ファフロツキーズ現象

登録日:2016/03/04 Fri 19:14:00
更新日:2024/12/06 Fri 09:21:49
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ファフロツキーズ現象とは、「常識的に考えて空から降ってくるはずのないものが降ってくる」という超常現象である。
怪雨などとも呼ばれるが、最も有名なのが魚の事例であるため、「魚の雨」というような名前で聞いたことがある人も多いかもしれない。
降ってくるものは多岐に渡り、古代から現代に至るまで、世界各地で報告されている。

非常によく間違われるが、断じて「ファフロ()キーズ現象」ではない。
FAlls FROm The SKIES」(空からの落下物)を略したのが「FAFROTSKIES」である。
命名者はオーパーツの命名者でもある超常現象研究家アイヴァン・サンダーソン。
日本では現象自体は昔から知られていたが、「ファフロツキーズ」という名称と発音が定着したのはかなり最近で、
初出はおそらくオカルトマニアで有名な山本弘氏のSF小説「神は沈黙せず」ではないかとされている。
ただし氏もネイティブスピーカーに確認したわけではないらしいので、海外での発音とは多少違う可能性もある。


さて、21世紀に突入して久しい昨今、超常現象と呼ばれるもののほとんどは既に合理的な説明が付けられているといってもいい。
トリック映像や写真を暴くのも容易になり、多くの現象は「一見不思議に見えるが実は自然現象で説明がつく」もしくは「そもそもでっち上げ、ねつ造」
といった事実が次々に暴かれるようになった。
また心理学や脳科学の発展により、幻覚や偽記憶として説明が付けられたケースも多い(臨死体験やエイリアン・アブダクションなど)。

そうした中で、この「ファフロツキーズ現象」については、未だに明確な解明に至っていない稀有な例である。
下記のように個別の事例を説明できる仮説は多いものの、全く見当もつかない事例も数多い。
そのため「超常現象の謎を解く」系の、否定的見地から書かれた文献でも、ファフロツキーズ現象については
素直に「未だに未解明である」と書くか、竜巻説のような実証性に乏しい仮説でお茶を濁すか、さもなければ端から触れていないかである。
事例の多さから言って、ねつ造説だけで説明するのも難しい。


いわばファフロツキーズ現象は、「もっともガチに近い超常現象」と言ってもいいのである。



原因についての仮説

竜巻説

や湖から、竜巻で吸い上げられた魚などが降ってきたという説。
最も有名な説であり、しばしば「解答」のように扱われることも多いため、ファフロツキーズ現象の原因はこれだと思っている人も多いだろう。

確かに、竜巻説で説明ができそうなケースもある。
だが、発生時の気象条件や降ってきたものから考えて、それだけでは説明がつかないケースもかなり多い。

また、実際のところ竜巻の発生過程には謎が多く、本当に竜巻が大量の魚を吸い上げるようなことがあるのかどうかははっきりわかっていない。


強風説

どこからか風で飛ばされてきたという説。
実際に、「水辺から魚が風で飛ばされるのを見た」という目撃例がある場合もあり、降ってきたものの数が少ない場合はこの可能性も十分ありうる。


大量発生説

カエルが降ってきた事例を説明する仮説。
カエルの中にはある時期になると繁殖のために一か所に集まる習性があるものもあり、その様子を見た人が
「突然大量のカエルが現れた」→「空から降ってきた」
と誤認した可能性が考えられる。

実際、カエルのケースではカエルが空から降って来たところを目撃した人がいないケースも多く、その場合はこの可能性が高いだろう。


鳥説

空を飛ぶ鳥が咥えていたり、喉の奥に貯めていた餌を落としたという説。
やはり降ってきた数が少ない場合に、考えられる可能性である。
2009年に日本で起きた「オタマジャクシ騒動」は、この鳥説が当てはまる可能性が高いとされる。


航空機説

航空機の部品や貨物、あるいは外壁にくっついていたものが落ちたという説。直後にどこかで航空機事故が起きているかもしれない
特に「晴れていたのに氷が降った」という事例は、航空機の外壁で凝結した氷であった可能性がある。


いたずら・ねつ造説

全てではないにせよ、やはりこの可能性も捨てきれない。
特に日本で起きた最も有名な事例である幕末の「ええじゃないか」については、ほとんどがいたずらだったようである。

「ええじゃないか」は、「お札が降ってきた」という流言が幕末の民衆の間で広まった事件であるが、
お札が降ってきた家は近所にごちそうを振舞うというルールがあったため、金持ちの家にお札を投げ込んだり、
逆に自分で自分の家にお札を投げ込んで自分で見つけるという自作自演をしたことなどが記録に残されている。

挙句の果てには、鳥の餌とお札を紐で結んで、鳥に空から降らせるという暇な装置を開発する人物まで出てくる始末。
ええじゃないかは世直しを求める運動だったとか言われているが、この辺はどう考えても悪乗りであろう。


スーパーサルガッソー海説

超常現象研究家であるチャールズ・フォートが唱えた説。
大気圏の上層部には「スーパーサルガッソー海」というものがあり、そこには「テレポーテーション」してきた生物や物体が集まっており、
それが時折雨となって降る……という説。




……何言ってんの?
と思われたと思うが、どうもフォート自身もこの説は大して本気で信じていなかったようである。
いずれにしても、衛星が大気圏の上を飛び交う現在では成り立ちようがない説と言える。

ちなみにフォートは超常現象研究のパイオニアとして知られる人物で、現在でも超常現象マニアを「フォーティアン」などと呼ぶこともあるほど。
そのためか、しばしば「ファフロツキーズ現象の命名者はフォート」と言われることもあるがこれは事実ではない
上記にあるように、実際の命名者はやはり著名な超常現象研究者のアイヴァン・サンダーソンである。



これまで降ってきたもの

  • 魚(種類はイワシ、ミイラ化したウナギ、ハリセンボンなど様々)
  • カエル(上述のように、これは大量発生説で説明がつく可能性が高い)
  • オタマジャクシ
  • ワニ(え?)
  • 鳥(鳥が降ってくるのはおかしくないだろ、と思うかもしれないが、1933年のマサチューセッツのケースでは氷漬けの鴨が降ったらしい)
  • 幼虫(想像したくない)
  • 血と肉(もはや別の超常現象が起きている気がするが……)
  • 植物の種
  • 様々な野菜(大豆・空豆・芥子菜などがいっぺんに降ってきたという)
  • リンゴ
  • 大量の現金
  • 鉄の塊
  • 何かの部品
  • お札(ええじゃないか)
  • 謎の金属球
  • 甘露(古代中国で天子が正しいとき、また天地陰陽の気が調和したとき降る甘い露)
  • マナ(出エジプト記の40年間が天から降らせたパン)
  • 女の子(戦後日本に特有の事例)
  • ぶた(現実には降りそうになったところで終わった)
  • スカイドン(地球上の空はいつどこで、何か降ってくるかわからない。 宇宙線、流れ星、隕石、雪、雨、こうもり傘、人などなど…。 東京の空は、たまに危険な物が降ってくる。これらは全て「空からの贈り物」である。)
  • ギャラクトロン(異次元から不法投棄された「空の贈り物」)
  • サメ(センパ・パラタス)




追記・修正は魚の雨に降られてからお願いします。

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最終更新:2024年12月06日 09:21