悪魔のサンタクロース 惨殺の斧

登録日:2019/07/14 17:09:48
更新日:2019/10/23 Wed 14:44:59
所要時間:約 3分で読めます




良い子にはプレゼントを、悪い子には死を



悪魔のサンタクロース 惨殺の斧(Silent Night,Deadly Night)』とは、1984年に公開されたアメリカのスラッシャー映画。

監督:チャールズ・E・セリアー/脚本:マイケル・ヒッキー/製作:アイラ・リチャード・バーマック

上映時間は85分。

サンタクロースの格好をした殺人鬼に若者達が次々に殺される単純明快なB級スラッシャー映画であり、クリスマスイブの夜にリア充どもが虐殺される様子を見てスカッとするお前らのために作られた映画である。















































…そうだったら良かったのにね…










































本当の概要

本作は確かに、「クリスマスイブに若者が殺人鬼に虐殺される映画」である。
しかし、「主人公を含む若者グループが殺人鬼に襲撃される様子を描いた映画」ではない。

本作は「元は純真無垢な普通の少年だった主人公が、様々な不幸の果てに発狂し、殺人鬼に変貌した挙げ句、悲惨な末路を遂げる様子を描いた映画」である。

つまり、1980年代のスラッシャー映画のなかでも、ストーリーが重いのである。
そのため、いつもの爽快な殺戮劇をみても、素直に喜べないかもしれない。


【あらすじ】
1971年。クリスマスイブ、五歳だったビリーはサンタクロースの格好をした強盗に両親を殺された。

月日は流れ、18歳になったビリーは、トラウマを抱えながらもおもちゃ屋で働き始める。
真面目な勤務態度を評価され、クリスマスイブには怪我をしたスタッフの代わりにサンタ役を任されるが、サンタクロースの扮装をした瞬間、まるで別人となったビリーは、町を血の海に染めていく…



【登場人物】

ビリー・チャップマン(Billy Chapman)

演者:Robert Brian Wilson(18歳のビリー)/Danny Wagner(8歳のビリー)/Jonathan Best(5歳のビリー)

詳しくは該当記事を参照。

本名はウィリアム(William)。本作の主人公であると同時に悪役(スラッシャー)。これはスラッシャー映画では割りと珍しく、他にはノーマン・ベイツ(サイコシリーズ)ブラッディ・バレンタイン3Dの殺人鬼などがいる。
元々はマイケル・マイヤーズなどのサイコパスと違って普通の子供だったビリーが、様々な不幸の連続で狂って行く様子は、見ていて鬱になるかもしれない。
更に最期も復讐を成し遂げられず死ぬという後味の悪いものであり、マーガレットに看取られたのが唯一の救いである。
因みに、凄ェ怪力であり、マッチョな男を片手で持ち上げるほどである。また、耐久力もあり、金的を食らっても大してダメージを受けていなかった。アーチェリーも扱えるなど、器用な面もある。
使用した凶器は両刃の伐採斧、クリスマスツリーの電飾、ネイルハンマー、アーチェリー、鹿の頭の剥製、素手
余談だが、セックスに対してトラウマがあるため、当然ながら童貞である。

リッキー・チャップマン(Ricky Chapman)

演者:Alex Burton(14歳のリッキー)/Max Broadhead(4歳のリッキー)/Melissa Best(赤ん坊のリッキー)

詳しくは該当記事を参照。

本名はリチャード(Richard)。ビリーの弟。兄を慕っている。その正体はカルピスという説もある。
サンタクロースの強盗に見逃され、ビリーと共に孤児院に引き取られる。
次回作で兄以上にはっちゃける。
ついでに、兄と同じくらいマッチョなイケメンと化す上に彼女持ちのリア充である。
そのくせリア充も非リア充も殺すため質が悪い。
でも最後は院長を……でかした!

因みに、赤ん坊の頃のリッキーを演じたのは女性。


カルピスDAY‼

次回作のラストで死んでしまうが…

三作目でゾンビ化したぜ‼しぶてぇ!


エリー・チャップマン(Ellie Chapman)

演者:Tara Buckman

ビリーとリッキーの母。サンタクロースの扮装をした強盗に襲われ、強姦されかけるが、抵抗したため喉を切り裂かれ死亡。

ジム・チャップマン(Jim Chapman)

演者:Jeff Hansen

ビリーとリッキーの父親。愛称は「ジミー」。サンタクロースの扮装をした強盗に射殺される。

ビリーの祖父/チャップマン氏(Grandp/Mr.Chapman)

演者:Will Hare

精神病を患っているビリーの祖父。見舞いに来たジムとエリーには無反応だったが、ビリーと二人きりになった途端に饒舌となる。五歳のビリーに「サンタクロースは悪い子にお仕置きする」と吹き込む。
本作の元凶その1。

出番は短いが、異様な存在感を放つ。

コンウェイ医師(Dr.Conway)

演者:Oscar Rowland

ビリーの祖父の担当医。モブキャラ。

レビット氏(Mr.Levitt)

演者:Eric Hart

スーパーの店員。1971年のクリスマスイブにサンタクロースの扮装をした強盗に射殺された。

キラーサンタ(Killer Santa)

演者:Charles Dierkop

詳しくは該当記事を参照。

サンタクロースのコスチュームを着た中年男性の強盗。
本作の元凶その2。特に報いを受けていないのも、本作のストーリーの鬱度に拍車をかけている。

マザー・スペリア院長(Mother Superior)

演者:Lilyan Chauvin

ビリーとリッキーを引き取った孤児院「聖メアリー孤児院(Saint Mary's Home For Orphaned Children)」の院長。クリスマスが近付くと精神が不安定になるビリーの心のケアを一切考慮せず、厳しい教育や体罰を日常的に行い、さらに「セックスは悪」という歪んだ思想を植え付けた。その上クリスマスのイベントに無理やりビリーを参加させたり、サンタクロースに扮装したオブライエン神父の膝に座らせようとしてビリーのトラウマを散々に抉った。
本作の元凶その3。ビリーにとって孤児院での日々は地獄であった。

胸糞悪いことに、最期まで生き延びる。
…しかし、次回作では…リッキーGJ!

シスター・マーガレット(Sister Margaret)

演者:Glimer McCormick

唯一ビリーに親身になった修道女。しかし、ビリーの就職先をクリスマスイベントを避けられない「おもちゃ屋」に決めるという大ポカをやらかした本作の元凶その4。
最後はビリーを看取った。

シスター・エレン(Sister Ellen)

演者:A.Madeline

孤児院の修道女。院長に従順。空気。

ケルシー・オブライエン神父(Father O'Brien/Santa at Orphanage)

演者:Spencer Ashby

サンタクロースの扮装をした神父。難聴。1974年のクリスマスには8歳のビリーに訳もわからない内に殴られた。
1984年のクリスマスに子供達にサプライズしようとしたが、ビリーと誤認されバーンズ巡査に射殺された。

アイラ・シムズ(Ira Sims)

演者:Britt Leach

おもちゃ屋「Ira's Toy」の店主である小太りの中年男性。
就職してきたビリーを信頼し、良好な関係を築いていたが、マーガレットがビリーのトラウマを説明しないという大ポカをやらかしたせいで、ビリーにサンタクロースの扮装をさせる。
最後はクリスマスイブの終業後の打ち上げの際、発狂したビリーにネイルハンマーで殺された。

マリア・ランドール(Maria Randall)

演者:Nancy Borgenicht

おもちゃ屋の副店長。何故か日本語字幕では「レイノルズ」になっている。
同じくビリーと良好な関係だったが、クリスマスイブの打ち上げの際、発狂したビリーにアーチェリーで殺された。

サンタ役の店員(Santa in Store)

演者:J.Paul Broadhead

おもちゃ屋のスタッフの一人。サンタクロースの扮装をして子供達と触れ合い、ささやかなプレゼント(キャンディ等)を渡す役。怪我で欠員したため、ビリーが代役を担当することになった。

パメラ(Pamela)

演者:Toni Nero

ホッケーマスクの殺人鬼の母ちゃんとは無関係。
おもちゃ屋の店員の一人。ビリーが密かに想いを寄せていたが、同僚のアンディと恋仲。
クリスマスイブの打ち上げの際、アンディに無理やり迫られていたが、その光景が母親の最期と重なったことでビリーの精神はとどめの一撃をくらい、発狂することになる。
カッターナイフで切り裂かれ死亡した。
本作の元凶その5。

アンディ(Andy)

演者:Randy Stumpf

ビリーの同僚のマッチョな男。パメラと恋仲。
ビリーとは当初は良好な関係だったが、クリスマスが近付き精神が不安定になったビリーが反抗することが多くなったため、険悪な関係になってしまった。
最後はクリスマスイブの打ち上げの際、パメラに迫って無理やりセックスに及ぼうとした結果、発狂したビリーに電飾を首に巻き付けられ、片手で吊り下げられて窒息死した。

ビリーの膝に座った少女(Girl on Santa's Lap)

演者:Angela Montoya

サンタクロースの扮装をして業務を行うビリーの膝に座った女の子。何故かビリーを蹴りまくっていたが、ビリーに「悪い子にはお仕置きだ」と脅され大人しくなる。

少女の母親(Girl's Mother)

演者:Mollie Cameron

上記の少女の母親。ビリーが娘を大人しくしたのを見て、「子供をあやすのが得意ね」と勘違いして感心していた。

デニース(Denise)

演者:Linnea Quigley

若い女性。恋人トミーを家に連れ込みセックスしようとしたが、突然ビリーに襲撃され、鹿の頭の剥製に串刺しにされ死亡した。
完全にとばっちりである。
のちに赤毛の女ゾンビに転生した。

トミー(Tommy)

演者:Leo Geter

デニースの恋人である若い男性。デニースが殺され怒り心頭でビリーと対峙する。
割りと善戦したが、最後はパワー負けしてタブルハンマーを喰らいダウン。更に放り投げられ、二階の窓ガラスを突き破って地面に落下し、死亡。
完全にとばっちりである。

シンディ(Cindy)

演者:Amy Stuyvesant

デニースの妹。かつてのビリーと同様に、純粋にサンタクロースを信じる少女。
ビリーから「良い子」だったか聞かれ、「良い子だった」と答えた結果、血まみれのカッターナイフをプレゼントされた。トラウマ必至である。
しかも、直後に「姉の惨殺遺体」を発見してしまうことを思うと、上記のリア充虐殺もただただ鬱展開である。

ダッグとジム(Doug & Jim)

演者:Vince MassaとMichael Alvarez

ナードコンビ。
クリスマスイブの夜に野郎二人でソリで遊ぼうとする、アウトドア派なお前ら。
DQNコンビにソリを強奪されたが、おかげで助かる。

マックとボブ(Mac & Bob)

演者:Richard TerryとJohn Bishop

DQNコンビ。
ナードコンビからソリを強奪して遊ぶ。マックは無事に滑れたが、ボブはビリーに斧で斬首された。
自業自得すぎる。

リチャーズ警部(Captain Richards)

演者:H.E.D.Redford

マーガレットと共にビリーを捜索する警官。
ビリーに引導を渡す。

バーンズ巡査(Officer Barnes)

演者:Max Robinson

ビリーを捜索する警官の一人。オブライエン神父をビリーと誤認して射殺してしまうが、後に因果応報とでも言わんばかりにビリーに斧で惨殺される。

ミラー巡査とマーフィー巡査

演者:Richard D. ClarkとTip Boxell

スラッシャー映画特有の無能警官二人組。役立たず。

救急隊員(Dispatcher)

演者:Dan Rogers

誤射されたオブライエン神父を護送した。


雪だるま(Snow man)


ビリーに斧で惨殺された(雪だるま君迫真の演技!)。







余談だが、本作はその内容から公開当時は批判が殺到し、次々と上映禁止となった。
しかし、それが逆に話題となり、続編はリメイクを含め6作製作された。

また、本作の出来自体は1980年代の他のスラッシャー映画とくらべても見劣りしない…どころか人間ドラマがしっかりしている上に惨殺シーンも完成度が高く、普通に良作である。


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