ラクダ(動物)

登録日:2025/03/29 Sat 18:17:31
更新日:2025/05/01 Thu 20:27:30
所要時間:約 13 分で読めます




ラクダとは、哺乳類鯨偶蹄目ラクダ科ラクダ属に属する動物の総称。



【概要】

主に乾燥地帯に生息する哺乳類の一種。
スレンダーな脚グラマラスな胴体を持つ四足歩行動物で、エレガントなロングネックの、鯨偶蹄目(つまりウシ目)ではよく見られるシルエットの動物である。

系統樹から見る分類

シルエットや面持ちこそウシ・キリンに近いラクダだが、ゲノム解析によると、ラクダは比較的早い時期に他の多くの偶蹄類から分岐している。
昔は『反芻をせず足指の多いイノシシやカバが先祖に近いグループで、牛などが一番特殊化が進んだもの、ラクダはその中間』と考えられてたが現在は下記のように考えられている。
①鯨偶蹄目の祖先から、まずラクダ科のみが属する核脚亜目が分岐した*1
②その後の鯨偶蹄目からイノシシや豚が属する猪豚亜目が分岐。
③さらにその後、鯨偶蹄目はシカ・ウシ・キリンが属する反芻亜目カバやクジラが属する鯨河馬形亜目に分かれた。
つまり、ウシから見るとラクダはだいぶ遠い親戚で、むしろカバやクジラのほうが遺伝子的にはウシに近い。


【特徴】

まずラクダで特筆すべき事と言えば、なんといっても砂漠特化の哺乳類であるという事である。
通常、砂漠のような乾燥地帯は哺乳類どころか多くの生き物にとってまともに暮らしていけないような過酷な環境である。
しかるにラクダはその体のありとあらゆる部分に砂漠に適応した機能を詰め込んでおり、あまつさえ砂漠こそ居心地が良いと言いたげな余裕の顔で砂上を闊歩している。
その無駄のない機構たるや、さしずめ天然の砂上オフロード車両である。

コブ

ラクダといえば背中にコブがある。

このコブの中身は脂肪である。

ラクダの背中には脂肪を蓄える袋状の器官が存在し、健康なラクダはここに脂肪を詰めてコブを形成している。
この脂肪のストックにより、ラクダは餌に乏しい過酷な環境下でも生きていけるのだ。

また、このコブは、内臓を日射から守る断熱材の役割も果たしている。逆にコブ以外は筋肉質で、比較的脂肪が少ない。

え? 体の一部に脂肪が集中しているなんて奇妙な特徴だって? 
いやいや……身体の一部分に脂肪やコラーゲンが集中する器官をもつ動物は別に珍しくないしみんな大好きだろうが!!!

ちなみに背中のコブにが蓄えられているというのは誤り。
ラクダは一気に100ℓ以上の水を摂取し身体に蓄えることができるため、そこから生まれた誤解であるとされている。

貯水能力

コブの説明でラクダは水を100ℓ以上蓄えることが出来ると記載したが、では、コブではないならどこに蓄えているのか?

答えは全身。つまりラクダは歩く水筒のようなものなのである。

どういうことかというと、まずラクダは胃袋が柔軟で水を大量に蓄えておくことが出来る。
しかし100ℓはさすがに入らないので、その大量の水分血液に大量に溶かしこむことで、血管内に水分を保持しておくことが出来るのである。
これを他の哺乳類がやろうとすると赤血球が壊れる溶血という現象が発生するが、ラクダはこの現象に耐性があるのだ。
ちなみに因果関係は不明だが、ラクダの仲間は哺乳類中で唯一赤血球が楕円型をしている(他の哺乳類は単孔類などでも円形)。

逆に、血中水分量が極端に減少した場合も、ラクダはそれに耐えられる身体を持っている。なんと体重の3割近くの水が失われても活動できる。

この、体内の水分・成分濃度を魔法のように調整する機能により、ラクダ脱水にはとことん強い
また摂水の能力自体も優れており、なんと海水よりも塩分濃度の高い塩水でも飲める種もいる。これは哺乳類ではラクダにしかできない芸当である。

ラクダの顔をまじまじと見てみるとユニークな顔つきをしているのが分かる。
つぶらな瞳にキュートな長いまつ毛、主張の強い大きな鼻にボリューミーな唇はとても可愛らしい。
しかしこれらは愛嬌ゆえの進化ではなく、砂漠に完全適応したパーフェクトフェイスなのである。

らくだの長いまつ毛と分厚いまぶたは、砂漠の砂埃から目を守ることに特化した形状になっている。
また、らくだの目には瞬膜というまぶたとは別に目を保護する膜も備わっている。
これは鳥や両生類にはよくある器官なのだが、これを完全な形で持っている哺乳類というのは実はとても珍しい

ラクダの鼻は大きいが、これは鼻の穴を自由に開閉する筋肉があるためである。
これは砂が鼻に入らないようにするため、かつ体内の水分が蒸発して体外に出てしまわないための仕組みである。

乾燥地帯には植物が乏しいので、ラクダはサボテンや乾いた草などを食べる。
これらトゲトゲしたり切れ味があったりする植物を安全に食べることが出来るよう分厚い唇を持っており、さらに歯は特別頑丈で、口腔内の皮膚も弾力に富んでいる。

その他の特徴

ラクダの足を見ると、普通のウシ目に比べて平たく大きな形状をしている。
これは、砂漠を歩く際の体重の分散のための進化とされている。日本で雪に足が埋まらないようにする「かんじき」みたいなものである。
また、その歩き方は右前肢と右後肢、左前肢と左後肢が同時に動く「側対歩」という歩き方であり、これにより独特の揺れがある。

  • 座りだこ
ラクダの足の裏や胸には「座りだこ」と呼ばれる皮膚が角質化した箇所があり、ここを地面につけることで高温の砂の上にもよいしょっと座って休息ができる。
ラクダがしゃがんでいるような不思議な姿勢を見たことがあるかもしれないが、あれは座りだこを利用して座っているのである。

ちなみにアルパカやラマも足を畳んで細長クッションみたいな見た目になって座っていることがあるが、あちらはラクダとはすこし姿勢が異なり前足を突き出さずに畳んで座っている。これは反芻に時間をかけるために長時間座って大人しくするためであり、目的が違うのでアルパカやラマに座りだこはない。

  • 体温調整
砂漠は昼夜や気候で気温差が激しい過酷な環境であるため、恒温動物でありながら、気候に合わせて体温を調整できる機能も持つ。
これにより発汗を最小限に抑え、余計な水分を消費しないようになっているのである。
後述するが、特にフタコブラクダがこの特徴に優れている。

砂漠は過酷な環境なので天敵も存在する。代表的なのは砂漠のハンターであるオオカミ
そんなオオカミに対するラクダの対抗手段が唾である。
このラクダの唾、実は唾ではなく胃液であり、ものすごく臭い。オオカミもびっくりして怯むほどの威力であるという。
これは後述するラクダ科の仲間であるアルパカラマにも共通する習性である。
日焼け止めにはならないので素直にクリーム塗りましょう。

口の説明の通り、ラクダは硬くて消化しづらい植物を食べるため、ウシなど鯨偶蹄目反芻亜目の多くの動物と同じように反芻を行う。
(反芻とは一度胃に入れたものを口の中に戻してまた噛んで飲み込む工程のこと。草食動物が消化しづらい植物を食べるために行う工程であり、これをするために反芻動物は胃袋が複数ある)
これもアルパカラマと共通する習性。

ただし、ウシたち反芻亜目の反芻動物は胃が4つであるのに対し、ラクダたち核脚亜目の反芻動物は胃が3つ。
このため、核脚亜目は反芻動物の中でも比較的原始的な部類かと思われていた。
しかし、上述通りゲノム解析によって核脚亜目と他の鯨偶蹄類は早期に分岐していることが判明したため、おそらく反芻亜目核脚亜目はそれぞれ別々に反芻能力を獲得したのだと考えられている。


【ラクダの種類】

ラクダはコブの数で区別される。
ただコブの数が違うだけでなく、生息域や生態・特徴が異なっている。

ヒトコブラクダ

主に中東やアフリカなどに暮らすラクダ。
フタコブラクダよりもより暑所や砂地に適応している。
スレンダーながら力持ちであり、荷物を運搬しながら砂漠地帯を軽快に移動可能。
これにより、シルクロード往来という点において人類の文明に大きく貢献した家畜である。
ちなみに2000年代以降の現代に地上に存在するラクダの90%はヒトコブラクダである。

フタコブラクダ

主にイランから中央アジアにかけて暮らしている。
分布は砂漠地帯だけでなく、乾燥した荒地、草原と生息域が広い。
中央アジアは暑さだけでなく気温差が激しい地域が多いため、灼熱だけでなく寒冷にも強い種が多いのが特徴。
特に草食動物が暮らすには世界一厳しい砂漠と呼ばれるゴビ砂漠に住むフタコブラクダは気温50℃から-40℃にまで適応しているという某戦闘民族みたいな(スーパー)ラクダである。
羊のようにもっふもふの毛が生えるため、これを刈り取って織物の素材にすることもできる。(ヒトコブラクダは毛が長くならないので素材には適していない)

2種の関係

生息域が異なっていると記載したが、実際には生息域は地続きで繋がっているし、人間の足として長距離を行き来した歴史も長いことから、この2種が顔を合わせることは古代より珍しい事ではなかった。
交雑も可能。交雑した種は「雑種」として扱われる。コブの数は1.5の、その名もヒトコブハンラクダ(現地ではデュールともいう)。なだらかで長いコブが1つあるのが特徴である。ただし異種交配の宿命で繁殖能力がない。
運が良ければ体格が大きく砂漠移動にも強い良いとこどりなヒトコブハンラクダが生まれることもあり、古くから交雑に取り組まれてきたという。

野生種

家畜として広く親しまれているラクダだが、野生種はとても貴重な存在である。
フタコブラクダの仲間が中国・モンゴルの砂漠に1000頭ほどが残るだけで、ヒトコブラクダの野生種は既に絶滅している。

一方、二次的な野生化(家畜化されたものが野生にかえって繁殖してしまった例)は例がある。
特に、もともとラクダがいないはずのオーストラリアに人為的に持ち込まれたラクダが野生化し*2、ヒツジの牧畜に影響を出すなどの問題が起きている地域もある。


【家畜】

ラクダは乾燥地帯においてこの上ないほど優れた家畜である。
過酷な砂漠地帯に人類が文明を切り開くことができたのはラクダのおかげといっても過言ではないだろう。紀元前からシルクロードやサハラ砂漠の隊商交易において大活躍し、東西の文明間交流において多大な貢献を果たした。
もちろん、現在も遊牧民族には欠かせない家畜であるし、現代社会においてもまだまだその活躍の場は多い。

歴史

人類とのつきあいは長い。というか長すぎて最古がいつなのか分からない
なにせ紀元前3000年と認定された古代アラビア文明の遺跡からもヒトコブラクダの骨が発見されているので、ラクダを利用する文化が生まれたのは少なくともそれよりも前ということになる。
しかしこれ以上前となると正確な時期の特定や遺跡の発見そのものも難しくなってくるので、これ以上記録を塗り替えるのはまず無理なのである。
要するにラクダと人類のつきあいは「人類がその発端を忘れ去るほど大昔からの付き合い」ということ。もしどうみてもラクダにしか見えない動物がモチーフの壁画や遺物などが見つかったりすれば話は変わってくるのだが……。
犬と人類のつきあいは3万5000年前には始まっていたとされているので、ラクダも長くともそれくらいと考えられる。

ちなみに余談だが、古代オリエントの遺跡でもラクダ科の動物の痕跡が見つかっており、Wikipediaではこれを根拠にラクダの家畜化の始祖はアラム人説が有力と記載されている。
しかし、実はこれ、近縁種であるラマ属のグァナコという説もあるため、有力ではあるが2025年現在ではアラム人がラクダを使役していたという決定的な証拠にはなっていない。

用途

  • 乗用・運搬用
別名「砂漠の船」。歩くだけでも大変な砂漠の足として、ラクダは非常に優秀である。
距離こそ1日30kmほどだが、人間と荷物を合わせて100kgほど担いだうえで、道なき道をも進むことが出来るのは楽だ。
おまけに水や食料を数日与えなくても生きていける燃費の良さ。一緒に重たい餌を運ぶ必要がないのも優秀な点である。
軍事用としてもこの点は利点で、馬以上に乗り手の技術が必要等の欠点も有ったが、早くから砂漠地帯では軍事用にも利用されていた*3 *4
さすがに現代では乗用車に役目を譲っているが、観光地の乗ラクダ体験などは未だに根強い人気を誇っている。


ウシと同じくラクダ乳も飲用にできる。
特に牛乳よりも脂肪が高く、栄養も豊富なので砂漠に暮らす古代の人々にとっては欠かせない栄養源であった。
文明が発達した現代においても、ラクダ乳のヨーグルトやアイスクリームは牛乳とは違う味わいの特産品として砂漠の人々に貢献している。
ちなみに味わいとしては牛乳より淡白だがワイルドな匂いがして仄かに塩気がする。
また、インスリンが大量に含まれているので血糖値低下薬の製薬にも用いられたりしている。

肉を食用にもできる。特にかつてはラクダ乳と並び、砂漠の貴重な動物性タンパク質であった。
コブ以外の部分は低脂肪高タンパク、鉄分多めでヘルシー。
ちなみに食肉に厳しいイスラム教もラクダ肉はハラール(教の教えに則り食べて良いとされるもの)としており、食べることができるという。
肝心のコブも食用になる。が、なにせ脂肪の塊のうえ牛脂と比べ物にならないほど癖が強く、足も早いため、ラクダを飼う現地以外ではなかなか食用として見かけることはないという。「地球的拡大解釈の回鍋肉」を作ったヤツもいるが。

特に寒冷対応のフタコブラクダから、素材として毛を刈り取ることができる。
ラクダの毛はキャメルと呼ばれ、これを用いた織物は吸湿性に優れた高級素材である。色をつけにくいので天然のブラウンで扱われることが多い。
ただ、機能・生産性でいうと羊毛のほうが今も昔もずっと優れているので、メジャーは羊毛に譲っている。

短所

家畜としての短所は、繁殖が遅いこと。
妊娠期間が約1年と長く、成熟するまで6年もかかるうえ発情期が短い。幸い寿命が長いのが短所に対するメリットだが。
これら都合により、現代においても採算が取りづらいので・鶏・豚のような家畜ポジションにはなり得なかった。
尤も、これは砂漠で生き抜くための進化のひとつであり、不便というのは人間の都合であるが。


【弱点】

そんなパーフェクト生物なら人間を押しのけて万物の霊長にもなるのではないかと思ってしまうところだが、ラクダにももちろん弱点はある。それも物凄く分かりやすい弱点が……。

そう、ラクダは乾燥地帯に強い反面、湿潤地帯には弱いのである。

先ほどの説明でラクダは50℃の気温にも耐えられると言ったが、実は高温多湿の環境では呆気なく熱にやられるなんなら日本人より先に熱中症になる。*5
また、乾燥地帯の動物の宿命として疫病にもかかりやすく、疾患したときの抵抗力も弱い。


【ラクダの悩み】

いつものほほんとした顔のラクダにも大きな悩みがある。
それが皮肉にも人間の存在である。

野生のラクダが近年において激減した理由は、乱獲や金鉱開拓による環境破壊など、はっきりいって偏に人間のせいである。
幸い古くから家畜化されているおかげで種としての絶滅はまずないとされているが、野生種の生息地では絶滅を防ぐことが目下課題となっている。


【日本とラクダ】

当たり前だが日本にラクダの野生種はいない。
鳥取砂丘にラクダが野生で生息しているとか勘違いしてた人はこの項目をここまでちゃんと読んでないな!?

飼育

現代の鳥取砂丘ではラクダが飼育され、乗ったり写真撮影したりできる観光スポットが用意されている。
また、鳥取砂丘以外でも日本全国の動物園でラクダを鑑賞することが可能。飼育環境さえ工夫すれば東北から九州までどこでも飼育は可能とされている。
これについては、寒冷に耐性があるフタコブラクダのほうが見れる動物園が多い模様。

歴史

日本の地にはじめてラクダがやってきたのは江戸時代であるとされている。
その時代はオランダ船やポルトガル船が見世物としていろいろな動物を連れてきては日本人を驚かせていたのである。
同時期に連れて来られたゾウのインパクトに比べてると少々地味ではあるものの、それを逆手にとって有名な落語「らくだ」が作られたり、日本史に名を刻むことはできたようである。


【ラクダの仲間】

ラクダ科にはラクダ属の他にもラマ属ビクーニャ属という動物も属している。

その名の通りラマビクーニャはもちろん、アルパカラクダ科ラマ属に分類されるラクダの親戚である。*6
イヌ(イヌ科イヌ属)とタヌキ(イヌ科タヌキ属)みたいな関係と考えると分かりやすい。
ラクダ科はラクダ含め家畜化されている種がおおくみられるというのが特徴と言えるだろう。

ちなみにラクダ(キャメル)ラマは交雑が可能で、これにより生まれた生き物はキャと呼ばれる。


【ラクダまたはそれをモチーフにしたキャラクター】

乗り物として活躍するキャラクターの他に、旅人のイメージを付与されていたり、特徴的なコブを持つ意匠もよく見られたりする。

  • ゴビ
レア社のゲーム「バンジョーとカズーイの大冒険」シリーズ第一作の「ゴビバレーさばく」という名のステージで初登場するラクダ。
ステージ名共々、ゴビ砂漠が名前の元ネタだと思われる。

  • ローラン
どうぶつの森シリーズ」の登場キャラクター。
村(町)に定住する住民ではなく、絨毯職人兼行商人としてたまに訪れる。カタコトの口調が段々クセになるかも。
名前の由来は、カーペットを丸める「ロール」という単語と、主人公がラクダに乗っている あのクソ長い映画 「アラビアのロレンス」が由来であろうか*7
また、異郷からの来訪者という設定はシルクロード交易がモチーフか。

ポケットモンスター」に登場するラクダポケモン。ドンメルがヒトコブラクダ、バクーダがフタコブラクダ。
説明にはラクダのラの字もでてこないが、ビジュアル的にはほぼ間違いなく、バクーダという名前も「爆発+ラクダ」の捩りと思われる。

  • マツゲ
漫画「ONE PIECE」のアラバスタ王国に登場したラクダ。
まつ毛が立派なのでナミにそう命名された。現実のラクダもまつ毛が立派ではあるが、たしかにマツゲのまつ毛は物凄い。

  • 砂丘怪獣コリャラクダ
桃太郎電鉄シリーズ」に登場するサブキャラクターの名産怪獣の一体で、鳥取県に出没する。
「楽になるカード」を集めているらしく、遭遇すると便利な7枚のカードのうち好きなカードを1枚、その場で使用させてくれる。
カードのラインナップは
  • 「目的地変更カード」(たまに目的地が変更されたりされなかったりする)
  • 「千載一遇カード」(目的地から9マス以内の位置へ移動)
  • 「ぴったりカード」(確率で他の社長のマスへ移動)
  • 「物件飛びカード」(独占可能な駅に移動し購入フェイズ)
  • 「☆飛びカード」(どこかのカード売り場へ移動し購入フェイズ)
  • 「オナラカード」(自分以外を目的地から離れる方角へ最大20マス分オナラで吹っ飛ばす)
  • 「買ってきますカード」(購入可能な最高額な物件をそのマスにいながらにして購入)
*8
確かに「楽になる」ラインナップである。オナラだけよくわからないが……お腹がスッキリするから?
カードを貰うのではなくその場で使用するというのがミソだが、使うカードはプレイヤーが自由に選ぶことができる上にタダ。プレイヤーには害がなく有益なので、是非出会いたいところ。

  • こぶへい
にゃんこ大戦争」に登場する無属性のラクダ。
射程が550と長く、後衛からチクチク攻撃してくる嫌なヤツ。
亜種は2体おり、
  • 確定生き残り+体力残り1%で攻撃力10倍に上昇するエイリアン「アルパッカ」
  • ゾンビキラーで仕留めない限り無限に蘇生するゾンビ「キャベロン」
と亜種も曲者揃い。

ちなみにラクダ系は全員共通して、射程が550、城破壊が得意(城に対してダメージ4倍)な能力を所持してる。

  • キャメルスラッグ
メタルスラッグシリーズに登場する乗り物の一種。
ラクダの腰の部分に機銃を載せただけというシンプルな物。それでもプレイヤーのハンドガンよりは間違いなく強く、斜め撃ちもできるので使い勝手は良い。
ただしプレイヤーは装甲で防護されているわけではないので被弾=即死である事に注意。なおラクダに被弾判定は存在しない。

  • 神獣ヴァ・ナボリス
ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルドに登場する古代兵器、神獣の一体。
英傑ウルボザ専用機の、ラクダ型巨大ロボット。
コブの部分にある発電機構から強力な雷を発生させる能力を有している。
「ブレスオブザワイルド」ではダンジョンのポジションであるが、100年前の前日譚を描いた「厄災の黙示録」では一部ステージでナボリスを操縦して戦うシーンが有る。
落雷やビーム攻撃以外にも、轢き逃げアタック突進で敵を蹴散らすことも可能。
また分かる人は見ればわかるが、ちゃんとラクダの歩き方が再現されている。

モンスターハンターシリーズに登場するモンスター。
水牛のような立派な角と先端がハンマーのように肥大化した巨大な尻尾が特徴だが、背中のコブも特徴的。
「脂肪が蓄えられており栄養の供給源となる」「人間の食用になる」など、ラクダのコブに酷似した性質を持つ。
ドボルベルクは通常の大型モンスターでは最大クラスの体躯を誇る上にコブは背中にあるせいで剣士はまず転倒させないと狙えない部位だが、ガンナーなら楽に狙える。
そしてコブは肉質がとんでもなく柔らかい(=ダメージを与えやすい)ので、上空から無数の矢弾を降らせるの曲射を使うと狩猟難易度がかなり下がる。

  • タイムラクーダ
ヤットデタマンに登場したラクダ型のタイムマシン。

  • ウルムド・アブドゥル
ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ランの登場人物。
人類史上初の乗馬による北米大陸横断レース「スティール・ボール・ラン・レース」にラクダで参戦した。*9
年に三度もラクダでサハラ砂漠を横断する剛の者で、レースでも優勝候補の一角と目されていた。


【ラクダの名前を冠するもの】

リアル創作問わず、ラクダそのものでなくとも、ラクダという名前を冠するものもたくさんある。
砂漠に強い生き物なのだから砂漠の特攻部隊などがラクダの名前を冠していてもおかしくはないものだが、なぜか創作ではあまりそういったものを見かけない。
……やっぱりのっそりしたイメージがあるからか?

  • らくだ色
日本の伝統色・慣用色名で、文字通りにラクダの毛の色に由来するくすんだ黄赤のこと。
JIS(日本工業規格)による『JIS慣用色名』内にも規定されており、それによればカラーコード #b0764f が駱駝色として定義されている。

また、英語圏でも古くから“Camel”は色名に使われてきた。
ISCC-NBSの定義によれば、カラーコード #C19A6B が“Camel”*10として定義された。

  • キャメル
R.J.レイノルズ・タバコ・カンパニーが製造・販売している煙草のブランドで、日本ではJTが発売。
その名の通りパッケージにラクダが描かれている。
戦前から発売されている屈指の老舗ブランドで、モータースポーツのスポンサーとして黄色い車体に青いロゴのマシンを多数送り出した。
日本人初のフルタイムF1ドライバー・中嶋悟が乗っていたのもキャメルカラーのロータス99Tなので、それで知っている人も多いだろう。

  • らくだ号
1983年に国鉄の九州鉄道管理局がキハ58系を改造して製作したジョイフルトレイン。
内装は481系の廃車発生品である回転クロスシートに改造され、カラオケ装置も設置された。
塗装も当初はクリームに茶帯、後期はクリームに水色の斜めストライプに変更されている。
名称の由来は当時の国鉄「トクトクきっぷ」のイメージキャラクターより。
1994年に運行を終了し、普通運用に戻ったが一部の車両はそれ以前にもジョイフルトレインに再改造されている。

  • キャメルクラッチ
うつ伏せに倒れた相手に跨がり、首や顎を引っ張り上げて海老反りにさせるプロレス技。
技を仕掛けている時の体勢がラクダに乗って手綱を引いているように見える事からこの名になったという。馬でもよくね?
ラクダの名称の通り、かつてはザ・シークやアイアン・シークなど中東系のレスラーが必殺技として使用しがちだった。
アニヲタ的にはラーメンマンブロッケンマンラーメンにして葬った技として有名か。

  • ラクダのおっちゃん/テイエムラクダオー
かつて世紀末覇王の名でも呼ばれていた競走馬、テイエムオペラオーのこと。
引退後は調教やレースから解放されて穏やかな顔つきになり、のほほんとした風貌がラクダを思わせる事からその名で呼ばれている。
「おっちゃんな、昔はじーわん?のレースをいくつも勝ったんやで。嘘だと思うならドトウって奴に聞いてみ」

  • キャメル記法/Camel Case
英語のフレーズを、空白を用いずに表現する方法のひとつで、プログラミング等で使用されることが多い。
各単語の最初の文字が大文字にして繋げて書くのが、キャメル記法。
例えば、“The page of camel”というフレーズがあった場合、“ThePageOfCamel”となる。
なお、より細かく分けると、上記のように先頭の文字を大文字にすることは“Upper Camel Case”と呼ばれる。
他方、先頭だけを小文字にする(“thePageOfCamel”)場合は、“Lower Camel Case”と呼ぶ。
いずれも、フレーズ中の大文字の部分が、ラクダのコブのように出っ張って見えることからそう命名された。

  • キャメルバック
ジェットコースターのレイアウトのことで、大抵はファーストドロップ(最初の巻き上げ直後に控える最も大きな急降下)の後に続く、何度か大きく上下するセクションのことを指す。
見たまんま、その線形がラクダの背中を想起させることから。


【余談】

  • ラクダの由来
ラクダの由来は乗ったら楽であることではなく、中国語の「駱駝」からきているとされている。これは中国語で「荷を背負う獣」という意味を持つ。

  • ドゥーラ
ラクダを観察していて、不意にラクダの口の中からピンク色の何かが膨らみ出てくるのを見たことがある人はいるだろうか。
ピンク色の風船ガムのようなそれはラクダの口の中にあるドゥーラという器官であり、これはオスラクダがメスラクダに求愛するときに見せつける器官であるという。
それを見せつけられたということは、すなわちラクダから求愛を受けているということなので、それを見ることが出来たという人はすぐにラクダに嫁入りする準備をはじめよう


ラクダの背でシルクロードを旅しながら追記・修正をよろしくお願いいたします。

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最終更新:2025年05月01日 20:27

*1 約4500万年前の北米大陸が起源とされている。約300万年前の氷河期の際に陸続きとなったベーリング海峡とパナマ地峡を渡ってそれぞれユーラシア大陸と南米大陸に拡散。正確には現代のラクダ科以外にもいろいろな科のラクダ類はいたが、北米のラクダ類はいずれも1万年前の氷河期の終焉と共に絶滅している。

*2 イギリスの植民地時代、オーストラリア内陸部の開拓において鉄道や道路が未整備だった地域の輸送手段として中東から輸入された。

*3 中央アジアや北アフリカの遊牧民族は移動・運搬にはラクダ、戦闘には馬と使い分ける場合が多かった。現代でもアフリカや中東などの紛争地では未舗装の荒れ地において、偵察や哨戒などで馬と並んで度々ラクダが使用が確認されている。

*4 というわけでコーエー『蒼き狼と白き牝鹿』シリーズにいる駱駝兵も創作系の存在ではない…一応。鎗騎兵より安価に運用可能って事ないとは思うのだけれど。

*5 実際、2022年、愛知県岡崎市の動物園でヒトコブラクダが熱中症で亡くなっている。日本の飼育環境ではラクダも他の動物と同じく熱中症対策は必須である。

*6 アルパカはビクーニャ属に分類されることもあるが、ラクダ科であることには変わりない

*7 ただ、一般的に「ロレンス」の愛称は「ラリー」。

*8 『2017』、『令和』共にラインナップは同じ

*9 自分の脚で走る者や自動車で参戦する者もいたので、ラクダならまだレースの趣旨に沿っている方と言える

*10 もしくは“fallow”、“wood brown”、“desert”