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あずきバー

登録日:2009/08/26 Wed 17:28:36
更新日:2026/05/30 Sat 21:25:51
所要時間:約 5 分で読めます




あずきバーとは、三重県の菓子メーカー「井村屋」が製造・販売している、あずきを使った氷菓である。


▽目次


概要

1973年に発売され、50年以上の歴史を持つロングセラー商品。

元々細く長く売れてはいたもののそこまで人気は高くなかったが、ここ数年で人気が一気に上昇し始めた。現在は幅広い層に親しまれる、名実共に最強にして最硬のアイスの一つと言える。
筆者の極めて個人的な意見だが、スイカバーなどと並ぶ「夏の定番」ではないだろうか。
あと、カラフルなパッケージのアイスクリームが並ぶ店のショーケースの中で、井村屋のあずきバーの渋い紫色基調の箱はいぶし銀的な存在感を放っていると思う。
現在は元祖あずきバー以外にも多数の類似商品が販売されている。それぞれ微妙に味付けや食感が違うので、食べ比べてみてはどうだろうか?

で、味は……
正に「驚くほど美味い」のである。

あずきが一カ所に片寄っておらず、どこをかじってもほぼ均等にある。
それでいて、あずきアイス特有のジャリジャリ感がほとんど無い非常に滑らかな食感も味わえるし、乳化剤や安定剤、着色料といった添加物も入っていないため「あずきアイス」と言うよりは「固形のぜんざい」という感覚。
長年に渡って変化がないようにも感じられるが、実際には消費者の嗜好の変化に合わせてレシピを調整しており、昔のものと比べると甘みが減っているらしい。
ちなみにマグカップなどに入れて電子レンジでチンすれば本当にぜんざいになるよ。冷たいまま味わうもよし、あったかくして楽しむのもアリ。オールシーズン対応アイスでもあるのだ。
あったかくしたらもうアイスじゃないだと?確かにそうだけど元はアイスだったし、公式サイトでもあっため方を紹介しているのでセフセフ。
意外なところでは炊き込みご飯にしてもうまい。これも公式がおすすめしている。


リニューアル

2023年3月、あずきバーに大きな変化が生じた。なんと原材料からコーンスターチが消えたのだ。
コーンスターチは製造過程でとろみを付け、あずきを均一に分散させるために必要とされていたが、これをあずきパウダーに置き換えることでコーンスターチ抜きで作ることに成功。結果としてあずき成分をさらに増量することにもつながったという。

この変更に至った理由は
  • 健康志向の高まりに対応する「クリーンラベル化*1」による訴求力の強化
  • 割れや欠けなどでそのままでは使えない小豆を粉砕して使用することでロスの削減
  • 国際情勢の変化による穀物価格の乱高下への対応
など複数の要因が絡んでいる模様。
ちなみに井村屋の広報担当者いわくリニューアル前後で「硬さは変わらない」らしい。


アイス界最

そんな美味しい美味しいあずきバー。

……だが、他のアイスクリームに比べめちゃくちゃ硬いことでも知られている。
冷凍庫から取り出して直ぐの状態で食べるには少々力が必要。いやそれどころか、人によっては歯を折る覚悟さえ必要かもしれない。実際、歯を構成するエナメル質より硬いそうだ。
その硬度はたびたびネタにされるほど。だが美味しいことには間違いないが。
この理由は、前述の通り乳化剤や安定剤も入っていない無添加の固形ぜんざいのようなもので、乳固形分も無く空気の含入量も少ないから。加えて、時代の流れにあわせて年々マイナーチェンジで砂糖を減らした結果ますます固くなっていったからでもある。
ちなみに決定権を持つ井村屋上層部は皆歯が丈夫だから問題視する声は出なかったとか。

▼硬さの一例
  • ナイフメーカー「ジー・サカイ」が井村屋の許可を得て硬度の計測をしたところ、測定結果は「数値が変動してしまうため、測定不能*2だったものの、測定器の表示は一瞬だがHRC300超えを示したとされる。
    • 世界で二番目に固い宝石のサファイアが概算でHRC227相当なので、一瞬でもサファイアを上回る硬度を計測したことになる。
    • なお、ここでの硬度とは“対象物に荷重をかけ、変形させてできた窪みの深さを測定する”という「ロックウェル硬度」という指標で、“傷の付きにくさ”を示す「モース硬度」や、割れにくさを現す靱性とは全くの別物であることは覚えておこう。
  • 別の指標では「反発硬さ」も測定されている。これも複数の指標があるものの、微小球反発試験機「eNMA3A10」を使用し反発係数*3を測定した例が2例あり、Youtubeチャンネル「GENKI LABO」が測定した結果は0.104で銅(0.231)より柔らかい…という結果が出た一方、試験機のメーカーである「山本科学工具研究社」がドライアイスで−25℃に維持した状態で測定した際には0.32を記録した。これは室温の乾パン(0.26)や黄銅(0.30)より硬い程度となる。
  • ちなみにあずきバーの硬さの理由は、砕いたあずきが繊維質となって氷の硬度を上げるとともに、融点を上げて溶けづらくしているため。
    • 原理としては、氷におがくずを埋め込んで砲弾にも耐えられるほど硬度を上げた、氷山空母(ハボクック)のために開発された装甲材「パイクリート」に例えられることがある。
      • このパイクリートはライフル弾を止められるほど硬いので、あずきバーも下手をすればそのくらいの硬度はあるかもしれない。
  • 身近な食べ物をアレンジするおもちゃ「おかしな○○」シリーズを製造している「株式会社タカラトミーアーツ」が、このあずきバーを無謀にもかき氷にするおもちゃを販売している。
    • 開発秘話では6つも試作品を作るなどしていたらしく、圧倒的な固さのせいで削るためのハンドルが破損したり重すぎて回らなかったりなどの失敗を経て、最終的にスティックを避けながら削れないという点から「専用の装置でスティックを引き抜いてから削る」という苦労の滲み出た方法を取っている。
  • もちろん釘も打てる。ただし、あずきバーとて所詮はアイスなので打った時のダメージは大きい上溶けることも考慮すれば、大真面目にあずきバーで釘を打つことは推奨されない。


余談

  • 製造している井村屋は、を強調した制服で有名なアメリカ発祥の喫茶レストラン「アンナミラーズ」の日本代理店としても知られる。*4テレビ東京の情報番組『カンブリア宮殿』で井村屋が特集された際には、あずきバーなどの井村屋商品とともにアンナミラーズも名物のパイとともに紹介された。別に変な意味では無いよ!なお、同店であずきバーがメニューに載ったことは無い。

  • 井村屋は過去三回にわたり「やわらかいあずきバー」を開発して販売したが、いずれもすぐに終売している。同社社員曰く「まったく売れなかった」とのこと。

  • 2017年には、井村屋が古くから刃物や名だたる日本刀の産地である岐阜県関市とコラボして、全長87cm(あずきバーでできた刀身は65cm)の「あずきバー日本刀」を「鍛刀」した。

  • 2018年9月の北海道胆振東部地震で全島ブラックアウトが発生した際、冷凍食品では唯一72時間の停電から生還という記録を樹立した。アイスとは……?

  • 2022年12月には、希少な白あずきを使った 「白あずきバー」が登場した。

  • 2026年2月現在、未だあずきバーが凶器となった殺人事件は発生していない。起きてたまるか

  • 凄まじい硬度を誇るアイスなので、幼女に渡すと大きなお兄ちゃん達の目の保養になる。←通報した


追記・修正はあずきバーにかじり付いて歯を折らなかった方がお願いします。


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最終更新:2026年05月30日 21:25

*1 食品のパッケージの表記をわかりやすくすること。パッケージデザインの変更だけでなく、食品添加物の削減による原材料表記のシンプル化なども含む。

*2 測定したジー・サカイのブログや動画によれば「そもそも測定に使用したロックウェル硬度計では氷の硬さを測ることができない」とのこと。

*3 「どの程度塑性変形を起こしにくいか」を示す指標で、球体を測定物の表面に衝突させ、反発して戻ってきた球体がどの程度減速したか、というもの

*4 アンナミラーズは国内実店舗を2022年までに一旦全て閉店し、以降は期間限定のポップアップショップや通販の展開に留まっていたが、2025年12月に常設店舗が復活した。