みどりの窓口

登録日:2018/12/20 (木) 20:55:11
更新日:2024/10/13 Sun 21:45:52
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すみません、みどりの窓口ってどっちですか?
ひだりの窓口です

みどりの窓口とは、主にJRの大きな駅などにある窓口である。

◎目次

◎概要

新幹線や特急に乗る時に必要な特急券や、券売機では買えない長距離の切符、ややこしい切符などを購入する時などにお世話になる窓口。
駅員が1人から数人座っており、利用者の希望を聞いてホストコンピュータと接続されている端末を操作。切符を発券する。金額が出たらそれを現金やクレジットカードで支払い、きっぷを受け取る。

どんなことが出来るかというと
  • 普通・回数・定期券の購入・払い戻し・変更
  • 指定席・グリーン・寝台券の予約購入・払い戻し・変更
  • フリーきっぷなどの特別企画券の購入・払い戻し・変更
  • 団体乗車券の購入・払い戻し・変更
  • インターネットで予約した乗車券の発券
  • 駅入場券の購入・払い戻し
  • 交通系ICカードの購入・チャージ・払い戻し
  • イベントやテーマパークの入場券の購入・払い戻し
  • レンタカー利用券の購入・払い戻し
  • ※航空券の購入・払い戻し・変更
  • ※旅館・ホテルの予約購入・払い戻し・変更
  • ※旅行プラン商品の購入・払い戻し・変更
※がついている物は小さな駅だと出来ない可能性があるもの
別にみどりの窓口ではグリーン車の切符しか買えないわけではありません。某兼業農家のメンバーの1人は「みどりの窓口ではグリーン車の切符しか売ってない」と思っていたそうです。

近年は後述する券売機やネット販売の普及で利用者・窓口数は減少傾向にあるが、一筆書き乗車券*1などは窓口でしか買えない(=作れない)ものもあるためそれなりに需要もあったり。

◎歴史

戦後しばらくの間、国鉄の優等列車の指定券や寝台券は列車ごとの台帳で管理され、空席照会や予約に際して窓口から台帳の保有駅や統括する乗車券センターへ電話連絡していた。
この方式は非常に効率が悪く、指定券の発行に時間がかかるうえ職員の聞き間違いなどで座席を重複販売するなどトラブルが頻発しており、その改善が求められていた。

そこで指定席の手配方式をコンピューターで管理するシステムを開発することとなり、1965年9月からシステムの稼働を開始した。
開始当初は大型ターミナル駅と日本交通公社(現:JTB)の営業所のみの設置だったが、年を追う毎に小規模な駅への設置が増えていった。

名前の由来は「この窓口で発券される切符の用紙が淡い緑色をしていたから」というのが有力。

◎10時打ち

みどりの窓口で指定席・グリーン・寝台券が発売開始となるのは「乗車予定日の1ヶ月前の午前10時から」と決められている。例えば4月5日に運行する列車の指定席・グリーン車は1ヶ月前の3月5日が発売日となる。人気の列車だと発売された瞬間に完売となることが多く、少しでも購入できる確率を高くキープするための裏技がこれ。

主に10時打ちの対象となるのは
  • 新規開業・運転開始一番列車
  • 廃止当日の最終列車
  • 繁忙期の寝台特急サンライズ瀬戸・出雲
の3つ。かつてはコミケシーズンのムーンライトながら予約争奪戦も風物詩であった。
10時になる数分前に窓口に並び、希望する列車の席を伝え、駅員が10時きっかしに照会をかけられるようスタンバイしておく。10時きっかしに発売開始となり、運が良ければ予約購入ができる。

近年の10時打ちで完売になるまでの秒数
  • 九州新幹線「みずほ」一番列車:15秒
  • 東北新幹線「はやぶさ」一番列車:40秒
  • トワイライトエクスプレス・北斗星・カシオペア最終列車:1秒未満

以前は10時打ちを希望するお客のために事前に申し込み用紙を配っておく駅が多かったが、最近は事前申し込みが出来なくなった駅の方が圧倒的に多数。

◎営業時間

駅による。東京駅のような主要駅であれば早朝から23時頃まで営業していることもあるが、都心の駅でも朝8時オープンというお寝坊さんな窓口もある。
地方だと開店は早くても閉まるのが早かったり、詰めている職員が1人しかいないためにお昼頃に数時間窓口が完全にクローズする駅もあったりする。勿論開店が遅くて閉店が早い駅もある。
尤も近年は券売機の普及や働き方改革からか、営業時間は全体的に短縮傾向にある。

◎券売機になったみどりの窓口

主要駅のみどりの窓口の近くに通常の券売機とはちょっと違う見た目の券売機が置かれていることがある。これは大抵の場合窓口に置いてある端末とほぼ同じ機能を有する券売機。

名称はMV、指定席券売機、みどりの券売機などバラバラだが、出来ることは窓口と大体一緒。ただし払い戻しや学割・障害者割引を適用したきっぷの購入は窓口じゃないと出来ない場合も。
また機械の設定によっては、設置駅から遠く離れた別の駅発着のきっぷが出せないことや、不正乗車防止のため一定金額以下の他駅発着のきっぷが出せない*2こともある。

近年は合理化の為これのみに転換した駅が多い。えきねっとやe5489等と言ったインターネット予約限定のデジタル乗車券が普及したのも要因。
払い戻しや特殊な割引などに対してもカメラ付きのインターホンを設けて対応できるようにしている券売機も登場しており、今後はこれに置き換えが進む見込みである。

◎みどりの窓口に置いてある端末

窓口で駅員が操作している端末は「マルスシステム」の端末で、専用通信回線で国分寺のホストコンピュータと接続されている。全国の列車の指定席の空席状況はホストコンピュータで一括管理しており、九州の駅で北海道の特急の空席状況を確かめるように、自社で運行していない列車の空席状況も知ることが出来る。
ホストコンピュータと通信する必要があるのは、この空席状況が変化する場合。空席状況はリアルタイム更新のため、1席変化しただけでも即時更新される。稼働率は99.999%とほぼ100%に等しい。全国に9000台以上ある端末全部から一斉にアクセスされてもホストコンピュータは平気で応答不能になることはほぼない。某イーナントカは見習ってください。

空席照会・情報変更が必要ない乗車券や自由席特急券・急行券の発売はホストコンピュータと通信を行う必要がない。通信回線の維持管理費削減のため、JR北海道では自社エリア内で完結する自由席特急券や乗車券、定期券、回数券などの発売にはマルスとは別の独自システムを使用している。

◎余談

知名度の高さからお笑いの題材にも使われており、サンドウィッチマンのコントに「みどりな窓口」というのがあるほか、立川志の輔の新作落語に「みどりの窓口」というのがある。

かつては「みどりの窓口」というタイトルで新幹線や寝台列車の空席情報、首都圏各線の運行状況を放送する番組がテレビ朝日系で放送されていた。1985年4月からは内容はそのままでテレビ東京に移動、国鉄分割民営化後はJR東日本の提供となり1991年まで放送された。

「みどりの窓口」の名称は、JR東日本が商標登録している。これはJR東日本が独占するためではなく、あくまでも他社や異業種に使わせないために代表して登録しているもの*3で、東海を除く他社でも普通に使用している。
そのJR東海の駅では、90年代以降名称を「JR全線きっぷうりば」と名称を変更しており、みどりの窓口マークも使用していない*4
これは「どの駅(の窓口)でも指定席の発売が可能なため」としている。ただし、正式な「みどりの窓口」ではない駅の場合、一部取扱いに制限がある場合がある。


追記・修正はみどりの窓口で一番列車の予約に成功してからお願いします。



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最終更新:2024年10月13日 21:45

*1 乗車駅からルートを重複せずに複数の駅を経由し、「一筆書き」のように乗車駅へ戻る乗車券のこと。

*2 無人駅の直近の駅からの初乗りきっぷを買って、自動改札が無い構造を悪用して乗車駅を誤魔化す等の行為を防ぐ

*3 似たような例では青春18きっぷの商標登録がある。

*4 ただし、看板の色が緑色になっている駅もある他、飯田線のJR新城駅など表記とマークが残っている駅もごく一部ある。