ビッグヴィヌス

登録日:2018/10/07 Sun 21:37:03
更新日:2023/08/11 Fri 12:00:23
所要時間:約 4 分で読めます





ビッグヴィヌス…翼をもがれた鳥…

鳥へと進化する以前の獣…


ビッグヴィヌスとは、『THEビッグオー』に登場する謎に包まれたメガデウス(巨大ロボット)、ザ・ビッグの一体。

以下、『THEビッグオー』の重大なネタバレにつき注意。




















ドミュナス(操縦者)はエンジェル。外見はビッグオーと同じフォルムだが、顔は歯がむき出しで、背中には翼のパーツが刺さっていたかのようなソケットが存在する。
なにより、カラーリングがネガ反転というザ・ビッグどころか他のあらゆる登場メカとも異質な姿。

ザ・ビッグとしての役割は世界そのもののリセットであり、通過したもの全ての存在を抹消する恐るべき力を秘めている。更に、世界に存在するものからの干渉は全て無意味となるらしい。
「登場作品の世界そのものをリセットする」という半分メタの領域に踏み込んだ機体だが、独自の意思を持ち時に人間に反抗する他のザ・ビッグとは異なり、ドミュナス(=世界のクリエイター)の意思にちゃんと沿って行動するめ、ドミュナスが考えを改めればリセット活動を取り止めてくれる。
同じくメタ存在であり、かつ自分の思うがままにやりたい放題なとは似て非なる存在と言える。


■武装

劇中では未使用だが、ビッグオーと同じ武装がされているという設定になっている。
もちろんファイナルステージも使用可能。
ただ歩みを進めるだけで全てを無に帰す存在に武装が必要なのかという気もする…

第3次スーパーロボット大戦Z 時獄編』に登場した際は、この設定は再現されず、代わりに消滅の光という攻撃が存在する。
移動後使用不可能だが、射程が1~15もある上に、一度でも攻撃されれば回避してダメージを受けなくてもそのステージから退場させられるため、先手を取らないと本当に何もできなくなり泣きを見る羽目になる。



■活躍

最終話にて、パラダイムシティのクリエイターであるエンジェルがメモリーとしての存在に気づき、あるべき場所、「40年前の破滅の世界」へ帰ろうとしたために覚醒。
ただ歩くだけでそれまで圧倒的な力を見せていたビッグファウをアレックスごと消し去り、
そのまま歩み続けることで世界をグリッド状の白い地平と白い空があるだけの、役者や装置を配置する前の何もない、ただの舞台に戻していった。
エンジェルの持つ消滅への意志のままにパラダイムシティのリセットを試みたが、そこへロジャーが一世一代のネゴシエーションに挑む。


「エンジェル! 人にとって、メモリーは大切なものだ。
それがあるから人は自分の存在を確認できる。それが失われれば、人は不安から逃れられない」

「だが聞いてくれ! いまここに生きている人間は、決して過去のメモリーだけが形作っているものではない。
この私は、己がどういう存在なのかもわからない。私には、自分自身のメモリーすらないのだ」

「だが、おそらく私は、自分自身の意思で、メモリーを消し去ったのだ。
その選択をしたのは、私自身だ。
私自身のために、今と、そしてこれからを生きるために。自分という存在を信じたいがために!」

「エンジェル! 私のメモリーの中にある君を、私は決して失いはしない。
私とふれあった、自分のすべきことに信念をもっていた君を、誰よりも自分自身を愛していた君を、
そして、その気持ちが揺らいでいた、エンジェルという女を」

「自分自身の存在を否定してはいけない。人として生きるんだ」


これによって、エンジェルは考えを改め、それに伴い、ヴィヌスも機能を停止した。
復活したパラダイムシティ。ドロシーとエンジェルがロジャーの愛車グリフォンを見送るシーンで物語は幕を閉じる。


「私の名はロジャー・スミス。この記憶喪失の街には必要な仕事をしている」


■関連機体

陸戦型のザ・ビッグ。ヴィヌス同様、最後まで自身のドミュナスの意思を尊重し、ドミュナスと共にあった。
外見がヴィヌスとほぼ同じ理由は不明。

空戦型のザ・ビッグ。一度はドミュナスとしてシュバルツ・バルトを得たが、魔改造された上に正式なドミュナスではないアランに無理矢理動かされたために怒りが爆発。その者の断罪を行うなど過激な性格の持ち主。
唯一、劇中でヴィヌスと相対しなかったザ・ビッグでもある。

海戦型のザ・ビッグ。圧倒的な力を持つが、劇中で唯一正式なドミュナスを得られなかった不遇の機体。
その圧倒的な力も、クリエイターの意思のもと、全てを消し去るヴィヌスの前では無意味だった。
ちなみに彼を無理矢理動かそうとしたアレックスは、ファザコンで大きな子供という小物だったが、ファウはデュオとは異なりアレックスを断罪せず、「アレックスの意思は残して自分の一部分にする」程度に止めている。
要するに、アレックスよりファウの方が大人ということである。



エンジェルとの交渉は『スーパーロボット大戦Z』でも再現されたが、ヴィヌスのスパロボ初登場はこちらとなる。
今回は原作における「世界を脚本し、演出する存在」の立ち位置に太極が当てられており、エンジェルは至高神ソルから御使いを止めることを託されていた。そのためリセットの対象がパラダイムシティから世界全土に広がっている(原作ではシティ=世界なのである意味原作準拠ともいえる)。
ロジャー以外の味方は一回戦闘すると離脱という、スパロボにおけるゾヌーダ戦のような特殊な状況での戦いとなる。シナリオの都合上、対象の存在を消すわけには行かず、一時的に次元の狭間に閉じ込められる形に。
原作では撃破はおろか攻撃すらされていないが、撃破時には他のメガデウスと異なり、内部から光を放って消え去る、という特殊な演出が組まれている。



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最終更新:2023年08月11日 12:00