登録日:2012/05/22 Tue 21:50:37
更新日:2026/10/06 Tue 12:39:24
所要時間:約 48 分 私の項目を読む栄誉を与えよう
悪魔超人たちよ……いつでもおまえたちの安住の地に戻るがいい
このわたし……悪魔将軍の中にな……!!
【概要】
属性:
完璧超人→
悪魔超人開祖
所属:
完璧超人始祖→悪魔超人軍(首領)
出身:天上界
身長:220cm
体重:162kg
超人強度:1500万パワー
縁者:ザ・マン(事実上の父)/
シルバーマン(弟)
CV:北川米彦(初代アニメ)、
柴田秀勝(映画『ニューヨーク危機一髪!』)、
稲田徹(『キン肉マンジェネレーションズ』『マッスルジェネレーションズ』『マッスルグランプリ』シリーズ)、
森川智之(完璧超人始祖編)
テーマ曲:キング オブ デビル(歌:水木一郎)/Massacre King
|
+
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戦績 |
vsシルバーマン△(両者同時死亡)
vsバッファローマン○(地獄の断頭台)
vsキン肉マン●(キン肉ドライバー)
vsミラージュマン○(地獄の断頭台)
vsアビスマン○(地獄の断頭台)
vsストロング・ザ・武道○(神威の断頭台)
|
バッファローマンら7人の悪魔超人をはじめ、自ら鍛え上げた高弟である
悪魔六騎士に至るまで、あらゆる悪魔超人を束ねる絶対的な支配者。
その圧倒的な実力と揺るぎない威厳によって、悪魔超人軍団の頂点に君臨する。
【人物】
いわゆる悪の大ボスという立場でありながら、配下からは絶大な信頼と忠誠を寄せられ、敵対する
正義超人たちからも畏怖されている。
キン肉マンにとっては歴代の対戦相手の中でも屈指の強敵となり、肉体的にも精神的にも極限まで追い詰められた。
その戦いが残した恐怖は相当なもので、『
キン肉マンⅡ世』の時代に至っても、名前を聞いただけで震え上がるほどのトラウマとして刻み込まれている。
読者からの人気も非常に高く、後述する反則的ともいえる強さや能力も相まって、作中でも宇宙最強の超人の一人として扱われている。
その強さを象徴する逸話の一つが、ジャンプ連載時における最終章である「キン肉星王位争奪編」のラスボス、
キン肉マン スーパー・フェニックスを相手にしても
勝つ可能性が高いとされたことである。
これは2013年7月29日にCSチャンネル「日テレプラス」で放送された特番『キン肉マン 炎の対決でゴーファイト!スペシャル』内において原作者の
ゆでたまごが直接回答したもの。
「友情によってゴールドマンの肉体を出現させられないフェニックスが勝利するには超人預言書を燃やすしかない」という見方は以前から存在していたが、それを踏まえてもなお、悪魔将軍の規格外ぶりを印象づけるエピソードである。
その正体は、かつて正義超人たちから「戦いの神」として崇められていた「黄金のマスク」ことゴールドマン。
その設定の変遷については後述するが、現在では基本的に「ゴールドマンが名を変えた姿が悪魔将軍である」という解釈が定着している。
ちなみに「悪魔将軍」という象徴的な名称は、当時流行していた海外ドラマ『将軍 SHOGUN』にインスパイアされ、悪魔の頭目にふさわしい、威圧感と迫力を兼ね備えた名前として考案されたものだという。
魔界の王族さえも従える、
悪魔超人たちの象徴にして頂点を示す称号と捉えるのが適切だろう。
まさに
悪のカリスマ、魔界の神にも等しい存在である。
容姿
三本の角が生えたデスマスクと、そこから伸びる金髪、そして全身を覆う白銀の鎧が特徴。
もっとも、その正体を踏まえると、金髪もデスマスクと同様、頭部を飾るための装飾にすぎないと考えられる。
原作では当初、赤や赤紫といった非常に派手な配色で描かれており、その後も赤を基調としたカラーリングが採用されることがあったが、アニメ版で描かれた白銀に赤を配したカラーリングが印象的だったためか、後年の漫画でも白銀色を基調に赤を差し色とする配色が定着していった。
原作でも初登場時には「白銀色の鎧をまとった超人」と説明されていたのだが、肝心のカラーページではその設定が反映されておらず、「完璧超人始祖編」以降に改めて設定が整理・確立されるまでは、赤や紫を基調とした配色が原作カラーとして扱われることもあった。
こうした経緯から、メーカーによっては高額フィギュアなどの商品展開において、白銀色の鎧をまとった定番カラーだけでなく、赤や紫を基調としたバリエーションカラーも発売されている。
【戦闘スタイル】
力はサンシャイン
テクニックはザ・ニンジャ
スピードはプラネットマン
残虐性はジャンクマン
ボディの強靭さはスニゲーター
そしてその実体は!
悪魔超人最後の刺客
悪魔将軍!!
一癖も二癖もある悪魔超人軍を束ねる首領に相応しい圧倒的なパワーとテクニック、そして一度受けた技を即座に見切り二度目には完全に攻略してみせる明晰な戦闘頭脳を併せ持つ。
しかし、悪魔将軍の恐ろしさを語る上で何よりも特筆すべきなのは、後述する変幻自在の硬度調節機能を駆使した、常識外れの防御力である。
全身を構成する鎧そのものが悪魔六騎士の集合体であるため、肉体が存在せず、痛みすら感じない。
本体である黄金のマスク(ゴールドマン自身の頭)を除けば、文字通りのがらんどうである。
その上で、正攻法のテクニックにおいても一切の隙がない。
相手の仕掛ける技をことごとく潰し、相手の攻勢そのものを成立させないのである。
さらに、ヨガのポーズを取ることで自身のダメージを回復する能力まで備えている。
苦労して与えたダメージも、軽微なものであればたちまち帳消し。防御力、回復力、そして攻撃を受け流す技術が揃っているのだから、相手にしてみればたまったものではない。
六騎士の能力を自身の戦闘に転用することもでき、キン肉マンとの戦いでは
- 砕けた鎧の破片を六騎士の姿に変化させ、自身の戦闘を援護させる
- 鎧を構成する六騎士の目を利用して周囲を監視し、死角からの攻撃を察知する
- 鎧から六騎士の腕を飛び出させ、接近した相手を弾き飛ばす
と有効に活用。
ここまで来ると、もはや超人というより六人分の戦力を内蔵した移動要塞に近い。
攻撃は効かない。受けたダメージは回復する。技術も一流。
おまけに鎧そのものが多彩な能力を発揮する。
これだけ並べれば、最強という評価すら生ぬるく、チートと呼ぶほかない。
ところが、そんな無敵にも思える悪魔将軍にも、明確な弱点が存在する。
その無敵のボディを支えているのは、ゴールドマンが抱く(というか植え付けられていたというか)「悪のパワーに対する絶対的な信頼」なのである。
精神的な動揺によってその信頼が揺らぐと、本来は存在しないはずのゴールドマンの肉体が実体化を始め、攻撃を無効化する能力も失われてしまうのである。
そして、もう一つの弱点が、本体そのものである黄金のマスク。
マスクを第三者が装着すると、その者の肉体が一時的に将軍の肉体として機能することになり、無敵のボディを維持できなくなる。
キン肉マンはこの弱点を突くため、キン肉ドライバーを開発するに至った。
もっとも、弱点を見抜いたところで、それを攻略できるかどうかは別問題である。
将軍は正攻法ではキン肉マンの技をことごとく返しており、バッファローマンが黄金のマスクを被って肉体にならなければ確実に勝てなかった。
なお、悪魔六騎士は「ええい面倒だ、さっさとバッファローマンの体を乗っ取ろう」などと発言している。そのため、依代となる肉体が別に存在していても、六騎士全員が揃っていれば悪魔将軍のボディに変身できるようではある。
また、「夢の超人タッグ編」では悪魔六騎士のうち誰か二人だけでも悪魔将軍の鎧の一部に変身できることが判明。
下半身に変身して地獄の断頭台を繰り出そうとしたが、六騎士が全員揃っていない状態ではパワーが足りず、逆にキン肉マンの反撃を受けてダメージを負ってしまった。
復活後
ジャンプ本誌での連載完結から数十年、媒体をWebに移して始まった『キン肉マン』の新シリーズ「完璧超人始祖編」において、ゴールドマンの素性が大きく掘り下げられる。
なんと、彼の正体はかつて完璧超人に属していた超人。
それも、始まりの完璧超人である
完璧超人始祖“壱式”だったのである。
「黄金のマスク編」の結末で実弟シルバーマンと和解して以来、キン肉星大神殿で地上を見守っていたが、
完璧・無量大数軍の決起に際して自らも再び立ち上がることを決意。
金銀合体マスクとなったことで得た強大な力で
失われていた肉体を完全に再生させ、かつての自分自身の戦力を取り戻して戦うことになる。
この状態では、悪魔六騎士を媒体とした鎧の特殊能力は使用できない。
攻撃を無効化することもできず、ダメージを受ければ血も流す。
ところが、それで弱くなったかといえばまったくそんなことはなく、むしろ無敵の鎧を失ったことでゴールドマン本来の強さがより鮮明になった。
数億年にわたって鍛え上げられた肉体、圧倒的なパワーとテクニック、そして神の領域にまで達したダイヤモンドパワー……悪魔将軍という存在を支えていた強さのうち、六騎士の集合体に由来する部分を取り除いても、彼はなお最強クラスの実力者だったのである。
さらに、キン肉マンに敗れた事実を受け入れた上でキン肉マンの存在と「友情パワー」の意味を理解して真の目的のために動く理由とするなど、メンタル面でも隙が無くなっている。
かつての悪魔将軍が、あらゆる攻撃を無効化する鎧によって圧倒的な存在感を放っていたのだとすれば、「完璧超人始祖編」のゴールドマンは、「鎧に頼る必要すらない」本来の実力によってその格を証明しているのである。
ゴールドマンに限らず、本シリーズで存在が明かされた他の始祖にも言えることだが、億年単位で鍛え上げてきた始祖ともなると、他の超人の普通の技程度ではまともにダメージを受けたと取れるような描写もなく、回復力も桁違いに高いようである。
部下を直接指導してきたことが真実であったとされたあたり、六騎士を代理の肉体としていた頃の姿の方が仮初めの状態だったのかもしれない。
硬度調節機能
わたしの体内でおまえたちのパワーが結束し
神をも破壊するわたしの偉大なダイヤモンドパワーとなるのだ!!
肉体の硬度を、超人硬度10(最硬)のダイヤモンドから硬度0(軟体)まで自在に変化させる、悪魔将軍の代名詞ともいうべき能力。
硬度10のダイヤモンドボディによってあらゆる打撃技を弾き返し、硬度0のスネーク・ボディでいかなる固め技からも脱出できる。
特にスネーク・ボディは無敵で、キン肉ドライバーの体勢に持ち込まれても、いとも簡単に脱出してしまう。
一方、最大の防御力と攻撃力を誇る硬度10の状態では、汗さえもダイヤモンドと化し、リングまでダイヤモンドに変えてしまう。金になる汗……。
しかし、超人界最硬を誇るダイヤモンドボディも決して無敵ではない。わずかな傷であっても、そこに攻撃を集中されれば鎧を砕かれてしまうことがある。
また、体内のどこかにある「硬度調節機能を司る部分」を攻撃されると、一時的に硬度調節ができなくなってしまう。
だが、実体のない状態で鎧を砕かれた場合には、砕けたダイヤモンドを無数の礫として相手に叩きつけ、その身体を貫くという凄まじいカウンターを繰り出してくる。
さらに硬度調節機能を破壊されてもスネーク・ボディだけは使用できるため、弱点を突いたつもりがかえって手痛い反撃を受けかねない。まったくもって厄介な能力である。
「黄金のマスク編」ではスネーク・ボディを多用していた悪魔将軍だが、「完璧超人始祖編」では、第199話で窮地に陥るまで一切使用しなかった。
……まぁ、この辺は作劇の都合というヤツだろうか。
「完璧超人始祖編」ではゴールドマンそのものとして戦う場面が中心となったこともあってか、硬度調節機能よりもダイヤモンドパワーの方が前面に押し出され、ストイックな戦いぶりが目立つ。
始祖たちからも、ダイヤモンドパワーはゴールドマン固有の能力として認識されていたようだ。
スネーク・ボディの使われ方も、あくまで相手の意表を突く奇策に近いもので、自在に硬度を切り替えながら戦っていた「黄金のマスク編」の悪魔将軍とは、かなり印象が異なっている。
超人墓場で行われた
アビスマンとの戦いでは、それまでの常識を覆す事態が発生する。
アビスマンが、
完璧・肆式奥義「奈落斬首刑」によって、悪魔将軍の硬度調節機能を真正面から破壊してみせたのである。
これは、アビスマンがかねてより口にしていた「正面からのぶつかり合いでは、始祖の誰にも負ける気がしなかった」という自負を裏付けるものでもあった。さすがは鬼より強いアビスマン様である。
その後の
ストロング・ザ・武道(ザ・マン)との決戦でも「破壊された硬度調節機能はそのままなのではないか」と危惧されていたが、実際には短時間で機能を回復させており、ごく普通に発動している。
硬度調節自体は(途方もない)修練によって得られる技術であり、
ミラージュマンや、後の世代に属する
ネプチューンマン、
ケンダマンなどがダイヤモンドパワーを発現させたとされている。
しかし、悪魔将軍とミラージュマンの戦いにおける発言や描写を踏まえると、ひとくちにダイヤモンドパワーと言っても、悪魔将軍やザ・マンと、それ以外の超人とでは、その精度の水準に天と地ほどの差があるようだ。
なお、ダイヤモンドそのものの化身とも言うべき超人・ダイヤマンも存在するが、古代に悪魔将軍によって粛清されている。
【使用する技】
悪魔将軍のもう一つの代名詞にして、最強の必殺技。
相手をスピン・ダブルアーム・ソルトで投げ飛ばし、空中で相手の首に膝を掛け、断頭台にかけるようにリングへと落下する。
初披露の相手は
ジェロニモ。文字通り血祭りに上げた……のだが、この時、
技を掛けられている最中のジェロニモとは別に、それを目撃するもう一人のジェロニモが画面内に存在するという作画ミスが発生してしまった。どういうことなの……。
その後もバッファローマン戦、キン肉マン戦で使用。悪魔将軍の底知れぬ実力を象徴する技として、読者に強烈な印象を残した。
この技の威力を最大限に発揮するには、合体している悪魔六騎士の能力を総動員する必要があるとされており、「夢の超人タッグ編」でアシュラマンとサンシャインが悪魔将軍の下半身に化けて放った際には、本来の威力を発揮できなかった。
一方、「完璧超人始祖編」では、ゴールドマン単独の力で使用しているが、前述の通りゴールドマン≒六騎士の集合体といった力関係なので威力については大きく変化しているわけではない。むしろこちらの方が本来の威力である。
ぶっちゃけてしまえばものすごいニードロップなのだが、『キン肉マン』本編ではほぼ不破の技。キン肉マンですら、将軍戦では耐え抜く以外に有効な対処法を見いだせなかった。
しかも、最終的に生き延びられたのも、火事場のクソ力でロープを手繰り寄せた結果、偶然にもロープが手に当たって技の威力を減じることができたからにすぎない。
その威力は試合中にとどまらず、戦いを終えてリングを降りたキン肉マンを仮死状態に陥らせ、試合後も一ヶ月にわたって40度の高熱にうなされるほどの後遺症を残した。
さらに『Ⅱ世』の時代になっても首には傷が残っており、トラウマになるほどの恐怖を刻みつけている。
攻略法として「空中で相手の首に掛けた脛を、手で押しのけてしまう」というものがあるが、それは対戦相手に悪魔将軍と同レベルの身体能力があってこそ成立する返し方。
『キン肉マンⅡ世』では、
再生アシュラマンの地獄の断頭台に対して、
キン肉万太郎が脛を押しのけようとしたところ、
掌を切断された上で技の直撃を受けるという惨事に終わっている。
技そのものが単純だからといって、誰にでも対処できるわけではないのだ。
そもそも、超人の必殺技というものは、関節を極める箇所や攻撃する部位が多いほど威力を発揮するものも少なくない。
その中にあって、地獄の断頭台は、人体における絶対的な急所である首だけを狙うという、極めて単純な構造をしている。
それでいて作中最強クラスの破壊力を誇るのだから、人気が高いのも当然だろう。
ただし、これほどの威力を誇りながらも、ゴールドマンはこれを完璧・壱式奥義と定めてはいない。
ゴールドマンにとって、奥義とは「師であるザ・マンを一撃で倒せる技」であり、地獄の断頭台は、それを完成させるまでの、いわば暫定的な技だったのだ。
なお、これは完全に後付けの解釈ではあるが、「地獄の断頭台」という名前には、地獄の頭──すなわち超人閻魔を断つための技という意味を見いだすこともできる。
師を超えるために磨き上げられた技の名前として考えれば、なかなかに味わい深い。
超人の肉体に存在する九つの急所を順番に攻め、相手の行動能力を奪っていく一連の技。
単にダメージを与えるだけでなく、相手の力を段階的に削ぎ落とし、最後には抵抗すらできない状態に追い込むことを目的としている。
「自分の体の感覚が一つずつ無くなっていく感覚は筆舌に尽くしがたい」とはキン肉マンの弁。
- その1:大雪山落とし(背中)
- その2・その3:スピン・ダブルアーム・ソルト(肩)
- その4:地獄のメリー・ゴーラウンド(頭)
- その4・その5:ダブル・ニー・クラッシャー(足)
- その6:カブト割り(頭)
- その7:ストマック・クラッシュ(腹)
- その8:パイルドライバー(首)
- その9:超人圧搾機(全身)
これらの攻撃を耐え抜き、特に難関とされるその8・その9をも返した超人に対しては、さしもの悪魔将軍も敬意を隠さなかった。
試合中にもかかわらず、握手を交わして健闘を称えるという、普段の彼からは想像しにくい振る舞いまで見せている。
実はその8とその9は油断を誘うためのダミーであり、以下の2つが真の技。
- その8:握手(握った掌のツボを突き、思考力と超人パワーを奪う)
- ラストワン:地獄の断頭台(首)
それまで単独の必殺技として使用していた地獄の断頭台が、まさかの九所封じの締めとして登場。単体でも最強クラスの技を最後に控えさせるという演出は、読者に大きな衝撃を与えた。
地獄の九所封じ自体は紛れもなく悪魔将軍のオリジナル技だが、その根底にあるのは、師であるザ・マンから教えられた「相手の力を徐々に削いでいくべし」という戦術思想。
つまり、技の一つひとつがどれほど洗練されていても、何を目的としているのか、その最終的な狙いは何なのかを、ザ・マンには見抜かれてしまうのである。
実際、ザ・マンは九所封じの途中で反撃に転じ、逆に悪魔将軍へダブル・ニー・クラッシャーを叩き込み、さらに超人圧搾機で締め上げながら超人パワーまで奪うという、あまりにも絶望的なカウンターを決めてみせた。
なお、作中の技のカウントには、九所封じが単純に九種類の技を順番に掛けるものではないことをうかがわせる点もある。
たとえば、ダブル・ニー・クラッシャーはその4とその5を兼ねている一方、技を決めきれなかった場合にはカウントが進まない。また、その9の超人圧搾機も、それまで封じてきた急所を改めて狙う技であり、単純に九つ目の急所だけを攻めるものではない。
こうした構成も、九所封じが相手の身体を段階的に攻略するための技であることを示している。
両足を首の後ろにかけるポーズを取って気合を入れることで、肉体のダメージを回復する能力。
軽度のダメージであれば瞬時に治癒してしまうだけでなく、超人強度を6倍に高めるという効果まで備えている。ヨガとは一体……。
悪魔将軍の超人強度は、本編では1000万パワーとされる一方、プロフィールなどでは1500万パワーと記載されている。後者を基準に単純計算すれば、なんと9000万パワーにまで達することになる。
超人の神の超人強度が1億、火事場のクソ力発動時のキン肉マンが7000万、一般超人の中では最高クラスの
オメガマン兄弟が8600万とされる世界観において、9000万という数値は、まさしく神に迫る領域である。
「
完璧超人始祖編」以降、悪魔将軍の能力や出自が掘り下げられたこともあり、この数値にも改めて意味を見いだせるようになった。
ザ・マン戦では最後まで使わなかったが、一部の読者からは「硬度調節機能以上にザ・マンに教えられた技っぽいから使ったところでザ・マンにも使われるんじゃね?」とか言われている。
両腕から「ダイヤモンドソード」と呼ばれる剣を伸ばし、回転しながら突撃して相手を斬り刻む技。その切れ味は凄まじく、ダイヤモンドボディの状態で繰り出せば、
ロビンマスクの鎧(超人硬度9)すらあっさりと両断してしまうほど。
こんなメリーゴーラウンドはイヤだ。
地獄の九所封じではその4にあたり、頭部への串刺しを狙う。キン肉マンとの戦いでは、ダイヤモンド化したマスクによってダイヤモンドソードを破壊され、攻略されてしまった。
ジャスティスマンの回想によれば、金銀兄弟が互いの首を切り落とした際に使用した剣も、この技に由来するものと思われる。したがって、腕から剣を出す能力は兄弟に共通するものだった可能性が高い。
相手をロメロ・スペシャルに捕らえ、その体勢のまま回転。
遠心力を利用して相手を振り回し、コーナーポストなどに叩きつける、単純ながらも豪快な技。
ただのアイアンクローも、悪魔将軍が使えば恐怖の処刑技に早変わり。
バッファローマンのような巨体を誇る超人すら片手で持ち上げてしまうのだから、その握力と腕力は尋常ではない。
相手を持ち上げた状態からワンハンドスピンスラムでリングへ叩きつける、「地獄の超特急」へと派生する。
軟体を生かして相手の頭部に巻きつき、頭蓋骨を締め上げて破壊する技。
頭蓋骨が砕ける音がエグい。
単純に頭蓋骨を痛めるだけでなく、相手の呼吸を妨げたり、視界を封じたりすることで、焦燥感を煽りつつスタミナをも奪う効果も備えている。
バッファローマンを戦闘不能に追い込んだ技であり、あのザ・マンに対しても、一定のダメージを与えることに成功していた。
相手の頭部に巻きつくという特異な動きと、悪魔将軍ならではの軟体を生かした、かなり凄惨な攻撃である。
リングに倒れた相手に対し、頭から急降下して体当たりを仕掛ける技。
性質上、攻撃の軌道や動作が比較的読みやすく、キン肉マンに対して放った際には二発目を
キン肉バスターで切り返されてしまった。
忘れろこのヤロー!
【作中での活躍】
黄金のマスク編
7人の悪魔超人および悪魔騎士たちを倒したおまえたちに
このわたし……悪魔将軍と戦う栄誉を与えよう
ウォーズマンの体内で繰り広げられたアイドル超人と悪魔騎士の戦いが終わった後、キン肉マンたちの前に姿を現す。
まずジェロニモを倒してリサイクル・ゾーンを消滅させ、アイドル超人たちの脱出を阻止。その後、ウォーズマンの涙を通って脱出したキン肉マンに地獄の断頭台を繰り出し、圧倒的な実力差を見せつける。
しかし、キン肉マンが発揮した火事場のクソ力にはさすがの悪魔将軍も耐えきれず、片膝をつくこととなった。
キン肉マンVSアシュラマン戦では、自ら再生させたバッファローマンとともにアシュラマンのセコンドにつく。
キン肉マンをそれとなく援護するような言動を見せるバッファローマンを牽制しながら試合を見守り、アシュラマンが敗北すると、その介錯を行った上で彼を自らの力として取り込んだ。
続けてキン肉マンとの決着をつけようとする悪魔将軍だったが、そこへ立ちはだかったのは、キン肉マンの新必殺技・キン肉ドライバーの習得に必要な時間を稼ぐため、将軍に反旗を翻したバッファローマンだった。
決死の覚悟で悪魔将軍に立ち向かうバッファローマン。しかし、彼は過去、将軍とのスパーリングで何度も敗北を喫してきた経験から、自分では絶対に勝てないと確信していた。
ところが、悪魔将軍は地獄の超特急をヘッドシザースで切り返した際、普段はダウン知らずの自分をマットに這わせたことを指摘。
さらに、バッファローマンの実力を認めるかのような発言を繰り返し、「今の実力なら勝てるかもしれない」という希望を抱かせる。
だが、それも悪魔将軍の狡猾な心理戦だった。
スペシャル・ハリケーン・ミキサーを食らっても、悪魔将軍は平然と立ち上がる。
そして、驚愕するバッファローマンに対して「自分は痛みを感じない」と告げ、さらなる動揺を誘う。
そこからは一転、バッファローマンを一方的に蹂躙していった。
それでもバッファローマンは諦めず、背中にロングホーンを突き刺して食い下がる。
しかし、悪魔将軍は容赦なくスカル・クラッシュを繰り出し、その頭蓋骨を破壊。さらに地獄の断頭台へとつなげ、ついにバッファローマンを仕留める。
もっとも、バッファローマンの本来の目的である時間稼ぎは成功していた。地獄の断頭台が炸裂したその瞬間、キン肉マンが帰還したのである。
「バッファローマンのためにも、新必殺技・キン肉ドライバーで必ず悪魔将軍を倒す」と意気込むキン肉マン。
その気迫に多少押されながらも、悪魔将軍はバッファローマンを医務室へ運ぶ彼の背中に向かって、「よかろう。これでおまえも最期だ、パパやママやお友達に別れを言ってくるんだな、ワハハハハ」と高笑いを浴びせるのだった。
ヒールをエンジョイしすぎである。ザ・マンが見たら泣くぞ……
その正体は、神であるゴールドマン、すなわち黄金のマスクと、
大魔王サタンが結託して生まれた存在である。
その経緯をざっくりまとめれば、
弟とのケンカが引き分けに終わったことを悔やむゴールドマンにサタンが協力した結果
正義と悪魔による一大戦争の発端が、まさかの兄弟喧嘩だったという事実に、その場にいたすべての観客と超人たちは言葉を失った。
しかも、裁きの神ジャスティスの下で潔く決着がついたはずにもかかわらず、それをなお認めようとしないゴールドマンの頑なな態度は、さらなる衝撃を与える。
しかし、その異様なまでの執念を目の当たりにしたことで、キン肉マンの胸には再び激しい闘志が燃え上がっていく。
黄金のマスクよ
あんたが正当な正義で銀のマスクに戦いを挑むのなら
我々は 何も言うまい……
しかし 悪魔の側に立って戦いを挑むのが気に入らねえ!
もう こいつはあんたたち兄弟だけの問題じゃない!
正義と悪と どちらが勝つかの生き残りデスマッチだぜ!!
いよいよ始まったキン肉マンとの決戦。
しかし、実力差は依然として歴然としており、多少の誤算こそあったものの、悪魔将軍は終始圧倒的な優位を保っていた。
ところが、キン肉マンは火事場のクソ力を発揮し、悪魔将軍の予想を超えて幾度となく死地から立ち上がる。ついには、必殺の地獄の断頭台までもが破られてしまった。
悪魔将軍にとって皮肉だったのは、キン肉マンを苦しめるための策が、結果として彼を支える力を際立たせてしまったことだろう。
正義超人たちの友情パワーに支えられ、仲間たちの声援を受けながら、何度倒されても立ち上がるキン肉マン。その姿は、勝利のためなら手段を選ばない悪魔将軍の信念を、少しずつ揺るがしていく。
そして最後には、キン肉マン自身の不屈の闘志に加え、勝利のために自らを犠牲にしたバッファローマン、さらには正義超人たち全員の思いが結実。最強を誇った悪魔将軍も、ついに敗北を喫することとなった。
戦いの終結後、黄金のマスクは改心し、銀のマスクと合体。金銀合体マスクとなり、この戦いで傷ついた超人たちを復活させた。
戦いに情けは無用 大切なのは
怒りと憎しみの悪のパワーだと思っていたが……
キン肉マン お前を見てそれは間違いだとわかった
戦いで大切なのは だれかのためにという
愛の精神だと言うが……キン肉マン お前は
その だれかという対象が多ければ多いほど
自分の実力以上の力を発揮した……
それが友情のパワーと知った時
わたしは はっきり敗北を実感した!
新章で設定が整理され、「黄金のマスク編」の悪魔将軍は
大魔王サタンがゴールドマンに憑依していた状態だということになった。
一方、「
オメガ・ケンタウリの六鎗客編」ではそのサタンがめっちゃ小物じみた振る舞いを見せたため、「ゴールドマンともあろう者が、あんな奴に操られてたのか」と困惑する読者も一部に見られた。
ただし、この点については、ゴールドマンが置かれていた状況を考慮する必要がある。
かつてザ・マンを超えることを目指しながら、その大願を果たせないまま首だけの存在となったゴールドマンにとって、再び肉体を得ることは悲願を遂げるための大前提だった。
そう思えば、サタンの誘いに乗ったことも、単純に相手の格を見誤った結果とは言い切れない。利用できるものは利用するという、切迫した事情があったとも考えられる。
また、ゴールドマンは、超人をさらなる高みへと進化させる原動力が「感情の力」にあると考えていた。そして、この時点では、とりわけ「憎しみの力」に大きな可能性を見いだしていたように見える。
だとすれば、サタンの支配下に置かれることも、単なる妥協ではなく、憎しみという感情の力を極限まで引き出すために、あえて受け入れた選択だった可能性もある。
もちろん、これは後の設定を踏まえた解釈であり、当時のゴールドマンがどこまで意図していたのかは断定できない。
それでも、後年の描写によってゴールドマンの思想や信念が深く掘り下げられた今となっては、悪魔将軍の誕生を単なる「サタンに操られた結果」として片づけるのは、少々もったいない見方ではないだろうか。
さらに、2024年7月から開始された「完璧超人始祖編」アニメにて、この時代のゴールドマンの行動についてバッファローマンが「ゴールドマンとして復活して、地上を粛清するつもりだった」と発言。
……確かに、現在の世界観を踏まえた設定だとそっちの方が自然な流れだが、ある意味では『Ⅱ世』をも含む旧連載時までの悪魔将軍の設定をひっくり返すような設定変更がされた可能性もある。
(一言で言うなら、サタン様の重要度がまた下がった)
キン肉マンⅡ世
キン肉マンだと? フン!
悪魔将軍であるこのわたしが正義超人というものを認めたことはない
わたしの認めぬ超人たち……
それはこの宇宙に存在することさえあってはならんのだ!!
ゆでたまご名物の設定改変&設定矛盾によってむちゃくちゃ矛盾だらけになった。
六騎士の集合体なのに悪魔超人軍一同と一緒に撮った記念写真が出てきたり、将軍様直々に黄金のマスクを奪ったり、そもそも正体なんてなかった扱いに。
まさかこっちの描写の方が正しかったとは超人閻魔様でも思いもしなかっただろう
最強の悪行超人の一人として、ヘラクレスファクトリーでも授業に取り上げられていた。
中身であるはずのゴールドマンもヘラクレスファクトリーの闘技場「ヘラクレスの掌」を作った(勢いで「ヘラクレスの足の裏」も作ったもののふと我に返って封印した)神々として登場。
「
悪魔の種子(デーモンシード)編」にてミートくんの肉体を使って復活しようと企み、無名の弱小超人たちにパワーを与え、新世代超人と元悪行超人が合体した新生アイドル超人軍と争った。
各試合会場は古代悪魔超人の遺跡で、各種の悪魔将軍グッズが登場するほか、最終的に試合会場自体が合体して巨大な悪魔将軍像になる。
本人は復活直前でアシュラマンの信奉する悪魔超人道に反する行いをやって抗議を受け失敗し、結局本編に登場できなかった。
バゴアバゴア~
あくまでファンの推測だが中身はサタンそのものか、口調がやけに粗暴なので悪魔騎士のうち『Ⅱ世』に出てこないスニゲーター、プラネットマン、ジャンクマンの合体ではないかと言われていた。
完璧超人始祖編
そんな創られ護られた「完璧」などに意味は無い
お前たちはもはや とうの昔に「完璧」などではなくなっている…
前述の通り、かつてのゴールドマンは、超人という種を救うべく地上に降り立った「慈悲の神」ことザ・マンに最初に見出された超人であったことが判明。
その実力と存在感は、同じくザ・マンに見出された他の始祖たちからも一目置かれるほどだった。
しかしザ・マンは、やがて自らの理念を暴走させ、「完璧」という理想像を超人界全体に押しつけるようになってしまう。ゴールドマンはそんな彼に失望し、周囲の反対を振り切って自ら始祖の座を捨て、己のやり方で地上の超人たちを導こうとしたのである。
ゴールドマンから悪魔将軍へ──悪魔超人軍の成立
現在の設定を整理すると、ゴールドマンの歩みは、おおむね次のようになる。
- 超人墓場を離れ、感情の力に可能性を見出して地上へ出奔する。
- 無秩序な闘争を続けていた下等超人たちを力で統率し、別の勢力を率いたシルバーマンと共に、地上を群雄割拠の戦場へと変えていく。
- 指導を強化するため、現在の京都・金閣寺にあたる場所に、本拠地となる道場「ゴールデンキャッスル」を設立。
- さらに厳しい指導についてこられる弟子だけを引き連れて魔界を誕生させ、悪魔超人軍を結成する。
- 超人墓場からの介入を受け、兄弟のどちらか一方だけでも超人墓場へ戻るよう通達される。
- 自分が地上を離れた後に備え、アシュラ一族に魔界の管理を委任する。
- シルバーマンとの決闘の末、相打ちとなって黄金のマスクになる。
- サタンと協力しながら、悪魔超人軍を陰ながら指導する。
- 7人の悪魔超人を超人界へ送り込む。
- 六騎士に黄金のマスクを盗ませ、正義超人軍を打倒しようとする。
- そして、悪魔将軍として復活した後も、最終的にはゴールドマンとして地上の大粛清を行うつもりだった。
といったところである。
こうして振り返ると、悪魔将軍の行動には一貫して「自らの信念に基づき、力によって超人たちを導く」という姿勢が見て取れる。
しかし、その理想が必ずしも正しい方向に向かうとは限らない。超人たちの可能性を信じていたはずのゴールドマンも、いつしか自分の理想を実現するために、彼らを力で支配し、粛清する側へと傾きかけていたのだから皮肉な話である。
また、ゴールドマンとシルバーマンが神として語り継がれてきた経緯も、ミラージュマンの発言によってある程度説明がつくようになった。
二人は、その圧倒的な強さゆえに地上の超人たちから「生き神様」のように崇められ、その伝承が後世に残った。そして、死後も本物の神として奉られるようになった──ということらしい。
一連の出来事そのものが神話化され、伝説として語り継がれていったわけである。
これは
完璧超人始祖が「最も神に近い超人」であるという設定を踏まえれば、さほど大きな矛盾はない。
何しろ、彼らは実際に超人の神の代行者として世界の管理を担ってきた存在である。現代の超人たちが、彼らにまつわる伝承を神話として受け取り、神そのものとして崇めていたとしても不思議ではない。金銀兄弟や
ジャスティスマンなどは、まさにその典型だろう。
さらに
サイコマンやアリステラの説明によれば、
始祖は超人だけでなく、
明智光秀などの普通の人間にさえ無意識下で啓示を与え、歴史を動かしてきた存在でもある。そう考えると、超人の神は、地上の管理をほとんどザ・マンと
始祖たちに任せきりにしていたのではないか、という疑念すら浮かんでくる。
「あのザ・マンが管理してるなら問題ないだろう」そんな認識で、キン肉星の大王に王位を認める程度の仕事しかしていなかったのではないか?
……いや、さすがに言い過ぎかもしれないが、
始祖たちの活動範囲を考えると、あながち的外れとも言い切れないのが困ったところである。
覇道を掲げた指導者と、悪魔将軍という存在
完璧超人始祖が超人墓場から間接的に地上を操作していたのに対し、ゴールドマンは自ら地上に赴き、超人たちを直接鍛え上げる道を選んだ。
彼が是としたのは「覇道」。力によって秩序を打ち立て、超人たちを導いていくという考え方である。
しかし、弟シルバーマンとの対立が深刻化すると、ゴールドマンはゴールデンキャッスルを離れ、超人墓場をモチーフとして自ら作り上げた魔界へと拠点を移す。
この時、ゴールドマンに従って地上を離れた超人たちが、悪魔超人の始まりとなった。
また、地上にいた頃からゴールドマンは徐々に悪魔将軍の姿へと近づいていったようである。
シルバーマンとの決闘を経て黄金のマスクとなるまでの、どこかの時点で現在知られる悪魔将軍の姿へと変貌したものと思われ、回想シーンでは悪魔将軍の鎧によく似たコスチュームを身に着けた姿も登場している。胸のパーツだけなので絶妙にダサいと評判
そして、しばらく首だけとなって魔界を離れていたゴールドマンは、何らかのタイミングで悪魔将軍として復活し、現代の悪魔超人軍を直々に鍛え上げたのだろう。
完璧超人始祖との決戦
キン肉マンたちとの戦いを経て、サンシャインやバッファローマンだけでなく、ゴールドマン自身にも心境の変化が生じていた。
そんな中、超人閻魔(ザ・マン)が率いる無量大数軍が、現行の超人たちによって結ばれた不可侵条約を破り、地上へと侵攻してくる。
戦いや経験を積み重ねることで、超人という種は進歩していく。ゴールドマン自身も、そうした可能性を認めるに至っていた。
しかし、超人閻魔と化したザ・マンは、それを認めようとしなかった。
自分を頂点とする完璧な管理体制を維持するため、超人たちの破壊と再生を繰り返そうとするかつての師。
そして、その変節を憂いながらも、長年にわたって見て見ぬふりを続けてきた同志たち。
ゴールドマンは、師に対する憤りだけでなく、同志たちへの失望、そして彼らを止められなかった自分自身への後悔と責任を抱えていた。
だからこそ、完璧思想の根源たる彼らに引導を渡すべく、自ら超人墓場へと殴り込みをかけたのである。
最初の相手は超人墓場への入り口「聖なる完璧の山」を守るミラージュマン。
地獄の九所封じを彷彿とさせる「姿鏡体殺封じ」に多少手こずらされたものの、ダイヤモンドパワーで圧倒し、これを殺害する。
続くアビスマンとの戦いではダイヤモンドパワーを攻略されたものの、今度は純粋な技術で上回った。
奥義「アビスガーディアン」を真っ向から打ち砕き、アビスマンを血祭りに上げた後、超人墓場の超人パワー精製装置「禁断の石臼」を破壊。
現世と超人墓場をつなげて悪魔六騎士を墓場に呼び込み、残る始祖を彼らに任せて、自らは墓場の最深部「文字盤の祭壇」へ突入した。
やがて悪魔騎士全員の勝敗が確定した頃、異変を探りに来た
ネメシスの前に、悪魔将軍が再び姿を現す。
その場所は、ザ・マン──否、超人閻魔の玉座。
かつての師の玉座に堂々と腰掛けるその姿は、まさに圧巻の一言だった。しかも、先のアビスマン戦で受けたダメージは、すでに回復していたのである。
ここで、悪魔将軍が始祖全員の抹殺にこだわった最大の理由が明らかになる。
悪魔将軍の計画とは、自分も含めた10人の始祖が持つ「絶対の神器(ダンベル)」をすべて集め、「起こりの石板/ビギニング・ストーン」に捧げることで、自分自身もろとも完璧超人始祖という存在をこの世から消し去ることだった。
勝ち残ったジャンクマン、サンシャイン、ザ・ニンジャが獲得したダンベルを回収した悪魔将軍は、超人閻魔の気配を察知し、日本の国立競技場へと移動する。
そして、国立競技場に蘇った「許されざる世界樹」のふもとで、ついにかつての師・超人閻魔と対峙した。
かつての寛大な人格者としての面影を失い、待ち望んでいた「神を超える可能性」を持つキン肉マンの力さえ認めず、本気で抹殺しようとする超人閻魔。
その姿を目の当たりにした悪魔将軍は、神器による消滅という過去の誓いにこだわる必要は、もはやないと判断する。
こうして両者は臨戦態勢に入る。
いよいよ決戦か──と思われたが、生き残った完璧超人たちの介入や宇宙超人委員会からの提案もあり、勝負はいったん預けられることになった。
その後はサンシャインと共に、正悪連合軍と完璧超人軍の戦いを静観。
その最中、自らの在り方に迷いが生じていたバッファローマンを叱咤し、悪魔将軍なりの激励を送って奮い立たせた。
やがて
ガンマンがバッファローマンに敗れ、ジャスティスマンがテリーマンの信念を認めて試合を放棄。
そして、残るサイコマンも、ついに降臨したシルバーマンに敗れたことで、ダンベルはすべて回収される。
悪魔将軍は、愛弟子であるサンシャインに、自分が消滅した後の悪魔超人軍のすべてを託す。そして、集めた神器の残りを祭壇に納めるよう命じた。
自らの消滅という運命すらも静かに受け入れ、後進へと未来を託す。その潔さは、まさしく完璧超人始祖という超越者にふさわしいものだった。
号泣しながら悪魔将軍を称え、神器を祭壇に捧げるサンシャイン。
ところが、悪魔将軍たちが消滅するはずだったその時、驚くべき事実が発覚する。
サイコマンが消滅システムに細工を施し、自分一人だけが消え去るように仕向けていたのである。
結果として悪魔将軍、シルバーマン、ジャスティスマン、超人閻魔は命を拾うことになった。
かつて自分と反目し合いながらも、「進化の可能性に最も近い存在」と認めていたサイコマン。
その犠牲によって、悪魔将軍は図らずも生き残ることとなったのだった。
悪魔将軍と超人閻魔、最後の頂上決戦
その後、阪神甲子園球場で行われたキン肉マンと
ネメシスの試合を見届けた悪魔将軍は、ついに動き出す。
向かった先は、はるか昔、ザ・マンと二人きりで修練に励んだ場所──エアーズロック。
かつて師弟として共に高みを目指した二人が、今度は互いの信念を懸け、
頂上決戦に臨むこととなった。
ザ・マンよ もし私の歩んだ道に反省すべき点があるとすれば
それは貴様に現実をしっかり認識させてやれなかったことだ
積年のその憂いを払拭するため 私はここにやってきた
貴様の“永遠”も今日をもって終わる!
その区切りをつけてやること
それが神を降りた貴様に最初に救われた…
この私にできる 最大の恩返しだ!!
ダイヤモンドパワーを発動した上で必殺の地獄のメリー・ゴーラウンドを繰り出す悪魔将軍だが、それに対抗してザ・マンことストロング・ザ・武道も同等のダイヤモンドパワーを発動。
ここに、究極のダイヤモンドパワー同士による激突が実現する。
この戦いを通じて明らかになったのが、ダイヤモンドパワーの起源は、超人閻魔ことザ・マンにあったという事実である。
また、悪魔将軍のスネーク・ボディについても、回想シーンで描かれた
ペインマンとのやり取りから、ペインマンの軟体ボディを参考にして会得したもののようだ。
二人の戦いを通じて明かされた設定によれば、ダイヤモンドパワーとは、本来は神の領域に属する力である。
そして、それを地上においてザ・マンと同等の域にまで高めることに成功した唯一の超人がゴールドマンだった。
……それでも、ゴールドマンは満足していなかった。
彼はいつの日か、限界とされる硬度10の壁を越えてみせると、師であるザ・マンに約束していたのである。
硬度こそ互角。しかし武道は、悪魔将軍を上回る体格に加え、驚異的な身体能力を備えていた。
肉体の硬さが同じであっても、それを支える身体能力に差があれば、攻防の両面で不利を強いられる。こうして悪魔将軍は、ダイヤモンドパワーをもってしてもなお、師の圧倒的な力の前に追い詰められていく。
その途中、かつてのペインマンとのやり取りから思い出したスネーク・ボディを用い、奇策に打って出るが、武道の最大奥義の前にはそれも通用せず、ついに捕らえられてしまった。
……だが、死をも覚悟した悪魔将軍は、それでも立ち上がる。
なぜだ
なぜそうも立ち上がってこれる ゴールドマン!
言ったはずだ
貴様だけは… 私がなんとかしてやらねばならぬのだ!
再びザ・マンと組み合い、限界を超えようとするその瞬間、ついに新たな境地へと覚醒したのである。
これを見たキン肉マンは、彼が友情パワーに目覚めたのだと考えた。
しかし、サンシャインとバッファローマンは、その見方を否定する。
二人の説明によれば、かつてキン肉マンら正義超人との戦いを経験したことで、悪魔超人軍もまた友情パワーの価値を知り、以前とは異なる強さを身につけるに至った。
だが、それが可能だったのは、彼らの内にも情が残されていたからである。
悪魔超人の原動力となっていたのは、怒りや憎しみなどの「負の感情」。正義超人の友情パワーとは方向性こそ正反対だが、いずれも感情を源とする力という点では共通していた。
だからこそ、キン肉マンたちとのファイトを通じて、友情パワーに感化された悪魔超人の内にあった感情が浄化され、反転する余地が生まれたのである。
彼らはその変化を素直に認め、友情パワーをも取り込んだことこそ、現在の自分たちが手にした新たな強みなのだと語った。
ところが、元は完璧超人、しかも始祖である悪魔将軍は、彼らとは根本的に異なっていた。
そもそも、ゴールドマンには一般の超人のような感情の起伏がなく、配下である悪魔超人軍に接する時も、情ではなく「使命感」で彼らに向き合っていた。
そんなゴールドマンにとって唯一の例外が、恩師ザ・マンとの約束──「いつか師を超える」という誓いだった。
その約束を果たすため、彼は下等超人たちが秘める感情の力に目をつけたものの、完璧を極めんとする中で感情を超越してしまったゴールドマンには、友情や愛情といった心の揺らぎが理解できなかった。
だからこそ、自らの理想を実現できる超人を生み出すべく悪魔超人軍を結成し、彼らを育てるという道を選んだのである。
……だが、地上に下野してから数万年。自らの本来の肉体すら失って久しかったゴールドマン自身にも、ついに「その力」を知る機会が訪れる。
それこそが、自らに連なる悪魔超人軍に挑み、ついには自分自身をも打ち破った弟シルバーマンの子孫・キン肉マンが発揮した「火事場のクソ力」だった。
しかし、彼自身は完璧超人であるがゆえに、その力を発現させることができなかった。
だからこそ、キン肉マンの影響を悪魔超人の中でもとりわけ強く受けたバッファローマンに可能性を見いだし、復帰を認めた。
悪魔超人軍に友情パワーが取り入れられていくことについても、将軍があえて口を出さなかったのは、その力に自らの理想を託していたからなのかもしれない。
しかし、そんな将軍自身にも、大きな転機が訪れた。
すでに「ゴールドマン」をも超える強さに至っていた悪魔将軍。しかし、その力をもってしても、ザ・マンには通用しなかった。
そこで彼は、かつての約束を思い出す。
それは、いつの日か自分たちの誰か一人でも師を超えるという、弟子たちに残された最後の使命だった。
その使命を果たすため、ゴールドマンは自分ひとりの力にこだわることをやめ、11人の始祖全員の願いを背負う。
そして、これまで自分に欠けていたものを埋めるかのように、ついに友情パワーを発現させたのである。
もっとも、それは誰に対しても発揮できる力ではなかった。少なくともこの戦いにおいて、悪魔将軍がその力を発現させた相手は、師であるザ・マンただ一人だった。
こうして悪魔将軍は、師ザ・マンが到達し、その限界点としていた「神の領域」たるダイヤモンドパワーをも超える、新たな境地へと至ったのである。
私が希望を見出した次世代の超人どもに
しっかりと道をつけてやること
それを妨げるのが貴様の作ったシステムであるなら
それを徹底的に破壊しつくしてやること
それは 貴様も含めた我ら11人の最後の使命
それをやる者が私以外にいないというのであれば
貴様を含む 残り10人の全てを背負って
この私がそれを為す
そのためだけなら
私にも限定的に この不思議な力が使えるらしい
足りないものは埋まった
ダイヤモンドパワーを超える硬度を実現した硬度10♯!
ロンズデーライトパワーを発現させた悪魔将軍は、同じくダイヤモンドパワーによって硬化した武道の肉体を、次々と砕いていく。
かつて師を超えるために追い求め、ついには自らの力だけでは到達できなかった境地。それを、仲間たちの願いと、長い年月を経て理解した感情の力によって乗り越えたのである。
それは単なる肉体の硬度の更新ではない。
ゴールドマンが数万年にわたって追い続けた約束と、完璧超人始祖としての使命、そして彼自身が理解できなかった感情の力。そのすべてが結実した瞬間だった。
倒す準備は何億年としてきた!
貴様が相手であれば 断頭台が外されることも何度か想定してきた!
その末にたどり着いたこの進化形
今こそ貴様に見せてやる時がやってきたーーーーっ!
ロンズデーライトパワーによって全身を硬化させた悪魔将軍は、地獄の断頭台の体勢に入る。
武道もこれを強引に突破しようとするが、将軍は刃とする左足にさらに右足と右肘を乗せて圧力を加えることで、それを阻む。
並の超人では回避する隙も与えず、そのまま即死に至らしめるほどの威力を誇る地獄の断頭台。しかし、相手がザ・マンならば、容易に外されてしまうことは確実である。
そこで将軍は、首を捕らえた左足に右足を重ね、さらにその右膝へ右肘を乗せることで、左足によるロックを完全なものとする。
幾重にも圧力を重ねたこの形によって、ついに武道を逃さず、決定打を与えることに成功したのだった。
直撃を受けた武道は、一度は立ち上がったものの、最後は「いい技だった」「よくやった…ゴールドマン」と称えて倒れていった。
See you again,HERO.
敗北したザ・マンからは、かつて超人閻魔/ストロング・ザ・武道であった頃の怒りと憎しみは消え去っていた。
それでもザ・マンは、けじめとして自らの死を望み、悪魔将軍もまた、その望みを受け入れてとどめを刺そうとする。
……だが、キン肉マンがそれを必死に阻止。彼の懸命な説得によって、ザ・マンの命を絶つのではなく、不老不死を廃止し超人墓場に隠居するという形で折り合いをつける。
こうして、二人が歩んできた長きにわたる因縁にピリオドが打たれた。
そして悪魔将軍は、いつの日か悪魔超人たちが再びキン肉マンに挑戦することを示唆すると、サンシャインとバッファローマンを率いてエアーズロックを後にする。
その堂々たる凱旋の姿は、戦いの中で散っていった数多くの悪魔超人の魂もまた、彼と共にあることを物語っていた。
……ちなみに、『Ⅱ世』でのアシュラマンの発言などからすると、
「反則などは当たり前としても、 最 低 限 は超人レスリングのルールに則って戦い、その上で試合に勝つ」
ということを念頭に置いて悪魔超人の首領をやっているのが本来の将軍様の性格のようだ。
神や悪魔と言えど一度リングに上がれば一人のヒールレスラーとして戦うのが『キン肉マン』の世界観である。
だからパイプ椅子攻撃を
レフェリーから咎められると憎まれ口を叩きつつ素直に引き下がっている。レフェリーは悪魔将軍より偉い。
【完璧超人始祖との関係】
悪魔将軍ことゴールドマンは、自らの信念を貫くために同志たちと袂を分かった。
しかし、その言動の端々からは、出奔した後も彼らとの絆を決して捨て去ってはいなかったことが窺える。
始祖たちもまた、将軍の思想に対して表向きは否定的な態度を取っているものの、その内心までが一枚岩だったわけではない。程度の差こそあれ、地上へと去ったかつての同志を気にかけている様子が見られるほか、彼の教え子である悪魔超人との戦いに喜々として臨む者もいる。
そこからは、思想の相違こそあれ、ゴールドマンという存在や彼が歩んだ道のすべてを否定することはできなかった彼らの複雑な心情が垣間見える。
ミラージュマン
ミラージュマンは、ゴールドマンが出奔する際、最後の最後まで思い留まるよう説得を試みていた。
結局、彼らは門番と侵入者という立場で相まみえ、殺し合うことになってしまう。しかし、戦いの直前にミラージュマンが口にした「悲しいことだ」という言葉は、決して嫌味や皮肉などではなく、紛れもない本心だったのだろう。
かつて同じ理想を追い求めた同志が、今や自分の守る門を突破しようとする敵となった。その事実を受け入れざるを得ないミラージュマンの胸中には、立場の違いだけでは割り切れない悲しみがあったのではないだろうか。
アビスマン
アビスマンは、生涯でただ一度、ゴールドマンによって背中に傷を負わされたことがある。
そのため、かつての雪辱を果たす絶好の機会として、将軍との再戦に意気揚々と応じた。しかし、その姿は単なる侵入者の排除というよりも、長年待ちわびていた旧友との再戦を心から楽しんでいるようにも見える。
対する将軍もまた、アビスマンとの戦いを前にして、かつての因縁を意識した反応を見せている。両者の間には、互いの実力を認め合い、過去の勝敗さえも共有する者同士だからこそ成立する、独特の距離感があったのだろう。
もちろん、両者が思想の違いを乗り越えていたわけではない。それでも、かつての同志との戦いをただの職務として片づけていないところに、彼らの関係性がよく表れている。
ペインマン
ペインマンは、思想から戦闘スタイルに至るまでゴールドマンとはそりが合わず、幾度となく言い争いを繰り広げていたという。
しかし、両者の関係は単純な犬猿の仲ではなかった。ペインマンはゴールドマンを嫌っていたわけではなく、むしろ自分とは異なる考えを持つ相手と議論を交わすこと自体に楽しみを見いだしていた。
ゴールドマンが超人墓場を去ろうとした際にも、何とか思い留まらせようと懸命に説得していたというのだから、意見が合わないからこそ無視できない、特別な相手だったのだろう。
一方のゴールドマンも、ジャンクマンがペインマンを倒して手に入れたダンベルを前に、懐かしそうにその名を口にしている。さらに、かつてペインマンとのスパーリングで交わした言葉を思い出し、それを窮地から脱するためのヒントとした。
相容れないように見えた二人だが、実際には互いの考えや技術から少なからぬ影響を受けていたのだ。
ペインマンとの思い出が将軍の発想を助けたという事実は、彼らの関係が単なる反目ではなかったことを端的に示している。
そして興味深いのは、両者の主張が、表現やアプローチこそ異なるものの、その根本においてはほとんど同じだという点。
端的に言えば、違っていたのは「硬い」か「柔らかい」かという部分に過ぎない。
互いの主張を認め合えなかったとしても、根底にある考え方には通じるものがあった。だからこそ、激しく言い争いながらも、二人の間には確かな親愛が成立していたのではないだろうか。
ガンマン
ガンマンは、下等超人に対する差別意識がとりわけ強く、表面的にはゴールドマンの思想を全面的に否定しているように見える。
しかし、その態度にはどこか不自然なほどの頑なさがある。
バッファローマンから「将軍様が閻魔のもとを離れた時点で、閻魔が変わってしまったことには気づいているはずだ」と指摘された際、ガンマンはまるで痛いところを突かれたかのように激昂した。
もちろん、この反応だけでガンマンが将軍の思想に賛同していたと断定することはできない。しかし、もし彼がゴールドマンの主張を心の底から誤りだと確信していたのなら、あそこまで感情的に反発する必要があっただろうか。
むしろ、ガンマンはガンマンなりに、ゴールドマンが何を憂い、なぜザ・マンのもとを去ったのかを理解していたのではないか。だからこそ、その指摘は彼自身が認めたくない事実を突きつけるものとなり、激しい反発を招いたのではないか?
そう考えると、あの反応にも違った意味が見えてくる。
ガンマンは将軍の思想を受け入れられなかった。しかし、受け入れられないことと、理解していなかったことは同義ではないのだ。
シングマン
シングマンは、満身創痍となり、将軍による粛清を恐れて泣きじゃくるサンシャイン(の演技)を目の当たりにした際、彼を蔑むどころか、むしろ深く納得した様子を見せている。
「その反応も頷ける。あいつは昔から融通が利かない奴だったからな」
この発言からは、ゴールドマンの性格を長年の付き合いを通じて熟知していたシングマンの姿が浮かび上がる。
将軍が一度こうと決めたことを簡単には曲げない人物であると、シングマンはよく理解していたのだろう。だからこそ、サンシャインが粛清を恐れるのも無理はないと、本気で納得してしまったのである。
ここで注目したいのは、シングマンが将軍の性格を批判するでもなく、サンシャインの態度を嘲笑するでもなく、あっさりと事情を理解してみせたことだ。そこには、長年の付き合いがなければ出てこないような、妙な親しみすら感じられる。
もっとも、その理解の深さが、結果としてサンシャインの演技にまんまと騙され、逆転の一手を与えてしまう原因になったのだから皮肉なものである。
「あのゴールドマンの弟子に、ここまで狡猾な超人がいたとは」……シングマンが内心そんな驚きを覚えていたとしても、不思議ではない。
カラスマン
他の始祖たちが、それぞれ自分自身の立場からゴールドマンや完璧超人という存在について語る中、カラスマンは地上へと去った金銀兄弟のことをことさら気にかけているように見える。
その背景には、ゴールドマンがカラスマンにとって唯一の黒星をつけた相手だったという因縁もあるのだろう。互いの実力を知り尽くしたライバルだからこそ、ゴールドマンの動向は長く心に残り続けていたのかもしれない。
そして、死の間際、ザ・ニンジャが将軍を強く慕っている様子を目にしたカラスマンは、こう呟いている。
「安心したわ。あいつは昔から人付き合いが下手だったからな」
この一言は実に味わい深い。
ゴールドマンが出奔した後も、カラスマンは彼のことを忘れていなかった。思想の違いから袂を分かった相手であっても、かつての同志が孤立していないか、周囲に理解者がいるのかということを、どこか気にかけていたのだろう。
ニンジャが将軍を慕っている姿を見て安心したというのは、裏を返せば、ゴールドマンが人付き合いの不得手な人物であることを昔から心配していたとも解釈できる。彼の出奔を単なる裏切りとして切り捨てていたのであれば、わざわざそのような感想が出てくるとは考えにくい。
また、こうした関係性を踏まえて振り返ると、カラスマンがニンジャとの戦いを通じて、彼の潜在能力を引き出すような展開になっていたことも印象的である。
敵として立ちはだかりながらも、結果的には将軍の弟子が持つ可能性を引き出す役割を果たした。そこには、かつての同志であるゴールドマンと、その教えを受け継ぐ者への、カラスマンなりの向き合い方が表れていたのかもしれない。
ジャスティスマン
ジャスティスマンは、悪魔将軍を「善良だった頃のザ・マンに最も近い」と評し、「自分でも倒すとなると少々骨が折れるかもしれん」と認めている。さらに、ゴールドマンが出奔の意思を伝えた相手としても、真っ先に名前が挙がるほどの信頼を置かれていた存在である。
このことからも、ゴールドマンにとってジャスティスマンが、単に実力を認めるべき強敵というだけではなく、腹の内を明かすに足る特別な相手だったことが窺える。
そんなジャスティスマンが、金銀兄弟を相打ちに追い込むという結果を招いてしまったことには、彼なりの複雑な思いがあったのだろう。兄弟の死後も長い年月にわたって、彼らが見いだした「可能性」について考察し続けていた姿からは、あの結末を単なる過去の出来事として片づけられなかったことが伝わってくる。
また、ジャスティスマンは金銀兄弟に対して、それぞれ「ゴールド」「シルバー」と親しげに呼びかけている。普段の厳格で事務的な物言いを思えば、二人に対する態度はかなり意外なものだ。
この呼び方や口調の違いを踏まえると、ジャスティスマンと金銀兄弟は、古代から例外的に親しい間柄だったのではないかと考えられる。とりわけ、思想や理想を巡って激しく対立しながらも、相手の本質を見失わなかったという点では、彼らとジャスティスマンの間に通じるものがあったのかもしれない。
そう考えると、かつてジャスティスマンが地上へ派遣された経緯にも、改めて考えさせられるものがある。結果的に金銀兄弟を同時に失うことになった彼が、その後も鉄面皮の下に悔恨を抱き続けていたように見えるのも、二人が彼にとって単なる仲間以上の存在だったからではないだろうか。
無論、親密さの程度や当時の具体的な関係性については、描写からの推測を含む。しかし、少なくともジャスティスマンが金銀兄弟を特別視していたことは、その言動の端々から十分に読み取れる。
サイコマン
サイコマンは、ザ・マンを裏切った者として悪魔将軍にとりわけ強い敵意を向けている。
始祖時代には、ガンマンやシングマンと同じく、生真面目なゴールドマンをからかっていたらしい。しかし、ゴールドマンの方はサイコマンをまともに相手にしていなかったという。
将軍が、シルバーマンの「友」であるサイコマンをどのように評価していたのかは、最後まで明確には語られなかった。二人の関係については、他の始祖との間柄ほど直接的な描写がないため、断定は難しい。
ただし、将軍の言動からは、サイコマンの振る舞いや思想に対して、少なくとも複雑な感情を抱いていたことが窺える。
その一例が、サイコマンが自らの奥義を
マグネット・パワーによって強化した際、将軍が放った「あの技は貴様の誇りだったろうに」「
始祖の魂まで借り物の力に売り渡したか」という言葉である。
この発言で将軍が問題視しているのは、単にマグネットパワーを使用したことだけではない。そこには、サイコマン自身が誇りとしていたはずの奥義に、外部の力を持ち込んだことへの失望と、相手の信念を理解しているからこそ生まれる批判がある。
武道との最終決戦の中で、ゴールドマンが出奔する直前、ザ・マンに対し、サイコマンについて「決して認めようとはしなかったが、奴はシルバーマンの理想に一番近かった存在」と複雑な心境を語っていたことが明らかになる。
この言葉は、サイコマンという人物を考える上で非常に重要である。
表面的にはゴールドマンを愚弄し、過去には相手にされていなかったと語るサイコマン。しかし、その言動を細かく振り返ると、ゴールドマンと彼の思想を単純に否定しきれない部分が浮かび上がってくる。
たとえば、アビスマンとのスパーリング中にゴールドマンが地獄の断頭台を完成させた際、ザ・マンから「奥義を定めないのか?」と尋ねられた一連のやり取りがある。
ゴールドマンが「あんたを一撃で倒せる技を見つけた時が奥義と定める時」と答えた際、シルバーマンと同じく、サイコマンも真っ先に頷いている。
この反応は興味深い。少なくともサイコマンは、ゴールドマンが掲げる理想や、その理想を実現しようとする姿勢に対して、一定の理解を示していたと考えられるからだ。
つまり、サイコマンはゴールドマンを表立って認めようとはしなかったものの、その信念の根幹にあるものまで否定していたわけではなかったのではないだろうか。
むしろ、両者は表現や振る舞いこそ異なるものの、完璧超人としての矜持や、己の理想を追い求める姿勢という点では、意外なほど近しい部分を持っていたのかもしれない。
だからこそ、ゴールドマンの本質を見抜いていたシルバーマンとは親しく、金銀兄弟と分け隔てなく接していたジャスティスマンのことは、素直に認められなかったという解釈も成り立つ。
もっとも、これは作中の描写から導き出せる一つの推論であり、サイコマンがジャスティスマンを認められなかった理由まで明確に説明されているわけではない。
それでも、彼がゴールドマンを単純な憎悪の対象としてしか見ていなかったと考えるよりは、理想への共感と個人的な反発が入り交じった、複雑な感情を抱いていたと考える方が、作中の言動をより自然に説明できるように思う。
総括
こうして各々の言動を振り返ると、ゴールドマンと始祖たちの関係は、単なる「袂を分かった元同志」という言葉では片づけられないことがわかる。
ミラージュマンは最後まで出奔を思い留まらせようとし、アビスマンは旧友との再戦を楽しむかのように戦い、ペインマンは異なる思想をぶつけ合うことに喜びを見いだしていた。
ガンマンの激昂には認めたくない事実への反発が垣間見え、シングマンの言葉からは長年の付き合いによって培われた理解が感じられる。カラスマンは出奔後もゴールドマンの人間関係を気にかけ、ジャスティスマンは金銀兄弟の理想と、その喪失を長く胸に抱えていた。
そしてサイコマンもまた、表向きの敵意とは裏腹に、ゴールドマンの信念の一端を認めていた可能性がある。
もちろん、彼ら全員が将軍の思想に賛同していたわけではない。
むしろ、思想の相違は最後まで埋まらなかったからこそ、彼らはそれぞれの立場を貫き、戦うことになったのだろう。
しかし、思想が違うことと、相手への理解や敬意、親愛まで失うことは同じではない。
ゴールドマンは自らの信念を貫くために同志たちと袂を分かった。それでも、彼らとの過去まで否定したわけではない。
そして始祖たちも、彼の選択を受け入れられなかったとしても、かつて共に歩んだゴールドマンという超人の存在まで忘れ去ることはできなかった。
そこにこそ、悪魔将軍と始祖たちの関係性の奥深さがあるのではないだろうか。
【将軍様の謎】
今後、悪魔将軍/ゴールドマンに関する設定の変更がもう起こらないと仮定するのであれば、ゴールドマンが地上の超人たちを導いていく中で、その姿を変えたものこそが悪魔将軍である。
これによって、ゴールドマン自身が姿を変えた本来の悪魔将軍と、『Ⅱ世』「悪魔の種子編」に登場する悪魔将軍は別の存在である可能性が一気に高まった。
一説には、「Ⅱ世の悪魔将軍はサタンそのものだったのではないか」という考察もある。サタンがそもそも超人レスラーではなかったと考えれば、いくつかの不可解な点にも説明がつく。
ゴールドマンと悪魔超人軍の関係が明らかになった一方で、今度はサタンの正体と存在意義が、かえって不明瞭になってきたのである。
そもそも、悪魔将軍が悪魔超人の開祖であり、魔界そのものにも深く関わっていたとなると、サタンはいったい何をしていたのか、という話になってしまう。
もっとも、『Ⅱ世』については、現在の本編シリーズとは異なる歴史をたどった可能性も考えられるため、いったん脇に置いておくとしても、気になる点は残る。
「完璧超人始祖編」以降の描写では、悪魔将軍が六騎士をはじめとする悪魔超人たちを導いていたことも、ゴールドマン自身の行動として位置付けられるようになった。
これについては、本拠地である魔界であれば、ゴールドマンは悪魔将軍として顕現できたのではないかという解釈も考えられる。
仮にこの説が正しいとすれば、六騎士たちを指導していた悪魔将軍は、人格的にもゴールドマン本人の意識がほぼそのまま反映された存在だったのだろう。
そうなると、ますますサタンの立場が微妙になってくる。
サタンは六騎士や悪魔超人たちを自らの化身、あるいは手足であるかのように語っている。しかし、肝心の悪魔超人たちがサタンの名をほとんど持ち出さないことを考えると……その関係については、いろいろと察するものがある。
「完璧超人始祖編」完結後、「オメガ・ケンタウリの六鎗客編」でついに大魔王サタンが復活を遂げた。
しかも、悪魔超人軍とは直接関係のない存在としての復活であった。
そこで明らかになったのは、サタンが数億年にわたる怨みを晴らすための手駒として利用しようと、ゴールドマンの自我を狂わせていたという事実である。
これまでの設定や描写の食い違いも踏まえると、ゴールドマンが首だけの状態になっていた際、そこに取り入ったサタンが、彼を悪魔将軍として活動させるために何らかの形で手を貸していた可能性は考えられる。
両者の利害は一致していたのだろう。しかし、ゴールドマンがシルバーマンとの和解を果たしたことで、その関係にも終止符が打たれた。
一方、「完璧超人始祖編」では、ゴールドマンが始祖としての使命と自身の信念を背負い、悪魔将軍として復活している。
この時点では、かつてのようにサタンの思惑に従う必要もなく、悪魔超人軍との関係もサタンの介在しない形で成立していたと考えられる。
では、『キン肉マンⅡ世』の悪魔将軍はどうなのだろうか。
仮に『Ⅱ世』の世界で「完璧超人始祖編」に相当する出来事が起きておらず、ザ・マンが動かなかったためにゴールドマンが復活することもなかったのだとすれば、そこに登場した悪魔将軍は、ゴールドマン本人とは別の存在だった可能性がある。
すなわち、サタンがゴールドマン本人ではなく、悪魔将軍という存在の姿と威光を利用していたという解釈である。
この仮説に立てば、悪魔将軍をゴールドマンその人として認識していたアシュラマンたちと、サタンとの間に溝が生じたとしても不思議ではない。
また、『Ⅱ世』におけるバゴア将軍が、かつての悪魔将軍=ゴールドマンとは大きく印象の異なる存在として描かれていた理由についても、ある程度の説明がつく。
ただし、これらはあくまで複数の描写をつなぎ合わせた考察であり、すべての設定上の食い違いが解消されたわけではない。サタンの正体も含め、このあたりの時系列や関係性が今後整理される可能性はあるのだろうか。
なお、超神編では
“調和の神”ザ・ワンも、悪魔将軍について「本名ゴールドマン」と明言している。
この発言を踏まえるならば、やはりゴールドマン自身が姿を変えた存在こそが本来の悪魔将軍であり、ゴールドマンの死後に現れた、サタンや悪魔六騎士の力を借りて活動する悪魔将軍は、あくまで一時的な存在、あるいは本物の姿や威光を借りた存在だったとすることもできる。
この場合、両者は単に同じ名前を持つ別人というだけではない。ゴールドマン本人の意志と人格を備えた悪魔将軍と、その姿や力を利用して成立した悪魔将軍とでは、存在の根本から異なることになる。
実際、この解釈は現在の公式描写とも大きく矛盾しない。
新アニメ「「完璧超人始祖編」では、旧連載時の悪魔将軍の行動についても、黄金のマスクがゴールドマンとして復活し、地上の超人たちを粛清しようとしていた、という趣旨の説明が加えられている。
したがって、ゴールドマン本人の意志が介在していなかった『Ⅱ世』の悪魔将軍については、サタンがゴールドマンの威光を利用して作り上げた、いわば偽物と捉えることもできるだろう。
これならば、本物の悪魔将軍を知るサンシャインやアシュラマンたちが、『Ⅱ世』の悪魔将軍に対して失望や呆れを見せていたことにも、ひとまず筋の通った説明がつく。
もちろん、これですべての矛盾が解消されるわけではない。それでも、ゴールドマンと悪魔将軍の関係、そして大魔王サタンの介在を分けて考えることで、従来は食い違いにしか見えなかった描写を、ある程度一貫した形で読み解けるようになったのは確かである。
こうして振り返ると、悪魔将軍をめぐる設定は、単なる矛盾の寄せ集めというよりも、ゴールドマン本人の意志、サタンによる介入、そしてシリーズごとの歴史の違いを切り分けることで、見え方が大きく変わるのである。
【アニメ劇場版】
1983年から1986年にかけて放送されたテレビアニメ『キン肉マン』にも登場した悪魔将軍だが、劇場版でもラスボスを務めた作品が存在する。
なお、テレビアニメ版の悪魔将軍は、当時の原作版とは異なり、椅子を武器にするような行動を取らないなど、言動や立ち振る舞いにどこか落ち着きがある。こうした描写も、現在の威厳ある悪魔将軍のイメージ形成に一役買ったと考えられる。
また、白銀色を基調に赤を配した鎧のカラーリングは、もともとアニメ版で採用されたものが、後に原作へ逆輸入されたという経緯を持つ。
1986年3月公開の『キン肉マン ニューヨーク危機一髪!』では、ニューヨークの大都会エネルギーと、キン肉マン以外の正義超人たちの力を得て復活した悪魔将軍が登場する。
本作の悪魔将軍は、青黒いカラーリングに変更されているほか、全身のトゲが増え、肩には謎のパイプまで生えているという、かなり変独特なデザインとなっている。キャラクター紹介などでは「劇場版強化ver」と呼ばれることもある。
声優もテレビシリーズの北川米彦ではなく柴田秀勝が担当。威厳に満ちた声は、まさに大魔王と呼ぶにふさわしい。
……のだが、威厳ある声に反して、設定や描写にはいろいろとツッコミどころも多い。
本作では、原作『Ⅱ世』に先駆けるかのように、ゴールドマンと結託した大魔王サタンが悪魔将軍として振る舞っている。
それはいいのだが、通常時点ですでに原作版とはかなり異なる顔立ちなのに、さらなるパワーアップを遂げると、もはや元の面影すらほとんど残らないさらに不細工な姿へと変身する。
威厳ある悪役としての魅力を期待していると、なかなかに衝撃的なビジュアルである。
また、摩天楼からキン肉マンを突き落とした際には、落ちた階数を律儀に数えたり、煙幕で互いの姿が見えなくなった場面では、たまたま背後にいたキン肉マンと鉢合わせし、ギャグ顔で驚いたりと、威厳をかなぐり捨てたような姿も披露している。
こんな有様を見たら、サイコマンも「ゴールドマンさんはいつの間にユーモア教室を始められたんですかねぇ?ニャガニャガ」と言いたくなるだろう。
一方、1985年12月公開の『キン肉マン 晴れ姿!正義超人』では、悪魔将軍本人ではなく、その“先祖”とされる朱天童子が登場する。
当時は現在の原作設定がまだ存在していなかったこともあり、キン肉マンが江戸時代へタイムスリップし、そこで朱天童子と戦うという展開になっている。
朱天童子の声を担当したのは
飯塚昭三。
その姿は悪魔将軍を和風にアレンジしたもの……というわけではなく、ほぼ赤鬼そのもの。悪魔将軍の先祖という肩書きに対して、あまりにも直球なビジュアルである。
必殺技として元祖・地獄の断頭台を使用。さらに、水を掛けられると勢いを増す炎を吐くという能力まで備えている。
【ゲーム】
隠しキャラクターとして登場する。
その性能は、さすが将軍様と言うべき凶悪さ。通常技の威力がほかのキャラクターの必殺技並みに高く、クソ力を発動すると、なんとあらゆるダメージを無効化してしまう。対戦相手からすれば、たまったものではない。
原作で使用した技も多数再現されており、必殺技では九所封じをその1からラストワンまで、一連の流れとして披露してくれる。
さらに、ツープラトン技は全キャラクター共通で、パートナーを特攻させて敵の動きを止めたところを、将軍様がパートナーもろとも打ち倒すというもの。その名も「悪魔の本質」。
味方すら使い捨てるあたり、悪魔将軍の冷酷さを実にわかりやすく表現した技である。
そして、喧嘩男やネプチューン・キングなどの隠しキャラクターをすべて出現させ、さらにキン消しコレクションをコンプリートすると、最終隠しキャラクターとして「ゴールドマン」が使用可能になる。
その姿は、頭部が黄金のマスクとなり、ボディがダイヤモンドボディになった悪魔将軍。つまり、原作でスグルとの戦いの最中に正体を明かした際の姿を再現したものとなっている。
基本的なモーションや技は悪魔将軍と共通しているが、必殺技の威力はこちらが上回る。さらに、クソ力を発動すると攻撃力・防御力が大幅に上昇するため、単純な性能面でも優遇されている。
なお、本作で悪魔将軍の声を担当しているのは稲田徹。
テレビアニメ版や劇場版ともまた一味違う、どこか楽しそうな「フハハハハハ!」という笑い声を聴くことができる。将軍様の圧倒的な強さと余裕を感じさせる、実に魅力的なボイスである。
また、キン消しモードの解説文からも、スタッフの悪魔将軍に対する愛情がこれでもかというほど伝わってくる。
初代『マッスルグランプリ』ではラスボスを務め、特定の条件を満たすと、テレビアニメ版のクライマックスでも使用された楽曲「奇跡のマッスルドッキング(M33-A)」がBGMとして流れる。
硬い・速い・トリッキーの三拍子そろっており、プレイヤーを徹底的に翻弄する。
超必殺技の地獄の断頭台はもちろん、全身を無数のダイヤモンドに変えて攻撃する「ダイヤモンドダスト」も強力。発動を見てから対処するのは難しく、相手に回すと非常に厄介なキャラクターとなっている。
ラウンド開始前に放つ「真の恐怖を味わうがよい……」という台詞も、決して大げさではない。
【余談】
- 初登場時の悪魔将軍は、現在知られているデザインとは大きく異なっていた。2回目の登場から現在のデザインへと変更され、初期デザインは単行本などでも修正されたため、長らく当時のジャンプでしか見られない幻の姿となっていた。
- ……とはいえ、近年ではファンブックなどに掲載される機会もあり、以前ほど珍しいものではなくなっている。
- ちなみに、現在のデザインの原型となったのは、読者投稿による超人「バイキングマン」。鉄仮面からこぼれる長髪や、腕から伸びた剣など、悪魔将軍を特徴付ける要素は、この時点ですでにかなり形になっている。投稿した東京都の小林くんも、まさか自分の考案した超人のデザインが、後年にわたって愛される人気キャラクターの原型になるとは思わなかっただろう。
- アニキこと水木一郎が歌う悪魔将軍のキャラクターソングも存在する。タイトルは『キング オブ デビル』。
- 編曲を担当したのは、『サクラ大戦』などでも知られる田中公平。激しいギターとベース、そしてバックに流れるバイオリンの演奏が、悪魔将軍の持つ威圧感や妖しさと見事に調和した名曲となっている。新章になってからアニメ版の設定を尊重した描写も増えた『キン肉マン』だが、悪魔将軍に関しても、この曲の歌詞を意識したと思われる設定や場面がいくつか見られる。
- 現在では作中最強候補の一角として高い人気を誇る悪魔将軍だが、意外にも連載当時は読者からの反応がそれほど大きくなかったらしい。
- 『キン肉マンⅡ世』の連載が始まった頃、ゆでたまごの下には当時のファンから「悪魔将軍が好きでした」という手紙が数多く届くようになり、そこでようやく人気の高さを実感したという。長い年月を経て再評価され、シリーズを代表する人気キャラクターへと成長した、なかなか珍しい例である。
- ロンズデーライトとは、ダイヤモンドとは異なる六方晶系の結晶構造を持つ炭素の同素体で、別名「六方晶ダイヤモンド」とも呼ばれる。
隕石の衝突などによって生じる極めて高温・高圧の環境下で形成されると考えられており、自然界では非常に稀にしか存在しない炭素構造物である。
さらに、天然のロンズデーライトについては、純粋な単結晶としての存在が明確に確認された例は現在も極めて限られている。- 理論上、完全な結晶構造を持つロンズデーライトは、ダイヤモンドを上回る硬度を示す可能性があり、その硬度はダイヤモンドの約1.5倍に達するとの予測もある。
- ただし、これはあくまで理論的な予測値であり、天然に存在するロンズデーライトの硬度が実際にダイヤモンドを大幅に上回ることが実証されているわけではない。
- また、同じ六方晶構造を持つウルツァイト型窒化ホウ素についても、理論上はダイヤモンドを上回る硬度を持つ可能性が示されている。
- 特に、ウルツァイト型窒化ホウ素がダイヤモンドの約1.18倍の硬度を持つとの理論的評価や、高温・酸素雰囲気における優れた安定性が評価されていることを踏まえると、ロンズデーライトとダイヤモンドはいずれも「究極の硬さ」を象徴する炭素由来の存在として対比できる。
- 同じ炭素から生まれながら、ダイヤモンドとは異なる結晶構造によって、さらに高い強度の可能性を秘めるロンズデーライト。
完璧であり限界とも考えられてきたダイヤモンドパワーをさらに上回る力を象徴する名前として非常に相応しいと言える。
- ロンズデーライトパワーの表現に際して、ゆでたまご作画担当の中井義則はわざわざ専用のトーンを制作。カラーページでは黄金のダイヤモンドパワーとも呼ぶべき描写が為されている。
- 2024年に放送が始まった新アニメ版で悪魔将軍を演じるのは森川智之。『キン肉マンⅡ世』でテリー・ザ・キッドを演じたことでも知られる。
- 一方、それまで長らく悪魔将軍を演じてきた稲田はサンシャイン役を担当することになった。結果として、ゲーム版で将軍様を演じた稲田が、今度は将軍様の部下であるサンシャインを演じるという、ファンにとってはなかなか興味深いキャスティングとなった。
きさま…わたしの項目を荒らしおって………
どうなるか…わかっているんだろうなああああああ!!!
最終更新:2026年10月06日 12:39