異世界で孤児院を開いたけど、なぜか誰一人巣立とうとしない件

登録日:2018/05/29 Tue 01:40:00
更新日:2023/10/09 Mon 01:55:39
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やれやれ、子供【美少女】の世話くらい大したことはない。

異世界で孤児院を開いたけど、なぜか誰一人巣立とうとしない件』とは、初枝れんげによるライトノベル
所謂異世界転生系作品。公称ジャンルは「ネバーランド・ハーレムファンタジー」。

公式略称は「異世界孤児院」だがあまり定着しておらず、大体「マサツグ様」で通じる。

●目次

概要

経緯・経過

2017年3月頃、小説家になろうで連載開始。
当時のなろうで受けていた人外ロリチートハーレム+圧倒的な力によるクラスメイト蹂躙という要素を詰め込みまくった作風と、ネジが吹っ飛びまくったキャラの言動、真意の読めない作者のマイペースな言動などが注目を浴び、瞬く間に日刊1位に躍り出る。

2017年6月2日、突然更新停止。
クラスメイトとの本格的な対決(?)が始まった矢先だったため、「リアルバレした」「ミヤモトに脅迫された」などの憶測が飛び交った。

2017年6月13日更新再開。同時に、TOブックスからの書籍化が決定した。全4巻。
ボイスドラマCDが同梱した特装版も出た。

書籍版は、作者が「完全オリジナルストーリー」と謳うレベルで全面改稿されており、作者がWEB版で「すっ飛ばしてきた」と自認する日常パートが増量されたり、エリンのキャラがもはや別人と化していたりする。
だが、一番変わったのはクラス転移の要素がほとんど形骸化するレベルで、クラスメイトの存在が消されたことである。

2018年6月からWEBコミックガンマぷらすにて漫画版が連載開始。作画は有池智実氏。コミックスは既刊8巻。

2019年にはCapella2.5企画によって舞台化され、翌2020年には再演された。


あらすじ

【WEB版】※原文ママ
カースト底辺高校生の直見真嗣(なおみ・まさつぐ)は異世界からのクラス召還に巻き込まれてしまう。
だが、呼び出した王様から早々に「こいつはへぼスキルしかないから不要」と切り捨てられ、誰もやりたがらない孤児院の運営を押し付けられてしまう。
だが、そんな彼の持っていたスキルはもちろんチートだった上に、なぜか続々と孤児院には不遇だけど可愛い女の子たちが集まってくるのであった。
彼は自分を頼ってくるいたいけな少女たちを「守る」ために、今日も周囲の権力者や権威、かつてのクラスメイトたちを蹂躙しつつ、孤児院の運営にいそしむのであった。

【書籍版1巻】
ワルムズ王国へ突如召喚された俺様高校生・マサツグ。
早速チート能力を覚醒させた彼は無双ぶりを炸裂するが、王に命じられたのは荒れ果てた孤児院の経営だった!
おまけに前院長の借金回収を目論む輩に狙われるばかりか、集まってくるのは残念な美少女たちばかり。
門限破り上等のエルフに、一人じゃ眠れない猫人族、我儘放題の精霊など、面倒事は尽きない。
元々、偉そうなだけでクラスカースト底辺な彼に一体どうしろと?
頼りは最強の異能と行く宛のない不遇な仲間のみ!?
今、はぐれ者たちの居場所を賭けた、波乱の毎日が幕を開ける!


登場人物

CVはボイスドラマ版のもの。

【孤児院メンバー】


  • 直見真嗣(なおみ まさつぐ)
CV:髙木朋弥

「むしろ、お前が俺の法に抵触しているようだ」

主人公。孤児院院長にして、我らがマサツグ様である。

傲岸不遜を地で行く男子高校生で、やたらと芝居がかった口調で喋る。
なろうでは珍しい「弄られ系」主人公の系譜に属するが、その弄られぶりは尋常ではなく、一つの台詞で二度弄られる場合すらある。
その言動や奇妙な振る舞いが原因で先輩や同級生から壮絶ないじりを受けており、大学時代は「取り敢えずなんか面白いことやれ」「面白い一発芸が出るまで部室に入ってくるな」という無茶振り。社会人になってからもMGに「取り敢えずゴールドマンサックスに新規開拓行って来いよww」「アメリカ大使館に飛び込み営業してみてww」などという無茶振り。「カースト底辺だけどなんかみんなから愛される」というなんとも独特のポジションにいた。
クラス召喚に巻き込まれるが、クラスメイト達がチートスキルを得る中、彼に発現したのは前衛職なら誰でも持っている「守る」「初級ステータス鑑定」の二つだけであったため、
「孤児院の運営」を任せるという体で放逐された。

鬼門に位置する腐って荒れ果てた土地と、孤児院の看板があるだけの廃墟という凄まじい負債を押し付けられるも、突然手に入れたスキルを頼りに不遇だけど可愛い女の子を「守る」。

WEB版と書籍版とであまり本質が変わっていないが、書籍版ではこんな性格になったバックボーンが描かれている。

スキル:守る(改)
リュシアを助けたことによって覚醒した、マサツグ様の本当のスキル。
「周囲の身近な対象をあらゆる意味で守護するスキル。1億年に一人いるかいないかのスキル。選ばれた本当の才能を持つ者にしか発現しない」とのこと。
具体的には、マサツグ様が「保護対象者」と認めた人物に特殊スキル「守り(改)」を付与するというもの。
孤児たちを守ると言う名目のもとで大概何でもできる。

守り(改)
スキル保持者の保護対象者である場合、全ステータスに大幅な補正。あらゆる状態異常無効。自動回復(大)

  • リュシア

「ご、ご主人様ぁ・・・気持ち悪い人が近寄ってきます・・・」

一人目の孤児。孤児院に元からいた唯一の孤児と言えなくもないのだが、廃墟に住み着いてただけなので微妙である。
大商人ゴレットに奴隷として飼われていた獣人の少女。
主人からの酷い虐待を受け弱り切っていたところに、何らかの病気を発症して顔が醜く爛れたことで捨てられ、廃墟で死を待つだけの存在だった。

その体は作中最高の治療魔法であるリザレクションでも直らないはずだったが、マサツグ様が慰めに頭を撫でようとしたところ「守る(改)」が発動し、病も顔の傷、鞭打ちの跡などが全快した。

WEB版と書籍版でそれほど人物像に変化はない。

  • エリン

「マサツグ様、何なんですか? このゴミは? ゴミが私たちに話しかけてくるなんて、今日はおかしな日ですねえ」

二人目の孤児。「バルク王国最高の暗殺部隊」から逃げ続けていたところをマサツグ様に救われたエルフの元・王女。
WEB版と書籍版で性格が180度違い、WEB版では落ちぶれても元王女とばかりに上品な口調で話す(そのせいで、たまにリュシアと区別がつきづらくなる)が、書籍版ではサバイバル生活の末に性格がテロリスト気質(byれんげ氏)になり、門限破りと暴力沙汰を繰り返す孤児院メンバー最大の問題児と化している。
前述の台詞はWEB版の性格に基づく。

  • シー
CV:水間友美

「蛆虫みたいだからーあんまり私たちの視界に入らないようにして欲しいのー。視界に入るだけで不快なのー。
マサツグさんさえ見えていればそれでシーは十分なのー。」

三人(?)目の孤児。孤児院の古井戸に封じ込められていた水の精霊。
マサツグが現れたことによって土地の穢れが無くなり、封印から解き放たれた。

WEB版では大陸一帯の水の精を取り仕切る「精霊神」の地位にあり、彼女が解き放たれたことで孤児院周辺の環境はとてもよくなった。ただしそれと引きかえに、ミヤモト達のいる王都側は作物も枯れ水も腐り、ゾンビとか幽霊とかが頻繁に現れ、不幸な事故とかが頻発する呪われた土地になってしまった。

彼女の物言いを総合すると、穢れを浄化するために繋ぎ止められていたというより「穢れを利用した呪いに1000年間囚われ、あと10万年は動けないはずだった」とのことなので、一連の封印は鬼門より彼女を封じ込めることが主目的だったのではないかというのはあくまで憶測である。

書籍版ではほんわか腹黒な性格はそのままにそのチートスペックをほとんど没収されており、「わがまま放題の駄精霊」「ペット枠」と散々な言われようである。


【クラスメイト】

かつてマサツグを虐めの標的にしていた元・クラスメイト達。
当初は、マサツグ以外の全員が強力なスキルをもらったように描かれていたが、実際は使いどころのありそうなスキルはミヤモトを筆頭としたカースト上位に独占され、下位層のスキルは総じて使い勝手が悪い。

書籍版では一部のクラスメイトの所業がミヤモトへ統合されたり、現地人のモブキャラに差し替えられたりする形で、ほとんどの人物が削除されている。

大体マサツグ様の被害者担当。

  • ミヤモト
CV:三好晃祐

「ち、ちくしょう! 返せ! 返せよ! 俺の聖剣を返せ!!」

いじめグループの親玉。家が金持ちで、顔も良く、マサツグ様も認めざるを得ないほど頭もかなり切れる。
トリタをはじめとした多数の取り巻き連中を想いのままに動かし、自らの手は汚さずにクラスを支配下に置く。
クラスで孤立するマサツグ様を蔑む一方で、金と暴力に屈せずマイペースを貫く彼のことを妬んでもいる。

チートスキル「聖剣使い」を持ち、作中世界最強の武器「人類の守護剣」に選ばれたことで、転移後も変わらずクラスカーストの頂点に君臨していた。
だが、街で買い物していたマサツグと偶然鉢合わせし、三人娘をナンパしようとしたのが運の尽きで、三人から口々に罵倒された挙句、怯んだ隙にマサツグに「人類の守護剣」を奪われてしまう。
自分より聖剣を使いこなすマサツグ様を見て愕然とする彼は、リュシアの口から衝撃的な真実を聞くことに。

曰く、聖剣は本来の持ち主の所へ行くためにあえて抜かれることがあると。
つまり、ミヤモトはより強い人間に剣を献上するための繋ぎにすぎなかったのである

聖剣なんてなくたっていい、勇者でなくたって構わないというマサツグは剣を返すが、ミヤモトは所有権が上書きされた「人類の守護剣」を、もはや持つことすらできなくなってしまう。こうして、使い手のいなくなった哀れな聖剣はしばらく道端に放置されることになる。

時は流れて第72話。邪神サイドの本格的な侵略に対し、仕方なく元クラスメイトと共同戦線を組むことにしたマサツグは、「本来の持ち主が許可する」という形でミヤモトに聖剣を返却する。
数で劣っているこちらが対抗するには回復役が必要だと言う理由で。

人類の守護剣の真の名前は「聖剣ナイチンゲール」であり、味方全てに無限回復を与える癒しの剣だったのである。
勇者としての自分がアテにされていないこと、自分が聖剣の本質すらつかめていないただの運び手であったことをバラされ怒り狂う彼は…。

  • トリタ
ミヤモトの手下1号。
街で娼婦を買ったテンションのまま、冷やかしに孤児院に侵入したところ、ミツバチさん🐝に見つかって熱殺蜂球(ヒートボールアタック)の餌食になり無残な姿で発見される。
その様子を見て大爆笑したマサツグ様に対してブチ切れたが、それに呼応するようにどこからかムカデが飛んできて、大事な部分♂を刺されて真っ赤に腫れ上がり、泣く泣く逃げ帰った。
なお、ノリで連れてきた娼婦は後にミツバチ🐝さんの加護を受け、更正。後にいい人を紹介してもらい二児の母となる。

  • イシジマ
ミヤモトの手下2号。
真面目そうな秀才タイプの少年だが、その眼鏡の裏には「人を心底小馬鹿にした目」を隠している。

マサツグのカラミティドラゴン討伐を妨害するため、彼らがカリッと焼いたマッシュルームの濃厚クリームスープに舌鼓を打つキャンプ地に、王国騎士団から選抜した最強のエリート部隊を差し向ける。当然成す術も無く滅茶苦茶にされてしまうが、大貴族の嫡男を大勢含む騎士団員を大量に改心させ、正義の味方に目覚めさせたことの重大性に後から気づき、原因を作ったマサツグを討つべく4人で襲撃をかけた。

スキルのブーストを受けてもなおひ弱で、マサツグを追って山を登るのに大変苦労していた。
なおマサツグ様曰く、イシジマが不出来で無能なのは「自分も両親も信じることができず、努力を放棄して現実逃避を続けたせい」らしいが、一方で「机にかじりついてばかりいたら人格が歪む」ことも否定できないと一定程度の理解は示している。

孤児院の子供たちにいいようにあしらわれた挙句、薬草を口に詰め込まれて窒息するというマサツグ様流の拷問でもある厚意によって何とか一命を取り留め逃げ帰った。

  • サカイ
ミヤモトの(ry3号。
体格のいいスポーツマンタイプだが、マサツグ様に言わせれば「偶然手に入れた力を自分の力だと勘違いし、その力自体に翻弄されている幼稚な人格の持ち主。努力と周りへの感謝の気持ちは成功している時こそ、忘れてはいけない」のである。

  • ヨシハラ
ミヤモト(ry4号。
一見屈託のない元気娘だが、マサツグ様に言わせれば「ヒエラルキーが下の者を見下していた当時を5年後に振り返って「なんであの時あんなことやっちゃったんだろう。その前はすごく仲良くしてたのに。今でもたまに夢に見る。本当に辛い。」って泣かれてもどうしようもできないので、後悔先に立たず、である。誰か見下して安心するよりも、星を見上げで努力をした方が100倍マシなのである。

  • フカノ
ミヤモ(ry5号。一見深層の令嬢風だが、マサツグ様に言わせれば「大人しそうに見えて、人と繋がりたいという気持ちと結果失敗して傷つきたくないというハリネズミ🦔のジレンマで妄想が爆発している奴」である。


【現地人】

  • 鮮血のミラ
人間族と敵対する魔族の少女。外見は人間年齢で17~18ほど。
魔王国の全軍を束ねる「5魔皇」の一人。
マサツグ様達が放つ強力な魔力に気付き、とりあえず暗殺しようといきなり孤児院を爆撃するも、マサツグに拳一つで撃ち落とされあっさり降参する。

切り替えの早い性格で、自分ではマサツグに勝てないと見るやすぐさま懐柔策に切り替え、それでも駄目と見るやマサツグに「不可侵条約」の締結を提案し、しぶしぶこれを承諾させる。

一週間後、魔王の全権委任大使として再び現れて条約調印を迫るも、マサツグに「第2条と第3条の間に条文が一つ足りない」と難癖をつけられ、足りない条文に自分に気づくまでは条約締結を保留すると言う「宿題」を抱えて帰ることに。

しばらくたって第13話で、「宿題」の答え合わせのために孤児院を訪れるも、リュシアがかつての主人と揉めている最悪のタイミングで乱入することになる。結局、その場のノリでマサツグ様の「個人的なお願い」を承諾し、宿題のことはほったらかしてまた魔王国に帰った。
これ以降誰も条約に言及しなくなってしまい、宿題の答えについては現状謎である。


やれやれ、追記・修正くらい大したことはない。

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最終更新:2023年10月09日 01:55