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シルバーマン(キン肉マン)

登録日:2016/01/18 Mon 21:38:06
更新日:2026/10/06 Tue 13:05:51
所要時間:約 13 分で読める……そう信じてこの項目が作られたのです





超人を育てるのではなく利用しようとしている
そんなあなたは見たくない

だから僕は兄に賛同したのです

とうとうあなたに引導を渡す日が来たのだと


シルバーマンとは、漫画『キン肉マン』に登場する超人である。


【概要】

属性:完璧超人→正義超人開祖
所属:完璧超人始祖
出身:天上界
身長:220cm
体重:162kg
超人強度:1500万パワー
縁者:ザ・マン(事実上の父)/ゴールドマン(兄)/キン肉タツノリ、キン肉サダハル、キン肉真弓、キン肉アタル、キン肉スグル、その他キン肉王家の一族(遠い子孫)
CV:二又一成(シルバーマン)/松島みのり(銀のマスク)(旧アニメ版)

+ 戦績
vs“完璧・壱式”ゴールドマン△(両者同時死亡)
vs“完璧・拾式”サイコマン○(アロガント・スパーク)

黄金のマスク編

シルバーマンが初めて言及されたのは、旧作『キン肉マン』の「黄金のマスク編」。
この時点では、「平和の神」として兄である「戦いの神」ゴールドマンと共に太古から超人界を見守ってきた存在とされていた。

ある時、一人の子供から「ゴールドマンとシルバーマンは仲がいいから実現しないと思うけど、戦ったらどっちが強いの?」という疑問を投げかけられたことをきっかけに、二人は兄弟喧嘩を始めてしまう。
しかし両者の実力は完全に拮抗していたため、戦いはいつまでも決着せず、地上の被害だけが拡大していった。
これを見かねた裁きの神ジャスティスが仲裁に入り、双方に剣を与える。
そして二人は最後まで互いに譲らず、最終的にはお互いの首を斬り落として相打ちとなった。

ジャスティスは二人の首を回収。
それからしばらく経った後、のちのキン肉族の開祖となる男が自分のマスクを洗濯しようとしてうっかりマスクを川に流した際、一人の神が三つのマスクを携えて現れ「お前が流したのは黄金のマスクか、それとも銀のマスクか、それともこのみすぼらしいマスクか」と尋ねてきた。
その超人は迷わず黄金のマスクを選ぼうとしたが、欲の皮が突っ張りすぎて、うっかり自分のマスクを指さしてしまう。
それを「正直に答えて偉い」と勘違いした神様は、超人に残る二つのマスクを託し、「この二つのマスクを大切に祀るように。さすれば、二つのマスクがお前の一族の繁栄を保証するだろう」と言い残して去っていった。
それ以来、黄金のマスクと銀のマスクは正義超人たちの生命力を支える大事な宝として扱われるようになったとさ。

……以上が、キン肉星に伝わる金銀兄弟についての言い伝えである。

時は流れ現代、悪魔六騎士によってキン肉大神殿に祀られていた黄金のマスクが奪われたことで正義超人たちの生命力が失われる事態が発生。
銀のマスクは即座に生命維持装置を出現させ、彼らを保護する。
その後も、奪われた黄金のマスクの奪還を目指すキン肉マン一行を支援し続けた。

この時点では銀のマスク自身の人格について詳しい描写は少ないものの、キン肉マンたちに助言を与え、正義超人たちを救うなど、基本的には「平和の象徴」に相応しい立場で描かれている。
でもキン肉マンに「奴らをたたきつぶすのです!」なんて物騒なメッセージを送ったり、五重リングでのテリーマンVSアシュラマン戦でテリーに「ウォーズマン助けたいなら君が阿修羅バスター喰らって死ぬしかないよ(意訳)」というメッセージを送ったりしてて、虐殺王の本性はこの時から滲み出していたとネタにされた

一方、黄金のマスクは悪魔六騎士と結託して狂言誘拐を行っており、悪魔超人最後の刺客・悪魔将軍へと姿を変えていた。
ゴールドマンは肉体を取り戻し、弟シルバーマンとの決着をつけることを目的としていたのである。

最終決戦では、ゴールドマン=悪魔将軍とシルバーマンの名代となったキン肉マンが激突。
キン肉マンはバッファローマンの助力を受けながら死闘を制し、悪魔将軍に勝利する。

そしてゴールドマンもまた、正義超人たちの友情の力を認め、シルバーマンと合体。
金銀合体マスク(完璧のマスク、永遠のマスク)となり、傷ついた正義超人たちを癒した後、そのままの姿で再びキン肉大神殿に祀られることとなった。

完璧超人始祖編

このシリーズでは、シルバーマンの素性が大きく掘り下げられる。

その正体は、始まりの完璧超人である完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)“弐式(セカンド)”。
兄ゴールドマンもまた始祖(オリジン)の一人であり、“壱式(ファースト)”の二つ名を持つ。

つまり、旧作では神とされていた金銀兄弟は、厳密には本物の超人の神ではなく、神に近い力と使命を与えられた超人だったのである。

【人物】

シルバーマンは、史上最初の完璧超人であるザ・マンによって選ばれた始祖(オリジン)の一人。
兄ゴールドマンとは互角の実力を持つ、宇宙全体でも屈指の超人格闘技者である。

しかし、戦闘能力とは対照的に、その性格は非常に穏健。
争いを好まず、礼儀正しく、他者に対しても基本的に丁寧な態度を崩さない。
その一方で、自分が正しいと信じる理念については決して譲らない強固な意志を持っている。

ゴールドマンとの兄弟関係

シルバーマンとゴールドマンは、思想こそ大きく異なるものの、非常に近しい兄弟だった。

ゴールドマンがザ・マンと決別して地上へ去った後、シルバーマンは彼を監視する役目を与えられて地上へ向かう。
しかし、そこでシルバーマン自身もまた地上の超人たちに可能性を見出すことになる。

ゴールドマンは「力こそ全て」という思想を強め、力の弱い超人を淘汰することで超人という種を鍛えようとした。
対してシルバーマンは、超人たちが自ら成長し、互いに競い合いながら可能性を広げていくことを望んだ。
この方法論の違いから兄弟は対立するようになったが、シルバーマンは決してゴールドマンを敵だとも悪いとも考えていなかった。
むしろ兄の思想が暴走した場合に備え、自らがその歯止めになることを選んだのである。

その結果、シルバーマンは兄の「ゴールデンキャッスル」の傍らに自らの道場「シルバーキャッスル」を設立。
ここで鍛えられた超人たちが、現代の正義超人の源流となった。

ちなみに、両者の道場の跡地にそれを模して建てられたのが現在の金閣寺・銀閣寺だとされている。

人物像

一人称は基本的に「私」。
ただし、ゴールドマンや他の始祖(オリジン)と話す時には一人称が「僕」に変わり、口調もやや砕けたものになる。

一方で、完璧超人らしい合理的な面も持ち合わせており、目的のためには非情に徹することも辞さない。
太古の時代、許されざる世界樹(アンフォーギブン・ユグドラシル)にて行われた下等超人の粛清において、ゴールドマンと並ぶ高い戦果を挙げたことから、「虐殺王」の異名を持つ。
この異名は現在のシルバーマンの穏やかな人物像からは想像しにくいものだが、彼の超人格闘技者としての在り方が極めて苛烈なものであったことを示している。

容姿

身長は220cmで、185cmのキン肉マンより頭一つ以上大きい。
ゴールドマンと寸分変わらぬ逆三角形の屈強な肉体を持ち、キン肉族の開祖に相応しい姿をしている。

のちにサイコマンの発言から、銀のマスクは仮面ではなく、シルバーマン自身の頭部そのものであることが判明する。
つまり旧作における「銀のマスク」とは、文字通りシルバーマンの生首だったことになる。

地上へ降臨した際には、悪魔将軍の鎧とキン肉族伝統の戦闘服を思わせるアーマーを装着。
さらにマントと小型の円盾を備え、防御を重視する彼の戦闘スタイルを象徴するデザインとなる。

両掌やアーマーには、横倒しにしたS字のような紋章が描かれている。
この紋章は、キン肉王家を象徴するKINマークの原型ではないかとも考えられている。

いつもは穏やかな微笑を崩さないシルバーマンだが、戦闘モードへのスイッチが入るとフェイスガードがせり上がり、険しく冷徹な表情へと変貌する。
これは単なる戦闘態勢ではなく、シルバーマン自身が抱える「完璧超人としての本性」を象徴する姿でもある。

普段は慈悲深く穏やかな人物でありながら、戦闘においては完璧超人として極限まで鍛え上げられた殺傷能力を発揮する。
この二面性こそ、シルバーマンという人物を理解する上で重要な要素である。

【完璧超人始祖編での活躍】

1.正義超人への真実

正義・悪魔超人連合軍(せい・あくドリームリーグ)と完璧・無量大数軍(パーフェクト・ラージナンバーズ)の戦いの最中、キン肉大神殿に祀られていた金銀合体マスクが再び分離し、さらに黄金のマスクだけが消えるという事件が発生。
それを横目に始祖(オリジン)たちと悪魔騎士の戦いが続く中、銀のマスクも突如として光を放つ。

その光はキン肉星から地球へ降り注ぎ、ピサの斜塔やサグラダ・ファミリアなどを照らし出す。
これらはいずれも始祖(オリジン)たちが地上に遺した遺跡であり、悪魔騎士たちの次なる戦いの舞台となった。
しかしこの時のシルバーマン本人の行動はこれにとどまり、本格的に動くのはかなり後になる。

153話でついに国立競技場に降臨。
ブロッケンJr.にとどめを刺そうとするサイコマンを止め、彼の処遇を自分に任せるよう取り計らう。

ここでシルバーマンは、正義超人を生み出した理由について語る。
サイコマンは、正義超人がゴールドマンと悪魔超人を抑止するために作られた完璧超人側の戦力だと主張していた。
しかしシルバーマンはこれを否定。正義超人は完璧超人の駒ではなく、地上の超人たち自身の可能性を伸ばすために作ったものだと明言する。
そして「今回の戦いを見て、君たちはもう自分自身の意思と力で立派にやっていけるという確信を得た」とも……。

彼がこの場に来たのは、自分たち始祖(オリジン)に屈服させるためではない。
むしろ、正義超人たちが自分たちだけの力で未来を切り拓けるまでに成長したことを、彼ら自身に伝えるためだったのだ。

2.ザ・マンとの決別

シルバーマンは、始祖(オリジン)たちを敵として憎んでいるわけではなかった。
「あくまでも方法論が違っただけで、目指している場所は同じ」と考えており、今でも同志だと認めていた。

しかし、超人閻魔となったザ・マンに対しては厳しい言葉を投げかける。
超人を神に認められるほど完璧な存在へ育てることが本来の目的だったにもかかわらず、いつしか「超人を管理すること」そのものが目的になってしまった。
シルバーマンは、「理想を最初に見失ったのは、他でもないあなたではないか」とザ・マンを糾弾する。
さらに、今回の争いも友情パワーという超人の成長の証を恐れ、それを潰そうとしたものだと指摘。兄と同じく、自分もザ・マンに引導を渡すために来たことを宣言するのだった。

3.血みどろの友情

これに黙っていられないのがサイコマンである。
想い同じくする友と信じていたシルバーマンの決別を受け入れられず、超人レスリングによる決着を要求。
シルバーマンもそれを受け入れ、ついに始祖(オリジン)同士の戦いが始まった。

シルバーマンは長い間実戦から離れていたため、序盤はサイコマンに押される。
しかし戦いの中で徐々に感覚を取り戻し、持ち前の防御技術を発揮。サイコマンの猛攻を受け止め、反撃へと転じていく。

その戦闘スタイルを象徴する絶対防御「パーフェクトディフェンダー」を駆使するシルバーマンに対し、サイコマンはマグネット・パワーを持ち出して応戦。
しかしシルバーマンは、マグネット・パワーに対して強い警戒を示していた。

かつてサイコマンがマグネット・パワーを発見した際、始祖(オリジン)たちに使用を提案したことがあった。
多くの始祖(オリジン)が危険視する中、シルバーマンは特に強く封印を主張。
彼は、強大な力そのものよりも、それを扱う者が精神的に成熟しているかどうかを問題視していたのである。

「キミはまだそんな忌まわしい力に頼っているのかい?」というシルバーマンの言葉にもサイコマンは耳を貸さず、マグネット・パワーを利用した完璧・拾式(パーフェクト・テンス)奥義「輪廻転生落とし(グリム・リーインカーネーション)」を繰り出す。
リングそのものをマグネット・パワーの海に変え、引力によって落下速度を増幅する強力なバスター技である。

しかし、戦場にはブロッケンJr.を叩きつけたことで生じた陥没が残っていた。
サイコマンはその穴に気づかず、シルバーマンの頭部をリングへ叩きつけることに失敗。
これを利用したシルバーマンは反撃に転じ、サイコマンのマグネット・パワーによる攻撃を封じる。


この試合 僕はただキミに勝つだけじゃ意味がない
そのマグネット・パワーを完全攻略して勝利する!

そうでないと 意味などないんだ!


そしてついに、自らの奥義を繰り出す。
「アロガント・スパーク」──それはキン肉マンのマッスル・スパークとは似て非なる、あまりにも無慈悲な一撃だった。

4.真の必殺技とは

アロガント・スパークによってサイコマンを撃破したシルバーマン。
サイコマンの吐いた血ヘドで真っ赤に染まった自分の姿を見て怯えるキン肉マンに対し、シルバーマンは静かに告げる。

今のひどい技を見てわかったろう これが私の本性さ

ネメシスはこの技を真の完璧超人にしか使えない究極の技だと絶賛する。
しかしシルバーマンは、その称賛を受け入れない。

自分は正義や友情を素晴らしいものだと思っている。
それでも、それらが自分自身の中心に根付いたわけではなかった。
自分はあくまで完璧超人なのだと。
そして同時に、アロガント・スパークも「完璧な技」ではなく、欠陥だらけの血塗られた技だと断じる。

その理由は明白。
この技は、対戦相手を必ず殺すための技だからである。

敗北した者から命を奪えば、その者が敗北から学び、再び立ち上がる可能性まで奪ってしまう。
シルバーマンにとって、それは超人の成長を促すという理念に真っ向から反するものだった。

シルバーマン自身は、超人墓場を離れた後、この技を不殺(ころさず)の技へ改良しようと試みていた。
しかし、最後まで完全な改良には至らず、悔いを抱いたままゴールドマンとの決闘を迎えることになる。

シルバーマンはアロガント・スパークを自身の象徴として扱いながらも、その完成度を誇ることはなかった。
むしろ超人の未来を殺す技、自らの過去の汚点と捉えていたのである。

さらに、アロガント・スパークにはもう一つ重大な欠点がある。
それは、使い手自身にも大きな負担がかかること。
技の威力があまりにも大きいため、完全な制御には極めて高度な技術を必要とし、コンディションが悪い状態で使用すれば技の反動によって自分自身も大きなダメージを受ける。
しかも殺傷力が極めて高いため、手加減して放つこともできない。

この「諸刃の剣」という性質もまた、シルバーマンがアロガント・スパークを自らの奥義とは認めなかった理由の一つだった。

5.最後のダンベル

サイコマンの消滅後、雷のダンベルを回収するシルバーマン。
最後に残されたのは、ジャスティスマンからテリーマンへ託された光のダンベルだった。
しかし、始祖(オリジン)全員が消滅することを知ったテリーマンは、それを自殺に等しい行為だとしてダンベルを渡すことを拒む。

そこでシルバーマンは問いかける。

では まだ私たちがいないと あなたたちはやっていけないのですか!?

シルバーマンたちが不死の存在となったのは、次代の超人たちを見守り、その成長を助けるためだった。
しかし今や、超人たちは自分自身の力で成長し、神々に認められるほどの存在となった。
ならば、自分たちの役目は終わったはずだと。

そしてシルバーマンは、静かに願う。

私たちを死なせてくれませんか?

テリーマンは涙しながら最後のダンベルをシルバーマンへ手渡す。
これによって10個のダンベルが揃い、始祖(オリジン)たちの物語は終幕へ向かう。

6.さらばシルバーマン

サイコマンは、始祖(オリジン)消失のエネルギーを自ら一身に引き受けて消滅した。
しかし、その直後からシルバーマンの肉体も消滅を始める。
金銀合体マスクとして眠っていた彼は、今回の騒乱に際してゴールドマンと共に行動を起こすことを決めていた。
しかし、肉体を再生するために必要なエネルギーは、一人分しかなかった。
そのため、シルバーマンは万一に備えて、自らも一戦できる程度のエネルギーだけを残していた。

そして今、サイコマンとの死闘によって、そのエネルギーが尽きようとしていたのである。

キン肉マンたちは彼の消滅を悲しむ。
しかしシルバーマンは穏やかに語る。
自分の魂はサイコマンの策によって守られており、これからも超人たちの歴史を見守っていくことができる、と。
そして、これから始まるキン肉マンとネメシスの戦いが、血と殺意に満ちた自分とサイコマンの戦いとは異なるものになることを願い、同時にゴールドマンへザ・マンとの決着を託す。

ではキン肉マン ネメシス
まずはあなたたち二人の試合を楽しみにしています

その結果 キン肉族にどのような新たな歴史が生まれるのか……

あなたたちなら きっとよい結果を生み出してくれると
私は信じていますから

そして兄さん

あの人のことは……兄さん あなたに頼みましたよ

かつて友情という名の花に憧れ続けた男は、再び物言わぬマスクへと戻っていった。

【戦闘スタイル】

シルバーマンは、ゴールドマンとは対照的に防御を主体とした戦闘スタイルを得意とする。
サイコマンからは「防御の天才」と評されており、真正面から相手に組み付き、相手の攻撃を受け止めた上で反撃するのが基本戦術。
その代表がパーフェクトディフェンダーである。

防御を主体としているとはいえ、攻撃力が低いわけではない。
むしろ通常のパンチ、肘打ち、膝蹴りだけでもサイコマンが血を吐くほどの威力を誇る。
つまりシルバーマンは、ゴールドマンと同等の肉体能力・攻撃力を備えた上で、その能力を防御へ重点的に振り分けた戦士といえる。
また、古代の粛清では通常の打撃や組技だけで下等超人を致命傷に追い込んでおり、その攻撃力が並外れていることが描写されている。

一方で、彼の最大の特徴は単純な防御力ではない。
敵の攻撃を受け止め、受け流し、そこから即座に反撃するという、防御と攻撃を一体化させた戦闘技術にある。

友情パワーとの関係

シルバーマン自身も友情パワーを発動することはでき、サイコマンとの戦いでは実際に友情パワーの光を発現させている。
しかし、その光は戦闘が始まるとすぐに消えてしまった。

これは、キン肉マンたちが発揮する友情パワーとは異なり、シルバーマンの場合は「友情」という感情が本人の本質にまで根付いたものではなく、理性によって再現されたものだったことを示唆している。

本人も、正義や友情そのものの価値は認めながら、自分の中心にはそれが根付いていなかったと語っている。
この点は、シルバーマンが正義超人の始祖でありながら、最後まで完全な「正義超人」にはなり切れなかったことを象徴している。

【使用する技】

  • 完璧超人奥義 パーフェクトディフェンダー
シルバーマンが誇る絶対防御にして、現在キン肉族に伝わる「肉のカーテン」の源流となった技。
単純に攻撃を耐えるだけではなく、相手の攻撃を受け止め、受け流し、そのままカウンターへ移行することが可能。
そのため「防御技」でありながら、攻撃技としての性質も非常に強い。

  • 完璧・弐式(パーフェクト・セカンド)奥義 アロガント・スパーク
シルバーマンを象徴する必殺技。別名「殺意の塊」。

基本的な掛け方はマッスル・スパークと酷似しているが、相手の腕や首に与えるダメージが極端に大きい。
空中で相手の両腕を背面へ交差させるように固める「天」で肩や腕・首に大きな負荷をかけ、続く「地」で相手を叩きつける。

マッスル・スパークと違って相手の首を外側に向けて落とす上、受け身も取れないため、完全に決まれば相手を確実に殺す。

そのためシルバーマン自身は「血塗られた技」「ひどい技」「完璧どころか穴だらけ」「不完全極まりない技」と、とにかくボロクソに評している。

「アロガント」は英語の arrogant に由来し、「傲慢な」「尊大な」という意味を持つ。
これは、この技が持つ「完璧超人としての傲慢さ」への戒めを込めた名称と考えられる。

シルバーマンはこの技を「相手を殺さずに敗北を認めさせる技」へと生まれ変わらせようとしていたが、自分ではどうやってもそれが果たせないことを悟り、キン肉族へ後を託す。
彼が残した研究や「フィニッシュ・ホールドの壁画」を手掛かりとして、キン肉族では三大奥義へと繋がる様々な技が研究されていった。

そしてキン肉マンは、王位争奪サバイバル・マッチの最終決戦において、キン肉マン スーパー・フェニックスを殺すのではなく救うためにマッスル・スパークを繰り出した。
それによって、シルバーマンが求め続けた「究極の峰打ち」という理念がやっと完成したのである。
この変化は、単なる技術の継承ではなく、完璧超人の「殺すための技」から、正義超人の「生かすための技」への思想的な転換でもあったのだ。

【余談】

  • 「黄金のマスク編」に登場した銀のマスクは、口を真一文字に結んだ無表情だった。しかし「完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)編」では、銀のマスクの表情が笑みを浮かべたような造形で描かれることが多く、一部の読者から「顔がムカつく」などとネタにされることもある。
    • ただし、この表情は古代彫刻などに見られるアルカイク・スマイルを思わせる造形でもある。アルカイク・スマイルは、生命感や幸福感を表現する古代彫刻の様式。「平和の神」であり、後世のヒーローであるシルバーマンの象徴として考えれば、むしろ意味のあるデザインといえる。
  • グランドジャンプに掲載された番外編『キン肉マン -奇跡の救世主伝説の巻-』では、100万年前、シルバーマンが「ミュースマン」と呼ばれていたことが判明した。
    • この時代のシルバーマンは、悪の超人タイラント一派からクッピン星を守った英雄とされる。ミュースマンの石像も登場しているが、そこでもやはり特徴的な笑顔が確認できる。
    • なお「ミュース」という名称については、ギリシャ語の「筋肉」を意味する言葉を由来とするもの。そのため、直訳すると「キン肉マン」に近い意味になる。
  • 「オメガ・ケンタウリの六鎗客編」で始祖(オリジン)一同がオメガの民を粛清するシーンが描かれた際、名も無きプテラノドン風のオメガ超人がアロガント・スパークを喰らって殺されるシーンが出てくる。
    • 同格の始祖(オリジン)が血ヘドを吐き、下等超人の胴体をぶち抜くキックでも倒しきれないと判断された、あるいはコマ外でその攻撃に耐えた猛者だと言われている(少なくともアロガント天→地が成立するまでは原型を留めていた)。だとすればオメガの民の強大さ・危険性もよく理解できようものだが、何しろ虐殺王時代のシルバーマンがやったことなので、「オメガの民への見せしめのためにあえてアロガントで殺した」可能性も否定できない……。
  • 「アロガント・スパークをデッサン人形で再現するとかけられる側の肩の関節を増やすか壊すかしないといけない」「3Dモデルソフトがエラーを吐いた」などの逸話が存在する。人体はそういう風にできとらん!

【金銀兄弟とキン肉族】

シルバーマンが下野した後、彼に従った子孫たちが現在のキン肉族となったことも、「完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)編」で明らかにされている。
旧作から金銀兄弟とキン肉族の間には強い繋がりが示唆されていたため、この設定については読者から驚きよりも「やはりそうだったか」と受け止められる部分も多かった。

こうして見ると、シルバーマンは単なる「銀のマスクの正体」ではない。
彼は、
  1. 完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)としてのシルバーマン
  2. 地上の超人を導いたシルバーマン
  3. 正義超人を生み出したシルバーマン
  4. キン肉族へ思想を残したシルバーマン
という、キン肉マン世界における「正義」という理念そのものの系譜を繋ぐ人物だったといえる。

そして彼が最後まで完成させられなかった「究極の峰打ち」という理想は、遠い子孫であるキン肉スグルによって、マッスル・スパークという形で完成することになる。
その意味でシルバーマンの物語は、単なる一人の完璧超人の物語ではなく、「力で相手を屈服させること」と「相手を生かしながら勝つこと」の違いを、キン肉族の歴史を通して描いた物語でもある。




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最終更新:2026年10月06日 13:05