ネメシス(キン肉マン)

登録日:2015/07/21 Tue 00:33:57
更新日:2024/12/10 Tue 11:08:00
所要時間:約 15 分で読めます






忌まわしい記憶と共にやつを葬り去るのがオレに与えられし天命・・・

それ以上余計なことはどうでもいい!



ネメシスとは、漫画キン肉マン』に登場するキャラクター。

+ 目次


●概要

所属:完璧・無量大数軍
種別:完璧超人
身長:205cm
体重:140kg
超人強度:6800万パワー


+ 戦績
vsロビンマスク○(“完肉”バトルシップ・シンク)
vsラーメンマン○(マッスル・スパーク)
vsキン肉マン●(マッスル・スパーク)
vsファナティック●(アヴァランチ・デスロード)


2012年に始まり、週プレNEWSでWEB連載されていた【完璧超人始祖編】に登場。
超人の派閥の一つ『完璧超人』の精鋭部隊『完璧・無量大数軍(パーフェクト・ラージナンバーズ)』のメンバーで、『完肉』の異名を持つ。
額に「完」の字が付いたキン肉族のものと思しきマスクを身に着けており、歴代の王族の中でもごく限られた者しか扱えないとされる三大奥義の一つ、「マッスル・スパーク」を使いこなす。
頭の両脇にはマジンカイザーみたいないかつい角のようなパーツがあるが、戦闘時にはスライドして口を覆い、キン肉族の戦闘スタイルのマスクに酷似した形になる。
胸の部分には鎧を着用している。

白目を剥いた敵側のキン肉マンということで王位争奪戦ラスボスのキン肉マン スーパー・フェニックスを思い起こす読者も多かったが、後に明かされたカラーデザインは肌色であるスグルやフェニックスとはまるで違う青白い体色のキン肉族という衝撃的なものだった。

キン肉マンは彼と面識が全くないらしいが、ネメシス自身はキン肉族との因縁や、キン肉マン及びその父である真弓と面識があることを仄めかす発言をしている。


●人物

完璧超人は「超人の神に最も近い存在」と言われ、他属性の超人を「下等超人」と見下す傾向にあるが、彼も例外ではない。
性格は苛烈にして尊大。
完璧超人としての自らを何より誇りとし、真の完璧超人たらんと高潔で正々堂々と振る舞う完璧主義者。
反面完璧超人が掲げる「掟」を絶対視するが故に自身のやることなすことを全て正しいと信じて疑わず、他勢力の超人達を露骨に見下す独善的な一面を抱える。
その極まった覚悟故に完璧超人の使命を果たすためなら仲間だろうが迷わず殺し、上位存在の完璧超人始祖が敗北して超人墓場が崩壊しているのを目の当たりにしても顔色一つ変えない。*1
しかし下等超人であろうと戦って実力を認めた相手に対してはある程度の敬意を払う度量もあり、場合によっては完璧超人入りを勧めることもあるなど、常に見下してばかりという訳ではない。


また他者に常に厳しく接するが同時に自分にも厳しく精神を戒めており、正しく「完璧超人」という超人勢力の思想を具現化したかのような傑物。
仲間であるピークア・ブー「数百年にひとりの不世出の完璧超人」と称賛している。
無量大数軍のリーダー格であるストロング・ザ・武道悪魔超人ザ・魔雲天との戦闘で姿を消してからは、彼がリーダーの役割を担うことになり、以後新シリーズにおける完璧超人という勢力の象徴として君臨する。


普段は完璧超人らしく常に感情を表に出さない冷徹で堂々とした態度の男であるが、自身の出自やキン肉族の事になると感情を露わにし激昂する場面も見られる。
特にキン肉族に対しては凄まじい憎悪と侮蔑、嫌悪の感情を剥き出しにし、人が変わったように罵倒する。


以下ネタバレ注意












●プロフィール

出身:キン肉星
本名:キン肉サダハル
縁者:キン肉タツノリ(兄)・キン肉真弓(甥)・キン肉アタル/スグル兄弟(姪孫)
名前の由来は元プロ野球選手の王貞治氏。

●作中での活躍

1.謎の覆面超人ネメシス

【キン肉星王位争奪編】終了後からストーリーが始まる。
正義超人・悪魔超人・完璧超人による「三属性超人不可侵条約」が締結され、超人界にも平和が訪れたかに見えた。
しかし、ネプチューンマンらと違い他属性との和解を認めない完璧超人の本隊『完璧・無量大数軍』が乱入し、正義超人に宣戦布告。
無量大数軍の一員であるネメシスはこの「三属性超人戦争」の第2ステージから参戦し、その容姿で当初から注目を集めた。

無量大数軍の一員でありながらキン肉マンに敗れても掟通り自害せず、彼との再戦を望んだピークア・ブーに対し、ネメシスは「裏切り者を処刑する」としてマッスル・スパークを仕掛け、周囲を驚かせた。



2.完璧超人の歴史

第2ステージの試合はエジプトのサッカラから鳥取砂丘に移動された階段ピラミッドで行われることになる。
正悪連合軍の面々がピラミッド内部の迷路を抜け、第6ステップではネメシスとロビンマスクが闘うことに。

ロビンはエリート意識に凝り固まり他者を見下すネメシスを過去の自分と重ね合わせ、ロビンは友情の素晴らしさをキン肉マンに代わってネメシスに伝えようとする。
しかしネメシスは「甘えに過ぎない」「一人で何もできない弱者の言い訳」と、これを拒絶。

互いに力と技を出し尽くし、更にはテクニシャン対決とは思えない足を止めての殴り合いすらも演じ、一時は互角に見えた二人の戦いだが、やがて差がつき始める。
切り札の「タワー・ブリッジ・ネイキッド」を破られたロビンは最後の力を振り絞り未完成の必殺技「ブリティッシュ・スティール・エッジ」で反撃するが、あっさりと破られてしまう(おそらく、『キン肉マンⅡ世』に登場する彼の息子ケビンマスクの必殺技「ビッグベン・エッジ」の原型となった技)。
ウォーズマンに自分の後を託したロビンは、「“完肉”バトルシップシンク」で遂にKOされた。

なお、敗れたとはいえネメシスもロビンの人格・実力は認めており、


「相手がオレでなければきさまの勝利はゆるぎなかったのだろうが」

「きさまはオレを倒すのに切り札を出した。正義超人のリーダーがここまで礼を尽くすのにギブアップなどできぬ」

「きさまのような男こそ完璧超人として生まれて来るべきだったのだ」

との言葉を残している。
尚、ロビンのことは本心から評価していたようで、後の『時間超人編(仮)』にて“終焉の刻”ファナティックとの対戦で劣勢に追い込まれた際には密かにラーニングしていた“ロビン戦法”で切り返している。



3.キン肉王家の闇

許されざる世界樹(アンフォーギブン・ユグドラシル)でラーメンマンとの試合中、仲間の死に動じないネメシスもキン肉族のことになると動揺し冷静さを失うことに気付いたラーメンマン。
何故そこまでキン肉族に執着するのか理由を尋ねると、ネメシスは己の素性と過去について語り始めた。

その正体はキン肉マンの祖父であり伝説的な大王として語られるキン肉タツノリの実弟(つまりスグルにとっては大叔父にあたる)。
当初ネメシスは兄であるタツノリの予備という扱いだったが、王族として何不自由ない生活を送り、家族との関係も良好だった。
この頃は額のマークはKINマークで隈取りもなく、頭の形もグレートマジンガー程度のトゲトゲしさでまだおとなしかった。
しかし、ネメシスこそは13歳にして奥義「マッスル・スパーク」を習得してしまう程のキン肉王家でも不世出の天才であり、その天賦の才を畏れ、疎ましがった側近達はネメシスの評判を落とそうとあらぬ噂を立てる等の工作に躍起になった。
これはやがてキン肉星の政治を担う元老院を巻き込む一大勢力へと発展、父王にも「ネメシスの存在は王家にとって災いの種になる」との進言を始めた(回想シーンで進言している側近はハラボテ委員長に似た容姿から祖先と思われたが、単行本では容姿が変わっている)。
結果ネメシスは地下牢に幽閉された上で存在自体も記録から抹消、その存在を口にするだけで処刑されるほどの重罪となる箝口令まで敷かれた。

そして時は流れ、ネメシスは地下牢の中で己の不遇を受け入れて隠遁生活を送っていたが、元老院はそれすらも許さなかった。
大王となった兄タツノリは幽閉されたネメシスの元に何度も通い、彼を救いたいと願っていたが、即位したばかりの彼に元老院の暴走を止める力はなかった。
タツノリは涙を流しながら弟を救えないことを謝罪、更に10日後に処刑が執行されることを伝え、暗に逃亡を促す。
ネメシスもそんな兄の優しさには感謝しており、自分の存在を闇に葬った事はともかく、心優しい兄に辛い思いをさせ、腐敗しきってしまった一族に対して激しく憤るが、タツノリは「彼らを責めるな」「我らの祖である慈悲の心を忘れるな」と忠告した上で弟に今生の別れを告げ、去っていった(なお、この回想シーンの時点では後に明かすタイミングを決めていたのか、タツノリも含めてネメシスの本名を呼んでいない)。



4.伝説の登竜門

牢から脱出したネメシスはキン肉星を離れ、新たな目標を見出すために地球へと向かう。
彼が向かったのは、完璧超人を目指す者が集う登竜門聖なる完璧の山(モン=サン=パルフェ)
そこには門番ミラージュマンと、試練を超えられずに散っていった多数の超人達の姿があった。
ネメシスは完璧超人の資格を得るためにミラージュマンに挑むが、キン肉族王家不世出の天才と呼ばれた男の力を以てしてもミラージュマンには通じず、挙げ句には舐めプ状態の「カレイドスコープドリラー」も破れずに苦戦。
煽られまくったが、ネメシスが苦し紛れにキン肉王家に伝わる防御技「肉のカーテン」の構えを取った途端、ミラージュマンは「間違いない、これはあのシルバーの・・・!?」と動揺を見せて戦いを止めたのだった。
ネメシスが同志シルバーマンの子孫だと気付いたミラージュマンは彼に過去の経緯を説明し、完璧超人の洗礼を授けた。
稲妻の中ネメシスは今の姿となったのだった。



5.友情パワーの目覚め

正義の魂を理解できないまま完璧超人となったネメシスと、理解して完璧超人入りを思い留まったラーメンマン。
火事場のクソ力を最大限に発揮したラーメンマンはネメシスの攻撃を全て紙一重で避け続け、遂に必殺技九龍城落地(ガウロンセンドロップ)を炸裂させる。

だが、この技を受けてもなおネメシスはKOされておらず、「散っていった無量大数軍の仲間のため」に再び立ち上がる。
本人曰く「僅かに技の沸点を外した」ことで生き延びたらしいが、
彼の全身の発光現象とそれが仲間への想いに起因している様子はこれまで正悪連合軍が見せてきた友情パワーそのものだった。

ラーメンマンはそれを見てロビンが伝えた友情パワーがネメシスに発露したことを指摘する。
だがネメシスがそれを認めるはずもなく、逆上した彼は執拗にラーメンマンに攻撃を加えていく。
そして己に慈悲の心が残っていないことを証明するため、敢えて奥義「マッスル・スパーク」を以てラーメンマンの処刑を敢行する。

しかしネメシス自身は確実に殺すつもりで技を放ったはずが、ラーメンマンは死んでいなかった。
完璧超人の掟に従い、試合の外で対戦相手を虐殺することを良しとしないネメシスはラーメンマンを解放するが、何故トドメを刺し切れなかったのか自分でも理解できず、戸惑う様子を見せた。

後に開祖シルバーマンは、ネメシスの「マッスル・スパーク」が完全ではない理由として、「慈悲の心」が欠けていることを指摘。
それは、かつて兄タツノリがネメシスに投げかけたのと同じ言葉であった。



6.肉のカーテンの真実

三属性超人の最終決戦はキン肉マンvsネメシス、悪魔将軍vs超人閻魔という形式で行われることに。
『許されざる世界樹』が選んだ決戦の地は甲子園球場。
ハラボテ委員長の計らいにより、キン肉マンとネメシスは「メディカル・サスペンション」で療養し決戦に備えた。

そして迎えた決戦の日。
超人閻魔はネメシスに「シルバーマンの子孫にもかかわらず、完璧超人の門を叩いてくれたのが嬉しかった」「お前になら完璧超人界の未来を託すこともやぶさかではない」と感謝と期待を語りつつも、弟子である完璧超人始祖と親衛隊である完璧・無量大数軍を次々と失い、離反した元・弟子達の影響もあり、「私は何か間違っていたのか?」と弱気な表情も見せる。

ネメシスはそんな彼に「キン肉族の闇に葬られた自分を救ってくれたのは完璧超人の理念だ」と力説し、キン肉マンを倒すことでその正しさを証明してみせると決意。

独立した個人としての強さを誇るネメシスと、友情パワーを支えに立ち向かうキン肉マン。
互いに激闘を繰り広げる中、友情パワーを再び発露させたネメシスは、キン肉マンのキン肉バスターをペルフェクシオン・バスターで返しダウンを奪うも、それで決着することを良しとせずキン肉マンを無理やり立ち上がらせ、ラッシュを仕掛ける。
キン肉マン絶体絶命かと思われたその時、キン肉マンの父・キン肉真弓がハラボテと共に登場。
彼はネメシスの本名がキン肉サダハルであることと、真弓とハラボテはかつてサダハルからある「教え」を受けていたことを語り始める。

幼少期、隣の星からボテちんが来る度にキン肉星の森で一緒に遊んでいた真弓(当時の額の文字は「王子」)。
ある時、二人が好奇心から森の奥の立入禁止区域に侵入すると、その先には幽閉され隠遁生活を送るサダハルの姿があった。
二人は驚くが、真弓はかつて父タツノリから密かにサダハルの存在と優しい人柄について伝えられていたことを思い出す。

サダハルは兄のため、そして国の分裂を防ぐために今の境遇を受けて入れいることを語り、「タツノリはそれをなんとか変えようと頑張っている」「兄さんの優しい意志をお前達が受け継ぐんだ」と二人に未来を託した。
以後、真弓とハラボテはサダハルとの約束を胸にキン肉王家の闇を振り払うために奮闘してきたという。
真弓の子育て失敗ぶりおよびキング・トーンごときに敗北してた件や、超人委員会の銭ゲバぶりはかなり問題がある気がするが、サダハル的にはスルーしているようだ……そこ、後付け設定とか言わない
尤も、後述するように既にサダハルはキン肉族そのものを見限っていたため、その後の彼らの行動など誤差の範囲なのかもしれない。
もしも見限ってなければ、真弓もハラボテもネメシスに制裁されていただろう。特にハラボテは一度くらいネメシスに制裁されてしまえと言いたくなる程えげつない行動を(主に二世で)やらかしているし

しかし、そんなネメシスが希望を捨て去り、キン肉族を完全に見限るきっかけとなった事件があった。
過去のシリーズで散々語られた「キン肉タツノリが敵の捕虜となり三日三晩拷問を受けながらも、肉のカーテンで耐え切った」エピソード。
この話には、これまで本編で語られていなかった後付け設定ある事実が隠されていた。

そもそも王が幽閉されたと言うのに誰も助けに来なかったのは、その首謀者が元老院であるため。
清廉潔白なタツノリが推進する改革で利権が失われることを嫌った旧勢力は、度々刺客を送り込んだ。
つまり「肉のカーテン」事件もその実態はクーデターだったのだ。
当時完璧超人として超人墓場で暮らしていたネメシスは、完璧超人の掟により助けに行くことは許されなかった。
それと同時に「慈悲の心」のために兄が殺されかけた事実に絶望し、キン肉族の権力ごと解体することを決意。
なおこの事件でタツノリが生還して以来旧勢力は力を失い、真弓の代になっても復活していない。
真弓はこれを「悲しい事件ではあったが、あの奇跡の生還で多くの者が目を覚まし、タツノリが慈悲の心を貫き通したことでキン肉王族の腐敗の一掃を果たした」と述べている。
しかしネメシスはあれしきの事で腐敗の種が一掃されるはずがなく、あれはどんな難局すらも切り抜けるタツノリのバイタリティを目のあたりにして不穏分子が鳴りを潜めただけに過ぎないと考えていた。


7.慈悲の心

ネメシスは「キン肉マンと真弓が完璧超人側に寝返れば、殺すのは勘弁してやる」と宣言。
対してキン肉マンは「いくらアホだバカだと言われようが結構。一族と民を信じるのみ。それが私の大王としての矜持だ」と誘いを断る。
その答えに対してネメシスは「敬意を持って前言は撤回しよう」と返し、今度こそ完膚なきまでにキン肉マンを倒さんと攻めを再開する。

試合を終わらせるべくネメシスドライバーを繰り出すも、ネメシス...否、キン肉サダハルを救う決意に目覚めたキン肉マンの火事場の大回転でバランスを崩した隙に、返しのキン肉ドライバーを食らい今度はネメシスがダウン。
返しで放ったために高度が足りずKOには至らなかったが、後の展開にまで響く大ダメージを受けてしまう。

ここまでの攻防の中でキン肉マンは先述の誘いに対して、「正義超人と完璧超人に主義主張の違いはあれど、優劣はない」
「ネメシスもそれを理解しつつあるからこそ、完璧超人の世界に誘ってくれた」ことを指摘。
出来ることなら再びキン肉族に帰って来て欲しいと、逆にネメシスに誘いをかける。
キン肉マン達にとってこれは単にネメシスを倒すだけでなく、同胞の一人として救うための闘いでもあった。

事実、ネメシスは「兄さんが言っていた慈悲の心とはこのことなんだろう」「コイツらがいなくなった未来でまたこの力が悪用される」と、キン肉マン達のことを既に内心で認めていた。

だが超人閻魔を支え、超人界の平和を守る重責をたった一人で背負わんとするネメシスはこれを拒否。
しかしそこに元・無量大数軍のピークア・ブー、表立って姿を表さないもののネプチューンマンも登場。
彼らから「お前は一人じゃない、完璧超人のみんながお前に期待している!」「これから完璧超人界を立て直していくためにもキン肉マンに勝て!」と激励を受ける。
完璧超人全体の変革の兆しに呆れながらも、ピークア・ブーのセコンドを受け入れたネメシスは闘志を新たにキン肉マンと向かい合うのだった。


8.決着

激闘も後半戦に入り、ピークア・ブーがセコンドに付いたこともあって風林火山を破るなどして勢いを取り戻したネメシスと、火事場のクソ力で粘りに粘るキン肉マン。
一進一退の攻防の末、キン肉マンに先に「マッスル・スパーク」を仕掛けられるも、ネメシスも火事場のクソ力でこれを切り返す。
続いてネメシスの放った「マッスル・スパーク」で決着かと思われたが、ネメシスが仕掛けたのはシルバーマンの奥義「アロガント・スパーク」だった。
「マッスル・スパーク」の前身であり、相手を殺すつもりで仕掛けなければ成功しないために「不完全な技」としてシルバーマン自らに否定された禁断の必殺技てある。
これは、相手を殺さないことを目指し、「慈悲の心」が鍵となる「マッスル・スパーク」はあくまでも正義超人の技だと理解したための選択だった。

だが完璧超人を代表する者のケジメとして彼が放った「アロガント・スパーク」は、ネメシスがとてつもないと言う程に技の掛け手の肉体にも多大な負荷が生じる両刃の剣だった。
相手の息の根を止めようとしたことで慈悲の心=友情パワーも消滅。技を仕掛けた自分の方がダメージが大きいという自滅的結果に終わってしまう。
キン肉マンは完璧超人としての勝ち方にこだわったネメシスに敬意を払いつつ、ついには「マッスル・スパーク」で彼をKO。
なお、キン肉マンは試合終了後、「もしネメシスがマッスル・スパークを使っていたらシルバーマンも認める完全な技になっていたのではないか」とも述べている。
あくまでも命尽きるまで戦おうとするネメシスだが、虚空のタツノリに労をねぎらう言葉をかけられ、穏やかに意識を失う。
それを見た正義超人たちもネメシスの視線の先の「誰か」に思いをはせるのだった。

技のダメージで自害できなくなったネメシスに対し、後継者と見込んだ彼を失うことに胸を痛めつつも、掟通り彼を処刑しようとする超人閻魔ことザ・マン。
だが、ピークア・ブーの直訴や、ザ・マンと闘ってでもネメシスを守ろうとするネプチューンマン、そしてそれら全てに対して何億年単位の先約を主張しザ・マンと決着を付けようとする悪魔将軍の乱入で執行されず。
ザ・マンはネメシスに「沙汰は追って申し付ける」「あの男との一戦を見て猛省して貰いたい」とザ・マンの判断まで自害は待つよう暗に伝えて、かつての特訓場エアーズロックで将軍との決戦に臨んだ。


戦いの果て、ついにわかりあうことができた正義超人と完璧超人だが、馴れ合うことは無く、正義超人が堕落するようならば真っ先にキン肉マンを倒しに行くとネメシス(とピーク)は宣言。
キン肉マンもそれに答え、2人は拳を突き合わせる。
タツノリの「慈悲」への言葉と、彼の志を受け継ぐ2人のキン肉族のカットで完璧超人始祖編は幕を下ろしたのだった。


9.六槍客襲来

オメガ・ケンタウリの六鎗客編にて早速に再登場。
正義超人達と同じく大魔王サタンによる封印を受けてしまい超人墓場から戦いの様子を見ていた。
エキサイトして側近としてザ・マンに対しオメガ・ケンタウリの六鎗客の粛清を主張していたが、超人閻魔を卒業したザ・マンにはやんわりと却下されている


10.超神編

超神編(仮称)ではジャスティスマンがサタンを撃退した後に、超人墓場へ招かれた姪孫のスグルやアタルらを出迎える。
立場と力ある人間にもかかわらず相変わらずビビりモードを発動したスグルにはお約束のように呆れていたが、注目されていたアタルとの邂逅では予想通りに通じ合ったような反応を見せた。
そして、ザ・マンの命により共に側に付くことを許されたネプチューンマンと共に超神からカピラリアの欠片(ピース)を守る任務に就く。
しかし、天上界への道を目指す超神との戦いに赴くリアル・ディールズへの選抜前には真っ先に名乗りを挙げたものの、「お前は実は年寄りだろう(現世代ではあるが祖父世代やないか)」とのツッコミを受けてまたもや留守番をすることに。


11.時間超人編

ザ・マンの命により同志であるサイコマンに似ている“終焉の刻”ファナティックの正体を探るべく飛び出していき有り得ないことに消息不明となったというジャスティスマンを捜索するため、サグラダ・ファミリアへ調査へ向かった。そこでファナティックにより捕らわれたジャスティスマンを発見し、彼を救出するべく戦いに臨む。
ファナティックの一億パワーに苦戦するも、戦いの中再び火事場のクソ力が発露する。しかし最後はアヴァランチ・デスロードに敗れ去る。
そのままファナティック曰く旧式の超人の中でもごく稀に現れる優秀な者を生け捕りにし、貴重なサンプルとして持ち帰るという言葉の下、辛うじて生かされたまま連れ去られるのであった。


●戦闘スタイル

完璧超人入りする前から他を圧倒する比類なき天賦の才の持ち主であったように、その能力は全てが超高水準でまとまったオールラウンダー。
特殊能力を持たず、キン肉マン同様純粋に強靭な肉体のみで戦うという、キン肉族らしいシンプルな戦闘スタイルを得意とする。
ずば抜けて突出した能力は持たないものの、その分あらゆる能力が高次元でまとまっているという、所謂「ただ純粋に強い」タイプの超人。
始祖で例えるとそのスタイルはジャスティスマンに近い。
……ただし、元から才能に溢れすぎている&兄以外には上からの立場で接してきたこともあってか、完璧超人となった後には割と調子に乗りやすかったり傲慢な面も育ってきているように見受けられる。相手に外されないからとは言えやや大技に頼っている傾向があり、未熟な面というかちょっと若者的なイキった雰囲気もある。
だからこそ、痛め付けられても愚直に逆転出来る要素を探るスグル(キン肉マン)にも付け入る隙があり、完璧に自分の心をコントロール出来ていないが故に出す前から不完全と自分でも半ば悟っていた技を繰り出して自滅することにもなってしまった。
そういう意味では、復帰したネプチューンマンと共に間違いなく現世代完璧超人のエース格なのだが、まだまだ成長の余地がある段階にあると言える。

身体的な特徴としては背骨が異常なほど強靭かつ柔軟。タワーブリッジ・ネイキッド、キャメルクラッチに耐えられるどころか、逆にキャメルクラッチ以上に背骨を曲げてラーメンマンの首に足をかけたほど。(タワーブリッジ・ネイキッドは肋骨を折って、より柔軟になる事で乗り切っている。)
……実はこうした肉体的なアドバンテージは、何の技術も身に付けていない頃から持って生まれた強運(に見える程に高い耐久力)によって“奇跡の逆転ファイター”と呼ばれてきた姪孫のスグルと共通している部分だったり。(もっと言えば、天性の肉体の強靭さではスグルが優るが、経験と技術ではネメシスが優るといった所か。)

ずば抜けた天賦の才は完璧超人となってもなお健在であり、無量大数軍でも屈指の実力者として他のメンバーから信頼を寄せられていた他、武道に扮していたザ・マンからも事情を明かす迄ではないにしても目をかけられていた。
“終焉の刻”ファナティック戦での回想では、グリムリパーに扮して実力を隠していたとはいえ、サイコマン直々にスパーリング相手を頻繁に務めていたことが判明。
無量大数軍すら「基本的に捨て駒」と考えていた2人をして本当に期待をかけられる逸材であったのだろう。
またファナティックからもその実力を認められた。

劇中ではキン肉マンの48の殺人技に対して自分なら使う全ての技を殺人技にできると主張したり、シルバーマンが披露したアロガント・スパークを一度見ただけでほぼ完璧に再現し放つといった芸当を見せている。
(ただしスパークの完成度は不完全なもので、完全な技として放つことはできなかった。)


●使用する技

  • マッスル・スパーク
キン肉王家に伝わる三大奥義の一つ。
数回のブリッジで相手を跳ね上げたのち自身も飛び上がり、空中で両足で相手の首と左脚を固定、両腕で相手の腕をチキンウイングに極め「K」の形を作る。
その後、背中合わせで相手の四肢を自身の四肢で固定し「N」の形でブリッジして落下、相手の頭部と四肢をマットに叩きつける。
【キン肉星王位争奪編】でキン肉マンが習得した技と同じものと思われたが、ネメシスと対戦したラーメンマン曰く「似て非なる別の技」。
実際、ネメシスが初披露したのは“裏切り者”ピークア・ブーへの粛清という最悪のタイミングであった。
技そのものの威力では使用歴の長さもあってかスグル以上なのかもしれないが、それでも「似て非なるもの」に留まってしまっていた原因は「慈悲の心」であったと、キン肉族の先祖にしてスパークの祖であるシルバーマンに明かされた。
当初は、それを聞かされても納得のいってなかった様子であったが、最終的にはシルバーマンの希望により組まれたキン肉マン(姪孫キン肉スグル)との戦いを通じて敗れたネメシスも遂に実兄タツノリより姪孫スグルへと引き継がれていた「慈悲の心」を試合途中にして理解することに。
しかし、今やキン肉サダハルからネメシスに名を変えた完璧超人の未来を背負う者として「正義超人の技」を使う訳にはいかないとして心の中で封印され、後述のアロガントスパークに挑ませることに繋がった。
尚、ネメシス(サダハル)の才能自体は評価しているシルバーマン的には「慈悲の心」がないのでまだ未完成という扱いだったようだが、瀕死のラーメンマンを殺す気で放っても殺せなかったという意味では峰打ちとしては完成しているとも言える(ただその後に続く相互理解には程遠いが)。

  • バスターズ・ドッキング
ポーラマンとのツープラトン技。
これはお互い背中合わせの状態で相手超人2人の脚を片方ずつ持ってキン肉バスターを発動するもの。
ただし、作中では彼らがタッグを組む機会はなく、ピークの処刑を妨害する手負いのザ・マシンガンズに対して使われたのみであり、
それもバッファローマンスプリングマン「ディアボロス」の「スプリング・バズーカ」による妨害で不発に終わった。

  • 審判のロックアップ
相手と両腕を絡めて組み合うことで、その力量を測る。
ロビンマスクと組み合い、「超人界の一時代を築きあげてきた歴戦の勇士にふさわしいもの」「ただの凡骨ではない」とその実力を認めた。
かつてネプチューンマン(当時の名は喧嘩男)がロビンと組み合った際には「自分が闘うに値しない相手」と判断していたことを考えると、ロビンがアイドル超人の一員として闘う中で大きく実力を上げたことが窺える。

  • ネメシスドライバー
キン肉マンの「キン肉ドライバー」同様、パイルドライバーの変形技。
空中で相手の体を逆さにし、両腕で相手の両足首を掴むという部分は「キン肉ドライバー」と同じだが、「キン肉ドライバー」が相手の背中側から両腋に脚を掛けるのに対し、こちらは相手の顎にネメシスドロップキックを仕掛け相手に背を向けた状態で顎に両脚を掛けて落下する。
「キン肉ドライバー」と違って相手の両手はフリーだが、顎にかかった足を外すことは名のある超人達でさえも困難であり、「キン肉ドライバー」以上に仕掛ける側の柔軟性が要求される難技である。
明らかに無理くさい体勢だがネメシスの柔軟性とパワーもあってか脱出は困難らしく、当人もキン肉ドライバーを不完全な技と言う程度には自信を持っていた。
しかし当のキン肉マンとの戦いでは火事場のクソ力による大回転で外され、その不完全な技と嘲っていたキン肉ドライバーでのカウンターを受けてしまった。(因みに、カウンターだったので高さが足りずに完全決着に至らなかっただけで、この試合でのネメシスの被ダメージの大半以上はこの時のキン肉ドライバーのダメージによるもの。)

  • ペルフェクシオン・バスター
過去最高の精度といわれたキン肉マンの火事場のクソ力込みのキン肉バスターに対し、同じく火事場のクソ力を使って6→9式のバスター破りとして放った変形キン肉バスター。
通常のキン肉バスターの体制から相手の両腕を掛け手の両足でホールドすることにより、通常のキン肉バスターよりも強固に相手の体を引き付けた状態で落下、相手の主要関節と内臓を破壊する。
アルティメット・スカー・バスターやアルティメット・阿修羅バスターのような頸動脈締めの効果こそないものの
掛け手が腰で着地せざるをえないアルティメット系列と比べて尻で着地できる分落下体勢に無理が無く、高いホールド力からより一層頸椎折りの威力が高まっているものと思われる。ペルフェクシオンは完璧の意。
一方で掛け手の体勢が卑猥と評判。M字開脚やめなさいよ。

  • “完肉”バトルシップ・シンク
謂わば、垂直落下式のパワーボム
カナディアンバックブリーカーの態勢に相手を捉えて大きくジャンプした後に、空中で相手と背中合わせとなるまでに持ち上げて固定、後ろ手に相手をホールドした状態で全身全霊を込めるかのような勢いで落下させつつ、相手の頭部をマットに叩きつける。
キン肉マン戦では、キン肉マンの風林火山をピーク・ア・ブーのアドバイスで火の時点で返し、山の代わりに「動かざること不沈艦の如し」としてバトルシップ・シンクに繋げている。
技名の通り、此れがネメシスにとっての最大奥義……であった筈なのだが、他にもネメシスドライバーや何よりもマッスル・スパークまであるもんだからイマイチ必殺技と認識されにくい。
実際、キン肉マン戦では最大奥義から降格したような扱いをされてしまっていたのだが、“終焉の刻”ファナティック戦では堂々たる必殺技として、後述の火事場のクソ力+強烈なGを加えて超絶パワーアップさせた一撃により、マグネティックパワーの制限を口にしたばかりのファナティックに防御とはいえマグネティックパワーを使用させ、更には五大刻であるファナティックに超回復を使わせるほどの大ダメージを与えた。ただし、それはそれでドライバーはともかくスパークを温存して負けたみたいな印象を残してしまった。

  • パーフェクトディフェンダー
脇を閉めて顎を引き、自分の顔の前方に両腕を構えて相手の打撃を防ぐ。
キン肉マンの「肉のカーテン」とほぼ同じ技だが、防御に特化した肉のカーテンとは違い積極的にカウンターを狙っていく、完璧超人ならではの攻めの防御法。
開祖シルバーマンの技として一族に伝わっていたおぼろげな伝承からネメシスが無意識に編み出した物で、オリジナルをそのまま受け継いだ訳では無い。
時系列的にはタツノリの肉のカーテンより先に完成しているが、コピーとオリジナルの関係ではなく、同じ伝承から生まれた兄弟に近い。
肉のカーテンとの性質の差は、編み出した者の考え方の違いもあるが、何より生み出された時の「状況の違い」が色濃く反映されていると言える。

  • パーフェクトアセイラント
上記の技の状態で攻撃してきた相手の両腕を挟み込み、そのまま上空に放り投げ、自身も後を追ってジャンプ、相手の背中に両手の手刀*2を叩き込む。
キン肉マン戦では放り投げることなく、起き上がろうとするキン肉マンに対してジャンプして直接叩き込もうとした。

  • ネックバンプアップ
首に力を込め、瞬間的に太さを2倍以上にする。
この技でロビンマスクの「ロビン・スペシャル」から脱出するための隙間を作った。
ファナティック戦では首四の字固めからの脱出に使用した。

  • 極・吊り天井固め
変形版のロメロスペシャル。
通常は相手の両腕を締め上げるのに対し、こちらは首をチョークスリーパーで締め上げている。
首絞めの関係で相手の両手はフリーだが、ロメロスペシャルのスペシャリストであるラーメンマンをして「このままではむざむざ殺される」と言わしめる完成度を誇る。
ラーメンマンとの試合ではバックチョークスリーパーホールドの体勢からこの技に移行した。

  • <完肉>新奥義アロガント・スパーク
完璧超人と正義超人の威信を賭けた、真のキン肉王家同士の戦いという、二重・三重の想いと因縁を背負ったキン肉マン戦の決着を付けるべく、ネメシスが新たなる最大奥義として放った技。
前日に見たばかりの自分達の起源である始祖シルバーマンの完璧・弐式奥義を見様見真似で模倣したもの。
マッスル・スパークの原型となった技であり、キン肉族の開祖であるシルバーマンの奥義だが、シルバーマン自身は「不完全な技」として忌々しく思っていた。
しかし、ネメシスはアロガント・スパークの余りの威力に「全完璧超人が手本にするべき技」として称賛しており、その後でシルバーマン本人から諌める発言をされていたにもかかわらず、イデオロギーのぶつかり合いとなったキン肉マン戦において“完璧超人を象徴する技”として繰り出すことを決めた。
マッスル・スパークと比較すると「天」の部分において相手の両腕を背面でクロスさせるように固め 、 「地」 の部分では相手の首を内側ではなく外側に向けて落とすと言う違いがあり、腕と首に一層深刻なダメージを与えるものとなっている。
己の「マッスル・スパーク」が「正義超人の技」だと痛感したネメシスが完璧超人としてキン肉マンにトドメを刺すために使用。しかし、ネメシスのような天才をして慣れない技だったため自爆する結果となってしまった。
なお、この技が極まった瞬間キン肉マンは血を吐き、真弓は涙し、完璧超人陣営(と悪魔将軍)は何とも言えない諦念に包まれ、ピーク・ア・ブーは(マッスル・スパークならば勝利していたのに、と)失敗を確信したのか絶叫するという異様な雰囲気となった。
ちなみによく見るとシルバーマンのものと微妙に違い、「天」部分では左足を相手の左足に絡ませず、マッスル・スパークのように太ももにかける形に簡略化しており、
なにより「地」部分では相手の上半身はマットにめり込んでいるが下半身が浮いた斜めの形になってしまっている。
斜めになったことで衝撃が上手く相手に伝わらず自身に跳ね返ってきた、ということなのかもしれない。

実際、悪魔将軍によれば自分と互角の実力者にして同じく始祖である弟シルバーマンをして、始祖奥義に相応しい威力と、それに応じて跳ね上がる自分にも返ってくるダメージの制御の難しさから奥義から外したと語っており、如何に天才であっても生半可な研鑽では使えない技であったことが指摘されている。(ネメシスもそれは理解していたようだが、矢張り悪魔将軍曰く「こうなる(自滅する)ことを理解していながらも繰り出したのではないか?」とのこと。)


  • キン肉族局中秘伝 亡羊補牢固(ぼうようほろうがた)
ファナティック戦にて“火事場のクソ力”を身にまとって覚醒したネメシス……否、キン肉サダハル様が繰り出した、観戦していた真弓曰く「キン肉族の秘伝中の秘伝」……懐かしの“キン肉スペシャル”やないかい!*3
と、言うわけで真逆の“キン肉スペシャル”のルーツが回収されたことに、展開の熱さに反して熱心な読者は腹筋を崩壊させる者も多数出現したのであった。

  • キン肉族局中秘伝 罵苦怒髏投(バックドロップ)
此方も覚醒したキン肉サダハル様が繰り出したキン肉族の秘伝。
……ここでも、どうして“戦う訓練も受けてこなかったスグルがバックドロップを得意技と出来たのか?”が回収されることに。
最近のお約束のように「何の変哲もないバックドロップ」として余裕で受け身を取ろうとしたファナティックだったが、サダハルは強力なGを発動させた超高速バックドロップとして放ち、受け身を取らせることもなくファナティックを叩きつけたのだった。
余談だが、唐突な漢字での当て字表記に「拉麺男ぽい」「寧ろ、魁!!男塾ぽい」との声も挙がった。



余談



  • キン肉族の事を完全に見限っているネメシスではあるが、例外的に兄のタツノリだけは尊敬しており、「非常に気のいい高潔な男」「王としてもこれ以上ない人物だっただろう」と評している。
    スグルやアタルと会話する際にも言葉の端々にタツノリの事を好意的に言及している。当時はまだ敵対していたスグルに対しても「敬愛するわが兄タツノリの孫キン肉スグル」と呼び、アタルに対しても「清廉だったタツノリの面影を感じる」と述べている。
    このように、ネメシスは作中においてタツノリを侮辱するような言葉を一言たりとも発していない。*4

  • ネメシスは元々自分は王の器ではないと自覚しており、たとえ元老院が何もしなくとも兄を支える道を選び、王位に就く気など毛頭なかった。自分は武芸には秀でていても王としての統率力、カリスマ性が欠けていた事、何より自分にその気が無くとも周囲に対抗馬の神輿として担ぎあげられ兄の脅威となってしまう危険性を自覚していたからである。そのため幽閉されたこと自体は納得していた。

  • ネメシスは脱走時には怒りこそ抱いてはいたものの、まだキン肉族への情を捨てきっていた訳では無かった。彼が本当の意味でキン肉族を見限ったのは、タツノリが敵勢力に捕らえられ三日三晩受け続ける事になったと言う拷問…あの肉のカーテンが生まれた事件の時。
    この事件、実は清廉潔白すぎるタツノリの治世を疎んだキン肉族やその周囲の有力者の暗躍によって起こった悲劇だったのである。
    仮にも正義超人という大勢力のトップが捕まるという大失態も、一人で耐え抜き生還した=最後まで誰も助けに来なかったという異常さも、すべて彼ら元老院が悪行超人の行動を敢えて幇助・看過したが故。
    そして既にキン肉族を離脱し完璧超人へと転身していたネメシスは兄を助けに行く事も許されず、その様を超人墓場に送られる映像として見ているしか出来なかった。
    その為ネメシスは肉のカーテンに対し、兄の偉大さへの誇らしさと、裏切りの象徴としての呪わしさの両方を感じていたのである。

  • 自分の能力を正しく評価して完璧超人の家族として受け入れてくれたり掟を破りそうになった時必死に止めてくれたミラージュマンには思うところがあったようで、ある戦いで窮地に陥った時には自らの力不足を彼に詫びているシーンがある。

  • 「ネメシス」とはギリシャ神話の「復讐の女神」の名とよく言われるが、元来は「無礼に対する義憤」の女神である。

  • 181話でついに長らく不明だった本名が判明。「王になれなかった男の名前がサダハル」という皮肉なネーミング*5に読者も唸った。ちなみに本名予想でサダハルを挙げていた人はそれなりに居た様子。

  • バンダイのアクションフィギュアS.H.Figuartsにもラインナップされており、なんとWEB受注ではなく一般販売。独特の青い体色も再現されており、彼と戦ったロビンマスク・ラーメンマン(衣装もネメシス戦仕様)・KNスーツキン肉マンも発売されているので、激闘を再現できる。なお、アロガント・スパークは可動範囲の都合上、完全な再現は不可能。





冥殿か、誰もが権力争いに明け暮れる哀しいこの国を変えようと頑張っている。
そんなアイツの意志を、遠い未来にお前たちが受け継ぐんだ…
優しいwiki篭りに育つんだぞ!



懐かしい話だ。
当時はそう信じていたが、間違いだった。
その後オレは心変わりをしたのだ…

今は、追記・修正することしか考えていない。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ネメシス
  • キン肉サダハル
  • キン肉マン
  • キン肉星
  • キン肉族
  • 王族
  • 天才
  • 奥義
  • 超人
  • 完璧超人
  • 完璧・無量大数軍
  • 無量大数軍
  • パーフェクト・ラージナンバーズ
  • 完肉
  • 完肉マン
  • マッスル・スパーク
  • アロガント・スパーク
  • 義憤
  • 兄さん大好き
  • 黒歴史
  • 歴史の闇
  • 主人公の上位互換
  • ジレンマ
  • 友情パワー
  • 慈悲
  • 覆面レスラー
  • ネタバレ項目
  • 超人レスラー
  • 結構重い過去持ち
  • ブラコン
  • KY
  • シリアスな笑い
  • シリアスな笑いの宝庫
  • 草尾毅

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年12月10日 11:08

*1 一応、地上にガンマンが出て来ていたのを見た時には驚いていたので、その後で色々と理由を考えるとともに実際に赴くまでには正確な予想を立てられていたのかもしれない。その後の異変を引き起こした悪魔将軍との邂逅では流石に動揺してたし。

*2 実際は貫手に近い

*3 スグルが初期に怪獣と間違えた着ぐるみのパンダに放った“A猪木の卍固めをより複雑にしたなにやらわけのわからないホールドである。”……と説明されていたオリジナル技。

*4 強いて挙げるとすれば再三の裏切りを受けてもなお慈悲の心で許し続けたことを甘いと言ったことくらいである。

*5 「セ」イギから「パ」ーフェクトへ所属を変えた、というダブルミーニングでもある。