クローンデデデ

登録日:2016/06/05(日) 05:34:45
更新日:2024/05/03 Fri 10:39:42
所要時間:約 9 分で読めます







ゲーム『星のカービィ ロボボプラネット』のボス。



概要

終盤の一歩手前となる5面「リポジトリム リズム」の最後に控える。
名前通りデデデ大王の姿を模した紫色のクローンモンスターであり、ガウンや頭のボンボンなどの白い部分が『星のカービィ64』の彼のようにトゲトゲしている。



本作冒頭、ハルトマンワークスカンパニーの襲撃に巻き込まれて城の瓦礫に埋もれ、行方不明となってしまったデデデ大王
実は以前よりポップスターでかなり強い生命体としてマークされていたらしく、スージーが密かに採取した細胞をもとに生み出されたのがこのクローンデデデであった。
カービィへのライバル心は本人以上に強く、細胞塊の状態でカプセルの中にいる時点でも強く震えだす程。


言わばカンパニーの手先ということなのか、いつもガウンの背中にあるピースマークはハルトマンワークスカンパニーの「H」のロゴマークに差し替えられている。
攻撃時に取り出すハンマーにも同じくロゴマークが。



ボスとして


プロダクトNo.D-0030
クローンデデデ


この星で かなり強い 生命体として、あの
デデデ大王の さいぼうを スージーが ひそかに
さいしゅ。そこから生まれた クローンモンスター。
すがたも、そして強さも まるで本人…
いや、強さはそれいじょうかもしれない。



カンパニー拠点の超高層ビル内の大型エレベーターで戦う。
戦闘開始後から起動し、最上階に向かって上昇する中で戦うシチュエーションは実にかっこいい。
壁側のライトに照らされたキャラクター達の反射がエレベーターの上昇に合わせて変化しているなど、地味な所で前作から進化した表現力も見せつけている。


攻撃パターンは吸い込み、ずっこけ(スライディング)、ハンマー、ジャンプ、ホバリングという、デデデ大王の基本を押さえた至ってシンプルな内容。
ゴテゴテに改造が施されたメタナイトボーグとは対極的である。
だがそれぞれの仕様は『トリプルデラックス』のマスクド・デデデに準じている。
なので、吸い込みは超広範囲に及ぶ「がんばり吸い込み」だし、ハンマーはジャンプから繰り出すと衝撃波が飛び、ジャンプは単発と3連続を使い分ける。



「え?たったこれだけ?」などと思うなかれ。本番はある程度ダメージを与えた後から。


空中に吹っ飛んだクローンデデデは3つの液体に分裂、そのまま再生し「デデデクローンズ」として再度立ち上がってくる。
復帰後は、3人で狂ったようにハンマーを連打しまくりながら歩く「みんなでハンマーファーマー」*1が確定行動。
モーション自体は『カービィファイターズZ』の最高難度におけるデデデ大王の「ハンマーファーマー」と同じだが、3人固まって動くため地上での攻撃範囲が広く、それが往復する上に最後は飛び上がっての叩きつけで衝撃波が3連続飛んでくる。
特に工夫しない限りは、基本的に終始ホバリングでよけるのが無難。


そして、クローンデデデ最大の強みと言うべきなのがデデデクローンズ達による波状攻撃。
ハンマーファーマーを終えた後はこれと吸い込みがオミットされ、どの攻撃を繰り出してくるかが完全ランダムになる。
『カービィファイターズZ』のチーム・DDDと違い、攻撃しても全く怯まないので3人の攻撃にしっかりと対処しなくてはならない。
威力こそ低いものの、1人に当たってもその無敵時間は残り2人の攻撃に適用されないことが多く、コンボを決められると結果的に他のボスと変わらないダメージを受けてしまう。


しかも、彼らの攻撃はバラバラに見えて、実際は3人全体で攻撃を途切れさせず意図的に連携しているのだからタチが悪い。
具体的に言うと必ず一人は誰かが行動終了するまでいつでも動けるよう待機しており、終了した瞬間即座に動き出す仕組みとなっている。
この思考ルーチンのせいでストーンの石ころ変身、スナイパーの擬態などといった「その場で無敵になる技」はデデデクローンズとすこぶる相性が悪く、逆に延々と粘着されて技が解けないという半ハマリ事態が往々にして起きる(しかもクローンデデデ戦前に手に入るコピーのもとの中には、この「その場で無敵になる技」を持ったリーフが含まれていたりする)。
そりゃ本人より強いわけである。


幸いなことに個々の体力はかなり低く、集中攻撃を加えればあっさり倒せる。
が、倒してもすぐに再生し、これまた行動タイミングを見計らって復帰するという嫌らしさも。
撃破するたびにクローンデデデの体は小さくなっていき、1人につき3回撃破した所で再生しなくなる。全滅させるには合計9回の撃破が必要。
集中攻撃して1人ずつ減らせば怖くない…と言いたいが、そもそも乱戦の最中で集中的に狙える余裕があるかどうかは別問題。
コピー能力でまとめて速攻勝負をつけるのが望ましい。能力が無い時は貫通弾がうまく作れれば一網打尽にできるだろう。
一定時間滞留する霧や地面に残る毒液、ダッシュ無敵技等攻撃範囲が広く隙の少ないポイズンや、長い無敵ダッシュに貫通力のあるジェットクラッカー、そしてダイビングロケットを持つジェットが特に相性がいい。



デデデクローンズを全滅させると、大型エレベーターが最上階の屋上に到着する。
そこから見えるのは夜景の輝きが美しい、煌びやかな大都市。

だが見とれている暇はない。彼らはまだ諦めていないのだ…



クローンデデデ&D3砲



このクローンに 足りなかったもの…それは
最強ウェポン。そう考えたスージーは、
3体の クローンデデデで そうじゅうする
立体砲台D3砲を あたえた。カービィへの
強い とうそう心を むき出しに、発進する。



クローンデデデの奥の手…それは、スージーから与えられた立体砲台「D3砲」。
3人乗りの戦車型兵器であり、多彩な兵装を有するそれに搭乗したデデデクローンズは、なおも闘争心を絶やすことなくカービィに牙を向け、再始動する。

ちなみにこの砲台、よく見ると真ん中の1人が操縦を、左右の2人はペダルを漕いで動力を担当している。

  • ディーゼルトレイン
屋上のレールに沿って動き回る。
レールの軌道は「○」と「十」が重なったもので(要は日本の地図記号で言う「保健所」のマークみたいに円を四等分した形)、移動ルートが事前に光るため回避は簡単。
後半は同じルートを何度も高速移動して体当たりするパターンが加わる。
動くたびに星が出る。


  • デッドビームマシンガン
副砲からマシンガンで地面を掃射する。開幕の挨拶代わりに行う攻撃もコレ。
過去作の似たような攻撃と違い、ガードしても引っかける力が弱いのか連続で削られることは少ない。


  • ディザスターフレイム
主砲から火炎放射を行う。幾つかパターン有り。

…3連射
3方向に向けて火炎放射。
更に軌道上がしばらく燃え、踏むとダメージを受けてしまう。

…薙ぎ払い(1)
画面端から往復するように薙ぎ払う。
地面に燃え残らない。

…薙ぎ払い(2)
後半戦で長引くと使用。
奥からステージ中央に向けて移動し、回転しながら火炎放射で薙ぎ払う。
これも地面に燃え残らない。


  • デンジャーキャノン
タメてから一直線に太いビーム攻撃。
横、奥からのいずれもしゃがんでいれば怖くない、が油断していると後々痛い目に…


  • ダイナミックボマー
後半移行時の確定行動。
画面奥から巨大な時限爆弾を発射し、一定時間後に爆発して短時間炎上する。
何度か攻撃を加えればD3砲に打ち返してダメージを与えられる。星型弾1発+空気弾2発で打ち返せるので能力無しの時は覚えておこう。


  • デストラクション・レイ
後半戦で使用。
デンジャーキャノンよりも更に長い時間タメて、極太ビームを発射する。
発射前にD3砲が上に少しせり上がるのだが、あろうことに発射中もちょっとだけせり上がる&ビームもちょっとだけ太くなるため、デンジャーキャノンと同じ感覚でしゃがんでいると確実に巻き込まれる。
奥からの場合も同様。当たらないのが一番。




兵装は悪くないのだが、このD3砲、実は終盤のボスとしてはかなり致命的な欠点を抱えている。

空中のカービィへの対空攻撃が全く存在しないのだ。

マシンガンも、火炎放射も、ビームも、なぜか一切上向きに撃ってくることが無いため、ホバリングしていれば全て簡単に避けられてしまう。
今までのボス(搭乗者のクローンデデデ含む)が何かしらの対空攻撃*2を持っていたのに明らかに見劣りしていると言わざるを得ない。
時限付きで危険な攻撃に見えるダイナミックボマーも、爆風に触れると大ダメージで派手にぶっ飛ばされる危険な技ではあるが、その爆風範囲も爆弾のサイズとほぼ変わらず、自分から当たりに行かない限り吹き飛ぶ光景なんてまず見られない*3
また、上向きに撃てたとしても今度はD3砲の真上に全部届かないという更なる欠陥が露呈する。頭上に陣取られれば完全に無防備で食らうのみ……と、清々しいぐらいお粗末。
最強の……ウェポン……?
どう考えてもウェポンに乗ってない方がタフさ含めて総合的に厄介だったので、「D3砲は癒し」「勝ちぬきボスバトルでは休憩地点」などと言われたい放題。結果、残念なボスという不名誉な評価を頂戴してしまった。
クローンに足りないものは確かに3人で活かせる強い兵器だが、その兵器に足りないものは対空攻撃だったというオチである。

逆に言えば、ホバリングを封印した上で臨むとそれなりに手応えのある戦いが楽しめる(後述の強化版も同様)。
高速移動をガチ避けする時は特に。ただし完全封印するとデストラクション・レイが必中になってしまうが。
ちなみに、ジェット能力のダイビングロケット(チャージ状態で掴み)は何故か奥にある場合に限りD3砲にヒットする。爆弾を一撃で弾き返せる威力を持っているのでこの戦闘では掴み技を意識して使ってみよう。



しかし一方で、D3砲戦の専用BGM「伝導電磁式三連砲:D.D.D.」はデデデ大王のテーマ、『メタナイトの逆襲』のマップとエンディングの豪華なアレンジメドレーになっており、夜景の美しさも相まって大変カッコイイ
D3砲がヌルいとかそんな事どうでもよくなるぐらいカッコイイのである。
この戦いに限って強いか弱いかといった難易度は重要ではなく、追い詰められてなお勝利に執心するライバルのクローン達を、大都市の夜景をバックに再度迎え撃つというシチュエーションそのものを楽しむのが良い嗜み方であろう。



撃破すると、D3砲がレール上を暴れ回ったあとに急停止し、そのまま大爆発。
クローンズは3人で大都市の夜空に飛ばされ「D D D」の汚い花火になるという自己主張の激しい最期を迎えたのであった。
この叫び声のBGM名は「93億の叫び」。ちなみにD3砲の制作費は93億ハルトマニー。
レートがどれくらいなのかは不明だが、とにかくひたすらに高いことはうかがえる。その割には対空がしっかりしてないが
そんな兵器に超高額のハルトマニーを投資したカンパニー、最強のマシンと評するスージー……大丈夫かこの会社?

これをもってポップスター上の拠点は全て破壊され、いよいよカービィは敵の本拠地…超大型母艦アクシスアークスに乗り込むこととなる。



強化版

Re:クローンデデデ



すがたも まるでデデデ大王と 同じだが、
そのまで クローン化する ことは だんねんした。
いくつかの しさくでは食べ物ばかり もとめたり、
とあるこん虫を やたら おそれたりと、
兵士として不完全で あったため である。


『メタナイトでゴーリターンズ』『真・勝ちぬきボスバトル』に登場する強化版。
紫色だった体から一転、白い体になっている(金色にも見えるかも)。ただし目は紫色。


攻撃手段にマスクド・デデデリベンジの光弾飛ばし2種(アクスショット、シャイニングアクス)が加わっているが、それ以外は動きが素早くなった程度で特に変わらない。
デデデクローンズに分裂した後の確定行動は往復でずっこける「みんなでスライディングターン」が加わり、その後に通常版も繰り出したハンマーファーマーを使う。
動きが早いということは行動終了までの時間も短いということであり、結果的に手数がノーマル版よりも多くなっている地獄。
真勝ちぬきボスバトルにおける鬼門の一つとされており、回復機会が大きく限られた本モードで3人のフォーメーションに苦しめられたプレイヤーは少なくない。



Re:クローンデデデ&D3砲



この立体砲台は とてつもなく高がくで、
ウィスピーウッズや メタナイトの サイボーグ化の なんと4倍。
あの ギガヴォルトより50億ハルトマニーも高い。
それでも、ハルトマンの乗る 純金の
プレジデンバー4分の1ほど ではある。


D3砲もパワーアップ。
通常版の弱点であった「対空攻撃の欠如」をある程度は改善しており、空中にいても油断ならなくなった。
だが、本当に「ある程度は」の域なので、相変わらず空中からの攻撃には弱いし、改善してもやっぱり真上に届かないのは一緒。
ただ強化版らしく移動スピードが速いので、いつまでも陣取れるとは限らない。


  • ディーゼルトレイン
ルートが少し長くなった他、移動スピードが早くなり隙も短くなった。
流石に油断はできない。
後半戦で長引くと行う高速移動もルートが微妙に変化している。


  • デッドビームマシンガン
往復で掃射するようになった。
後半戦は長引くと高速円周移動しながら空中→地上の順に中央を一点狙いするパターンも。


  • ディザスターフレイム
連射パターンが4連射になり、4方向に向けて火炎放射を行う。
更に炎上時間が延び、その間にD3砲が横断するようにレール移動してくることがある。


  • デンジャーキャノン
事前に発射角度を調整し、狙いをつけてくるようになった。
奥からの砲撃では左右横にも旋回するが、同時に上下の角度を合わせることはしない。そういうとこだぞ


  • ダイナミックボマー
最初から数が増え、爆発までの猶予が短くなっている。


  • デストラクション・レイ
特に変わらず。



余談

D3砲の固有の技名だが、よく見るとアルファベットに直した時すべて「D」から始まるようになっている。
BGM名も同様に「伝導電磁式(DenDouDenjisiki)」とさりげなくDを3回入れる妙なこだわりが光る。

戦闘前のムービーでも、スージーがクローンデデデについて
ーンジャラスで、
 ーッドリーで、
 ーラックスな、クローンモンスターですわ」
と折句を語っている。
また、クローンデデデのプロダクトNo.は「D-0030」であり、これは「デデデ・王様」の語呂合わせらしい。


尚、メタナイトボーグに対しては大きなリアクションを見せなかったカービィだが、
クローンデデデに対しては驚きを隠せなかった*4

追記・修正はデデデクローンズをノーダメージで切り抜けた方にお願いします。
この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 星のカービィ
  • ロボボプラネット
  • ボス
  • デデデ大王
  • クローンデデデ
  • デデデクローンズ
  • D3砲
  • リポジトリム リズム
  • クローン
  • クローンモンスター
  • クローン技術
  • 複製
  • 「デ」ーンジャラスで「デ」ーッドリーで「デ」ーラックス
  • 汚い花火
  • 戦いは数
  • ハルトマンワークスカンパニー
  • スージー
  • エレベーター
  • 夜景
  • No.D-0030
  • 最新鋭(人力)
  • DDD
  • 星のカービィキャラクター項目
  • 悪役
  • 93億ハルトマニー
  • 伝導電磁式三連砲:D.D.D.
  • 93億の叫び

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年05月03日 10:39

*1 後述のRe:デデデクローンズの技名「みんなでスライディングターン」から推測。

*2 最初のボスのウィスピーボーグでさえ大ジャンプや画面上からの攻撃を持ち、ホロ・アイスドラゴン及びホロ・ガラーガ、スージーのリレインバーも左に同じく、クローンデデデは言わずもがな。改造前より弱いと言われがちなメタナイトボーグも剣技・兵装ともに対空性能は高かったので、余計に落差がひどいことになっている。

*3 これを反省したのかどうかは不明だが、後に『星のカービィWiiデラックス』の「マホロアエピローグ」でラスボスが使用した同系統の攻撃は「放置すると広範囲に大爆発を引き起こす」という文句なしに放置できない危険技となっている。しかもこれの巨大版は爆発したが最後、ダークマインドのクラッシュボムばりに画面全体大ダメージで焼き払うという凶悪っぷり。つまりダークマインドのそれを踏襲していればD3砲も脅威となりえたのである……。

*4 どちらにも闘志(怒り?)を見せるカービィだが、メタナイトボーグの時はむしろスージーを見ていたと解釈できなくもないのに対し、クローンデデデに対しては明らかに睨み返していた。