ヒノカミ神楽

登録日:2020/01/03 Fri 00:02:29
更新日:2024/04/18 Thu 12:34:17
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炭治郎、この神楽と耳飾りだけは必ず途切れさせず継承していってくれ

約束(・・)なんだ





ヒノカミ神楽(かぐら)とは『鬼滅の刃』に登場する用語の一つである。


◆概要

竈門炭治郎が生まれ育った生家、竈門家に代々伝わる神楽舞。
年の始めに「ヒノカミ様」なる神的存在に、独自の衣装を纏いながら神楽舞を奉納する風変わりな慣習。
竈門家は炭焼きの家系で、その年も怪我や災いが起こらないようにとヒノカミ様に祈るという。
家督を継ぐ嫡男は先祖から伝わる神楽と耳飾りを伝えていく役割を担っているらしく、炭治郎も父・炭十郎が世を去る前にこれらを継承している。

雪の降りしきる中、全部で十二ある舞い型を日没から夜明けまで何百何千何万回と繰り返すのが特徴。
やり遂げるには型と共にある特殊な呼吸法を覚える必要がある。


◆戦闘技術として

炭治郎が「下弦の伍」との戦いで命の危機に陥った際、土壇場でこの神楽の呼吸を思い出し使用。
すると日輪刀と組み合わせ戦闘に転用できること、水の呼吸で斬れなかった鬼でも切れることがわかり、以後炭治郎の心強い武器になる。
神楽舞として伝わった型が何故そのまま剣技に転用できたのかは、炭治郎も理解していなかった。
だがヒノカミ神楽の呼吸は鬼殺隊の用いる全集中の呼吸とほぼ同じものだったということになる。

水の呼吸よりも炭治郎の身体に合っている分、強力な技が出せるが一方で消耗も激しく、当初は連続使用ができなかった。
しかし炭治郎は鍛錬と水の呼吸と混ぜる(体裁きや歩法を取り入れる)という発想で使い勝手を向上させている。
つまり型は同一でも炭治郎のヒノカミ神楽の()()は、厳密には受け継がれてきた呼吸から変質した彼のオリジナルである。


◆型一覧

技の名前は「炎」か「光」、「太陽」のエッセンスを含むものが中心。
剣技によるエフェクトは赤く燃え上がる炎だが、もちろんヒノカミ神楽だけでは実際に相手を燃やしたりする事はない。

一般的な全集中の呼吸と異なり、「○の型」といった通し番号は付けられていない。


  • 円舞(えんぶ)
累戦で初使用。
美しい炎の弧を描く強烈な斬撃。
生生流転で切断できないほどの鋼糸を切断できるなど、その威力はすさまじい(生生流転の影響があるかは不明)。
初使用時には、生生流転の龍が燃え上がる演出が描かれている。
呼吸音は「ゴオオオオ」

  • 碧羅の天(へきらのてん)
魘夢戦で初使用。
上半身を横にひねって半回転させ、日輪の輪郭のように円を描き斬撃を放つ。
円舞の初使用時と違って無理な切り替え等はせずに繰り出したからか、炎のエフェクトがより派手になっている。
「碧羅の天」は晴れ渡った青空を意味する。


  • 烈日紅鏡(れつじつこうきょう)
堕姫戦で初使用。
∞を描くように放つ左右対称の水平斬り。広範囲を切り払うことができる。
「烈日」は真夏の激しく照り付ける太陽を指す。「紅鏡」も太陽の意。


  • 炎舞(えんぶ)
堕姫戦で初使用。
大きな半円を描く斬撃の二連撃。
円舞と使い分けているので別の型になる模様。
父・炭十郎が熊の頚を落とした技も瞬間二連撃の特徴からこれと思われる。


  • 幻日虹(げんにちこう)
堕姫戦で初使用。
高速の捻りと回転を加えた瞬間回避の身体捌き。
単純な速度だけでなく残像による攪乱効果も付属し、高位の鬼のような動体視力が優れる者ほど攪乱効果が高い。
幻日(げんじつ)」とは、高度の低い太陽の光が雲内部の結晶により屈折する事でできる像の事。


  • 火車(かしゃ)
堕姫戦で初使用。
相手の真上を飛んで背後に回り、「隙の糸」の確認と同時に斬り込む技。
「火車」とは地獄で罪人を乗せる、炎に包まれた車。


  • 灼骨炎陽(しゃっこつえんよう)
堕姫戦で初使用。
刀身に炎のようなエフェクトを纏わせながら前方広範囲に渦を描く様に放つ強烈な回転斬り。
鬼が斬られた部位は灼けるような痛みが走り再生を阻害する。
「灼骨」は亀甲などの骨を用いた占いの一種。「炎陽」は夏の太陽。


  • 陽華突(ようかとつ)
半天狗戦で初使用。
上空への突き技。速度重視の牽制技と思われる。
雫波紋突きと似ているが、わざわざこちらを使うからには炭治郎にとってはより高い威力や速度が見込まれているのだろう。


  • 日暈の龍 頭舞い(にちうんのりゅう かぶりまい)
半天狗戦で初使用。
戦いの中、血の中に眠っていた耳飾りの剣士の記憶から引き出した技。
炎の龍のエフェクトと共に流れるような動きで高速移動し複数の敵を斬り捨てる広範囲技。
禰豆子の「爆血」との合わせ技で、斬られた部位に灼けるような痛みが走り、鬼の再生を阻害するという赫刀に見られる効果を再現した。
「日暈」とは薄い雲が太陽に掛かる事で光の輪っかが見える現象。


  • 飛輪陽炎(ひりんかげろう)
猗窩座戦で初使用。
刃先が陽炎の如く揺らぎ、避けたつもりでも実は刃先が届いている独特な斬撃。
相手の間合いの目測を誤認させる効果がある。
「飛輪」も太陽の別称。「陽炎」は日光などで熱せられた空気が揺らいで見える現象。


  • 斜陽転身(しゃようてんしん)
猗窩座戦で初使用。
炎のエフェクトを纏いながら空中で宙返りをしながら水平に薙ぐ技。
「斜陽」は沈みゆく太陽の事。


  • 輝輝恩光(ききおんこう)
無惨戦で初使用。
渦を巻くような炎のエフェクトと共に放つ技。
炎は他の型と比較しても一層大きく派手なもので、この技で無惨の腕を切断しつつカナヲを救出した。
「輝輝」は光輝くさま。「恩光」はありがたい太陽の光を表す。



  • ???
耳飾りの剣士が無惨を倒す際に使ったとされる13番目の型。

応用

  • 円舞一閃(えんぶいっせん)
半天狗戦で使用。
円舞に善逸から教わった雷の呼吸のコツを掛け合わせた、霹靂一閃に似た応用技。
強烈な踏み込みによって急加速して間合いを詰め、一瞬の内に鬼の頸を両断する。
当然だが本来の神楽には存在しない型。


透き通る世界

極限まで技と心身を鍛え上げ高めた者が辿りつく境地。
ヒノカミ神楽はそこに辿りつくための手段の一つでしかない。
劇中ではヒノカミ神楽の使い手でなくとも何名か透き通る世界に入った剣士が存在する。
炭治郎の場合、ヒノカミ神楽を本当の意味で習得し、更に数多の上弦の鬼達との死闘による研磨の果てに発現させた。

炭十郎曰く「正しい呼吸と正しい動き、最小限の動作で最大限の力を出すこと」
まず動きや感覚を覚え、五感を開き自分の体の形を血管の一つ一つまで認識する。
そして覚えたものから必要ないものを削ぎ落としていくと、やがて体中の血管や筋肉の開く閉じるをまばたきするように速く簡単にこなせるようになる。
彼が言うには神楽を習ったばかりの若く健康だった頃は息も絶え絶えになっていたが、透き通る世界に辿りついた晩年近くは神楽を舞うことが苦痛でなくなったらしい。

戦闘に用いれば敵の肺の動きや筋肉の収縮を感じ取り、時間の流れがゆっくりに見えるため動きの予測と攻撃の回避の速度が格段に上昇する。
その本質は怒りも憎しみもない澄み切った精神と命を屠るための最大効率の体捌き。
「無我の境地」…「明鏡止水」…もしくは、猗窩座の目指していた「至高の領域*1」と呼ばれるものの正体である。


日の呼吸

元炎柱の煉獄槇寿郎曰く全ての呼吸の元となった「始まりの呼吸」。太陽の力を込めた特殊な呼吸だが波紋ではない。
日の呼吸の使い手には炭治郎と同じ耳飾りと、生まれつき額に赤い痣があったらしく、彼を知る多くの人物が炭治郎にその面影を見ている。
ただし炭十郎には生まれつきの薄い痣があったものの、炭治郎には元々無く、今ある痣は後天的にできたものである。
日の呼吸はヒノカミ神楽の呼吸と同じ数の型を有するが、本来は「十三の型」があり継承は不完全となっている。



ヒノカミ神楽の真相は、耳飾りの剣士こと継国縁壱に助けられた炭治郎の先祖・炭吉彼の披露した日の呼吸の型を見稽古によって記憶・習得し、「神楽」という形で後世に伝え続けたもの*2
即ち無惨や黒死牟によって根絶させられていたはずの日の呼吸そのものである。
型は竈門家によって正確に継承され続けており、遺伝した記憶から縁壱自身の型を直に見た炭治郎が驚くほど*3




必ず途切れさせず追記・修正していってくれ

約束なんだ

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最終更新:2024年04月18日 12:34

*1 猗窩座はその境地があることを感じていたが辿りつくことはできなかった

*2 神楽として受け継がれた理由を炭治郎は、日の呼吸の型は息を忘れるほどに綺麗であまりにも美しく、剣を振るう縁壱が人ではなく精霊のように見えたからだと推測している。

*3 これは炭治郎自身が体験した「記憶の遺伝」が代々の竈門家の継承者にも起きていたものと思われる。