敗が進んでいたという。*2
実際の水を使わない場合も、水中の表現は難しく、下手すれば今度は映像編集のスタッフが死にかける。
とはいえ演出としてはひとつの見せ場であるため、製作陣は昭和時代から何度も挑戦を続けている。
水辺の戦いを撮る際は万全の体制で臨んでいることだろう。


◆一例

海が舞台の海洋冒険ロマンだけあり、たまには海中で戦うシチュエーションもある。
が、本作の肝の一つ「悪魔の実の能力者」がカナヅチであるためか、やはり陸上戦や海上戦の方が遥かに多かったりする。
海中で抜群に強い種族「魚人」なんてものもいるが、最近、ゾロはなんと、水中戦で魚人を打ち破っている(酸欠寸前だったが)。
ちなみに、近年まで明言はされてなかったが、麦わらの一味で最も泳ぎが得意なのはサンジらしい(それらしい描写はありはした)。

物語開始時、マジンガーZは完全に陸上専用機であり、空中や水中の敵に苦戦を強いられるシチュエーションは多かった。
18話のグロッサムX2戦で光子力ロケットを足裏に装備、武装も改修したことで水中戦にも対応できるようになった。
また、「水中戦ではビームが減衰される」と言うロボットものの概念が初登場したのも、密かにマジンガーである。

  • ゲッターロボ
変形形態の1つであるゲッター3が水中戦用であるため、出番を作るためか大抵は海上に向かって出撃する。
が、それ故か、「毎回似たようなシチュエーション」になっていると言われたりも。

宇宙戦や陸上戦が主だが、水中での戦いもしっかり行われる。
いわゆる「ジオン水泳部」を始めとする水中専用や水陸両用のMSMAは敵方である事が多いため、やはり水中戦は「こちらに不利な状況で追い込まれる」展開になりやすい。
一応設定上は主人公側の勢力にも同様の戦力が存在している場合もあるが、本編には登場しない事がほとんど。例外はアトラスガンダムくらい。
水中戦を可能とする換装用装備も少なく、これまでの例というと「ガンダムF90 Mタイプ」や「ガンダムレオパルド用S-1ユニット」くらいしかない。

エヴァ弐号機の初登場時に登場した第六使徒ガギエルは水棲の使徒であり、前回予告でも「初の水中戦」と言われた。
が、その後は特に水中で戦う状況は無かったので、最初で最後の水中戦となった。

ゴジラは泳ぎが達者なため、潜水艦が襲われて沈められるというのは時代を問わずにお約束。
ただし怪獣同士で水中戦をやるというのはまれで、エビラやバトラ幼虫など数例を見る程度。
いずれにせよゴジラが有利であり、描写はカットされたがカメーバは食い殺され、FWヘドラとFWエビラは2匹がかりで瞬殺されてしまった。


■ゲームにおける水中戦


コンピューターゲームにおいてもやはり、潜水艦ゲームでもない限りは「普段とは違う状況」での戦いになるのが普通である。
よって、だいたいはいつもとは違う操作になったりする。
また、潜水中は酸素ゲージが表示されるゲームが多く、これが尽きると溺れ死ぬか、良くても今度はライフが減っていくようになる。
メカだと水中での適正が低い機体は苦戦しやすくなり、水中戦の得意な機体が地上より活きてくることが多い。

◆一例

初代から水中面は存在する。陸上では走って跳ねてのマリオだが、水中ではただ泳いで移動するだけである。
「踏みつけ」による攻撃が出来ないので、変身での攻撃手段が無い限りは逃げ回るしかなくなる。
一部シリーズではカエルスーツを身に着けることで、水中を自在に泳げるようになる。
また、所謂箱庭系の3Dマリオでは「呼吸」の概念が盛り込まれており、息継ぎせずにいると窒息してしまう。
スーパーマリオ64』では酸素と体力が共通だったため、ダメージを受けたマリオが水に飛び込んだ後息継ぎで回復するのがお馴染みの光景だった。

時のオカリナ
水中で息が出来る服を着て、ヘビーブーツで沈んで戦うという、かなり無茶な事をする。
水中ではやはりかなり行動が制限され、普段は主武装となる剣や弓矢が使えないなど、武器も限られてくる。

ムジュラの仮面
ゾーラリンクの登場により、水中で出来ることが大幅に増えた。
3DS版では完全に水没した部屋でのボス戦も存在する。

トワイライトプリンセス
ゾーラの服を装備すると水中を泳げるようになり、剣や一部の装備も水中で使用可能となる。
また、アイアンブーツを装備すると水底を歩けるようになるため、使い分けが重要となっている。
水中で戦うボスも存在する。

  • ソニックシリーズ
2D時代から主人公が窒息の危険と戦っている珍しいシリーズ。
宇宙空間すらものともしない音速ハリネズミ、その唯一の弱点がカナヅチである。
メガドライブ時代はそれでも湖底を息の続く限り全力疾走して無理矢理凌いでいた。しかし、アドベンチャー以降はステージによっては落ちると即死するようになった。

シリーズ初の水中戦が導入された作品であり、陸上戦とは違ってあちらこちらといろいろな方向からモンスターを攻撃できるのが特徴。
主に水中に潜る大型モンスターはガノトトスラギアクルスナバルデウスなど。
しかし緊急回避が使えないことを始めとする機動力の低下やカメラワークなど、操作面で陸上とかなり違いがあるため賛否両論である。
大きな武器格差も発生しており、ガードで機動力を補えるランスは水中戦に向いているが、軽快な動きができなくなる上に手数も減らされる片手剣は悲惨そのものだった。

ロボットでの戦闘が出来るゲームとしては異色な水中をメインとした作品。ただしレーダーとの睨めっこになるのは覚悟するべきである。

ロックマンも時々水中で戦う。
「泳ぎ」のアクションはしないが、普段より高くジャンプできたりする。
が、浮力調整を誤って頭上のトゲに当たったらティウンティウンなので注意しよう。
ちなみに、『ロックマン8』に限り平泳ぎで泳げる。ラッシュマリンとは何だったのか。

「水中戦」という概念自体は2作目から存在するが、水中でボス戦を行うのは一部の作品のみ。
作品によって水中でできることは異なるが、
いずれにせよ、弱体化したコピー能力で戦わなければならなかったり、水鉄砲に頼らざるを得なかったりと、
基本的には地上戦より厳しい戦いになる。
ちなみに、1作目ではそもそも水中では攻撃ができなかった。

一部の作品では、潜水すると海中での戦闘となる。
『FF5』(飛空艇の潜水機能)、『FF6』(ヘルメットでの潜水)、『FF7』(潜水艦)、『FF10』(泳ぎでの潜水)が該当。
特定のダンジョン内での探索&戦闘ひっくるめて制限時間のある『FF5』戦闘時間に制限が付く『FF7』*3、メンバーが泳げるメンバーで固定され石化すると即死する『FF10』のように戦闘システムに影響があるものも多い。

「人魚薬」というアイテムがあると、パーティが水中に問題なく潜れるようになる。
進め方次第では、七英雄の一人であるスービエと戦うのに必須となる。
あと皇帝が人魚と駆け落ちするのに必要。

DQ6』ではマーメイドハープによって船のまま潜水して戦う。
フィールド扱いの海底では特技『ひばしら』が必ず不発になる。その割には海底に剥き出しになったダンジョンの沈没船では普通に使えたりする。

DQ10』では冒険の舞台のひとつとなった「水の領界」では多くの部分が水中になっているが、とある事情から新鮮な空気が水に送られているので普通に呼吸可能。水の中の風景は割と必見。
戦闘においては炎系の特技が使えないと言ったことなどはなく制限は存在しない。
戦闘に関わらないが、早く移動出来るドルボートに乗れないものの足がスキップのような動きになり地上より早く移動出来るなど地上とは結構違いがある。

『DQMJ3』ではライドシステムによりモンスターに乗ることであらゆる場所を移動可能になる。バーチャルコロシアムでB級ライセンスを取得し、水中ライドを行うことで水中を移動及び戦闘が可能になる。
無印では水中・水棲生物モンスターがライド設定可能だったが、プロフェッショナル版では他のライドタイプ含め これらの制限が無くなった。 とはいえ、水中の場合他タイプは速く泳げないなど個性を潰さないようになっている。
プロ版追加ダンジョンの魔王の城の水中では水が濁っている影響で耐性無視の命中2段階低下を受けてしまう。

RSEとリメイクのORASで秘伝技『ダイビング』を使うと、文字通り水中に潜って探索したり野生ポケモンやトレーナーとの戦闘が発生する。
本来陸上や飛行するものはおろか 水に弱いはずの炎岩地面タイプでさえ平気な顔していたり、シュノーケルすら付けない主人公(リメイク前のみ) などツッコミどころ多数。後者はリメイク版ではちゃんとシュノーケルを装着している。

それゆけ大運動会』では、競技の一つである「クロスカントリー」のコースに下水処理場があり、そこを泳いで進むことになる。武器を持っていれば水中で殴り合うことが出来る。
『びっくり熱血新記録』では、水中で殴り合うのが主な競技が存在する。

恐らくSRPGとしては数少ない、水中戦が可能なゲームである。
多くの機体が水中での適応が低く、上述のビーム兵器は水中では威力が減衰される点が再現されていることも多い。
また、数は少ないが完全に水中戦を強いられるシナリオも存在し、出撃ユニットの選択や性能の調整に悩まされる。
そしてこういう時に限ってゲッター3などの機体と武器の海適応A以上なユニットがいないことが多い。
あと意味はあまりないが、ゲーム後半のボスユニットの海適応が高いことも多い。

エビやカニやイワシいった海産物が海で戦うゲーム。
普通に喰い合うのかと思いきやレーザーやプラズマ砲を使った射撃戦を繰り広げ、それが当たり前のこととしてスルーされる世界観など色々とおかしなことになっている。



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