室井慎次

登録日:2018/09/17 (月) 10:28:38
更新日:2025/01/19 Sun 04:44:03
所要時間:約 7 分で読めます




私が全面的に指揮を執る。上の者にはもう何も言わせない。


室井慎次とは、テレビドラマ『踊る大捜査線』の登場人物である。

演:柳葉敏郎 / 大嵐浩太郎(ひとり踊る大捜査線)


プロフィール


生年月日:1964年(昭和39年)1月3日
血液型:A型
現住所:警察庁宿舎(『THE MOVIE』時点)
出身地:秋田県本荘市(現在の由利本荘市)
特技:きりたんぽ鍋作り


人物


警察庁出身のキャリア官僚
髪型はオールバック
眼光は鋭く常に眉間に皺を寄せている。
現在は独身で、『THE MOVIE』時点では警察庁宿舎に住む。
スピッツインターナショナル」というブランド物で黒のコートを着ている事が多いが、これは通販で買ったものらしい*1

初登場時は警視庁刑事部捜査第一課強行犯係管理官で階級は警視。『THE FINAL』時点では警察庁長官官房審議官(警視監)。
序盤は典型的なキャリア官僚として青島俊作と対立する事が多かったが、湾岸署と交流を深めていくうちに、所轄の刑事達が捜査に専念出来る警察組織の改革を進める事を決意。
青島と交わした警察組織改革を実現するため、シリーズ中に何度も昇進&降格&左遷を繰り返す激動の出世街道を歩むようになった。
実は東北大学出身であり、東京大学出身者の多い警察庁キャリアの中では少数派。
そのため他のキャリア官僚からは田舎者である彼の失脚を望む者もいるなど敵も結構多い。


性格


冷静沈着で、滅多に笑わず*2、常に何かを睨むような表情を浮かべ、目下の人物には高圧的な堅物として振る舞うが、たとえ階級が下であっても年長者には丁寧な口調で接する。
秋田出身で興奮すると秋田弁が飛び出し、彼の執務室にはなまはげの面や地元の焼酎等の秋田の名産品が飾られている*3。被疑者に東北出身者がいた『THE MOVIE2』では謎の単語を秋田訛りで喋ることで捜査に貢献している。
『THE FINAL』では青島を評した後で「なーんてな」と冗談っぽく言ったり、『THE MOVIE』で缶コーヒーを奢ってもらった際には約束どおり新しい自販機を導入するなど律儀なところもある。

内には熱い正義の心を秘めており、当初はショックで口がきけない柏木雪乃を無理やり聴取しようとするなど手段を選ばなかったが、青島との出会いで考えを改めてからは所轄の意見を積極的に取り入れ、事件解決のために上層部の命令を無視して青島と共に暴走したりした。












能力・特技


「無能」扱いされがちなフィクションの官僚には珍しく優れた頭脳と統率力を持つ。
『THE MOVIE2』では、沖田仁美の失策で混乱する捜査本部の責任者となった後で速やかに捜査の建て直しを行い、所轄の意見も積極的に取り入れる。
そして捜査員に指示を出す中でも最終的な判断は現場の人間に任せ、事件を解決に導いた。
この際に彼からの命令を受けた青島から「優秀なリーダー」だと称されており、「痺れるような命令ありがとうございます」と礼を言われている。
頭脳派のイメージがあるが、柔道は3段の腕前。
特技の1つであるきりたんぽ作りはプロ級の腕であり、資格まで取得している。


経歴


1986年。
東北大学法学部を卒業後にキャリア試験を受け、警察庁へ入庁。
翌年に警察庁刑事局刑事企画課へ配属となる。階級は警部補。

1990年。
警部に昇進し、警視庁麹町署刑事課課長代理となる。

1992年。
警察庁へと戻り、刑事局捜査第一課主任になる。

1995年。
警視に昇進し、警視庁捜査一課管理官に就任。


活躍


1997年1月。
会社役員殺人事件の捜査で湾岸署へ来た時に、当時は新米刑事だった青島と出会う。
所轄を見下した態度と強引な捜査手段で青島から反感を買い、「警察に協力するのが市民の義務だ」と言い切って事件で精神的に傷ついた雪乃から話を聞くよう迫った。
結局事件は犯人が自首をしてきた事で解決を迎えるが、湾岸署を後にしようとした時に青島と会い、彼の名前を確認して去っていった。
その後も様々な事件で青島と関わり、協力や衝突を繰り返していく中でいつしか2人は固い絆で結ばれるようになる。
そして真下正義銃撃事件では、拘束されそうになっていた青島を一芝居打って連れ出し、青島と組んで処分覚悟で捜査に乗り出した。
犯人を無事確保した後に査問会で訓告を言い渡されるが、青島には降格後に練馬署桜交番への異動という処分が下される。
この処分に「平等に処分してください」と異を唱えるが、青島に制止された後に「あんたは上にいろ」と言われ、彼ら所轄の刑事達のためにも上に行って警察組織を改革するという決意を固めた。

『歳末SP』では警察庁警備局警備課長に就任。未だに杉並北署にいたままになっていた青島が湾岸署へ戻れるように尽力する。
その後で湾岸署で籠城事件が発生すると、特殊部隊SATの出動を要請した。

『秋SP』では警察庁長官官房警務課首席監察官に就任。
だが警察内部を調査するという立場として恩田すみれの監視を青島と和久平八郎に要請した結果、青島達からの信頼を失う事となってしまった。

『THE MOVIE』では警視正に昇進し、警視庁刑事部参事官に就任。
副総監誘拐事件の捜査中に、正しい事が出来ず自分の信念も貫けない現状に苦悩している事を青島に明かし、彼と和解する。
だが捜査中の判断ミスと上層部の命令を無視した責任を問われ、警視に降格となって北海道警美幌警察署に署長として飛ばされる事となった。

副総監の吉田敏明の計らいで半年で警視庁に復帰。刑事部理事官→警察庁情報通信局付→警察大学校教官→警察庁刑事局刑事企画課課長補佐と転々とした後で、刑事部捜査一課管理官(警視正)に戻ってきた。
沖田の補佐として連続殺人事件の捜査に加わり、沖田から捜査の指揮権を引き継いだ後は所轄やSAT等と連携して事件を解決に導いた。

『容疑者 室井慎次』では、新宿北署での殺人事件の捜査中に被疑者の巡査を事故で死なせてしまい、特別公務員暴行陵虐罪の共謀共同正犯の容疑で刑事告訴されてしまう。
更には警視庁と警察庁の権力争いに振り回された事で信念が揺らぎ、現場に混乱を招いた責任を取るために警察を辞職する事まで考える。
だが、新城賢太郎が職権で辞表を破棄。彼の独断で広島県警本部刑事部に管理官として異動となった。

その後は警務部長(警視長)→県警本部長(警視監)と昇進していき、『THE MOVIE3』で池神静夫に呼び戻され警察庁長官官房審議官となる。
しかし、今度は捜査と政治の狭間で苦悩する事となり、警察庁の会議でもあまり言葉を発さなかった。

『THE FINAL』では、殺人事件の真実を隠蔽しようとする警察上層部により、自白の強要を捜査員に指示したという冤罪を着せられ辞表勧告を受ける事となる。
その後は事件の捜査責任者として湾岸署に赴き、同じく冤罪をかけられ辞表を迫られていた青島と久々に組み、捜査員に的確な指示を飛ばして事件を無事解決した。
事件解決後は鳥飼誠一の告発により警察上層部が一掃され、辞表勧告はなかった事になる。
そして警察庁長官官房組織改革審議委員会を発足して委員長に就任、新城や沖田と共に警察組織の抜本的改革へと乗り出した。


その他


実は室井慎次は殉職する危機になったことがある。というのも演者の柳葉氏は出演当時、トレンディドラマやコメディドラマに出演しており、よく喋りよく動くコメディタッチな役柄が多かった。しかし、この室井は全くの正反対で、喋らないし、動かない。この役をやるうちに不満が高まり、ある日の撮影後に亀山Pを呼び出し「俺(には無理だから)を、殉職(降板)させてくれ」と頼んだ。しかしその日の夜たまたま、踊るの第1話が放送されており、これを見た柳場氏の奥さんが「かっこいい」と褒めたことで、翌日の撮影にこの殉職を撤回した。もし、この奥さんの一言なんてなければ、室井慎次という男は、もっと世に広まることは無かったのかもしれない。
*5

「室井慎次」は俳優の柳葉敏郎氏の代表的な役であり、シリーズが終了した現在でも「柳葉さんといえば室井」というイメージが浸透している。
また、原口あきまさを初めとするモノマネ芸人が柳葉氏のモノマネをする場合は、室井を演じている柳葉氏を真似する事が多い。





追記・修正の責任をとる。それが私の仕事だ。


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最終更新:2025年01月19日 04:44

*1 実際には通販では売られていない高級品

*2 初めて笑顔を見せたのはTVシリーズ最終話

*3 赴任先の広島から戻った後は、大きなしゃもじや紅葉まんじゅうも増えた

*4 『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』

*5 この話は、室井慎次敗れざる者の舞台挨拶や、だれかtoなかいにて柳葉氏がゲスト出演したときに語ったことで話題となったが、実際はウィキにのるほど前から有名な話で、2009年に、フジテレビ開局50周年記念生放送番組では再現ドラマを用いてまで紹介された。しかし当時の柳葉氏が出ていたコメディドラマ出演時の実際の映像も流れたため、柳葉氏は頬を赤めていた。