登録日:2016/02/24 (火曜日) 01:55:20
更新日:2025/03/29 Sat 18:36:56
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主にカナダのブリティッシュコロンビア近海で目撃される
UMAの一種。
シーサーペントに代表される海蛇タイプの水棲UMAとされているが、
外見の特徴がハッキリしているため現在ではシーサーペントと区別されている。
キャディという名前は愛称に近く、本来は
キャドボロサウルス
という呼び名が広く使われている。
名前の由来は、カナダのバンクーバー島南端にあるキャドボロから。
この付近の湾内で目撃が多発したことからこの名が付けられたと考えられる。
記録に残る最初の目撃は1905年で、その後現在にわたるまで
160件近い目撃報告
が存在する。
目撃地は殆どがカナダ、ブリティッシュコロンビア州の島や海岸に臨む海洋で、航行中の船乗りや漁業中の漁師に目撃されることも多い。
全長は諸説あるが最も多いのが9~15m。
それ以上の大きさの個体を目撃した事例は少ない。
キャディの全貌はUMAとしては珍しく統一性があり、複数体の同種の生物が生活・繁殖している可能性は極めて高いとされている。
ウマや鹿、
ラクダを思わせる長い頭を持ち、頭部から首にかけてタテガミもしくは毛のようなものが生えている。
身体はヘビのように細長いが背中にコブ、もしくはコイルのような突起がある。
尻尾は硬く、先端が二股のヒレのようになっている。
性格は大人しく、人間を見つけると特に何もすることなく去っていくことが多い。
臆病なのか相手にしていないのかは不明だが、少なくともキャディの方から危害を加えられたという報告は現在まで無い。
鯨の腹から見つかった謎の生物
1937年7月、ナーデン・ハーバーの捕鯨基地で、クイーン・シャルロッテ諸島で捕獲されたメスの
マッコウクジラの腹から、
半分消化された謎の生物の死体が発見され、キャディではないかと話題を呼んだ。
写真も撮影されたのだが、当wikiでは死体や傷の画像を載せるのは禁止されているため、各自でご覧いただきたい。
「キャディ」もしくは「Cadborosaurus」で検索すれば高確率で1件目にヒットするほど有名な写真なので、探すのは簡単である。
要点となる特徴は以下の3つ。
1.全長は3m~3.6m、ヘビのような細長い胴体で頭部はラクダに酷似している。
2.背中が螺旋を描くようなコイル状になっている。
3.尻尾は硬く二股に分かれ、ヒレのようになっている。
もちろんこれがキャディであるという確証は無い。
実際、サンプルを元に鑑定を行ったヴィクトリアの博物館は
ヒゲクジラの胎児
だという結論を下している。
この結論をはじめ既存の生物が消化されたことによって見慣れない姿形になってしまったのだという声は数多い。
しかし、当時捕鯨ステーションで働いていたジェームス・ワケルンは「あれは鯨の胎児なんかじゃない。」と主張している。
毎日のようにクジラを目にしている捕鯨ステーションの職員がこのように語っている辺り、
死体の正体が未知の生物だった可能性もゼロとは言い切れないのだ。
有名な「マンシー家のチャンプ」の写真から波浪の検証を行い、写真が真正であることを証明したことで知られるポール・レブロンド博士は、
キャディの実在を証明する証拠としてこの写真を度々提示している。
また、レブロンド博士の共同研究者の1人である動物学者エド・バウスフィールドは、
「死骸は大きさからして青年期のキャディと考えられ、首の後ろが3つのコイル状になっているのが見て取れる。
しかし、首の後ろに3つのとぐろを持つ生物など、いまだかつて発見されたことはない。
あるとすれば、
神話に登場する伝説の怪物ドラゴンくらいであろう。
」
と語り、写真の信頼度が高い事、科学的な証拠として十分な説得力を持つことを強調したのである。
死体のその後だが、本格的な鑑定をされる前に行方不明になってしまった。
腐敗が酷くて廃棄されたのか、何者かに持ち去られたのかは定かではない。
一説によれば上記のヴィクトリアの博物館に輸送している最中に行方不明になったとも言われている。
そこから転じて鑑定の結果はデマであり、話の神秘性を高めるために作られたでっち上げではないかという説もある。
なお、この死骸に見られる背に並ぶ鱗状の構造、鰭の形、四角く腹側に湾曲した神経頭蓋、そして大きさ、発見された地域は
シロチョウザメ
そのもので、おそらく
マッコウクジラが狩ったか死骸を飲み込んだものだと思われる。
捕鯨船に捕えられた謎の生物
このキャディ、死体が発見されたという情報だけでもスゴイのだが、何と
生け捕りにされた
という衝撃的な事件が起こっている。
1968年8月、カナダ、ブリティッシュコロンビア州のデ・コーシー島近海で捕鯨船の網に謎の生き物がかかった。
船員の1人であったウィリアム・ハーグランドは著書「Whale No More」にこう記している。
その日、奇妙な小型の生物が流し網に引っかかった。
クルーが力を合わせて網を引き揚げようとすると、そいつはしきりに身をくねらせ、もがきまわった。
絡んだ網が、そいつの身体に食い込む、苦しがってますます暴れる。
その様子を見ているうちに閃いた。こいつはキャディの子供だ!ってね。
怪物の下顎にはびっしりと鋭い歯が生えている。
背中はタイル状の硬い鱗で、下腹部は柔らかそうな黄色の縮れた毛でおおわれている。
全長は約40cm。1対のヒレ状の足が、ちょうど肩のあたりから突き出ていた。
尻尾はスペード型に二つに割れ、先端部でヒレ状になっていた
それは長年海で仕事をしてきた漁師たちも初めて目にする姿で、物珍しく思われたのか水槽に入れられた。
水槽に入れられてからも元気に泳ぎ回る怪生物を、船員たちは好奇の目で覗き込んだ。
仕事がら魚やクジラなら見慣れている彼らでも、この生き物の正体が分かる者は誰一人としていなかった。
更に同書はこう続ける。
水槽の中からじっとこちらを見つめる目には、魚類には無い表情があった。
急に同情心が沸き、私は水槽の扉を開けて怪物を逃がしてしまった。
こうして情にかられたハーグランドは、自らの手で再び怪物を
海に帰してしまったのである。
動物愛護の観点から見れば非常に立派な行いだが、未確認生物研究の観点から見れば実に惜しい話であった。
主な目撃・遭遇の歴史
カナダのブリティッシュコロンビア州カムループスを流れるアダムス川で、
マス釣りをしていた地元の漁師のフィリップ・ウェルチと友人が河口から100mほど離れたところを泳ぐ謎の生物を目撃。
これが記録に残るキャディの最初の目撃報告とされている。
全長は目測で1.8m~2.1m、茶色で、頭部からは10cmほどの2つのコブがあったという。
ブリティッシュコロンビア州、ホアン・デ・フューカのチャタム諸島で、
F.W.ケンプが妻と息子と共に浜辺に座って景色を見ていたところ、
全長24mほどのタテガミの生えた怪物が海面に現れた。
チャタム諸島と言えば、ニュージーランドにある
千葉県のような形の島が有名だが、
実はカナダにも同名の島がある。
ドロシー・フーパーと隣人が、キャドボロ湾の入り江から380mほど離れた沖でヘビに似た生き物を目撃。
水しぶきを激しく立てながら泳いでいたという。
陸軍のW.H.ラングレー少佐と彼の妻がアメリカ、ワシントン州のサンファン島西側に面したハロ海峡を帆走中、
チャタム諸島の方角から今まで耳にしたことの無い大きな唸り声を聞き、振り返ると巨大な生物がいた。
身体は暗緑色で、上部と側面にノコギリ状の模様が付いていたという。
目撃者が陸軍少佐という社会的地位のある人であったためか、マスコミが大々的に取り上げ、
この事例を皮切りにキャディの名が広く知れ渡るようになった。
R.コックバーンとC.クロフォードとR.ローチがブリティッシュコロンビア州のクアリカムビーチで5分間にわたって目撃。
2人の男が乗ったボートの近くで潜水した後、100mほど先に再び姿を現した。
キャディの背中には3つのコブがあり、頭部は
犬によく似ていて、2本の角があったという。
デビッド・ミラーと友人のアルフレッド・ウェッブがディスカバリー島近海で目撃。
水面から3mほど首を出し、全身を茶色の荒い毛に覆われ、赤い目と小さな耳があった。
ブリティッシュコロンビア州バンクーバー島のカイウクォット海峡沖合で、
漁師のギャリー・リイマッタとアール・ストーシンガーが、甲羅のない巨大なウミガメのような生物を目撃。
体表は白と灰色の斑点で覆われ、全長およそ10m、幅1.8mほどで、巨大な胸ビレと背ビレがあった。
2.4mほどの長い首の先にはカメによく似た頭があり、目、鼻孔、口がはっきり確認できたという。
ウミガメやゾウアザラシの見間違えではない証拠として、ギャリーは持っていた8mmカメラを使って怪物を撮影したが、
露出が少なかったために全体的に暗く、船が揺れていたのもあってかなり不鮮明になってしまい、
巨大なヒレか長い首のようなものが海面から出ているのが辛うじて分かる程度であった。
怪物は船の左舷を円を描くように泳ぎ回ったり、身体を回転させてヒレや頭部を海上に出したりしていたが、
数分ほど泳ぎ回った末に北の方へと泳ぎ去っていったという。
22年後の1991年10月4日、ギャリーから相談を受けたポール・レブロンド博士が
「British Columbia Scientific Cryptozoology Club Newsletter」誌の1992年7月号にこの目撃談を掲載した。
レブロンド博士は「ベテラン漁師のギャリーが、アシカやアザラシを甲羅のないウミガメと間違えるだろうか。目撃地域からして謎の生物はキャディの可能性が高い。」と述べている。
機械工学者のジム・トンプソンがスパニッシュ・バンクス・ビーチをカヌーで航行中、30mという至近距離からキャディを目撃。
信じがたい事にこのキャディは
全長60m
にも及び、海面から突き出した首の部分だけでも5,6mはあったという。
頭はシカ、もしくはキリンに似て長く、小さな角のようなものが生えていた。
ブリティッシュコロンビア州の太平洋沿岸を航行中のカナダ・ビクトリア音楽大学の教師ジョン・セロナとその友人達が、
自分達の乗るヨットから15mほど離れた地点を悠然と泳ぐ巨大な生物の背中らしきものを目撃。
体長およそ9m、コブのような突起物がいくつもあり、全体的に大ウミヘビを思わせる姿をしていたという。
午前8時30分ごろ、シルヴィ・ボーレガードが、ブリティッシュコロンビア州・ガリアーノ島の浜辺から沖合を泳ぐキャディと思しき生物を目撃。
全長12~15m、直径は60cmほどで、全体的に蛇のような姿だが、体をイルカや鯨のように海面に対して垂直にくねらせて泳いでいた。
体色は光沢のある黒色で、更に前足のようなものが確認でき、海面から1.2mほど浮いていたという。
正体の考察について
1992年12月、
アメリカの動物研究学会にて海洋生物学者ポール・レブロンドと動物学者エド・バウスフィールドらがキャディに関する論文を発表した。
それは50年以上にわたる目撃報告や証言を収集、それらを精緻に分析し、キャディの実在を証明するものであった。
論文は
キャディはカナダ近海に繁殖地を持ち、今なお生存している可能性が高い
と締めくくられており、
学会に参席した学者や関係者たちの間には衝撃が走ったという。
形態も目撃地点も千差万別なシーサーペントに対し、キャディの見た目や目撃場所にある程度の統一性があるのは冒頭で述べたとおりである。
シーサーペントと同じく、海藻や流木などの自然物、サメや
シャチといった既存の生物を誤認したという説も多いが、
キャディの目撃例は数が多いにもかかわらず非常に具体的であり、
中でも哺乳動物を彷彿させる頭部は、魚類やクジラ類を誤認したものとは考えにくい。
何よりも、近海の生物に毎日のように触れている漁師や捕鯨船員たちが口をそろえて「魚やクジラとは違う」と断言しているあたり、
やはり未知の生物であると結論付けるのが妥当なのであろう。
キャディが実在の動物として動物図鑑に載る日もそう遠くないかもしれない。
追記・修正はクジラの胃袋で消化されてからお願いします
- キャディはお好き? -- 名無しさん (2016-02-24 04:28:47)
- ↑一番気に入ってんのは…、値段だ。 -- 名無しさん (2016-02-24 08:41:49)
- どうして一米から台無しになってるの!?教えてちょうだい!! -- 名無しさん (2016-02-24 09:35:10)
- 駄目だ -- 名無しさん (2016-02-24 11:57:50)
- おい、コマンドー劇団を呼んだのはどこのどいつだ? -- (2016-02-24 16:46:11)
- ↑一口では言えん -- 名無しさん (2016-02-24 16:49:10)
- 未確認生物で存在が証明された奴っているのかな -- 名無しさん (2016-02-24 17:14:39)
- ゴリラが元未確認生物 -- 名無しさん (2016-02-24 17:26:00)
- 海に関しては未知の大型新生物がいても不思議ではない。シーラカンスだって確認されてたのにちゃんと研究されなかったみたいな例もあるし -- 名無しさん (2016-02-24 17:50:30)
- ついでにカモノハシやコウモリダコも動物学者にいるわけないだろと否定された過去がある。カモノハシに至っては剥製すら偽物呼ばわりされた -- 名無しさん (2016-02-24 18:04:43)
- コビトカバやオカピも元UMAらしいな -- 名無しさん (2016-02-24 18:15:42)
- コメントワロタwww -- 名無しさん (2016-02-24 18:42:23)
- ここまで存在に信ぴょう性が高いと数100年後にはキャディが動物園にいるくらいメジャーな動物になっている可能性があるのか -- 名無しさん (2016-02-24 19:25:50)
- ↑その前に人間が絶滅させなきゃ良いが……未だ正式に記録されない事から推察するに、実在したとしても生息数はかなり少ないだろう。せめて周辺環境の保護をしとかないと、永遠にUMAとなってしまいかねん -- 名無しさん (2016-02-25 22:08:32)
- ちなみに、「クジラの腹の中から見つかった」のは何か信じがたい。クジラの喉は人間の頭が通るか通らないかぐらいしか開かないし、そもそもそんな大きなものを食べるようにはできていないから、仮にキャディを呑みこんでもクジラの方も死んじゃうから。 -- 名無しさん (2016-02-26 21:43:21)
- これが載ってないじゃないか。 -- 名無しさん (2016-02-26 21:45:53)
- 連投すまん。https://www.youtube.com/watch?v=bO0Zohwp65A -- 名無しさん (2016-02-26 21:46:25)
- ↑3 じゃあマッコウクジラがダイオウイカを食うってのも嘘なのか?あれも大概デカい生物なんだけど -- (2016-02-27 15:08:09)
- ↑すまん、訂正しようとしていた。マッコウクジラだと見過ごしていたわ。投稿したのはヒゲクジラの話だった。 -- 名無しさん (2016-02-27 18:49:55)
- 上の方でクジラの喉の話を見て思うが、既存の生物が消化されてキャディになるとしたら、元の生物はキャディよりも太くて巨大ということだよな?だとしたらクジラの腹に入りきらないと思う。 -- 名無しさん (2016-02-27 19:15:41)
- 逆に腹の中で膨らんだとか -- 名無しさん (2016-03-02 15:52:01)
- 水棲で顔がラクダっぽくて身体が長いと書くと東洋の龍っぽい -- 名無しさん (2016-03-21 16:20:09)
- ↑ケルピーや龍の正体がこいつだったりしてね。 -- 名無しさん (2016-03-21 16:30:38)
- 元未確認生物なら、イッカクやらパンダやらコモドドラゴンやら、後はシーラカンスやイリオモテヤマネコも。 -- 名無しさん (2016-11-07 05:44:25)
- 残念ながら、エド・バウスフィールド博士は2016年9月7日、ポール・レブロンド博士は2020年2月8日に亡くなっている。お悔やみを申すと同時に彼らがご存命の間にキャディの謎が解明されなかったのが残念である。 -- 名無しさん (2021-11-11 22:56:44)
最終更新:2025年03月29日 18:36