登録日:2017/11/14 Tue 11:42:53
更新日:2025/04/16 Wed 16:22:16
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CERO(セロ)とは、
日本のNPO法人・コンピューターエンターテインメントレーティング機構(
Computer
Entertainment
Rating
Organization)の略である。
主に日本のコンシューマーゲームを対象に、表現の倫理規定の策定や審査を行っている。
◆概要
2000年代以降、日本で発売される全てのゲームソフトのパッケージには、この機関の審査を受けた事を証明するマークが付加されている。
ただし、近年はDL販売も活発であり、DL専売のソフトの中にはCEROの審査を受けていない作品も存在する。
ゲームを発売している各メーカーは、発売前にゲームのダイジェスト映像をCEROに送付し、CEROの審査員がその内容や描写に応じて対象年齢などを判定し、複数の審査員の意見をまとめてそのゲームの最終的なレーティングが決定する。(具体的な審査方法は後述)
ちなみに、ゲームソフトの審査を依頼する側は、審査料金を払う必要がある。
なお、レーティングの策定にあたっては、既に
アメリカで設立されていた審査機関「ESRB」を参考にしている。
CEROの目的は「情報提供」であり、ユーザーが商品を購入する前に、そのゲームの対象年齢や、ゲームの内容・描写に含まれる要素(暴力表現・セクシャル表現など)を知ることができるようにしている。
CEROによるレーティングは、あくまでいちNPOが定めた基準に過ぎないため、基本的に法的拘束力はない。
ただし、CEROが長年かけて国や自治体と協議を重ねた結果、各自治体が有害図書を定める際にゲームについてはCEROレーティングを参考にするようになるなど、事実上の規制になっているケースはある。
具体的には、後述のレーティングが『Z区分』に該当するゲームに関する取り扱いが挙げられる。
CEROはZ区分のゲームを“18才以上のみ対象”と定義しており、ほとんどの県でCERO
Zのゲームは有害図書に準じた取り扱いをするように指導したり、
愛知県や
秋田県など一部の県ではCEROが
Zに指定したゲームは
自動的にその県の有害図書に指定する
ように条例を整備しているところもある。
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Z区分の取り扱いに関する事例紹介 |
■東京都の場合
例えば2023年時点の東京都では、CERO Zのゲームソフトについて、
- 『A~D区分のソフト』と『Z区分のソフト』は明確に分けて陳列すること
- 未成年にZ区分のゲームを売ることのないよう、場合によっては年齢確認すること
と定めている。
■愛知県の場合
愛知県では『Z区分のゲームは有害図書と同様の扱いとする』というルールの下、
- 未成年への販売は禁止、違反した場合は罰金が課せられる
- 有害図書(=CERO Zのゲーム)は、県が定めた陳列方法に従って置かなければならない
などの取り扱いを厳格に定めている。
陳列方法についてはいくつかのパターンが許容されており、
- 例① 間仕切りなどで仕切られたエリアにまとめて置く
- 例② 子供の視界に入らない150cm以上の高さの棚にまとめて置く
- 例③ 一般書籍(=CERO A~D区分のゲーム)が置かれた棚から60cm以上離した棚にまとめて置く
などの方法が認められているため、各店舗のレイアウトに応じて陳列方法をある程度選択できるようだ。
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ちなみに、CEROは会員制度を取っており、CEROの目的に賛同した個人や団体等を正会員としている。
一応、非会員であっても審査の依頼は可能だが、その場合、審査料金は正会員の約三倍も掛かってしまう。
◆沿革
2002年6月、社会法人コンピューターエンターテインメント協会(CESA)の関連団体として設立。
同年10月、審査開始。
2003年12月、
東京都より特定非営利活動法人として認証。
◆レーティングマーク
◇年齢区分マーク
「○歳以上対象」と書かれているもので、恐らく一番目立つのはこのマークだと思われる。
発足当時は『全年齢』『12』『15』『18』と表記されていたが、後に以下のように『A』『B』『C』『D』『Z』の五種類に区分された。
これとは別途に、
任天堂ソフトのうち
ニンテンドー3DSと
Wiiでは通常白パッケージのところ、
C区分以上では黒パッケージに、
Wii Uでは水色のところを同じくC区分以上でダークブルーに変更している。
また、パッケージの背表紙部分にあるCERO表記の部分の色はこの表の色に準ずる。
◇その他のマーク
上記の年齢区分マーク以外のマークで、以下の3種類が存在する。
一番左の「教育・データベース」のマークは教育用のソフトなどを対象に年齢区分マークの代わりとして付けられる。この中では唯一販売品に付与されるものなので比較的知名度は高いか。
真ん中の「規定適合」は製品化前の体験版ソフトなどに付与されるもので、CEROの定める禁止表現が含まれないことのみ確認が取れていることを示している。
一番右の「審査予定」は文字通りそのゲームがCEROの審査を受ける前の状態であることを示し、制作中のゲームのトレーラーやチラシなどで見かける。
◆コンテンツディスクリプターアイコン
レーティングB以上のパッケージの裏に表示されている以下の画像のマーク。単にコンテンツアイコンとも。
どのような内容が理由で判定されたかを示すもので、内容によっては3〜4個付くこともよくある。実際にプレイしてみると首を傾げたくなるような付き方も割とよくある。
記載順は以下の通りになっていることが多いが、パッケージを作るのはメーカー側であることもあってか、必ずしも厳密に守られている訳でもなく、たまに入れ替わる。
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ハートマーク:恋愛 |
ハートマーク:恋愛
異性愛・同性愛を問わず、恋愛表現・恋愛関係となる内容が含まれている場合。
当然のことながら『 ときめきメモリアル』シリーズ、『 ラブプラス』シリーズなどビジュアルノベルや恋愛ゲームにつく他、
RPGなどのストーリーで恋愛要素がある場合にも付けられることがある。
一方で、恋愛要素があれば何でも付けられる訳ではなく、例えば『 トモダチコレクション』や『 牧場物語』シリーズ、『 ドラクエ5』・『 ドラクエ8』には付いていない。
恋愛描写があっさりしているのが一つのボーダーなのだろうか。
『 Ⅷ』以外のFFシリーズ等、描写のわりに付いてないタイトルも多い。「どうせ他でレーティングが上がるから」と注視されていないのだろうか。
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♂♀:セクシャル |
♂♀:セクシャル
男女を問わず、キャラクターが露出度の多いコスチュームや水着・下着・半裸になるシーンが含まれている場合やキスなどのスキンシップがある場合につく。
CERO公式サイトには「性風俗業」「排泄」も挙げられているが、当然上記の表現がセットになるため単体指定はまずない。
適用範囲は幅広く、アイマスから 無双シリーズ、近年コンシューマー進出を果たした 東方Project作品まで、美男美女が登場するゲームではほとんど付く。
『 スーパーマリオ オデッセイ』がCERO:Bになったのはこれが原因(マリオの水着コスチュームがあるため)…というジョークが飛び交ったが、実際は後述の「暴力」「犯罪」要素が原因である。
ちなみに水着に関してはプールや 海といった自然な服装と言える場所での表現ならばセーフらしい。
このため、着せ替え要素のあるゲームでキャラクターに水着を着させると強制的にステージが海岸に指定されるシステムが実装されているケースもある。
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手にナイフ:暴力 |
武器・銃器・兵器、拳等で攻撃を加える表現等がある場合。
ボクシングや プロレス等、スポーツとしてルールに則って行われる格闘技も含まれる。
出血・欠損・死体などが描写される場合にも付けられることがある。
こちらもアクション・格闘ゲーム・FPSなどなど適用範囲が幅広い。
ドラゴンボールや仮面ライダーシリーズの公式作品にはアーケード作品含めてまず掲示されるため、実は印象以上にけっこう目にすることが多いジャンル表記マークでもある。
彼らの児童人気の高さをCERO側が理解していないとは思えず、このへんの扱いは苦慮しているのだろう。
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お化け:恐怖 |
お化け:恐怖
アイコン通り 幽霊や異形の怪物などが登場する場合に付くが、過度の出血や死体などが描写されている場合にも付けられる。
ただ、これに引っかかるのは大概サバイバルホラー系が多く、その場合は「暴力」アイコンに一括して認定されることも多く、
このアイコン単体で適用されるケースは正真正銘の「ホラーゲーム」のみである。
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ワイングラス:飲酒・喫煙 |
ワイングラス:飲酒・喫煙
未成年のキャラクターがゲーム内で飲酒・喫煙をする表現がある場合。
ケースが比較的限られるため、ほとんどの場合は適用されない。
適用例を挙げるとPSPで発売された『 大正野球娘。』など。
大正時代では未成年の飲酒はほとんどセーフだったのだが、現代の基準ではやはりアウトとなる。
飲酒がテーマである『 ドリームクラブ』やシーシャ(喫煙)を題材にした『Hookah Haze』でさえ適用されていないことを見ても分かる通り、成人が飲酒・喫煙していても一切抵触はしない。
両作とも幼く見える 合法ロリ的なキャラクターも登場するが、成人なので適用されていない。まさに合法ロリ。
ただし、CEROには関係ないが、このような作品では別途作中で「お酒は20歳になってから」の表記が行われることが多い。
近年では、喫煙の描写にもメスが入ることが多く、「(例え成人済みのキャラクターであっても)喫煙の描写が見られます」「当作品は喫煙を推奨する物ではございません」といった旨の注意が促される事もある。
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貨幣袋:ギャンブル |
貨幣袋:ギャンブル
ゲーム内で現金を賭けたギャンブルなどがある場合。
あくまでCEROでは 現実でも容易に再現可能かつ違法な賭博のみ適用とされるため、『龍が如く』での丁半賭博等が引っかかる一方、お遊びとして ドラゴンクエストなどのゲーム内通貨を賭ける様なものや、「パチンコシミュレーターソフト」などは該当しない。
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銃:犯罪 |
銃:犯罪
ゲーム内で犯罪行為を行えたり、奨励する表現がある場合。
作中では合法あるいは通常の行為としてみなされても現実では違法な場合は適用される。
主人公からして反社会的勢力に関与している『龍が如く』シリーズ、『グランドセフトオート』シリーズはもちろんのことだが、地味に『 クレイジータクシー』シリーズ(現実の道交法違反どころのレベルではないため)『 ゼルダの伝説 夢をみる島』(ゲーム内で 万引きが出来るため)も入っている。
前述の『 スーパーマリオ オデッセイ』が引っ掛かったのは「暴力」とこれだが、恐らくニュードンクシティ内部の描写が問題だと思われる。
ファンタジー要素の薄い等身大の人間が闊歩するリアルな大都会を、 マリオが持ち前の自由度の高いアクションで駆け巡る様は非常に爽快なのだが、あまりにも自由に行動できてしまうのが問題視されたようだ。ここでは「道路を走るタクシーの進路を妨害」、「タクシーやニュードンカーを踏み台などにして攻撃」、「マリオが信号を無視」など、どう見ても危なっかしくてひやひやするな行動を好き放題にできてしまう。もちろんしなくてもクリアできるが。ただし、「街中で戦車で砲撃」は必須、「ビルの屋上から他のビルの屋上の駐車場に飛び降りる」という危険な行動をしないと取れないムーンはある。
既存シリーズのようなファンタジー感溢れる街並みならいくらキノピオを踏みつけようが問題はなかったものの、
我々一般人に近いリアル系な世界観で同じような表現をする
と「犯罪」を想起させる要素として捉えられるようだ。
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注射:麻薬等、薬物 |
注射:麻薬等、薬物
ゲーム内で薬物を使用する表現がある場合。
こちらも『グランドセフトオート』に適用されていないなど該当例は少ないが、『 ロマンシング サ・ガ2』はボクオーン関連のイベントの影響でこれが適用されている。
また、『研修医 天堂独太』などといった、医療を題材にしたゲームにも適用される(手術シーン等で麻酔薬の注射を使うため)。
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吹き出し:言葉、その他 |
吹き出し:言葉、その他
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◇暴力シーンの注意書き
「このゲームには暴力シーンやグロテスクな表現が含まれています」という注意書き。
所謂
残酷ゲームにあたるもので、CERO発足よりこちらの方が若干登場が早かった。
大抵の場合、後述のC区分〜Z区分のゲームのパッケージに付加されている。
◆審査の手順
- メーカーは、審査の対象となるゲームの映像と、希望する年齢区分を表記した問診票、世界観の資料、そして審査依頼票をCEROに送付する。
- 三人の審査員はメーカーから提供された情報を見ながら、CEROの審査基準やマニュアルに従い、対象のゲームを審査する。
- 最終的な審査結果をメーカーに返送し、メーカーが審査結果を承諾すれば審査終了。審査結果が不服の場合は再審査となる。
- ゲームソフト完成後、メーカーは保存用にソフト1本をCEROに納品する。
◇CEROの審査員
審査員は20~60代の男女数十名が所属しており、職歴やゲームの腕前などは問われないが、「ゲーム業界に深い関わりを持っていないこと」が条件に含まれている。
書類選考と面接で採用されるらしく、学生や主婦などが審査員をやっていたりもするようだ。
審査員には謝礼金も支払われるが、少額とのこと。
1タイトルの審査につき3名の審査員が選ばれ、それぞれが専用のブースに入り、メーカーから送られてきたゲームの映像をチェックして審査を行う。
ブースはしっかり区切られているため、審査中に審査員同士が会話することはない。
なお、審査は審査員個人の感覚で「このゲームはけしからん内容だからCERO:D判定!」等と行われているわけではない。
CERO審査員の仕事とは、「CEROが定めた審査基準とゲームの映像を照合し、判断すること」である。
たとえばキスシーンの判断基準として
- 子供がほっぺにする可愛らしいキス
- 結婚式の誓いの口づけのような一般的なキス
- 音が聞こえるような濃厚なディープキス
などの基準がCERO側で決められており、審査員はメーカーから送られたキスシーンのサンプル映像を見て、基準と照らし合わせてどの程度に該当するかをチェックする。
したがって、審査員個人の感覚が入る余地はあまりない。
大量に送られてくる審査待ちゲームの映像を見て、審査基準を参考に機械的に判断していく…といった地味な仕事である。
◆主要なゲームソフトのレーティングについて(一部抜粋)
◇A区分(全年齢対象)のソフト
基準が一番厳しい区分で、主にファミリー層や低年齢を対象にした作品の他、未就学児童向けの情操教育用ソフトなどが含まれる。
当然ながら、ゲームのクオリティとは関係ないので、A区分であっても名作とされる作品は数多い。
暴力表現やお色気描写はほとんどなく、あっても過激な表現にならないようデフォルメされていることがほとんど。
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A区分のソフトの一例 |
(※1)後述の描写があろうが、あくまでA区分です。
(※2)リカンジュースを初めとしたアンドロメダ特有のイベントがあろうが、あくまでA区分です。
(※3)倒したモンスターが身体の一部分と思しき素材を落とそうが、2股以上をかけられようが、あくまでA区分です。
(※4)本作以前に海外でのみ『カプコンクラシックスコレクションREMIXED』(ESRB:T。CEROでいう所のB〜C区分)が発売されているが、収録作品は全く違う。
(※5)ラスボスの見た目はグロテスクですが、あくまでA区分です。
(※6)原作の『金田一』に登場する遺体の表現だとA区分では済まないものもある為、遺体の表現は『コナン』に寄せたといえる。
(※7)デフォルメされたグラフィックではあるとはいえ、敵ではない村人や動物(MOB)を殺害したりできますが、あくまでA区分です。
(※8)特撮TV番組『 仮面ライダーエグゼイド』に登場する架空のゲーム。劇中ではA区分として発売されているが、その内容はとんでもないものである。詳しくは該当項目か『エグゼイド』本編を参照。
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◇B区分(12歳以上対象)のソフト
ちょっとした暴力表現や軽いお色気表現が見られるソフト。
それでも後述のC~Z区分と比較すると、それなりに抑えられてはいる。ドット絵や2Dでも人の死や暴力を表現した場合、大体はこのB指定になると考えて良い。
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B区分のソフトの一例 |
(※1)当初はA区分だったが、後に不適切な描写が見つかり、回収。その後、今の区分に改められた。
(※2)北米で発売されたミッドウェイアーケードトレジャーズのローカライズ版。 モータルコンバット3作等、原版にあった一部のタイトルは未収録。
(※3)GBA版はA区分であったが、Rの早期購入特典になった際、引き上げられた。
(※4)VC時期はA区分だったが、Switch online ファミコン収録の際に移行された。
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◇C区分(15歳以上対象)のソフト
暴力表現がやや過激(出血や軽い欠損表現など)であったり、未成年者による飲酒や喫煙等の描写、露骨なお色気描写等がそこそこ見られるソフト。
前述した暴力シーンや
グロテスクな表現ありの
注意書きがパッケージに付加されるのはこの区分以降から。
◇D区分(17歳以上対象)のソフト
C区分の作品以上に暴力表現やお色気描写が過激またはリアルになっているソフト。
18禁ゲームの全年齢版は大抵ここに仕分けられる。
対象年齢に満たなくても購入可能なソフトはここまでとなっている。
かつてはC区分だったシリーズが、ハードの表現力向上に伴ってD区分に繰り上げられるケースもある(DMC5など)。
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D区分のソフトの一例 |
(※1)一見すると可愛い動物キャラクターが出てくる為、A区分に見えるが、実際の内容は……。
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◇Z区分(18歳以上のみ対象)のソフト
人体の激しい欠損表現など、C区分やD区分とは比較できないほど過激な描写が満載のソフト。
この区分のみ明確に
“18歳以上のみ対象”なので、対象年齢に満たない者は購入することができない。
児童に遊ばせないように警告が記載されていたり、購入の際は身分証明書が必要となる場合も。
ダウンロード版も
クレジットカード登録が無いと買えないようになっている。
また、18歳未満が閲覧する可能性が高い雑誌等にはZ区分作品の広告を載せられなかったり、立て看板などの設置が禁止というルールがあったりする。
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Z区分のソフトの一例 |
(※1) とあるキャラの追加ルートによってZ区分に指定された。このためPC版よりも家庭版のほうがレーティングが厳しくなっている。
(※3)ゲームキューブ唯一のZ指定タイトル。
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近年では
バイオハザード7、
バイオハザードRE:2、
バイオハザードRE:3のように「CERO:D版」と「CERO:Z版」の二種類のバージョンを発売する例も見られている。
「CERO:D版」ではグロテスクな表現が一部修正されてマイルドな描写となっている一方、「CERO:Z版」ではその手の規制が解除されている。
◇教育・データベース区分のソフト
名前の通りで、資格試験や語学の学習に使うソフトやお絵描き用ソフトなどに付与される。年齢区分とはまた別の概念であり対象年齢は特に定められていない。
A~Zの年齢区分マークが付いたソフトに比べると総数は少ないが、実用系のソフトが数多くリリースされた
ニンテンドーDSのソフトに比較的多い。
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教育・データベース区分のソフトの一例 |
- みんなの地図シリーズ
- DS文学全集
- 得点力学習DSシリーズ
- マル合格!シリーズ
- 花といきもの立体図鑑
- ニンテンドー3DSガイド ルーヴル美術館
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教育向けっぽいソフトであれば必ず当てはまるという訳ではなく、ある程度ゲーム性があるソフトは全年齢区分に指定されるようである。具体例を出すと、ニンテンドーDSで発売された『脳を鍛える大人のDSトレーニング』や『やわらかあたま塾』といったソフトはこちらではなく全年齢区分である。
なお、複数のソフトを収録した作品(過去作をいくつかまとめて収録したソフトや、
復刻版ミニゲーム機など)にもレーティングは適用される。
この場合は収録されている個別の作品ごとではなく、全てまとめて一括で判定される為、収録作品の中で最も高いレーティングが適用される。(収録作品内に一つでもC区分の作品があれば、仮に他の作品が全てA区分でもCERO:C判定となる)
◆課題・問題点
◇CEROの区分はあくまで“目安”
概要で述べたが、そもそもCERO自体に法的拘束力はないため、A~D区分までのゲームに関しては対象年齢に満たなくても購入し、遊ぶ事ができる。
例えば、B区分(対象年齢12歳以上)のゲームを10歳の子供が購入することは、ルール的には何の問題もない。
対象年齢を設定しているB~D区分のゲームは、対象年齢以下の低年齢層のプレイヤーがショックを受ける可能性のある、「ちょっと刺激の強い描写がありますよ」程度にとらえておけばよい。
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実例:B区分以上のゲーム記事を扱う小学生向け雑誌 |
モンスターハンターシリーズやFortniteはC区分(対象年齢15歳以上)だが、小学生(12歳以下)をメインターゲットにした漫画雑誌 コロコロコミックにて記事が掲載されている。過去には読み切りとして、編集部が仕事そっちのけでこのゲームをやる漫画が掲載されたこともある、
コロコロ編集部曰く、「各ゲームの対象年齢は知っているが読者からの要望もあり、独自の判断で取り上げている」との事。
開発者の方も「小学生にもゲームを楽しんで欲しい。」とコメントしていた。
同誌のモンハンの記事には、
「このゲームには15歳以上を対象とした表現がありますが、掲載に当たっては本誌基準を考慮しています」
というメッセージが表記されている。
その割には2007年7月号の記事にてガレオスが思いっきり斬られて血飛沫ブシャー!してたが……。
また、2008年5月号でMHP2Gが読者プレゼントになった時には、『CERO:C(15歳以上対象)』のマークが横にデカデカと表示された。
(ちなみに現物のパッケージには「このゲームには暴力シーンや~」の例の文言もあるという)
他にもモンハンは明らかに小学生をターゲットにしたコラボ企画が多数存在している。
- 犬夜叉とのコラボで鉄砕牙が武器としてゲーム内に登場した時、サンデー+コロコロのコラボ武器という事で刀身に『5656』が刻まれていた。
- 絶体絶命でんぢゃらすじーさんとのコラボが行われた。
- モンハンフェスタにおいて親子部門が設けられた。
モンハン以外の類似例としては、同じくカプコンの『エクストルーパーズ』(B区分)において、コロコロコラボ武器としてプラズマボマーが登場した事例がある(2013年3月号にも詳しく掲載)。
コロコロコミックだけ見ても似たような事例は数多く存在し、そもそもCEROが発足する遥か昔には、コロコロ本誌に鬼武者やバイオ、サムスピ等、現在の基準なら明らかにB区分以上に該当すると思われるゲームの記事が掲載されていた。
2003年10月号~2004年1月号にかけて、B区分の 鬼武者 無頼伝が掲載された事があるが、これは当時コロコロが扱っていた ロックマンエグゼシリーズと関係がある為だと思われる。
その他、B区分のゲームとしては2010年8月号でラストランカー、2011年3月号ではスーパーストリートファイターⅣ、 逆転検事2がそれぞれ掲載された他、同年4月号では 戦国無双クロニクルが読者へのプレゼントになっていた。
また、低年齢層から人気のコンテンツが、B区分以上の作品とコラボを行ったり、影響を受けていることもある。
例を挙げると『龍が如く8』(D区分)ではガチャピンとムックのコラボも発表されている
また、世界各国で人気を博している『 Apex Legends:(D区分)や『Fortnite』(C区分)は低年齢層からの人気も高く、そのことを踏まえてか 日曜朝に放送されていた 仮面ライダーギーツではそれらのゲームから着想を得ていた。
こうした実情から、「対象年齢を決めても強制力がないなら、わざわざ区分を分ける意味があまりないのでは?」等、CEROの存在を疑問視する意見もちらほら存在する。(CEROの存在意義については後述)
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念を押すが『Z区分』に関してはCEROのレーティングを元に各自治体が条例などを設けており、18歳未満への販売を禁止するという絶対に守らなければならない規制があるため、仮に小売店が年齢確認をせずに18歳未満の人間にZ区分のゲームを販売した場合、ゲームの出荷停止といった罰則もありうる(ただし、国家レベルでの法的拘束力はない)。
店によってはそもそもZ区分のゲームを取り扱わないというケースもある。例を挙げると家電量販店のノジマは2023年4月を境にZ区分の作品の取り扱いを停止している。
取り扱いのある店についても、売り場をカーテンで仕切って隔離する等で18禁アダルトゲームと同じ扱いにする、子供の目と手が届きにくい場所に陳列するというスタンスを取っているところもある。
一方で、家族などが代理購入して遊ばせてしまったり、(年齢確認の緩い)通販などで購入してしまうといった問題点も指摘されており、完全な対策とは言えないのも事実である。
◇メーカーの苦悩
ゲームを開発する側としては、仮にD区分相当と思って作ったゲームがCERO審査後にZ区分と判断された場合、そのまま発売すると上述の通り店舗によっては隔離されて陳列されてしまったり、広告が出せなかったり、最悪の場合は入荷すらされないため、売上に悪影響を及ぼしやすいという悩みがある。
そのため、ゲーム内の演出等を多少変更してでもCやD区分あたりを目指すことが多いが、その際の修正が露骨すぎて作品として違和感があると、今度はプレイヤーから反感を買ってしまうという別の悩みも抱えている。
他にも、AやB区分を目指していたが、より良い表現を追求した結果としてC区分以上に上がってしまうケースもある。
また、普段A区分のゲームばかり出している健全なシリーズ作品が、突然C区分やD区分の新作を発売してしまうと、そのシリーズや開発したメーカーのブランドイメージに少なからず影響してしまう。
そのため、大抵はそのシリーズの過去作に倣ってA区分(多少攻めた作品でもB区分)を目指すように演出を抑えたりすることはザラにある。
このように、クリエイターがそのゲームで本来表現したかったことがCEROを理由に変更・断念せざるを得なくなった、という事例は珍しくない。
その他、Z区分を受けた海外産のゲームにおいても、日本でローカライズされた際に人体の欠損表現が修正されたりするケースもあり、「そもそも18歳以上しか購入できないZ指定のゲームに幾ら何でもそこまでの規制はやりすぎ……」と不満に思うユーザーも多い。
似たようなゴア描写のあのゲームはDやZなのにウチのゲームは区分なし、と不公平感を漏らすクリエイターもいる。
◇自己申告制という制度の穴
CEROの審査は審査員が実際のゲームをプレイしているわけではなく、メーカーがそのゲームの暴力シーンやセクシャルなシーンをまとめた映像や資料を提出し、CEROの審査員がそれらを元に判断しているだけである。
つまり、問題になりそうなシーンをメーカー側が意図的に隠蔽することも可能であり、実際にそのような事例が確認されたケースがある。
有名どころでいえばガストが開発した『
メルルのアトリエ ~アーランドの錬金術士3~』が挙げられる。
本作は女の子キャラの温泉シーンなどの明らかにセクシャルな表現を含んでいたにもかかわらず、当初はA区分(全年齢対象)として発売されていた。
ユーザーの間でこのことが話題になるとCEROも動き、ガストに対して懲戒処分(再発防止に向けた始末書の提出、当該ソフトのレーティングの取り消しおよび出荷停止など)が下され、後に再審査の結果、B区分として再販された。
本作は、最初の審査でメーカーが提出した資料に一部のセクシャルなシーンが含まれておらず、結果的に不適切な審査が下されてしまったものと思われる。
ガストが意図的に隠蔽したのか、あるいは単なる不注意によるものだったのかは不明だが、結果としてこのような事態が発生してしまった。
(ちなみに作品のプロデューサーは発売前インタビューで「『メルルのアトリエ』にハレンチな要素はありません!」と語っていた。現場と上層部で認識に齟齬があったと思われる)
本件は性善説に基づいた“自己申告制”というCEROの制度の穴が浮き彫りになった事例として、ゲーム業界では広く知られている。
……とは言うものの、意図的に隠蔽するメリットなど全くないのだが。
ガストの事例では企業イメージを毀損する結果となり、処分が下されるなど大きな損失を被る事になった。
パッケージ販売なら回収の手間は莫大だし、ダウンロード販売ならば即座に販売停止になる。
挙げ句にもし隠蔽の常習犯などと風評が立てば、社会的に大きな批判を受ける事になるだろうし、もはやどこのハードメーカーも取り扱ってくれなくなるだろう。
炎上商法としても割に合うとは言い難い。
◇CEROが定める禁止表現
CEROは『禁止表現』と呼ばれる「日本の社会における倫理水準から逸脱している表現」を定めている。
分かりやすい禁止表現としては、アダルトPCゲームのような性的な表現(女性の乳首を描いたりすること等)が挙げられ、禁止表現を含むゲームはCEROの審査を受けてもZ区分すら与えられない。
また、CEROの規定では暴力表現に関する禁止表現が多いため、海外のホラーゲーム等が日本で発売される際、演出が変更されるなどの事例は後をたたない。
逆に海外は日本と比べてセクシャル表現に厳しいため、日本産のゲームで実装されていた女性キャラクターの過激な衣装などが海外版には含まれていないなどのケースがある。
◇レーティング基準の見直しについて
CEROの定めたレーティングや禁止表現などの基準は不変
というわけではなく、時代に合わせて見直しを行うことも常に検討しているという。
CEROの専務理事を務めた渡邊和也氏は、2014年に行われたインタビューにて「日本のゲームの表現規制に関するアンケートで『性的表現の制限はもう少し緩和してもよい』という意見が意外なことに女性側から寄せられた」という驚きの事実を挙げつつ、「常に時代にフィットするような審査基準を作っていかなくてはいけない」と述べている。
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CERO専務理事(2014年当時)のインタビューより一部抜粋 |
(暴力表現に対する規制が日本は海外と比べて厳しすぎるのではないか、という意見に対して)
私達は数年前、Zの表現と禁止表現に関する調査を行いました。
最終的に400ページ近いレポートになったのですが、非常に面白い結果が出ています。
(中略)
日本はこれだけ制限しているにもかかわらず、「残虐な暴力表現はさらに禁止したほうがいい」という意見が多かったんです。
この調査の結果によって、実際にレーティング基準を変更してはいませんが、こうした意見が一般的になれば、暴力表現の制限を検討しなくてはならないでしょう。
一方、セクシャル表現については、現在のレーティング基準と比べて「もっと制限を緩くしてもいい」という意見が多く見られました。
これには女性も多数含まれています。
例えば、「女性の乳首」は禁止表現に該当していますが、「テレビや映画では見られるから、ゲームだけ禁止はおかしい」という意見が女性から寄せられました。
(中略)
かたくなにZや禁止表現の審査基準を守りたいと考えているわけではなく、以前には「セクシャルの表現について、制限を緩めてはどうか」と提案したこともあります。
ただ、そのときは業界団体として意見がまとまらなかったんですね。
とはいえ、2~3年後にどうなるかは分かりません。
「社会」というものは急には動かない。徐々にしか変わっていかないですから。
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◇事例紹介:CEROに対する製作サイドの苦労・配慮
以下に、ゲームづくりにおいてCERO審査の影響が少なからずあった作品の実際の事例を記載する。
これらもCEROの弊害といえば弊害なのかも知れない。
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スマッシュブラザーズの場合 |
カービィやスマブラの産みの親として知られる 桜井政博氏は、『 スマブラ3DS/WiiU』の開発において、CEROの審査結果で「女性キャラのスカートの中が見えて破廉恥だ」と指摘され、シリーズの方針としてA区分を目指していたため、何度も何度も作り直しては再審査することとなった。
その際、「海外の審査で銃火器類はNGというのは理解できる。しかし、日本の審査で下着が見える見えない位で神経質になるなんて、あまりに低レベルだ」と、愚痴を溢したことがある。
他のゲームのセクシー系女性キャラについては、衣装デザインを変更したり、演出を変えるなどして参加した者も多いのだが、舞はその余地すらなく出演見送りになっている。
これについてファンの間では「下手に衣装に手を加えると舞じゃなくなるから」という事情が推測されている。
舞に関してはかつて、本家餓狼伝説シリーズでも若干肌色面積が少ない衣装(それでも相当の露出)に変更されたことがあったのだが、その際のファンの評判が非常に芳しくなかったため、結局すぐに戻されたという過去がある。
CERO-Aのゲームに出られるような舞は、もはや不知火舞ではないのだ。
ちなみにCEROがレーティングの判断材料にしている“セクシャル表現”には「水着などを理由に服を脱ぐ場合」も該当している。
が、スマブラにおいて上半裸のカラーバリエーションがある シュルク、 セフィロス、 カズヤは許されていたりするため、男性キャラクターの場合は多少脱いでもセクシャル表現には該当しないようだ。
不知火舞と同じくセクシャル表現関係で話題になった参戦キャラとして、 ホムラとヒカリが挙げられる。
彼女らは 任天堂でも異例のセクシャルのみでC判定を食らった作品のメインヒロインであり、そのままではとてもとてもA判定にお出しできるようなビジュアルではなかったため、スマブラにおいてはかなり露出度が抑えられている。特にヒカリ。
……が、抑えられているのは露出度くらいで、 一挙手一投足ごとにぷるんぷるん揺れる突き出たバストはほぼ原作のデカさのまま。ただ単に胸が大きいだけなら別にセクシャルと見なされるわけではないらしい。
スマブラにおけるセクシャル以外の規制の例としては、『モンスターハンター』から リオレウスがボスキャラとしてゲスト参戦した際、原作の特徴である尻尾切断などの派手な部位欠損描写はカットされ、頭部や翼等が多少傷つく程度の部位破壊に留まるのみとなった。
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バイオハザードの場合 |
『 バイオハザードRE:2』はCERO:D版とCERO:Z版の二種類のバージョンで販売している。
だが、CERO:Z版にも実際は日本独自の表現規制が入っており、海外版と比較して損壊表現が無い上に血しぶきの飛び散り方も控えめになっている。
これは単に表現の問題だけでなく、
「血しぶきの量が減ったせいで敵が完全に死んだかどうか判別しにくくなった」
「イベントで登場する上半身だけの這いずりソンビが普通のゾンビになったので、実質的に強化されている」
…など、ゲームバランスにも影響を与えてしまっている。
ホラーゲームに関しては悩みの種と言える問題であり、『 バイオハザード4』でも海外版では特定の技で敵を倒すと頭が吹っ飛ぶためにとどめを刺したことがわかりやすい演出になっていたが、国内版では頭が残る為、音で確認するか、死体を見て確認するかで倒したかどうかを判断する必要があり、規制によってゲームバランスが変化し難しくなっていると言える。
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モータルコンバットの場合 |
北米で人気の高い格闘ゲーム『 モータルコンバット』シリーズが「4」以降は日本でローカライズされなくなったが、その原因として日本独自の表現規制が影響しているのではないかと言われている。
PS2で『ミッドウェイアーケードトレジャーズ』が日本向けにローカライズされた際、やはりというべきか、原版に収録されていた『 モータルコンバット』3作は未収録となっていた。
その為、本作のレーティングはB指定となっているが、仮に『モータルコンバット』を収録した場合、間違いなくZ指定は確実になっていただろう。
シリーズ5作目に当たる『モータルコンバット デッドリーアライアンス』は当初、コーエーがローカライズした上で日本でも発売が予定されていたが、結局は発売中止になってしまった。
なお現在のレーティング規定に当てはめるとDA以降は「Z区分でもアウトな表現しかない」ため、日本では事実上発禁状態になっており、steam版も日本ではおま国に指定されているため、日本のアカウントからは購入が不可能となっている。
ただXbox360/PS3以降の作品についてはリージョンロックが掛かっていないため、北米アカウントとドル決済可能なクレジットカードさえあれば日本でも入手可能。
似た例としては『Deadspace』シリーズで、切断というシリーズ最大の特徴がCERO:Zに引っかかってしまう故に発禁状態。
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仮面ライダー バトライド・ウォーの場合 |
昔のライダーゲーは、全年齢対象であっても所謂「轢き逃げ描写」がセーフだったのだが、
B区分である本シリーズでは、バイクによる体当たりどころか騎乗攻撃すらできない。
これにより龍騎サバイブは必殺技であるファイナルベントが未実装で見送られてしまい(『2』で始動部分の火炎放射だけ実装)、
またビースト等バイクに乗らないキャラは高速移動形態に当たり判定があり、更に攻撃も可能とゲームバランスにも影響が出ていた。
なお変なところで抜け穴が多く、まずリアル等身で人型の敵じゃなければセーフであり、ヘリには体当たりでき、『2』のキョーダイン戦のみ騎乗攻撃が解禁されている。
また『創生』ではジャンプした際に衝撃波で攻撃する「アタックブラスト」、バイクで謎の壁に突撃するスカイライダーの「ライダーブレイク」と、直接敵にバイクをぶつけなければセーフとなっている。
更にはバイクの形をしてなければセーフらしく、発動時にバイクが黒い布に包まれドリル状になるナイトサバイブのファイナルベントは普通に使用可能という、プレイヤー的には普通にバイクで攻撃するのと何が違うのかまるで分らない事になっている。
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アダルトPCゲームの移植 |
『 処女はお姉さまに恋してる~2人のエルダー~』ではPC版(18歳以上対象だがこれはCEROによる規制ではない)がPSPに移植された際、元々メインヒロインだった神近香織理と哘雅楽乃がサブヒロインに降格し、元々サブだった二人のヒロインが入れ替わる形でメインに昇格した。
香織理の降格に関してはシナリオライターがTwitterで「一般ゲームの倫理基準では出せない」とコメントしているが、これは香織理の出自が不倫によって産まれたという背景があり、彼女のルートもそれを軸としたものとなっていたため、CEROの規定である「不倫を肯定する表現はNG」という部分該当したことが原因と思われる。
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通常版と完全版でレーティングが異なる作品 |
これは追加シナリオがいじめや教師と生徒の恋愛といった非常に重い内容を扱う為。
製作者は「CERO審査を考慮して、通常版では一部のシナリオを没にし、完全版で復活させた」と言及している。
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音楽ゲームの場合 |
アーケード版『ポップンミュージック15 ADVENTURE』をベースにPSPに移植して発売された『ポップンミュージックポータブル』では、15の新曲の中で「ウォートラントルーパーズ/ウォートランメインテーマ」が未収録になってしまった。
これは、ハーネマンの頭にナイフが突き刺さってしまうBADアクションが「良い子のA区分のポップンシリーズに相応しくないと判断された為」とも言われている。
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ドラゴンボールのゲーム作品における事例 |
『 ドラゴンボール』を原作にしたゲームで未来の 孫悟飯が登場する際、原作の設定では片腕なのだが、ゲーム版では両腕に修正されていることが多い。
CERO対策が理由の一つだと思われるが、これについては「過剰な自主規制だ」との意見も多い。
とはいえ、ゲーム内で悟飯はほとんど片腕しか使わないなどの描写もあり、ゲームスタッフが原作を無視しているわけではないことがプレイヤーにも伝わるようにはなっている。
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逆転裁判シリーズの場合 |
『 逆転裁判3』では ハードボイルドを意識したキャラが登場するが、彼は当初「酒とタバコを嗜む」という設定予定だったものの、実際のゲームでは「コーヒーを嗜む」という設定に差し替えられている。ただし1回の裁判につき17杯も飲む(推定1.3リットルくらい)という設定で、実際に裁判長からの見過ぎを心配されている。
他に、『 逆転裁判4』では明らかにワインを飲んでいるはずの場面が不自然な形でぶどうジュースに置き換えられている。
後のシリーズではタバコ代わりに飴玉を口に咥えたキャラや、明らかに酒なのに関わる人物が水として扱うというネタの落語、禁酒番屋の水カステラを題材にしたりとCEROを挑発するかのような描写を入れまくっている。
ちなみに飲酒描写自体が皆無という訳ではなくパーティの翌日に二日酔いしている描写が第一作の時点で存在する。
該当する人物は20歳以上である。
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◇CERO仕事しろ
明らかにCEROが審査怠慢をした(あるいはメーカー側が過激な描写を審査時に隠蔽した)のではないかと思われるゲームもある。
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パワプロクンポケットシリーズ |
尤も、パワポケシリーズの場合は、
「メインである野球部分しか見ていないから(=あくまでメインは野球部分)」
「グラフィックを用いた直接的な描写がなく、テキスト表現のみだから」
「キャラクターデザインがかなりデフォルメされており、生々しさがないから」
等の理由でA区分に指定されているのかも知れない。
とはいえ、「これでA区分はやり過ぎ」といった意見も少なからずあり、良い意味でも悪い意味でも「CERO仕事しろ」「CEROが審査怠慢した作品の代表格」等と揶揄されている。
もし、CEROがちゃんとこうなっていなったら、パワポケシリーズは少なくともB区分、ないしはC区分あたりに跳ね上がっていた可能性も高い(コンテンツアイコンは「セクシャル」「暴力」「犯罪」、しあわせ草とかのイベントの判断によっては「薬物」が付加されていた事だろう)。野球選手を育てるゲームのはずなんだけどなぁ表サクセスって…
2021年にswitchで発売されるパワポケRではなんと、B区分になる事が明らかになった。
暫くの間ネット上では、「あの頃は審査がガバガバだったんだね。」「さすがに今のご時世、A区分では誤魔化しきれなくなった。」「パワポケシリーズの伝統(=A区分)が此処で覆された。」「むしろ今までよくAで通ったな。」「えっ、B区分なの!?CとかDじゃなくて?」等のコメントが寄せられた。
そして開発陣がインタビューにて「CEROの判定が昔より厳しくなり、A判定は無理だった」と明かした。ついでに「要望が多かったら『Z判定』のパワポケも作りたい」とも明かした。
また『ポケ』のストーリー展開が終了した現在では『無印パワプロ』でも同様に「『ほぼテキストで終わる』とか『いわゆるパワ体キャラだけで終わる』なら大目に見る」「『ノベルゲー部分だけで終わる』はほぼセーフ」というのでCERO側から一定の理解を得られているらしく、
- 栄冠ナイン内にムフフな本を部室内で読むイベントがあってもA指定(エロ方向の18禁作品とは明言していないのでセーフ、と思われる)。
- カルト宗教による事実上の洗脳学校がシナリオとして遊べる、なぜか鬼鮫コーチから指導を受けられる、ゲームオーバーになると主人公が消滅するなどコンテンツディスクリプターに該当しそうな表現・展開を含むシナリオやキャラクターが多数登場する『2013』がA指定。
- そのくせわかりやすいネイティブアメリカンのキャラクターは『2014』以降出入り禁止なので内容のチェック自体はちゃんとやった可能性が高い。
- 矢部くんの生死がかかるシーンが存在する上、それを暴力描写とお笑いシーンで完結させる『2016』が同じくA。
- わかりやすく性的なキャラクターとして描写されていた、
ホームランボール女クイーンココロ初登場の『2018』も同様にA。
- ある登場人物がバケモノに変身してしまううえ、バッドエンドルートとはいえそのキャラクターが石像に変えられてしまう『ヒーローズ』がコンテンツディスクリプターアイコンなし。さすがに「ホラー」はあってもいいのでは。
- 矢部くんが本当にぶっとばされるしKOされるデモ映像がある、戦闘描写がある『2024』がやっぱりA。
パワフェスばっかりだな。
と、画面を確認して明らかにデフォルメキャラクターなのであれば割とセーフラインが下がる説を補強するような判定が出る説を補強する作品が見られる。
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アルトネリコシリーズ |
↓
「大丈夫! …全部…入れて… や…やぁ…あぁぁ…」
「…全部…入ったよ。」
「ありがとう… もう少し… このままでいさせて…」
これでB区分である。
一応、本来このシーンに卑猥な要素はなく、単にプレイヤーがイマジネーションを働かせすぎただけという言い訳も立つのだが、このシーンを抜きにしてもヒロインがバスタオルや裸ワイシャツ姿で主人公に迫ってくるなど、きわどいシーンや描写が多々ある。
CERO側も「あ、やっぱこれアウトだ」と途中で気づいたのか『 アルトネリコ3 世界終焉の引鉄は少女の詩が弾く』ではC区分にレーティングが上昇し、一部世界観・設定を共有する『アルノサージュ~生まれいずる星へ祈る詩~』ではD区分になった。
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サンダーフォースⅥ |
サンダーフォースⅥ
ラスボスがC区分~D区分でもおかしくないグロテスクでショッキングな見た目をしているが、 A区分である。
なお、肝心のゲームの出来に関してはお察し下さい。
ちなみに設定資料では「CERO対策として~」という文章があるため、審査を代替のグラフィックですり抜けた後に製品版で差し替えたのではないかという疑惑も指摘されている。
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ストリートファイターⅢ 3rd STRIKE |
ストリートファイターⅢ 3rd STRIKE(PS2版)
ギル、ユリアン、エレナ、トゥエルヴと言った露出度が高いキャラクター達が登場しているにもかかわらず、 A区分である。
なお、一番危ないのは一部のモーションで股間がモロに見えてしまうオロだったりする。
流石に後年になってPS3やX-box360で配信された時はB区分になった。
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龍が如くシリーズ |
龍が如く8
D区分であるにもかかわらず、ガチャピンとムックがゲスト出演。
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一方で「CERO仕事した」と言える例も勿論ある。
分かりやすい事例では、A区分と判断されたゲームが数年後にリメイクされた際に改めて内容が審査され、現代の基準と照らし合わせてB区分やC区分などに引き上げられたり、といったケースが挙げられる。
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CEROが仕事した例 |
PCゲーム(元々は18禁アダルトゲーム、その為CEROではなくソフ輪が審査している)である本作がPSPに移植された際、C区分(15才以上対象)を予定して審査を依頼したが、最終的にD区分(17歳以上対象)に引き上げられている。
これは原作CGを一切修正しなかった結果、CEROから「下着のしわの書き込みがリアル過ぎる」という指摘を受けた為。
余談だが、同じくPCゲームの『 CROSS†CHANNEL』がPS2及びPSPに移植された際には、元々下着が見えていたCGが見えないように修正されており、そのシーンで主人公も遠回しなメタ発言をしていた。
アーケード版がPS2に移植される際、AC版新曲「Sense 2007」楽曲のムービーにて「バブル期全盛期を彷彿とするボディコン女性が躍り狂うムービー』があったため、本来ならB区分以上に該当する予定であった。
スタッフは該当部分を汎用ムービーに差し替え、CEROにそれが認められたことでA区分に漕ぎ着けることができた。
オリジナルはA区分であったが、過激な言葉遣いや暴力シーン、犯罪描写や濃い恋愛描写等が多々見られた為、リマスター版ではB区分に引き上げられた。
コンテンツアイコンには恋愛、暴力、犯罪、言葉・その他が付加されている。
ちなみにオリジナルではワインや日本酒、バーボンが回復アイテムとして使用できたのだが、これらは移植版ではコレクターアイテムに変更されてアイテムとしての使用は出来なくなっている。
ボスとして登場する マルクも2020年の12月18日に配信された「セフィロスのつかいかた」で「本当はもう少しグロテスクにする予定だったが、CEROの都合でマイルドにした」との事である。
それでもかなりグロいので、その配信まではCEROの怠慢を疑う声もあった。
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◆そもそも何故、CEROが発足したのか?
◇ゲームの過激な表現とバッシング
1992年。
アメリカでは『
モータルコンバット』の記念すべき一作目が稼働。
そのゲーム内で
サブゼロが脊髄ぶっこ抜きというトドメ演出を披露してしまい、人権保護団体から苦情が殺到してしまった。
またメガCDのゲーム『Night Trap』では女性の生着替えシーンがあり、抗議を受けた小売店が自主回収と販売会社にセガ開発ソフトの取り扱い禁止の措置を行い、アダルトショップのみ取り扱うよう厳命を受けた。
この煽りを受け、アメリカでは日本よりもいち早くレーティング機構ESRBを設立し、ゲームの対象年齢を決める制度を取り入れた。
ESRBの区分は以下の通り。
E(Everyone):全年齢対象(初期はKA表記)
E10+(Everyone10+):一応全年齢指定。10歳以上対象
T(Teen):13歳以上対象
M(Mature):17歳以上対象
AO(Adult Only):18禁。
及び家庭用ゲームでの収録・広告・一般流通と販売全て禁止。
それから月日は流れ、和ゲー/
洋ゲーを問わずゲームのグラフィック等が綺麗になって行くと、ゲームと現実の区別がつかない(=ゲームから影響を受けすぎる)ユーザーが現れる様になった。
特にアメリカでは深刻で、レーティング機構発足から年月が流れた2013年になってもルイジアナ州にて僅か8歳の少年が「射殺してポイントを稼ぐゲーム」の影響を受けて祖母を射殺する事件が発生する等、現代でも問題視されている。
日本も例外ではなく、80年代に少年犯罪の件数がピークを迎え、そして90年代に凶悪な少年犯罪がたびたび報道されるという時代背景の中で、同時期に急速に発展してきたゲームという文化はそれら少年犯罪の原因のひとつとしてしばしば語られた。
実際にゲームの影響があったかはさておき、世間の関心が高い事件の犯人にゲームやアニメなどの
オタク趣味があったと判明すると、マスコミは殊更にそれを強調して報道したため、そもそもオタク趣味に対する印象は最悪と言ってよい時代であった。
そのため世間からのゲームに対する印象は良くなく、「ゲームが青少年に与える影響」を議論するような時には、一方的に悪いイメージで語られることが多かった。
そうして「ゲームは青少年に悪影響を及ぼす」という論調が強まるにつれ、日本のゲーム業界としても何かしらの対策を施し、業界としての姿勢を明確に示す必要が生じた。
そうした経緯の元、日本でゲーム開発を行っている各企業からの賛同を得て、CEROが発足されることとなる。
◇CEROはゲームを守る側面を持つ
実のところ、CEROの最大の目的は「日本のゲーム産業を守ること」にあるといえる。
もしもCEROによるレーティングが存在しない場合、先のアメリカの事例のような悲劇的な事件が発生してしまうと、「ゲーム=悪影響」の論調によって、真っ先にそのゲームや開発したメーカー、ひいてはゲーム業界全体が問題視されてしまう。
最悪の場合、行政の介入によってゲームの表現や販売方法等に何らかの法的な規制が入りかねない。
しかしCEROによるレーティングが存在することによって、仮に日本で暴力的なゲームに影響された子供が何かしらの事件を起こしたとしても、「ゲーム側はきちんと暴力的なゲームであることを明示し、対象年齢も明記していた」と主張することができ、「対象年齢が高く、暴力的な内容だと明示していたゲームを子供に買い与えた親や、あるいは子供に販売した店側に落ち度はなかったか?」という議論に持ち込むことができるのだ。
とはいえ、
「18歳以上しか購入できないZ指定のゲームにまで修正措置をするのはやり過ぎ」
「下着が見える見えない程度の性描写で目くじらを立て過ぎ」
「規制すればする程、演出が面白くない物になってしまう」
等、CEROの存在やレーティング基準に対して否定的な意見も少なくない。
最終的には保護者が子供にきちんとゲーム(非現実)と現実の区別をつける様に教育をする事が大事であると言える。
◇CEROの必要性
そもそもB区分以上のゲームに関しては、「対象年齢に満たない子供がプレイする場合、内容が理解されない可能性がある」という面がある。
たとえ名作であっても、低年齢層のプレイヤーだとB区分以上のゲームからは楽しいゲーム体験が得られないことは十分に考えられる。
また、別の側面として、CERO設立前の家庭用ゲーム機ではゲームハードメーカーが似たような審査を行っており、各社で判断基準がバラバラな上に単純に負担も大きかったという事情がある。
例えば
SFCや
N64では任天堂、
サターンはセガ、
PS1はSCEが直接チェックしていたのだが、そういった審査はそれらのメーカーの負担になってしまっており、さらにもし問題が起こった場合は審査した側も責任を問われてしまう状況にあった。
例を挙げると、セガサターンでは昔は乳首まで見えているエッチなゲームがリリースされていたのだが、それらのソフトはセガが直接審査して「全年齢指定」「18歳以上推奨」「18歳以上指定(X指定)」のレーティングが貼られていた。
ここで、もし「セガサターンの〇〇というソフトが卑猥すぎてけしからん!」とマスコミに叩かれたとすると、そのソフトを開発した会社はもちろん、審査してOKを出したセガも責任を問われて非難されてしまう。
ハードメーカーとしてはそういう責任面での重圧や、リリースされるソフトを審査する作業自体が大きな負担になっていたため、「そういうのは外部団体に委託しよう」という考えが生まれたのである。
ソフトをリリースするサードパーティーにとってもメリットはあり、もし同じソフトを任天堂とSONYのハードで出す場合、CEROがなければ任天堂とSCEがそれぞれ審査することになるため、「審査先も違うし基準も違う」ということになり、必要な手続きが増える上に両方の審査基準を満たすゲームづくりが求められてしまう。
このために「ゲームの表現を審査してくれる一括した団体」として求められたのがCEROなのである。
ちなみに前述した通り審査が始まったのは2003年。ハードで説明すると
ゲームキューブ初期のソフトが審査を受けずに発売されているといったところ。
ゲームキューブ屈指のホラーゲームである『エターナルダークネス』は2002年10月発売の為ギリギリですり抜けている。仮に審査を受けたらおそらくZ区分と思われる。
◆余談
◇Z区分のゲームをプレイする子供
2017年10月、
フォーオナー(Z区分)の大会で15歳の少年が優勝するという出来事が起こった。
フォーオナーは18歳以上のみ対象のゲームである為、当然問題視され、大会主催者が謝罪する形となった。
そして再発防止策として「18歳未満のプレイヤーは出場禁止」等のルールを新たに制定する事となった。
Z区分のゲームでも保護者同伴ならば購入は可能であり、保護者が買って子に渡す等の抜け道がある為、やはり大会主催者のチェックが甘かったという意見が多い。
◇限定版の特典も審査対象(ただし抜け道も有り)
上記の例のように初回限定版等の特典や同梱品もCEROの審査対象となる一方で、「店舗別予約特典」のようなゲームとは別で配布されるアイテムに関してはCEROの手が及んでいないため、ゲーム本編で使われているものより攻めたイラストが描き下ろされることも多い。
例を挙げると、『
アマガミ』や『
キミキス』の一部の店舗の予約特典では「これ大丈夫なの?」と思えるほどに過激なイラストが使用されている。
やり過ぎた例もあり、『
ラングリッサー トリビュート』ではとある店舗の予約特典ポスターは内容が明らかにR-18のシロモノとなってしまったため、店舗側の判断によって未成年者には特典を渡さないという措置が取られてしまった。
◇CEROの犠牲になったのだ
2017年よりマイクロソフト社が展開した『X-BOX GAME PASS』の関連サービスが約3年程の遅れを取ってしまったのは、マイクロソフトジャパン曰く「CEROが原因」との事。
◆海外の例
◇IARC(国際年齢評価連合)
こちらはCEROではない海外のレーティングシステムだが、参考として記載する。
International Age Rating Coalition(国際年齢評価連合、以降は略したIARCで表記)は2013年頃にゲームレーティング手続きの簡略化、グローバル化を狙って作られた組織で、IARCもレーティングを付与している。
CEROのような従来のレーティング機関は、ゲームメーカーが各種ゲーム資料を提出し、場合によっては追加の調査をした上で「このゲームのレーティングは全年齢である」などと決定するが、IARCの審査はメーカーがアンケート調査のような設問に答えてIARCに提出し、その内容によって「このゲームは7歳以上からだね」とIARCレーティングを付与する。
そしてIARCは北米のレーティング機関のESRBや、欧州のPEGIと連携しており、IARCで「7歳以上」と付与されると、自動的に北米のESRBや欧州のPEGIではそれに相応するレーティングが取れる。
従来なら北米で売るならESRB、欧州ならPEGIにいちいち料金払って審査をする必要があるのだが、IARCの審査を受ければそれらが自動で取れるのだ。しかもIARCの審査料はほぼ無料。
アンケートをメールで送るだけなのでかなり手続きも早く済む。
中小ゲームメーカーにとってはすごくありがたいレーティング機関である。
日本のCEROは2020年現在ではIARCとの連携をしていないので上記のようなことはできず、日本国内でゲームを流通させるにはCERO審査を受けるしかない。IARCだけを取ってもダメ。
CEROも検討や意見交換はしているため将来的にどうなるかは不明だが、しばらくは国内でのゲーム審査はCEROを通すことになるだろう。
日本のハードメーカーは日本国内でのゲームの審査にIARCのみでの販売は腰が重かったが、マイクロソフトは2020年初頭に、任天堂は同年10月以降は徐々にIARCでのレーティングを付けたゲームを販売しているようだ。
すごく便利そうなのになぜ二の足を踏んでいるのかというと、たとえば日本はエロに甘くグロに厳しいと(海外では逆とも)言われていて、文化なんて国や地域で受け取り方ががらりと変わってしまう。
それでちょちょいとアンケートに入力しただけの審査で複数の国にまたがって販売の許可を出すと、日本では15歳以上のレーティングで問題なく販売してたゲームが、欧米では「これが15!?18歳以上じゃなきゃダメだろ!」とか揉めることもありうる。
簡単に審査できるということは、ミスや抜けも簡単に起きうるのだ。
この辺が解決するかどうかを時間をかけて見定めていると思われる。将来に期待だ。
前述のIARCを国内で認めているメーカーもまだ実験段階ということなのか、IARCのレーティングは事後に変わる可能性があることを注意書きに入れたり、IARCでも対象年齢が高くなるソフトは許諾していない模様。
ちなみにIARCはデジタル配信専用のゲームしか対応していないので、パッケージ版も併売するつもりなら使えない。
◇海外と日本の基準の違い
日本と海外(欧米)ではゲームの審査基準に違いがあり、ゲームの海外展開をする上でお互いの障害になっている。
一般に、日本は「セクシャル表現に緩く、グロテスク表現に厳しい」とされ、海外はその逆(エロはNGで、グロはOK)と言われている。
この違いから、海外の人気作品でも「グロすぎる」との理由で日本では販売すらされなかったり、逆に日本の基準ではセーフな作品でも海外の基準では「エロすぎるのでアウト」、という例は非常に多い。
なお実際のところ海外では「
(海外基準で)ロリのセクシャル表現に厳しい」というのが実情であり、
海外基準の「大人」のキャラの場合、SwitchやPSのゲームでも
セックスシーンや乳首の露出と言った日本ではNGの表現が普通に登場する事も多い。
エロ・グロ・ギャンブル以外で日本と海外の違いを挙げると、海外ではアルコール関係が特に厳しかったりする。
- 『ワリオランド2 盗まれた財宝』ではワリオが敵にビールを浴びせられると酔っぱらってフラつくというリアクションがあるのだが、海外版では鉄球を頭にぶつけられてフラつくというリアクションに変更されている。
- 『ファイナルファンタジータクティクスアドバンス』では主要人物に「無職で飲んだくれのダメ親父が居る」という設定があるのだが、海外版ではこの設定が大きく変更されている。
また、近年ではポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)の台頭から、差別表現や人種問題などの表現に気を遣う必要が出てくるようになった。
完全なオリジナル作品であればともかく、続編やリメイクなどでポリコレに配慮したキャラクターや設定が強引に追加されると物議を醸すことになる。
日本のゲームソフトが海外の審査機関に認められない場合は、実質的に発売禁止措置となる。
発売禁止措置が取られた例の作品を挙げると下記の通り。
- クリミナルガールズ2
- オメガラビリンスZ
- ぎゃる☆がん2
- VALKYRIE DRIVE -BHIKKHUNI-
この中でオメガラビリンスZについては豪州、
イギリス、ドイツで発売禁止、クリミナルガールズ2ではドイツのみで発売禁止、VALKYRIE DRIVE -BHIKKHUNI-はドイツと欧州で発売禁止となっている。
海外といっても審査機関は複数存在し、審査基準も一律ではないのがこの規制の差によって読み取れる。
ちなみにオメガラビリンスZは北米でも発売されていないが、これは北米の機関ESRBによる審査拒否ではなく
ソニーの自主規制である。ESEBの審査は17歳以上対象で通過している。
なおESRBの審査の解説文を読むと
「女性キャラクターが裸で入浴している様子も描かれていますが、胸と股間部分は蒸気で覆い隠されています」とゲーム内容が細かに説明されている。
ストーリー重視のゲームの場合、こういった解説・補足が
ネタバレになりうるので注意が必要である。
追記・修正はCERO:Aを取得してからお願いします。
- カオスヘッド、Steamで配信拒否されたんだなあ。Z指定もだがそれ以上に「(設定上)未成年のキャラの/への残虐描写」が原因だけど。海外ではその辺めちゃくちゃ厳しいからなあ -- (名無しさん) 2022-10-03 22:34:59
- 日本の表現規制の緩さと複雑さを体現していると感じる、完全に主観だけとcero:zまではすぐ行くけどzより上の発禁まで行くにはめちゃくちゃ隔たりがある印象。逆にヨーロッパ圏とかはEU規制で全部厳しい。アメリカは日本で言うcero:z相当までは遠い一方zと発禁までがかなり近い印象。 -- (名無しさん) 2022-10-27 18:33:50
- 移植版の東方が暴力で引っかかるのはわかるが、何故セクシャルでも引っかかるんだ -- (名無しさん) 2022-10-27 19:56:24
- ↑×3 こういうの聞くとcerozでもだめなゲームでも海外で売れるかもしれないけど、日本で流通不可のゲームって先進国なら全部流通不可何じゃないかと思うわ -- (名無しさん) 2022-10-28 06:06:33
- 「すごく便利そうなのになぜ二の足を~将来に期待だ。」←この辺の事情気になってたから助かる -- (名無しさん) 2022-11-10 22:30:19
- ↑3 服がボロボロになる描写ってある?あれば十中八九それだと思う -- (名無しさん) 2023-03-01 20:28:47
- ゲーム名を挙げて具体的な事例を列挙している箇所が多く、内容がちらかっている印象だったため、セクションに畳むなどして整理してみました。 -- (名無しさん) 2023-06-17 01:23:46
- Xbox360のゲームだったかな、パッケージのCEROがAでディスクに印字されてるCEROがBで「どっちやねん!」ってのがあったのを覚えてる。他にもそういうソフトって意外とあるんじゃないかな? -- (名無しさん) 2023-09-29 09:33:40
- ディシディアはトランスのティナを再現するためにCEROをCにしたらしいね -- (名無しさん) 2023-09-29 09:43:56
- Z区分の残虐ゲームを保護者が購入しそれをプレイする少年がいたりするけど、18禁エロゲーを保護者が購入しそれをプレイする少年はいるのだろうか? -- (名無しさん) 2023-09-29 17:26:11
- 手元にあるPS2 BEST版カプエス2がCERO:A区分なんだけど、スマブラSPに舞が出演出来なかった理由読むと3Dモデルになる事でカメラ視点も切り替えられる様になった現在の格ゲーだとその辺のセクシャル区分もドット時代より顕著に目立ってくるのかな。 仮にC区分のサムスピ零SPをあの内容のまま3D化したらDはおろかZも免れないだろうなぁ…(国内版と違い切断描写がある海外版サムスピ閃はESRB:M(17歳以上)区分) -- (名無しさん) 2023-09-29 19:32:24
- CERO Zだったら乳首は解禁して良いんじゃないかなぁと思う。別に18禁でもない漫画やアニメでも乳首くらい見られるのになぁ… -- (名無しさん) 2023-10-09 09:31:54
- ↑一応、漫画やアニメならセーフというわけでもないぞ グレーゾーンなだけであって、やりすぎると怒られる 漫画やアニメは修正して単行本や円盤で解禁って方法が取れるけどゲームはそうはいかんし 後、最近では男の裸がセーフなのに女の裸がアウトなのはおかしいって理屈で男の裸が規制される説も出てきているから緩和はされないと思う -- (名無しさん) 2023-12-04 07:50:13
- 『ナビつき!つくってわかるはじめてゲームプログラミング」はA~Zのどれでもなく「教育・データベース」になっている。他にもあるのかは知らない。 -- (名無しさん) 2023-12-28 21:44:26
- 深夜アニメのゲーム作品だと、昔は全年齢対象になる事が多かったが最近(2010年代以降?)はB以上になる事が多い。色々見直したからかなぁ…深夜アニメのゲームでA指定になってるのはけいおん、ひだスケ、ごちうさ、GA、ゆるキャン等のきらら作品(NEWGAMEはC指定)、ヤマノススメ、幻日のヨハネぐらいしか思いつかん -- (名無しさん) 2024-01-24 15:08:08
- 朝のおはスタで、CERO未審査IARC12+のグラブルバーサスを小学生達にやらせてて笑った ソシャゲ屋はやっぱやる事がえげつないな -- (名無しさん) 2024-01-30 00:22:03
- フリーホラーゲームである「ふぁんしーあいらんど」と「エンジェルパーク武蔵」がもしSwitch用のコンシューマ版が出てしまったらCERO: Zでしょうなwww -- (名無しさん) 2024-02-19 20:46:01
- ダイイングライトでゾンビの血が緑の時はまじで腹立った。デッドアイランドは良くてなんでダメなんだよと。まあアプデで赤色に変更できるようになったけど、それでも規制やりすぎではと思う時は多い。 -- (名無しさん) 2024-02-21 13:20:17
- ダイイングライトといえば道中1匹だけ日本CEROを潜り抜けてきたのか頭部欠損(割れてる)状態のゾンビがいたな。 -- (名無しさん) 2024-04-24 16:33:56
- 日本未発売の初代バーンアウトは、レース中のクラッシュ時はESRB:T(CERO:B相当)レベルだけど、何かの間違いでESRB:E(CERO:A相当)なんだよね。 -- (名無しさん) 2024-04-30 18:08:51
- 最近(というか10年位前から?)は、小学生でもモンハンやフォートナイトのようなC指定のゲームも普通にやってる時代なんだよなぁ…特にモンハンはキッズ向けレベルのストーリーズが発売かつそれのアニメが朝に放送されたのを知った時には明らかにファン層を更に広げてるのが分かるわ -- (名無しさん) 2024-06-08 20:54:20
- CEROではないが正直海外のこの基準は全く理解できない。映像作品なら昔某映画なんか女性真っ裸(修正なし)なんか易易と(なんなら日本もTV放送も薄いモザイクで)出してるのに途端ゲーム方面の創作になれば極端に物言い付くのは理解できない。文化的な側面?かは知らないが批判とかではなく本当にわからない…個人的には取り締まるとしてもそれ逆では?と感じるものが多々ある -- (名無しさん) 2024-07-12 23:38:49
- 規制するのも緩めるのも実写が先ってだけの話よ。太陽の季節が原因で映倫が生まれて、その規制がアニメゲーム含む他分野にも広がって、そのあとで実写映画やらAVやら、大きな金の動くジャンルからロビーして規制が緩むって流れ -- (名無しさん) 2024-07-13 01:45:56
- バイオは4だとGC版以外で敵の頭損壊なくなったのは規制厳しくなったんかなと思ったら5でまた頭損壊復活して6以降また無くなってたりよくわからん -- (名無しさん) 2024-07-29 07:41:04
- 関係ないかもしれないけど、18禁でもない週刊誌や実話誌でも乳首が出ちゃったりするんだよね。 -- (名無しさん) 2024-08-09 16:00:21
- 「アケアカNEOGEO セレクション」や「タイトーマイルストーン」のような幾つもの古いゲームを一纏めにしたものは高確率でB指定になるな。昔は許されても今となると引っかかる要素が多いんだろうか -- (名無しさん) 2024-09-24 14:37:01
- チビ的には店によってはCERO:Zの棚が高くて届きにくい時があるのが悩み -- (名無しさん) 2024-10-11 11:09:39
- バーンアウトやニードフォースピードなど、レース中にクラッシュ(交通事故)演出が発生するゲームソフトは大抵人間が出てこない限りCERO:B(犯罪)区分なんだよね。無理かもしれないが、もしアーケードのスリルドライブシリーズの据え置き版が出たらCERO:Bかも。 -- (名無しさん) 2025-02-07 19:59:32
- 幾ら深夜アニメのゲーム作品でも「何でこれがB指定になるんや…」と思ったものもある(バンドリ、ラブライブとか)。健全なイメージが強いのに何がセクシャルで引っかかるんだろうか… -- (名無しさん) 2025-02-11 17:14:11
- リメイク作品がCEROBになってきている。 -- (名無しさん) 2025-04-19 15:51:45
最終更新:2025年04月16日 16:22