登録日:2010/04/06(火) 21:12:33
更新日:2025/03/24 Mon 10:12:22
所要時間:約 ? 分で読めます
幻想水滸伝シリーズとはKONAMIより発売されているRPGである。
1995年の第1作から現在まで外伝を含み10作品が展開されており、一部を除きひとつの世界の様々な時代が舞台となっている。
タイトルからわかるように、ストーリーは
水滸伝がモチーフとなっており(『2』からはその要素が薄くなっているが)、主人公を含んだ108人(+α)を仲間にできるのが最大の特徴。
仲間の中には戦闘には参加しない者もいるが、戦闘イベントで力を発揮してくれる者、主人公達の拠点である本拠地で店を営み支えてくれる者と、どれも主人公を支えてくれる、必要不可欠な存在である。
ストーリーは主に
27の真の紋章を巡る戦争に主人公が巻き込まれていくというもの。
2012年発売の『紡がれし百年の時』以降はしばらく音沙汰がなかったが、東京ゲームショウ2022で『1』と『2』のカップリングリマスター版である『幻想水滸伝 I&II HDリマスター~門の紋章戦争・デュナン統一戦争~』が発表された。
対応プラットフォームは
PlayStation®4/XBOX ONE/Steam/
Nintendo Switch™を予定しており、発売時期は当初2023年とアナウンスされていたが延期。
2025年春と告知され、同3月6日に発売された。
そして2024年、他社から生みの親・村山吉隆氏らによる精神的後継作「百英雄伝」がリリースされた。
◆作品一覧
シリーズ第1作として1995年に発売。PS、SS、PCと様々なプラットフォーム向けに発売された。
赤月帝国を舞台に
27の真の紋章のひとつ『生と死を司る紋章(ソウルイーター)』を巡る争いと、紋章の呪いに振り回されながらも立ち向かっていく主人公の姿を描いている。
108人という多くのキャラクターを仲間に出来ることや、彼らと共に営む本拠地システム、独特な世界観のクオリティの高い音楽等が話題となった。
なお、『2』と共にリメイクされPSPで発売中。携帯アプリでもプレイできる。また、同じく『2』と共にHDリマスター版がSwitch、PS4/PS5、XboxSeriesX/S、XboxONE、Steamにて2025年3月6日に発売。
1998年にPS向けに発売された初めての続編。
前作の3年後のジョウストン都市同盟に舞台は移り、
27の真の紋章のひとつ『始まりの紋章』に選ばれた2人の少年の運命を描く。
シリーズ最高傑作との声が比較的多く、発売から10年以上経ってもなお根強い人気を誇っている。
なお、シリーズで最もバグが多いことでも有名(しかもPSP版では直るどころか悪化していた)であり、今もプレイするなら攻略サイトであらかじめ調べておかないと取り返しのつかないことになりかねないため注意が必要。
2002年にシリーズでは初めてプラットフォームをPS2に移して発売された第3作。
『2』より更に15年後のグラスランドを舞台に、真なる火の紋章を中心として真なる五行の紋章を巡り、3人の主人公が炎の英雄を巡る争いの真実に迫る。
複数の主人公視点でストーリーを進める『トリニティ・ヒーローシステム』や新しい戦闘スタイル等を取り入れる等シリーズ全体で見ても画期的な意欲作である反面、
ドット絵から3Dモデルへのグラフィックの変化、前作までシナリオ・ディレクションを担当していた村山吉隆氏が制作中に退社したことやラスボスが原因なのか、評価はプレイヤーの嗜好によって賛否がはっきり分かれやすい傾向にある(とは言え、シナリオに関しては村山吉隆氏が最初から最後まで執筆しているのだが)が、それだけに根強いファンも多い。
本拠地の新施設『劇場』は必見だが、ここにハマりすぎると無限に時間が溶けていくため要注意。
後述する『外伝』の2作品から引き続き採用された美麗なオープニングアニメーションと、そのアニメーションと共に流れる姫神による主題歌『愛を超えて』もその目と耳で確かめておいて損はない、素晴らしいものである。
また、シリーズで初めて公式コミカライズが為され、そして唯一物語の完結まで描かれたのもこの『3』であり、その内容もファンの間で非常に評価が高い(のちに『1』及び『2』もコミカライズに漕ぎ着けているが、諸事情により2巻または1巻のみで打ち切られており、『5』も同様に4巻から先が刊行されないまま現在に至っている)。
2004年にPS2で発売。初作の『1』よりも更に時代を遡った150年前の群島諸国が舞台となっている。
27の真の紋章のひとつ『罰の紋章』に寄生された主人公の運命と選択、それを巡る陰謀が描れる。
前作発売からの制作期間が短かったためかシナリオが短めで、また船旅システムの単調さ、戦闘に参加できる仲間の人数がこれまで主流だった6人体制から4人に減ったことなどシステム上の粗が目立つことからこちらも賛否が明確だが、しかし短いながらシナリオ自体は決して悪くなく、また本作独自の唯一無二な世界観が確立されていることや『1』でキャラクターイラストを担当した河野純子氏が二作ぶりに今作の魅力的なキャラクター達を描いていること、150年前という時代設定ゆえに後の時代への繋がりを想像させてくれる何名かのキャラクターの存在、coba氏による非常に印象的なテーマ曲など特筆するべき点も多々あり、やはり根強いファンも多い。
また、『罰の紋章』は非常に名曲。
詳しくは項目を参照して欲しい。
2006年にPS2で発売。
幻想水滸伝10周年記念作品。
『1』の時代から約8年前のファレナ女王国で起きた
27の真の紋章のひとつ『太陽の紋章』を巡るクーデターと、第一王子という立場からそれに巻き込まれ立ち向かっていく主人公の奮闘を描く。
前作までは河野純子氏か石川史氏のどちらかがキャラクターイラストを担当していたが、今作は本シリーズのTCG『カードストーリーズ』でもイラストを描いていた、複数のイラストレーターが担当している。
また、シナリオには『エターナルアルカディア』の津川一吉氏が起用された。
前作の反省点を意識しているのか、旧作を想起させるようなフィールド構成やロード画面、キャラクターのモーション等の個性の強調、質の向上した表示豊かなグラフィック、充分な長さのシナリオ等、旧来のファンに嬉しい要素を取り入れながら新規ユーザーにも目を向けた構成は、概ね好評で広く受け入れられた。
そのためか公式アンソロや『3』以来のコミカライズ等、書籍の展開が多い。
2000年にPSで発売された、シリーズ初のアドベンチャーゲーム。
のちに『3』でも108星の一人として登場するハルモニア神聖国の特殊工作員、
ナッシュ・ラトキエの視点で『2』の裏舞台や、ナッシュ自身の隠された因縁が語られる。
これまでシリーズの小説版の挿絵等も担当してきた八至丘翔氏が描く美麗なグラフィックや、山下明彦氏が作画監督を務める今見ても見劣りしないオープニングアニメーションは一見の価値あり。
また、『1』及び『2』のセーブデータを引き継ぐことで一部イベントやテキストが変化する。
『ハルモニアの剣士』の続編で、2001年にPSで発売。こちらも引き続きアドベンチャーゲームとなっている。
前作の半年後。宿敵ザジ・キュロイスと決着をつけるべくクリスタルバレーへ向かう傍ら、前作同様に『1』、『2』のキャラクター達と関わっていくナッシュの旅の道のりと、ザジとの最後の戦いの物語。
やはり旧作キャラも新規で描かれる美麗なグラフィックとアニメーションは見ておいて損はなく、また、過去作から再録された評価の高いBGMも必聴。
2001年に発売されたカードゲーム。現在まで2章が発売され、『4』までのキャラクターが登場している。
また、2001年に『2』のストーリーを基にしたGBA向けのゲームソフトも発売された。
2010年9月からは『幻想水滸伝mobile』でイラストコレクションとして再登場を果たす。
書き下ろし新作イラストを含めた、過去のイラストカードを、非会員は1日1枚、コナミDX会員は1日3枚引くことが出来た。
2005年にPS2で発売されたシリーズ初のシミュレーションRPG。
『4』から約2年後の群島諸国とクールークを舞台としており、タイトルにこそ幻想水滸伝と入ってはいないが、実質的に『4』の外伝として位置付けられる。
単なる外伝というだけでなく、『4』の良質な補完という側面もあるため、『4』のファンだけでなく『4』のストーリーに物足りなさを感じていた層もプレイしてみる価値のある作品である。
序盤のとあるシーンは、主人公とプレイヤーみんなのトラウマ。
2008年にDSで発売。シリーズで唯一のDS向けソフトである。
今作はシリーズ従来の世界観を離れ、旧作の世界も含んだ『百万世界』のうちの別の世界の1つを新たな舞台としている(よって、紋章が『星の印』という別システムに置き換えなれるなどの変更点も多い)。
『一つの道の協会』との戦いや世界の真理に迫る物語。
今作も複数のイラストレーターによるデザインを起用しており、前作『5』からのイラストレーターも参加している。
世界観を移したことにより旧来ファンからの意見はまたもや分かれるが、ひとつのRPG作品としては十二分に面白い良作であり、また、舞台を移したからといって決して幻水感が丸っきり失われているというわけでもない。これから幻想水滸伝に触れてみたいという人には特にオススメ。
なお、かつてコナミDXでは本作品の外伝小説が配信されており、本編にもリンクしている部分があるので、興味があるなら見ておいて損はないだろう。
TGS2011でシリーズ最新作として発表され、2012年にPSPで発売された。
前作ティアクライスに引き続き、百万世界が舞台となっている。
現代と100年前の過去を行き来するという面白そうな独自要素はあるが、ボリューム不足やその他あらゆる部分の粗が悪目立ちしてしまっているためか、良作と名高いティアクライスに比べてお世辞にも評価は芳しくない。
しかし、戦闘のテンポには定評があり、またBGMは幻想水滸伝シリーズのご多分に漏れずに相変わらず良好だったり、主題歌に石川智晶氏が起用されていたりと見るべき点も勿論ある。
◆シリーズの特徴
このシリーズの主な特徴は
- 登場キャラクターの多さ(特に仲間)
- 壮大な物語
- 本拠地システム
である。
シリーズ最大の特徴。
特に味方キャラは、全ての過去を捨てる程の暗い過去を持つシリアスな人物から、そこらへんにいそうな普通のおっちゃんおばちゃん、幼女にショタ、エルフや人魚、更には犬、タコ、ムササビなどの動物に加え、様々な亜人など、老若男女、種族に至るまで非常に個性豊か。
ライトな生い立ちの者もいれば、中には
CERO Bってレベルじゃないだろ!というぐらい凄まじく壮絶な過去を持つ者も少なくなく、バックボーンもまた様々であるため、ただ仲間になるだけというキャラが比較的少なく、設定に深みがある。
あくまで設定のみでゲーム本編では語られない内容もあるが、攻略本や設定資料集、外伝小説などで掘り下げられていることも割と多いため、興味があるなら読み漁ってみることをオススメする。
最大の特徴その2。
物語の途中で主人公らは拠点を構え、そこを中心に活動を展開していく。
仲間にしたキャラたちも一部を除いてそこに住まい、戦争に向けて修練を積む者、戦いには出ないが店や施設を構え支援する者、特に何もせずにお茶を飲んでいる者などこれまた様々。
仲間が増えれば、戦力はもちろん使える施設やミニゲーム、入手できるアイテムが増え、有利に、あるいは楽しくゲームが進行できるため、本拠地拡大と仲間集めは最大の醍醐味といえる。
特徴その3。
ストーリー中に何度か展開され、敵軍との命をかけた戦いを繰り広げる。
戦闘方法は毎作品で異なり、一部の作品では別システムではなく通常戦闘として扱われる場合もある。
通常戦闘には参加しないが戦争のみの参加というキャラも存在する。
キャラにより能力が違うため、仲間が集まれば、それだけ部隊編成の幅が広がるため、やはりできるだけ仲間は揃えたいところ。
なお、シナリオに関わるなどの一部の重要なキャラクター以外は、部隊全滅時に一定確率で死亡することもある。
死亡したと知らずにセーブしてしまったときの絶望といったら…。
◆一騎打ちシステム
ナンバリングシリーズ本編で、度々発生する戦闘システム。
主に重要な敵との1対1の勝負となり、通常戦闘ではなく、攻撃・防御・捨て身の3つのコマンドから行動を選択し、相手の選択したコマンドによって攻撃判定が変わる、ジャンケンのような形で行われる。
行動前の相手の台詞で次の手はある程度予測できるが、多少運になるところもある。
因縁の深い敵大将やかつての友などとの戦いによく発生するため、前後のストーリーも相まって非常に胸熱。
特徴その4。
幻想水滸伝の魅力を語る上で、キャラクターやシステム面に負けず劣らず欠かせない要素がこれ。
良質な音楽というのは他のゲームにもよくある特徴かも知れないが、シリーズの各作品の世界観に絶妙にマッチした、これぞ幻想水滸伝と言わんばかりの強く印象に残る曲の数々は必聴。
例えば本シリーズのゲームを始める際に必ず目にするであろうオープニング曲に一気に引き込まれた人はとても多いだろうし、町やフィールドの曲が好きすぎてそれを聴くだけのために立ち止まったことがあるというプレイヤーも少なくないはずだ。
特に『1』〜『4』くらいの時期には通常のサウンドトラック集のみに留まらず、ピアノアレンジやケルティックアレンジにボーカルコレクション等々、多種多様なアレンジCDが頻繁に発売されていたほどにシリーズ全体を通してその音楽に対する評価は高い。
幻想水滸伝と言えば音楽だというファンも未だに根強く、シリーズの世界観を盛り上げる重要なピースの1つとして確立されていることは間違いない。
信じるのなら追記、修正するのでしょう。それが人の性なのですから。
- 1~2までが神すぎて以降が違和感感じるレベルなんたよな。 -- 名無しさん (2014-06-20 04:49:52)
- そういう意見のせいで、売れないと思い6出さないのかも。俺は3も5も楽しめましたよ、コナミさん。 -- 名無しさん (2014-06-20 08:46:11)
- ↑4ェ・・・ -- 名無しさん (2014-06-20 08:47:53)
- …好きな人もいるんじゃないかな…たぶん。 -- 名無しさん (2014-06-20 08:55:59)
- ユーバーとペシュメルガの伏線は犠牲となったのだ...。 -- 名無しさん (2014-10-12 17:55:57)
- 水滸伝だと思ったら勧進帳が始まったでござる -- 名無しさん (2014-10-12 18:01:19)
- 6が出来るなら、 -- 名無しさん (2014-12-15 16:08:19)
- ぶっちゃけ、現時点での最終作である紡がれし百年の時がクソゲーと言って差し支えない体たらくだったので…… -- 名無しさん (2015-11-10 04:05:05)
- コナミは何かとゴタゴタになる作品が多いな… -- 名無しさん (2016-06-06 21:07:00)
- リンク無いんだ…タイトルから跳べてもよさそうなのに(他力本願) -- 名無しさん (2016-08-02 01:54:41)
- OPf -- 名無しさん (2016-08-02 15:19:51)
- OPムービーは4が最高だと思う -- 名無しさん (2016-08-02 15:20:28)
- 1の戦争でルック死亡したが…コンバート続けた3では普通に復活してた……レックナートさんかな? -- 名無しさん (2017-06-13 23:22:25)
- 今さらリンクつけた -- 名無しさん (2019-10-14 00:16:51)
- まだ未回収の伏線が多いのに、未完で終わりそうなのは残念無念。……テイルズみたいに今も続いている世界線もあったかも知れないのに…… -- 名無しさん (2020-02-14 01:50:47)
- 村山吉隆が最近Twitter初めてから幻想水滸伝の話題ばかり呟いてるんだが、新作についてはあまり期待しないほうがいいのか…? -- 名無しさん (2020-04-19 13:26:16)
- どうせソシャゲで終われない物語になるよ -- 名無しさん (2020-04-19 13:44:28)
- 百年の~は独立作品としてみればそこまで悪くはないと思う。幻想水滸伝シリーズで出しちゃったのがアカン。 -- 名無しさん (2020-04-19 14:11:16)
- ↑3 元スタッフ達によるPC向け新作RPGだったようね。 -- 名無しさん (2020-07-25 12:36:06)
- ↑PVとか見てみるとヒシヒシとコナミに恨みがあるような言い回しがある。やっぱなんかトラブルあったんかねえ。 -- 名無しさん (2020-09-30 14:33:36)
- 村山氏は3で終わらせたかったんだが、コナミから続けろと命令されて辞めたらしい。 -- 名無しさん (2021-08-24 13:41:07)
- ↑ソースもなしにらしいとか曖昧なこと書き込むなよ 村山さん本人は円満退社って言ってるんだし結局当事者にしかわからないんだから -- 名無しさん (2021-09-06 11:07:08)
- 1と2がリマスターされるのなら何かのきっかけでナンバリング復活しないものか…。 -- 名無しさん (2022-09-16 19:47:54)
- 百英雄伝の件でもう幻想水滸伝は続編出ないんだな、って悟ってしまった…… -- 名無しさん (2023-11-23 00:30:13)
- ↑シリーズを手掛けたゲームクリエイターの村山吉隆氏が急逝したから限りなく厳しくなったかもしれない…。 -- 名無しさん (2024-02-15 02:31:37)
- 5の個別記事ないんだな・・・5から始めちゃったのでないと寂しいな -- 名無しさん (2024-04-04 11:30:24)
最終更新:2025年03月24日 10:12