CERO

登録日:2017/11/14(火) 11:42:53
更新日:2019/12/08 Sun 09:46:05
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CERO(セロ)とは、日本のNPO法人・コンピューターエンターテインメントレーティング機構(Computer Entertainment Rating Organization)の略である。
主に日本のコンシューマーゲームを対象に、表現の倫理規定の策定や審査を行っている。

2000年代以降、日本産の全てのゲームソフトのパッケージには、この機関の審査を受けた事を証明するマークが付加されている。
ゲームの内容や描写等によって、「この部分は対象年齢が○歳以上。」等を意味している。
尚、レーティングの策定には、既にアメリカで設立されていた審査機関「ESRB」を参考にしている。


◆経緯

2002年6月、社会法人コンピューターエンターテインメント協会(CESA)の関連団体として設立。
同年10月、審査開始。
2003年12月、東京都より特定非営利活動法人として認証。
ゲームの内容や描写等を観察し、「この表現は○歳以上向けだな。」等と考え、それらを元に最終的に対象年齢を決める。
また、CEROは会員制度を取っており、CEROの目的に賛同した個人や団体等を正会員としている。


◆レーティングマーク

◇○歳以上対象

恐らく一番目立つのはこのマークだと思われる。
発足当時は『全年齢』『12』『15』『18』と表記されていたが、後に『A』『B』『C』『D』『Z』の五種類に区分された。

A…全年齢対象。カラーは黒。
B…12歳以上対象。カラーは緑。
C…15歳以上対象。カラーは青。
D…17歳以上対象。カラーは黄。
Z…18歳以上のみ対象。カラーは赤。

これとは別途に、任天堂ソフトのうちニンテンドー3DSでは通常白パッケージのところ、
C区分以上では黒パッケージに、WiiUでは水色のところを同じくC区分以上でダークブルーに変更している。


◇コンテンツアイコン

パッケージの裏に表示されているマーク。
主に暴力性が強いゲームに表示される事が多く、内容によっては3、4個付くのは当たり前。
記載順は以下の通りになっていることが多いが、パッケージを作るのはメーカー側であることもあってか、必ずしも厳密に守られている訳でもなく、たまに入れ替わる。

♥…恋愛

男女を問わず、恋愛表現・恋愛関係となる内容が含まれている場合。
当然のことながらときめきメモリアルシリーズ、ラブプラスシリーズなどビジュアルノベルや恋愛ゲームにつく。
恋愛要素があれば何でも付けられる訳ではなく、例えばトモダチコレクションには付いていない。

♂♀…セクシャル

男女を問わず、キャラクターが露出度の多いコスチュームや水着・下着・半裸になるシーンが含まれている場合やキスなどのスキンシップがある場合につく。
適用範囲は幅広く、アイマスから無双シリーズまで、美男美女が登場するゲームではほとんど付く。

手にナイフ…暴力

武器・銃器、あるいは拳によって人に対して攻撃を加える表現等がある場合。
ボクシングやプロレス等、スポーツとしてルールに則って行われる格闘技も含まれる。
こちらもアクション・格闘ゲーム・FPSなどなど適用範囲が幅広い。

お化け…ホラー

アイコン通り幽霊や異形の怪物などが登場する場合にも付くが、出血や死体などが描写されている場合にも付く。
ただ、これに引っかかるのは大概サバイバルホラー系が多く、その場合は「暴力」アイコンに一括して認定されることも多く、
このアイコン単体で適用されるケースは正真正銘の「ホラーゲーム」のみである。

ワイングラス…飲酒・喫煙

未成年のキャラクターがゲーム内で飲酒・喫煙をする表現がある場合。
ケースが比較的限られるため、ほとんどの場合は適用されない。
飲酒がテーマである『ドリームクラブ』でさえ適用されていないことを見ても分かる通り、成人が飲酒していても一切抵触はしない。
同作にはどう見ても成人に見えない合法ロリ的なキャラクターも登場するが、成人なので適用されていない。まさに合法ロリ。

貨幣袋…ギャンブル

ゲーム内で現金を賭けたギャンブルなどがある場合。
あくまでCEROではリアルな現実でも容易に再現可能な賭博のみ適用とされるため、『龍が如く』での丁半賭博等が引っかかる一方、
お遊びとしてドラゴンクエストなどのゲーム内通貨を賭ける様なものや、「パチンコシミュレーターソフト」などは該当しない。
海外の審査機関ではこの分野の規制が日本より厳しいので有名。

銃…犯罪

ゲーム内で犯罪行為を行う、奨励する表現がある場合。作中では合法あるいは通常の行為としてみなされても現実では違法な場合は適用される。
主人公からして犯罪組織に関与している『龍が如く』シリーズ、『グランドセフトオート』シリーズはもちろんのことだが、
地味に『クレイジータクシー』シリーズ(現実の道交法違反どころのレベルではないため)『ゼルダの伝説 夢をみる島』(ゲーム内で万引きが出来るため)も入っている。

注射…薬物

ゲーム内で薬物を使用する表現がある場合。こちらも『グランドセフトオート』に適用されていないなど該当例は少ないが、『「ロマンシング サ・ガ2』はボクオーン関連のイベントの影響でこれが適用されている。

吹き出し…過激な発言が飛び出す

過激な発言や人種などの差別用語などがゲーム内で出る場合。
意外にも適用例があり、『SIREN:New Translation』や『FINAL FANTASY ⅩⅢ』でも適用されている。


◆審査の手順


1.審査の対象となるゲームの映像と、希望する年齢区分を表記した問診票、世界観の資料、そして審査依頼票をCEROに送付する。
2.それらの情報を、審査基準に基づいて作成されたマニュアルに従い、三人の審査員が対象年齢を決める。
3.審査結果をメーカーに返送。此処でメーカーがOKすれば審査終了。但し、NGの場合は再審査。
4.ゲームソフト完成後、保存用にソフト1本をCEROに納品する

大体こんな感じ。
なお、ゲームソフトの審査を依頼する側は審査料金を払う必要がある。
一応、非会員であっても審査の依頼は出来るが、その場合、費用は正会員の約三倍も掛かってしまう。
なので、依頼するなら普通に会員になった方がお得である。


◆○区分(○歳以上対象)のソフト一覧(一部列挙)








◆存在に関する疑問(?)

実はA区分からD区分までのゲームに関しては対象年齢に満たなくても購入し、遊ぶ事ができる
例えば、B区分のゲームは12歳以上に満たなくても購入は可能。これはCERO自身はあくまで「Z以外は購入時の参考程度の区分しかしていない」と公表してる為。
つまり、レーティングはあくまで目安としており、A区分からD区分までは例え小さな子供でも気軽に遊ぶことができるという訳である。
「ちょっと刺激の強い描写がありますよ」程度に見ていた方が無難と思われる。


念を押すがZ区分に関しては18歳未満に販売禁止するという絶対に守らなければならない規制であり、仮に小売店が年齢確認をせずに18歳未満の人間に販売した場合、ゲームの出荷停止といった罰則もありうる厳重な規制となっている。
店によってはそもそもZ区分のゲームを取り扱わない、取り扱う場合は18禁アダルトゲームと同じ扱いにするというスタンスを取っているところもある。


◆CEROに対する製作サイドの配慮


対象年齢を設けることにより、メーカーが製作面で色々苦労するケースもある。

例えば桜井氏はスマブラ3DS/WiiU製作段階において、CEROの審査から「女性キャラのスカートの中が見えて破廉恥だ」と指摘され、何回も作り直したうえ、
「海外の審査で銃火器類はNGというのは理解出来る。しかし、日本の審査では下着が見える見えない位で神経質になるなんて、余りにも低レベルだ」
と、愚痴を溢していた。

ポケモンシリーズにおいてカジノ(ゲームコーナー)がある時を境に実装されなくなったのも国内の審査機構のCEROではOKなのでが海外の規制には引っかかる為実装できなくなったと製作サイドが発言している。

その他、Z区分を受けた外国産のゲームにおいても日本でローカライズされた際は欠損表現が修正されたりするケースもあり、
「Z指定のゲームに幾ら何でもそこまでは……」と不満に思うユーザーも多い。

かの有名なモータルコンバットシリーズが「4」以降、日本でローカライズされなくなったのもこの様な事が起因しているのかも知れない。

処女はお姉さまに恋してる~2人のエルダー~」ではPC版(18歳以上対象だがこれはCEROによる規制ではない)が PSPに移植された際に元々メインヒロインだった神近香織理と哘雅楽乃がサブヒロインに降格し、元々サブだった二人のヒロインが入れ替わる形でメインに昇格している。
香織理の降格に関してはシナリオライターがTwitterで「一般ゲームの倫理基準では出せない」とコメントしているが、これは香織理の出自が不倫によって産まれたという背景があり、彼女のルートもそれを軸としたものとなっているのだが、CEROの規定に「不倫を肯定する表現はNG」とある為表現が難しかったと思われる。

3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!」では通常版では全年齢対象だが、二つのシナリオが追加された完全版ではC区分に引き上げられている。
これは追加シナリオがいじめや教師と生徒の恋愛といった非常に重い内容を扱う為。言い換えれば審査を考慮して通常版ではシナリオを没にして、完全版で復活させたと製作者が言及している。

大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIALテリー・ボガードが配信された時、彼のステージには沢山の餓狼キャラやKOFキャラが姿を見せる中、不知火舞が不在という自体に陥った。
桜井氏曰く、「良い子のCERO-Aなので、出せませんでした」との事。

これもCEROの弊害といえば弊害なのかも知れない。



そして何より、明らかに審査怠慢をしたのではないかと思われるゲームもある。


他、メルルのアトリエのようなCERO改訂例もある等々、上記の理由からCEROの存在を疑問視するユーザーは多い。


一方で仕事したと言える例も勿論ある。
例を挙げると、PCゲーム「てぃんくる☆クルセイダース」(元々は18禁アダルトゲーム、その為CEROではなくソフ輪が審査している)がPSPに移植された際には、元々C区分の15才以上対象になる予定だったのだが、D区分(17歳以上対象)に引き上げられている。
これは原作CGを一切修正しなかった結果、CEROから下着のしわの書き込みがリアル過ぎるという指摘を受けた為
(ちなみに「CROSS†CHANNEL」がPS2及びPSPに移植された際には元々下着が見えていたCGが見えないように修正されており、そのシーンで主人公の太一も遠回しなメタ発言をしている。



◆そもそも何故、CEROが発足したのか?

1992年。
アメリカではモータルコンバットの記念すべき一作目が稼働。
そのゲーム内でサブゼロが脊髄ぶっこ抜きというトドメ演出を披露してしまい、人権保護団体から苦情が殺到してしまった。
この煽りを受け、アメリカでは日本よりもいち早くレーティング機構ESRBを設立し、ゲームの対象年齢を決める制度を取り入れた。
それから月日は流れ、日本国内産国外産問わず、ゲームのグラフィック等が綺麗になって行き、ゲームと現実の区別がつかないユーザーが現れる様になった。
実際、20代の男性がゲームの影響で人を撃った事件が起こってしまった他、アメリカのルイジアナ州にて僅か8歳の少年が「射殺してポイントを稼ぐゲーム」の影響を受けて祖母を射殺する事件が起きてしまった。
この様な事件が二度と起きない為、ゲームと現実の区別をつけさせる為、日本でもレーティング機構としてCEROが発足したとも言われている。
早い話、ゲームと現実の区別をつける為にもCEROは必要であるとも言える。
とはいえ、
「Z指定のゲームにまで修正措置をするのはやり過ぎ」
「下着が見える見えない程度の性描写で目くじらを立て過ぎ」
「規制すればする程、演出が面白くない物になってしまう」
等、否定的な意見もある。
まぁ、最終的には保護者が子供にきちんとゲームと現実の区別をつける様に躾をするのも大事であると言える。
また、B区分以上のゲームに関しては、「その年齢に満たない子供にとっては大抵の場合、操作性や難易度が難しいから」という理由もあるからという意見もある。
オンライン等で他のプレイヤーの足を引っ張っているプレイヤーは大抵の場合は、対象年齢に満たない子供プレイヤーである可能性もあるかも知れない。
例:ふんたー等。

もう一つの理由として、CERO設立前の家庭用ゲーム機では当然だがゲームハードメーカーが似たような審査を行っていた。
例えばスーファミや64では任天堂、サターンはセガ、PS1はSCEが直接チェックしていたので
それらのメーカーも負担が大きい上に、もし問題が起こった場合は審査した側も責任を問われる。

例を挙げるとセガサターンでは昔は乳首まで見えているエッチなゲームがリリースされていて、
あれらのソフトはセガが直接審査して「18歳以上推奨」「18歳以上指定(X指定)」のレーティングが貼られていた。
もし「サターンの〇〇というソフトが卑猥すぎてけしからん!」とマスコミに叩かれたとする。
ソフトのメーカーと審査してOKを出したセガも責任を問われて非難されてしまう。
ハードメーカーとしてはそういう責任面での重圧や、リリースされるソフトを審査する作業自体が負担になっていたので
「そういうのは外部団体に委託しよう」という考えが生まれてくるのである。
もちろんソフトをリリースするサードにとっても
「同じソフトをサターンとPS1で出すのに審査先が違うし基準も違うから大変」となるのは面倒なのだ。
このために「ゲームの表現を審査してくれる一括した団体」として求められたのがCEROである。

◆余談

2017年10月、フォーオナー(Z区分)の大会で15歳の少年が優勝するという出来事が起こった。
フォーオナーは18歳以上のみ対象のゲ-ムである為当然問題視され、大会主催者が謝罪する形となった。
そして再発防止策として「18歳未満のプレイヤーは出場禁止」等のルールを新たに制定する事となった。
Z区分のゲームでも保護者同伴ならば購入は可能であり、保護者が買って子に渡す等の抜け道がある為、やはり大会主催者のチェックが甘かったという意見が多い。


ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王(B区分)は、前作であるファイアーエムブレムif(C区分)の映像が収録されている限定版のみC区分に引き上げられている。これにより、「if」のコンテンツアイコンは「セクシャル」のみという事実と収録映像を照らし合わせることでifがC区分となった原因の一つが明確になった

このように限定版の同梱品もCEROの審査対象となる一方で、「店舗別予約特典」のようなゲームとは別で配布されるアイテムに関してはCEROの手が及んでいないため、ゲーム本編で使われているものより攻めたイラストが描き下ろされることも多い。


追記・修正はゲームを審査してからお願いします。

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