へんたつ

登録日:2020/01/05 Sun 21:56:28
更新日:2025/07/13 Sun 00:46:51
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概要

『へんたつ』とはirodori制作の短編アニメである。
2018年1月31日にツイッターにてアップされた後、不定期で続編が投稿され、同年8月7日にフル版がYoutubeにて公開された。
2019年5月29日にはDVDが発売。

irodoriの自主製作アニメと言えば『傾福さん』があるが、あちらがストーリー仕立てであったのに対し、こちらは実在するirodoriのスタッフをアニメキャラに置き換え、それらによる雑談によって、近況報告や裏側の暴露を行うという方式を取っている。
最初は何処かのカフェで話していたが、途中で屋外に移動しており、移動の最中に描かれる景色の緻密さや、それでいてダイナミックな描写は必見。
なお話している場所はirodoriのスタジオが中野に近いことから中野ブロードウェイなど中野に実在する場所や店である。

また、irodoriやその大本であるヤオヨロズ作品のパロディや小ネタも存在しており、ファンならクスリと来ること間違いなし。
自主製作ではあるが『傾福さん』同様キャストにはプロの声優を起用している。

2020年1月から同年3月にかけてTVアニメ版が放送された。キャストも自主製作版から続投しており、内容はWEB版の再録+新作で全13話。
いわゆる数分の短編形式で、アニメ『Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』の放送終了直後に流される形式となっている。
なお、放送形態としては単独番組では無く実質CM扱いとなっており、家庭用録画機の予約リストだと『へんたつ』単独での認識はされないという録画勢泣かせの仕様となっていた。
こちらも全話がYoutubeで無料公開されてる。
2020年5月27日には主題歌CDとセットのブルーレイが発売された*1
なお放送時間の関係上カットされたシーンもあったようで、CMという形で公開されている。

2021年12月31日には新作として『へんたつ 大晦日特別版』*2が放送。番組の最後にはirodori制作の新作劇場アニメの制作決定の告知もあった。
翌年の2022年12月31日にも「特技編」と称した特別版が放送され、そこではAさんなる人物との対談で映画の他に新しいTVアニメの企画についての話があり、映画だけでなくTVアニメの制作も行う予定である事が仄めかされた*3

2023年大晦日にはへんたつの放送は無く、代わりに株式会社カバーのVtuberキャラクターによる「いきぬきホロライブ! HOLOX 2024年のやぼー編」が制作、放送されている。

スタッフ

監督とか:たつき
作画とか:平安
美術とか:ゆっこ


登場キャラクター

CV:高杉薫
低身長で黒髪ショートカットの少女。
頭部には赤い小さな角を生やしており、白い大きな襟のある黒いセーラー服にも似た服装が持ち主で、右手首から下が赤い。ちなみに服には赤いラインが所々に走っており、光った時の姿が某仮面ライダーっぽいという声も多数ある。
一人称は「俺」で、関西弁で話す。
恐らくたつき監督の擬女化と思われる。

中野駅近辺でアニメを作っているアニメ監督。
ダンジョン感のあるもの」を一度作ってみたいと思っており、ブロードウェイを舞台のモチーフに狙っている。

既に死んでしまったが、柴犬を飼っていたらしく、ふとした拍子に逃げてしまった際の攻防戦の話は猫に気に入られている。
また、カメレオンを飼っているらしいが、当初は「皆飼ってる」と思い込んでいたため、話のタネと思っていなかった。
以前は猫も飼っていたようだが、既に死亡している模様。
その猫の自由奔放で気まぐれな行動には翻弄されていたらしく、反動故に素直な犬にはこれ以上ない程愛情を注いでいる模様。

コミティアで自身のブースを探していた最中、周囲に自身とスタッフの一人である「ゆっこ」とを間違えられた事があり、「あれがたつき監督か……」といった周囲の会話を聞いて「自分は偽物だったのか?」「電気の通っていない真っ暗な自宅で趣味で動画を作っていたのかもしれない」という自問自答に陥ったとのこと。
自分達の仕事ぶりや作品に関しては「派手に花火を打ち上げるのではなく、自分達だけで小さな焚火を囲っていたら、周囲も加わり、火の勢いも増し、やがて大きな火柱になる感じ」と考えている。

一時期は様々なことが積み重なって体調を崩し、筆を折りそうなこともあったようだが最近は筆も乗っているらしい。

今度は「線路が光って段ボールが落ちてくる」系を作りたいとのこと。
TV版12話では角が伸び、長髪となった姿を見せている。


CV:門脇舞以
長身でピンク髪のロングヘアーに猫耳を生やした女性。
糸目で小さな丸眼鏡をかけている。
Tシャツで大胆に右肩を晒しており(ちなみにまあまあある)、ロングスカートを履いている。
腰には赤い帯を巻いて、右手首から下がピンクになっている。
更に一人称は「僕」と属性の総合デパートである。

ほわほわとした敬語とウィスパーボイスで話す。
自分からエピソードを話すことはせず、最初に話をふってそこから鬼のエピソードトークが展開されるのがお決まりとなっている。
尚大人しそうな雰囲気を漂わせるが、結構ノリは良く、鬼の話にクスクスと笑ったり、共に呼びかけたりすることもしばしば。
鬼の「らすとおんみょう」の原案を聞いた際には、それをべた褒めしていたという。

仕事が本筋から外れかけることの多い鬼の制止兼修正役でもある模様。
劇中での立ち位置やピンク髪の巨乳少女というルックス*4などから、平安氏にあたるキャラと思われる。
ちなみにTVアニメ版によれば「鬼」と「高杉さん」・「猫」と「門脇さん」は別に存在している模様。

舞台となっている世界に関してはよく分かっておらず、どれほどの大都市であっても他に住人らしい住人はいないゴーストタウンとなっている*5
と思いきや、二人の会話では“意思を持つ廃車”だの“通りすがりのエジプト王族”だの“謎のおじさん”だの、他にも少数ながら何かしらのキャラクターが存在している事が言及されている。
加えて、TVアニメ版では『ケムリクサ』に登場したよう“虫型ドローン”が出てきたり、大晦日特別編においては2021年版には“黒い骸骨のような怪人”が、2022年版には“狸っぽい少女”“狐っぽい女性”が登場しているが、それらが具体的にどのような存在で、鬼たちとはどのような関係なのかは不明である。

余談

元々趣味で作って公開している自主製作アニメであったため全話無料で見ることが出来るが、前述の通りファンアイテムとしてDVDが発売されている。
だが発売前に『ケムリクサ』で再びirodoriに注目が集まっていたこともあってか、オリコン予約ランキングで1位を取っている。
それをたつき氏も喜びつつも無料で全話見れることを告知したものの、全話で15分にも満たない自主製作アニメが4000枚以上を売り上げている。
TV版もほぼ同じような内容で流通ルート別にアクリルキーホルダー特典が付く形で発売され、約8000枚という好調な売り上げ枚数を記録している。

WEB版の「ネズミクサ」やTV版の「名もなき謎エジプト人ら」など時折挟まれる妙ちきりんなキャラもコアな人気があり、
特に「王様にお面を渡すエジプト人女性」は公開直後からファンアートが量産されるなど謎の人気を博している。

TV版放映時には詳しいスタッフロールなどがなかったため、なぜこのような特殊な放送になったか謎だった。
ソフト化自体も纏めても普通のアニメ1話分にも満たないため怪しかったが色んな人は腹くくってくれたおかげで出せたとたつき氏は語っていた。
そしてソフト化された際プロデューサーにアニプレックス社長である岩上敦宏氏*6がクレジットされたことで色んな疑問に納得できる回答が得られている。


追記・修正は雑談しながらお願いします。

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最終更新:2025年07月13日 00:46

*1 ちなみに第13話相当の「第12.5話」については、本来の放送枠が終了した後に急遽製作されてねじ込まれたものとのことで、映像ソフトに収録されるかどうかは微妙なところらしいと監督が語っていたが、ボーナストラック扱いで無事収録が叶っている。

*2 地味にこちらは家庭用録画機で単独番組として認識される仕様となっていた。

*3 しかし、映画は2023年の公開を目途としたような発表であったが、その2023年を経過しても公開どころかそれ以前の情報は無いのが現状である。次のTVアニメに関してもその後は具体的な制作状況について続報は無く、これ以降のirodoriは小規模の同人活動に留まっている。

*4 irodoriのHPにおける平安氏の自画像はPCでピンク髪の巨乳少女を描く男性。

*5 ただし、都市のインフラは生きている。

*6 フリーターから社長になったたたき上げの人であり、FGOと後番組のマギレコには企画で参加している他、FGOの版権元であるTYPE-MOONとは劇場版空の境界をプロデュースしたころから繋がりがあり、マギレコもまどかマギカの時にプロデュースしているため繋がりが深い