登録日:2016/01/16 Sat 21:14:00
更新日:2025/01/29 Wed 14:10:59
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ミラージュマンとは
完璧超人始祖の一人である。
通称
『完璧・参式』。
目次
【プロフィール】
【概要】
地上に表出した超人墓場の入口である
『聖なる完璧の山』を守る寝ずの番人。
何と数万年も変わっていないらしい。……適任とは云え部屋で引きこもってるだけの始祖も居る中で働き過ぎでは…
蜃気楼の名前通り、虚像と幻影を意のままに操る
鏡の化身超人。
黒光りする金属のようなボディに
悪魔将軍を上回る身長と、威圧感たっぷりの外見を持つ。
茫洋とした仮面のような顔だが、ゴールドマン・シルバーマン兄弟のようにそういう素顔なのか覆面超人(マスクマン)なのかは不明。
笑い声は
「ゴバッゴバッ」。
絶対の神器のひとつ
「氷のダンベル」を所持する。
【人物】
冷たそうな見た目に反し性格は(始祖の中では)温厚な部類。
超人墓場の侵攻にきた悪魔将軍の意図や、
超人閻魔が純粋さ故に狂気に陥ったことに理解を示しており、始祖として
「あやつを責めるな」と、かつての同僚であるゴールドマンこと悪魔将軍を諭すなど、沈着冷静な人格者といった印象を受ける。
実際にその性格は、敗北してなお"
肆式"
アビスマンからは
「良いヤツだった」と評されている。
人格者ではあるが職務に忠実な分寛容さは少な目で、試験官として働いていた際は完璧超人となるための基準に満たなかった超人達を容赦なく殺害している。
門番兼完璧超人界への入門者を選別する試験官としての職務に専念していたが故か、現在の完璧超人界を客観的に見ていたようで、完璧超人達の質の劣化とそれに伴う完璧超人界の行く末を憂う姿が見られた。
後にゴールドマンと
シルバーマンはザ・マンの手で生み出された超人だと判明したため、実質的に地上で最初にザ・マンに見出された超人である。
【戦闘スタイル】
劇中では悪魔将軍にあっけなく敗北して死亡してしまったことで侮られる向きもあったが、後の回想や追加の登場シーンにて改めて実力の高さが評価されていった。
当時の時点で他のキン肉族を凌駕する実力を持っていた完璧超人入門時のネメシスを
舐めプ状態で軽くあしらうなど、その戦闘能力は始祖の座に相応しく圧倒的。
独断で地上の下等超人を皆殺しにしようとしたガンマンを何度も阻止していたことが回想で語られている。つまりは火事場のクソ力を発現させた
スニゲーターに圧勝し、火事場のクソ力を発現させた上に覚醒したバッファローマン相手に完全にパワー勝ちしていたあのガンマンをも凌ぐ実力者の可能性すらあるとして議論の的になった。
ガンマンの真眼能力を鑑みると、ミラージュマンの幻覚能力も彼には通用しなかったと推定される。となると素の戦闘力で抑えるしかない訳で、まあ始祖同士ならば純粋な力と力のせめぎ合いかレスリング勝負の方を優先するのだろうが、小細工が通用しない同士であったというのは間違いないだろう。
師であるザ・マンを除いて、過去の時点から現在まで始祖達の実力は基本的に横並びであるらしいというのは頭に入れておくべき情報であるが、だからこそガンマンを独力で抑えられたという話にも真実味が増すというものである。
何気に、始祖の中では師であるザ・マンが最初に見出した筆頭格の金銀兄弟に続く“参式”に数えられているというのも、もっと注目されてもいいポイントかもしれない。
現時点でも始祖の番号がどういう基準で付けられているのかは明確にされていないが、恐らくは劇中でザ・マンが語っていたように「地上で人格、実力に於いて優れた“完璧”に至る可能性のある超人」を順番に見出したという話であったようだ。
つまり番号が小さいということは、それだけ当時のミラージュマンが完成された超人に近かったという証明にもなる。
実際に過去の回想の時点において。実力はともかくとして性格面ではまだまだ未熟だったり口調が荒々しかったり若者らしかったりと青さを感じさせる始祖もいる中で、ミラージュマンの場合は金銀兄弟と同様に殆ど現代との変化が見られない。
作者であるゆでからも、本編では一話のみで退場する姿を描かれながらもフォローされている。
何しろ、「相手が(弱く描く訳にはいかない悪魔将軍であり)悪かった」とのこと。
そういう意味では、悪魔将軍と互角の攻防を見せながらも読者にはしばらく実力が侮られていた不遇の超人だったと言えるだろう。
……尤も、ミラージュマン以降の同志(完璧超人始祖)達が見せた恐るべき実力と最低でも互角であったと考えると、対戦相手が悪魔将軍(始祖)以外だった場合のヤバさも想像出来るというものであり、その予想は過去を描いた回想シーンで補完されると共に証明されてきた部分である。
前述のように、過去の回想での活躍が知られるようになったことで『始祖編』の終盤までには試合内容が見直されると共に普通に評価が上がっていた。
また、後の始祖による粛清の場面では、オメガの祖先である当時の強豪超人たちを相手に、カレイドスコープドリルもダイヤモンドパワーも使わずただのパンチだけで胴体を貫くなど、他の面子にも引けを取らない力を見せつけており、支持されるに足る実力者だったということは確定している。
あのネメシスですらファナティック戦において「ミラージュマン、やはりアンタ達(始祖)の壁は厚い」というほどで、未だ現世代の超人との実力差は大きい様子。
「地獄の九所封じ」のように体を封じる「姿鏡体殺封じ」や、硬度10にまで硬化させた腕を旋回させ放つ刺突攻撃「カレイドスコープドリラー」など、悪魔将軍を意識したかのような技を使うのも特徴。
本編では披露しなかったが、『キン肉マンマッスルショット』では無数に具現化した「本性の鏡」から自身の分身を無数に産み出して攻撃する分身技も習得していた模様。
【幻覚】
超人墓場の真の姿を覆い隠すために使用していたミラージュマンの固有能力。
普段はこの力で超人墓場を「極楽浄土のような美しい楽園」に見せかけており、この特殊能力こそがミラージュマンが寝ずの番人を任されていた最大の理由。
悪魔将軍も感嘆するほどの精度を有しており、その精度は最早単なる幻覚という枠組みを超越し、仮想空間レベルに至っている。
この幻覚を見破れず惑わされた者は幻覚世界を彷徨い続け、決して真の超人墓場に辿り着く事はできない。
ミラージュマンの死後も効果が残り続ける強力な能力だったが、彼はこの能力を戦闘に用いていない。
なお彼の作り出した幻覚世界は自身の死に伴い力を失い、残っていた残滓によりかろうじて維持されていたが、将軍に氷のダンベルを叩きつけられた結果崩壊・消滅した。
【ダイヤモンドパワー】
カレイドスコープドリルの備わっている左腕全体を硬度10・ダイヤモンドレベルに硬化させることができる。
使用時には悪魔将軍と同様に
ダイヤモンド結晶のようなエフェクト(輝きはやや鈍い)を発生させるが、彼のように全身をダイヤモンド化させることはできず、強度でも彼と同等のレベルにまでは達していない。
なお、かつて悪魔将軍は
「自分が硬度10を実現したただ一人の超人」だと称していたが、実際には超人ではなく超神である彼の師ザ・マンは別にしても、完璧超人の中には
ネプチューンマンや
ケンダマンなど、ダイヤモンドパワーを使う者が何人か見られる。
ミラージュマンがダイヤモンドパワーを会得したのは悪魔将軍=ゴールドマンが超人墓場を去った後のことであるらしく、それまではダイヤモンドパワーの使い手がザ・マンとゴールドマンの他にはいなかったのだとすれば、他の完璧超人の間にもダイヤモンドパワーを広めた開祖はこのミラージュマンであるのかもしれない。
実際、ミラージュマンやジャスティスマンにしてもダイヤモンドパワーはゴールドマンの能力と認識している節があったので、ザ・マンがダイヤモンドパワーの元祖であるという事実は始祖でもゴールドマン位しか知らなかった可能性もあるし、素性を偽らずに一般完璧超人との関わりを持つ可能性がある始祖もミラージュマン位のものである。
【技】
左肩の突起に太陽光を収束、反射させて相手の視界を奪う技。牽制用。
右腰に装備している防具を「本性の鏡」と呼ばれる大型鏡に変形させてリング上に設置。
その鏡に映った相手の鏡像に攻撃を当てることで、鏡像が攻撃を受けた部位と同じ場所にダメージを転移し、動きを封じる技。
悪魔将軍の「地獄の九所封じ」と同質の技らしく、劇中では相手の両下肢に打撃を加えて両下肢を封じる「下肢封殺」を披露している。
ただし、続いて放った「カレイドスコープドリラー」は本体を狙ったことを考えると、転移できるダメージには限度があるのかもしれない。
なお、悪魔将軍は「ミラースナイプビーム→姿鏡体殺封じ」の連続攻撃を喰らう際にまるで対処する様子も無く、姿鏡体殺封じの効力を見て驚いていたことから、これらの技は悪魔将軍にすら見せたことが無かった奥の手、もしくはゴールドマン出奔後に開発した技であることが分かる。
最強を自ら名乗る者ほど実はもろいもの!
さあ動けなくなった最強の偶像を
この私のカレイドスコープドリラーが叩き壊してやるーっ!
ミラージュマンの必殺技。
硬度10・ダイヤモンドレベルに硬化させた左腕の「カレイドスコープドリル」を回転させて相手を貫く渾身の左ストレートパンチ。
非常にシンプルながら、並の超人ならば腹に巨大な風穴が空く程の威力を誇る。
技を受けた悪魔将軍と本人の弁によると、この技を使用する際に発揮するダイヤモンドパワーは、ゴールドマンが出奔した後で身に付けたものらしい。
動きを封じた将軍にトドメを刺そうとした時に使ったことからこの技が完璧・参式としての「奥義」と考えられるが、現時点では未だ明言されていない。
キン肉サダハル(
ネメシス)が完璧超人入りしようとしたときの試験でも使っているなど、奥義と言うには気軽に使い過ぎているようにも思えるが、前述の様に試験として放っていたのは悪魔将軍に見せた時とは違い拳を回転させていない不完全版なので、単に必殺技=得意技と考えるのなら、自分の中でも絶対に信用を置ける技ということなのかもしれない。
その場合には拳まで回転している(&現代ではダイヤモンドパワーを加えたバージョンが)本気=
完璧参式奥義であり、そうでないなら手加減=単なる力試しに使う程度の威力に留めているということか。それでも並の超人相手ならば容易に肉体を貫けるのは本編の通りだが。
実際、カレイドスコープドリラーの体勢に入らせなかったディクシアに対しては、元より高い超人強度もあってか(更に言えばオメガの民と気づいたからか)それだけで合格としているのだし。
なお、ドリルの内部には神器「氷のダンベル」が内蔵されている。
【劇中での活躍】
劇中では『聖なる完璧の山』に乗り込んで超人墓場に侵攻しようとする悪魔将軍を阻むべく将軍と激突。
基本となる攻防から入りつつも、この後に将軍と闘う
アビスマンが悪魔将軍を凌ぐ自信のある真正面からの戦いに引きずり込んだのとは対照的に、ミラージュマンは旧友である悪魔将軍が認知していない技や能力を中心に戦うことで、彼に対抗する手段を取っていた辺りにも冷静沈着な性格が垣間見える。
そうした裏技に加え、目の前の悪魔将軍=
ゴールドマンの代名詞であったダイヤモンドパワーを身に付けており、強化されたカレイドスコープドリラーを叩き込む。
……しかし、実力は当時から衰えていないものの「完璧」である故にそこから進化しなかったミラージュマンと、望んで覇道に堕ちたことで新たな力を得ていたゴールドマンとは強さに歴然たる開きが生じていた。
同じ硬度である筈のダイヤモンドドリルを受け止められた上に真っ向から打ち砕かれ、そのまま「地獄の断頭台」でマットに沈められる。
自身を破ったかつての同志に「せいぜい侮りすぎぬことだ」と忠告のような言葉を残し、絶命した。
後にミラージュマンの番人の仕事は外部からの侵入者を防ぐだけでなく、"
漆式"
ガンマンのようなイレギュラー粛清を訴える強硬派や、許可なく外へ出ようとする同胞達を抑えるためにも働いていたことが判明した。
特に、完璧超人始祖の同志であるガンマンの思想の過激さ、その暴威が明らかになるにつれ、試合では割を食ったもののファンからの評価は死後相対敵に上がっている。
評価の上昇と共に色々と苦労人のオーラが漂うキャラとして見られるようになったが……。
なんと侵入者や下界に出ようとする強硬派な始祖を阻む“寝ずの番人”だけでなく、完璧超人入りを目指してモン=サン=パルフェにたどり着いた超人へ登竜門の試練も与える役目を持つ試験官として働いていたことが
ネメシスの口から判明。
働き過ぎじゃね?
ネメシスが使った肉のカーテンがシルバーマンの技だと気づいたときには、かつての同朋が残した系譜の帰還に感じ入る様子も見られた。
この時よく見ると
ドリルになっているのが腕の側面だけで相手に触れている拳は回転していないとか、
「手だけでカレイドスコープドリラーを止められると思うか!」と言いながら自らドリルを止めて殴るなど、妙な点が散見される。
が、試練ならダイヤモンドパワーをガチで破れなんて無理ゲーを課すわけにもいかないし、自重しているのかもしれない。
試練を越えたはずの無量大数軍の中にも明らかにカレイドスコープドリラーなんて止められそうにない超人が入ってるし。
ネメシスと相対した際、彼の周りには挑戦者と思わしき
腹に大穴が空いた下等超人の死体が大量に転がっていたため、資格が無いと判断した場合にはそのまま惨殺していたものと推測される。
……戦いながらアドバイスもしていた辺り、見所がある超人ならば通してた可能性もあるが。
或いは、死んでもどうせモン=サン=パルフェの超人墓場に行くわけだから、最初からほぼ落とす前提でそこでの働き次第では敗者復活で完璧超人として認めるなどの措置があったのかもしれない。
"
捌式"
シングマンの古代超人時代の回想シーンでは、野蛮な下等超人への粛清を訴えるガンマンの過激な言動に
「ガ…ガンマン」と
ドン引き困惑する姿が描かれている。
なお、連載版ではその後
ガンマンやシングマンら過激派と共に粛清に赴こうとしたところを「あやつ」に引きとめられるという冷静な彼らしからぬ行動をとっているが、単行本ではその一連のシーンにおいて
ミラージュマンの存在は影も形も無くなっている。
単行本化に際して彼のキャラクターを改めて考慮した故の修正と思われる。
完璧超人入りしたネメシスが兄キン肉タツノリを救うために掟を破って下界に降りようとするのを、背後から軽く力を加え、窘めるように引き止めている。まるでやんちゃ坊主に手を焼くオカン。
スパイとしてオメガ・ケンタウリ星から送り込まれた
オメガマン・ディクシアを試験したのも彼である。
この際もネメシスの時と同様に組み合いから入ったが、ディクシアがミラージュマンを投げ飛ばす形でロックアップを外し、ミラージュマンは受け身をとって着地するとすぐに彼の実力を認めて試験を終え、完璧超人入りを許している。
ネメシスがミラージュマンと組み合った後にヘッドロックをかけられ、どうにかして彼を投げ飛ばそうとするも外されて裏拳を叩き込まれるなど手こずって一度は落とされそうになっていたことと比較すると、生来から高い超人強度を誇っていたディクシアの流石の実力が窺える。
尚、この時にディクシアが完璧超人に値する程に高い超人強度を誇っていると見抜いていたからなのか、それとも師と同様にディクシアの出自に気づいていたからなのか、ネメシスの時の様な完璧超人とする為の装置?を作動させていないことについて、現在まで特に説明がされていない。
この後、ディクシアは超人墓場で着実に信頼を勝ち取っていくと、直ぐに超人閻魔=ザ・マンの親衛隊である
完璧・無量大数軍へと参加するための試験を与えられることになるのだが……。
【余談】
哀しいことよのう
かつては共に理想のアニヲタwikiを作り上げようとした同志…
共にあの日項目を立てた貴様たちwiki篭りと
永遠の時を経て こうして追記し合い修正し合いをせねばならぬとはなァ…
最終更新:2025年01月29日 14:10