作中における初登場で、上で何度も触れたようにこの時点では本当に単なる無能な嫌味上司。
笹塚が怪しい市民探偵を頼ることを快く思わず、自力で事件解決できる(と思い込んでいる)警察の力を見せ付けるべく、監察という名目で現場に入り指揮を執る。
項目冒頭でのヒステリアに関する間違った推理をドヤ顔披露→背後で爆弾が爆発の流れは最早ギャグ。
それでいて自分の非を一切認めない上に、弥子を犯人とグルになって名声を得た胡散臭いガキ呼ばわりしながら退場。
直後の犯行現場とネウロの犯人暴きの場面にも登場し、笹塚の説得もあって最終的には不満たらたらながらも弥子への追求は取りやめにした。
望月情報事務所の策略に嵌められ、ネウロと弥子がまんまと麻薬密輸犯に仕立て上げられそうになっている現場の指揮官として登場。
急に入ってきた情報ながらも少ない資料で即座に現場の状況を把握。検閲と人員配備を即座に済ませるなどの有能振りを見せ付ける。
後に自身も現場に赴くも密輸犯はネウロの影響で脳を弄くられており、彼らの意味不明なメルヘン話にときめいてたりなんて一面も。
一方で、以前から薄々感じていた望月情報事務所の胡散臭さと笹塚のやり方を重ね疑問を抱いたりもしていた。
総理大臣を殺害して成り代わっていた怪盗Xの捜査が一行に進まないことを警察上層部に糾弾されていた。
これに対し上層部を「現状の見えてない老人」と称し、弥子の証言の方が説得力があると苦々しげに認めていた。
直後に現れた笹塚が持ってきたブラックコーヒーに悪態を突きつつ、怪盗Xの予告現場の担当にして欲しいという彼の頼みを、
Xと関わりがあるという私情を挟もうとしているという理由で即座に突っぱねる。
後に笹塚が自分なりのプランを構築して再度頼みに来た際には彼の本気を見定め、
笹塚のプランは論外としながらも見本を見せると豪語し、笹塚も含めたX逮捕のための計画を構築。
結果的にXの方が上手で計画は失敗し一時その責任を問われるも、世界で始めて具体的に練られたX捕獲のための捜査計画ということで、
海外メディアを中心に評価が高く一定の面目は保てたとのこと。
情報犯罪課のエリート捜査官である篚口のお目付け役として様々な場面で顔を見せ指揮を取る。
事件の規模と内容もあり表立っての活躍は多くは無いが、この頃には性格もだいぶ丸くなってきている。
因みに本エピソードでの初登場は植木鉢の花を満面の笑みで愛でていたら背後から筑紫に声をかけられて驚いてしまい、誤って花を握りつぶしてしまうというもの。
HALの原子力空母乗っ取りの際に警視庁が押収した情報を求めてやってきた弥子に対し、
好きな出前を頼んでいいから有力な情報を見つけ出せと発破をかけたりもした。
この際、自分もヤキが回ったものだと愚痴りながら直後に弥子の驚異的な食欲を思い出して引き返すも時既に遅し。
微力ながら事件解決の一端を担ったものの、代償として20万以上の食費が犠牲となった。
エピローグでは電子ドラッグに乗っ取られた責任を感じていた篚口の辞表を握り潰し、
お前のような犯罪者まがいのじゃじゃ馬を乗りこなせるのは自分だけなのだから、粉骨砕身その能力を国家のために使えと警察への残留を認めた。
尤も、更正と密かに脳内に残していた電子ドラッグの浄化のため、12時間ぶっ通しで正しい礼儀作法全10巻DVDを見せたりもしていたが。
コミックスのおまけコーナーで監視役だった筑紫は、この礼儀作法DVDの内容を「ためになる」と感嘆していた。
怪盗Xの捜査のため、5年前の渡英研修の際に知り合った国際捜査員であるアンドリュー・シクソンを呼び寄せる。
アンドリューと組ませる形で再び笹塚にXの捜査を任せ結果的に追い詰めることに成功したものの、
アンドリューに化けていたシックスにまんまとXを拉致される形で終わってしまう。
このことを笛吹は自分の失態とし、日本警察はまんまとシックスに利用されたと語っていた他、証拠品として回収されたアンドリューの頭皮を見て、本物のアンドリューがどの様に自分自身の情報を吐かされた後に殺された様子を想像して戦慄していた。
新しい血族との本格交戦前に挟まれた短編エピソードにも登場。
筑紫編でキャリアよりも笛吹と共に仕事をすることを選んだ筑紫との結束を新たにしたり、
彼の日課であり好物のヨーグルトを知らずとはいえ黙って食べてしまったことを恨まれたり、
篚口編で情報犯罪課長を電子ドラッグで洗脳した篚口に24時間礼儀作法DVDを視聴させて再教育したり。
ビルに炎で巨大な6の文字を刻んで宣戦布告を行ったシックスに対し、
脅威が未知数のため捜査員を増員した上で最低限の人員以外は待機させる形で対処していた。
シックスが予想の範疇に収まらない行動に及ぶことこそ直感的に感じ取っていたもののそれでも見通しが甘く、
直後にDRが起こした嘗て無い規模の水害テロに対し有効打を打てずに戦慄していた。
事前にシックスと新しい血族の脅威を把握していたこともあり、先の失敗も兼ねて彼らに対する捜査の指揮官となる。
その手腕と優秀さは血族の五本指たちにも警戒を抱かれるほど。
集められた捜査員たちに警察のプライドに関する大演説を行い、直後に自身を始末するために尾行してきたテラに対しても、
自宅マンション前に予め忍ばせていた多数の捜査員たちによって迎撃。
5発撃ち込めばバッファローでも昏倒する38口径用麻酔ゴム弾の掃射によってテラを捕らえようとするも相手は全身を怪盗Xの強化細胞を移植していた為、耐えきってしまった上にテラの不意打ちで配置した捜査員がダメージを受けてしまい、逃亡を許す形に。
ヴァイジャヤとの激闘の末に入手した情報、新しい血族の重要情報が眠るとされる製薬会社グリーンXに対し、
どうにか軽犯罪の捜査令状を作成して捜査官を踏み込ませた。
ジェニュインの敗北後、自身もグリーンXの地下施設に踏み込み、シックスが行ってきた凄惨極まる人体実験の数々を目の当たりにすることに。
なおこの一件は、黒幕が世界有数の軍需メーカーだったので、上層部の判断で公表するのは厳禁されてしまう。
大規模なビル火災テロを繰り返す葛西に対して当初は後手に回るも、ネウロの助言もあり徐々に相手を追い詰めていく。
その最中で姿をくらませた笹塚に違和感を感じ取っていたもののその行動までは予測しきれず、
シックスに返り討ちに遭った笹塚と死別する形になり、更に警視総監がシックスと癒着している事を弥子から伝えられ、そうなると現段階でシックスを逮捕しても実質無意味である事から、先ずは笹塚の死の要因となった警視庁の内通者や葛西の逮捕を再優先に行うなど、外堀から埋めていくしか無いと判断していた他、笑うのも泣くのも全てのケリがついた後で良いと、葬儀場では冷静に振舞ってみせる。
後日、自分が選び抜いた警察の精鋭たちの前で涙と共に自分の策に命を預けて欲しいと宣言し強固な結束を固める。
その末に新しい血族の情報網すら掻い潜って犯行が行われる場所を事前に特定、周辺の民間人の避難を済まし、犯行直前の葛西に遂に追いつく。
テラとの戦いの後に強化細胞にも有効な強酸を仕込んだ銃弾、耐火ジェルや不燃繊維の防護服といった完璧な対策の果てにビルの屋上で葛西を追い込む。
結果的に葛西のバックドラフトを利用した自爆によって取り逃がしてしまうも、当面の脅威は打ち払うことに成功した。
因みにこの際の葛西とのやり取りによって、ヴァイジャヤと吾代のやり取りから続く「新しい血族の存在そのもの」に対する更なる疑問を読者に植え付けた。
葛西との激闘の後、引き続き精鋭たちを動かし、シックスの行いを黙認していた警視総監と主だった政治家たちの身辺を徹底調査。
警視総監のスキャンダル告発という鞭と政敵である政治家たちのスキャンダルという飴をちらつかせた上で更に正義を説くという、
「清濁併せ持った完璧な交渉術」と賞賛するほどの説得によって警視総監の心を動かすことに成功。
シックスを全国指名手配しあらゆる場所や脱出ルート全てに捜査網を敷いて彼を追い詰めていく。
同時に人体実験などの情報が公表された事で遂にシックスは国際指名手配が確定し、時を同じくして復活した弥子がシックスの隠れ家に関する情報を見つけ出し、指名手配されたシックスがそこに逃げ込むという形となったので、
結果的にネウロと弥子がシックスの姿を捕らえる最大のチャンスを生み出す手助けをしたということになる。
全てが終わった後は笹塚の墓参りへと赴き、慣れない煙とニコチンに苦しみながらも笹塚の墓前にタバコを供えていた。