如月工務店(SCP Foundation)

登録日:2020/10/26(月) 22:30:50
更新日:2020/10/31 Sat 18:36:39
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皆様の今後より一層のご発展を、心より祈念申し上げます。

               ――記録資料619-JP-β-21 より抜粋



如月工務店はシェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場する要注意団体(GoI)である。


概要

工務店の体をなした、異常建築や異常物品を作り出す営利団体。
書類上では「有限会社 如月工務店」と表記されることが多い。
準要注意団体である時代が長かったが、今では20作ほどタグが付けられている。

依頼されれば時には安価、無料で施工を行うだけでなく、仕事が(異様に)早く、依頼主の意を汲む仕事ぶりでかなり有能な工務店である。
――が、そこはSCPワールド。生み出されるのは大体地獄。

というのもこの団体、大抵どこかで依頼を曲解しているため、確かに依頼者の意を汲んではいるが依頼者の思い通りに事が進むことはまず無い
丁寧な書類からは善意から働きかけたかのように見えるところもあるが、結果的に人が死んだり死ぬより酷い目に合わされるから始末に負えない。
この曲解ぶりを価値観の相違による 可愛い 勘違いと 微笑ましく 思うか、鬼であるが故の悪意と受け取るかは読み手次第だろう。そこがまたこの団体の魅力でもある。

また、全てではないが、人間をオブジェクトの“材料”とすることも特徴的。
あるいは物理的、概念的な人柱として用いるため、あるいはその人を永遠とするためなど、呪術的な要素が関わる痕跡もある。

そのルーツには、「東北」「鬼」等といったワードが上げられるが、その規模や実態は杳として知れない。
まあラーメンは食いに来るんだが*1

東北で鬼といえば……


オブジェクトの特徴

驚くべきことに、如月工務店産のオブジェクトは空間や時間を無視した建築物や物品を作り出すことが多い。
想定されるよりも広い部屋、異空間への接続、もしくは別空間への接続など当たり前のように見られる。
SCPのオブジェクトとしてはそう驚くべきことでもないだろうが、とんでもない技術力をもって一般の人からも依頼を受けるのだ。
安価で素早い施工には、依頼者も感謝することが多い。……そのことに対してはね。


他団体との関係

異常な技術力を持つことや、「過去」に対してのスタンス、人間を材料とするという特徴からか、様々な要注意団体と関係を築いている。

酩酊街

「酩酊・忘却・停滞」を理念とする団体であり、異空間であると考えられる。
如月工務店は酩酊街に一時身を寄せていたが、考え方の相違から袂を分かったとされる。
酩酊街側はそんな如月工務店を見守っているようだが、如月工務店側は複雑な感情を抱いているように見られる。

石榴倶楽部

人肉嗜食者たちの団体。
片や人間を資材にし、片や食料とするため、度々関わることがある。
どちらも古くから存在するために付き合い自体は古いが、価値観は合わないよう。

夏鳥思想連盟

懐古主義思想を掲げる団体。
過去を大切……というか偏重し執着する彼らは、忘却を良しとする酩酊街とは正反対の思想であることから、良い顧客と事業者という関係を結べている。

東弊重工

御存知、カラオケBOX様々な異常物体を作り出す団体。
如月工務店に技術を盗まれたとして目の敵にしているようだ。このことから技術窃用されたオブジェクト回収のために財団と手を結んだり、如月工務店と関係した団体に対して注意喚起を行ったりしている。
夏鳥「余計なお世話です」


関係するオブジェクト

SCP-031-JP - ヴォラレフィリア

定礎
昭和五十三年二月
(有)如月工務店

異空間へ繋がるオブジェクト。
京都市に所在する雑居ビルであり、エレベーターの操作により異空間に接続される。
異空間は2帖程の浴室となっていて、エレベーターから降りると扉が閉まり、通信は全て途絶し、侵入者は帰還不可能となる。
それから半日程経つと、同地区の北野天満宮境内に梅の木の芽が出芽し、約2時間で成木となり、開花する。
この梅の木の幹の内部には侵入者の所持品の一部が埋没していることがある。が、侵入者の衣類や体組織はほとんど発見されない

如月工務店の仕事としては、異空間への接続と恐らくは梅の木の出現に関わっているのであろう。
だが、メタタイトルの元になっているのは、ここに現れる芸者姿の人型実態である。

何故雑居ビルが風呂に繋がるのか。メタタイトルがどのように描かれているのか。
梅の香りに咽る色気を是非堪能して欲しい。

SCP-433-JP - ノアの体育倉庫

お年頃の男女を閉じ込める体育倉庫というオブジェクト。
あとは分かるね?

もう少し真面目に書くと、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類といった動物が同種の雌雄二体で侵入すると、滅茶苦茶ムラムラして子作りをしてしまう体育倉庫というオブジェクトである。
そうして生まれた子供はいかなる種の生物であろうと日本語が話せるようになる。これを作った工務店、何考えてるんだ?
エージェント・カナヘビは関係ない。多分。

余談であるが、このオブジェクトによって生まれ、誘拐された人間の子供の一人が日本生類創研の施設にて発見される。

SCP-480-JP - 未完成の山間公園

なんと無料のボランティア!
すばらしい成果!

こんなのは望んでいない

鬼だ

各所で物理的、空間的な歪みが発生する、名前のとおり未完成の公園。
不規則に物質の消失や転移、他物体との融合などが起こる。
端的に言えばバグ公園。この公園内では遊具などの壁抜けが可能になったり、物理演算が狂って物体(人間含む)が突然宙に投げ出されたり、弾き飛ばされたりと異常な動きをしてしまう。
中では6~7歳の少女が不規則に現れ、公園内を徘徊している。公園から出すこともできる

“如月工務店”のデビュー作。
如月工務店の悪辣さ、有能な仕事ぶり、オブジェクトに似合わない丁寧な書類、そして依頼の曲解っぷりなどの「如月工務店といえば」という要素がデビュー作ながらきっちり詰まっており、彼らの手法や雰囲気を知りたい方はぜひこれを一読して欲しい。
「いつまでも楽しく遊びたい」ってそういう意味じゃねーから!

SCP-544-JP - 孤独な放送室

迷子通知システム(自動) 停電中でも動くようにハードウェアを高性能にしました。 -如月工務店

侵入した人物に関わる記憶を改変するオブジェクト。
その実態は、既に廃業したデパート及びその放送室。
デパート内に侵入すると、3分毎に「お知らせです。(侵入者)さん、(侵入者の関係者)さんがお待ちでした」というアナウンスが流れる。
このアナウンスがされると、侵入者は名前をアナウンスされた人々から忘れられていくことになる。それは家族や同僚、果てには面識があるだけの人間にまで及ぶ。鬼だ。

「Dクラス武勇伝」の一つに数えられるオブジェクト。
詳細については当該項目に任せよう。だができるならその前に是非元記事の調査記録を読んで欲しい。
人気作故か動画も多い。

SCP-619-JP - ミレニアム・タウン

「███村を永遠に残る思い出の場所へ!」

如月工務店の悪辣さがよく分かるオブジェクト。
そして、Dクラスやらかし案件。

長野県の山間部に存在する区域であり、映像機器を通してのみ見ることのできる集落。この区域自体は未整備の林地帯である。
この集落には住人達がおり、カメラなどを持っていれば交流することもできる。
彼らは集落の家や広場を飾り付け、来たる2000年を待ちわびている。
この集落の中では永遠に1999年12月31日なのだ。

どうしてこのような事態に陥ったのか。
Dクラス職員は何をやらかしたのか。
如月工務店から集落へ向けた書類など、見どころの多い報告書となっている。

SCP-758-JP - わたしの部屋

三階建ての建造物。多くの個性的で夢溢れる部屋を有している。
さて、このオブジェクトの特異性はといえば、部屋が建物の「外見から想定される大きさよりも広い」というくらいだろう。
しかし物はSCPのオブジェクトである。当然話はそれだけでは済まない。

各部屋のドアにはそれぞれ、「████のへや」という風に人名が彫られたプレートが設置されている。
そして室内はスタジアムに通じるサッカー選手の控室(当然スタジアムも室内に存在している)のようになっていたり、クラシック・バレエの舞台・観客席を要する劇場であったり、恐竜の存在する中生代と推定される環境(どう見ても屋外)であったりと様々な様相をしている。
しかしこの建造物、人っ子一人いやしない。それこそ子供の喜ぶような部屋を36部屋ほど有するというのに。

「いま、あなた方の目の前に居るでしょう?」

尚、この報告書にはタグにこそ「如月工務店」の文字が残されているが、報告書内においての如月工務店の言及は削除されていることに留意してもらいたい。

SCP-1038-JP - Recycool room feat.Laughing ONI

違和感を感じたならば行動してくれよ

四種の報告書からなる特異なオブジェクト。報告書からして異様な雰囲気を纏う。
オブジェクトとしてはあるマンションの一室という体をなしている。室温はおよそ氷点下40~氷点下20℃。 「創作活動に没頭出来るクールな部屋」だそうで 何かあいつ等、Coolの意味を履き違えてたんだよな。(笑い声)
基本的には部屋の中心の机の上に、室内に入った者がこれまでに作成したとされる物品とそれを修正するための道具一式が現れるオブジェクトである。基本的にはね。
机の上の物は直しても触らなくてもある程度すると消える。

メタタイトルと室内から発見された記録の内容から考えると、依頼者は要注意団体Are We Cool Yet?のメンバーであることが伺える。
言葉遊びのおかしさがあるが、全容が明らかにならない不気味なオブジェクトでもある。

SCP-1049-JP - 過去を望めば愚かし案山子

忘れられた、忘れてしまった物と持ち主を引き合わせるオブジェクト。酩酊街への案内人。
この項目では説明を割愛するが、なんと如月工務店から逃げ回っているオブジェクトである。
果たして、如月工務店は彼を手に入れて何を取り戻したいと願っているのか。

SCP-1121-JP - 廃墟の街

傷を負っても、傷を負わせても、苦しんでも、苦しめても、進み続けることが、生み出し続けることが、それこそきっと、本当の愛なのです。

時の止まった住宅街の廃墟。
街には約2000程の人間や生物たちが暮らしている。
彼らは侵入者に対して基本的には友好的だが、酩酊状態、あるいは薬物中毒、伝染病に罹っているという状態にある。

街の中には1965年以前に作られたものしか存在せず、それ以降に作られた物や誕生した生物が侵入した場合、急速な風化、酸化が発生し物品は自然崩壊する。生物の場合は年齢が遡行し、留まり続ければ最終的には卵細胞の段階まで遡行するという。
そのため、内部調査が可能なのも1965年以前に作られた記録機器や誕生した人物に限られてしまう。
つまり、いずれこのオブジェクト内には侵入ができなくなるのである。

というのがオブジェクトの概要だが、このオブジェクトの調査において発見された文章が2つ存在する。
その1つは如月工務店から酩酊街へと宛てた文章、酩酊街への別れの手紙。
そしてもう1つの文章は酩酊街から離れ行く如月工務店への短い返事。
両者は両者に対してどんな感情を抱いているのかが考えさせられる。
SCP-572-JPは燃やしたけど

SCP-1157-JP - 今月の目標

"やくそくをまもろう"!

旧版:廃校になった死体だらけの小学校
新版:児童に接触するとこの学校の生徒になってしまう小学校

どうやらやらかすのはDクラス職員のみではなく、関係者の方もやらかすらしい。

+旧版報告書
女児の死体が日に1~100体出現する廃校。
この死体はいずれも同一の遺伝情報を有し、出現が新しくなるにつれ頭蓋骨から角が生えた状態で発見される。
学校中のあちこちに存在するが、特に校長室に多く存在する。
最も古いものは中央に位置する柱の内部に存在している。

また、校長室からは如月工務店からの文書が発見されている。
この書類は死体が握っていたのだが、財団はそんな不気味な室内でよく確認したものである。SANチェックに強すぎる

そして、初代校長へのインタビューを行った後、小学校に変化が起こった。

+新版報告書
なんとあの大量にあった死体の山は、300人ほどの生徒に変わったのである。
実際は全て校長室に詰め込まれてしまった。
姿は変わらず一人の少女と同じ容姿をしている。
彼女らと接触すると、接触者は6歳くらいまで心身共に退行し、小学校の生徒の一人となってしまう。

また、柱の内部に存在していた最も古い死体は初代校長と思われる男性の死体に変わっている

人を柱とする事は、人を柱と数える事にございます。
柱は崇めれば神と化し、忘れれば鬼と化していくでしょう。
神鬼とした人柱を忘却の縁に追いやらぬよう契約条項に加える事、どうかご承諾くださいますようお願い致します。

SCP-1421-JP - オトナ帝国を夢見た者達とその結末

大阪府吹田市に存在する日本万国博覧会に酷似したイベントが開催されている異空間へ繋がるオブジェクト。
基本的にはメタタイトルから察せられるあのアニメ映画を思い出してもらえればいいだろう。
が、実際はそれよりも厄介なことに、この異空間で時間を過ごしてしまうと未成年であろうと外国人であろうと内部について「懐かしい」と感じるようになってしまう。

依頼主は夏鳥思想連盟であり、懐古主義の彼らはこの出来に大変満足している。変態と変態が繋がってしまった
……ところで、このオブジェクトの異常性に曝露すると社会生活が大分困難になってしまうのだが、そこのところ夏鳥思想連盟は大丈夫なのだろうか?

さて日本万博といえば、かつて大阪で開催され、再び2025年に大阪で開催されるわけだが。

博覧会をお楽しみ中の皆様へ
有限会社 如月工務店

新たなる時代へのご案内

こんにちは、皆様。この博覧会をお楽しみ頂けてらっしゃるでしょうか?
喜んでいただけたのなら、この施設を造営した甲斐があったというものです。
さて、もうすぐこの大阪の地で新たなる時代*2の幕が上がります。

(中略)

そこで、弊社はこの新時代の幕開けを絶好の機会と捉え、
皆様の存在を、あの素晴らしき時代が存在したことを
今を生きる世界中の人々に知らしめようと思い立ちました。

万博で何をやらかすつもりなんだ如月工務店!!!!

尚、ロゴは関係ない。

SCP-1451-JP - 忘却、焼却、棄却

我々は酩酊より覚める者、我々は忘却を焼く者

火葬された者が最も強く覚えている記憶を参列者に植え付ける斎場(火葬場)。
火葬は生きた人間でしか行えない。
如月工務店が酩酊街と袂を分かった理由を伺わせるオブジェクトでもある。

記事内では酩酊街のオブジェクト、SCP-572-JPを火葬したように思われる描写がある。あの優しい警備人形さんが何をしたというのだ。

SCP-1511-JP - 峯太郎と手長足長

民間伝承に見る如月工務店。
画像の気合が入っているので、是非元記事を読んでみよう。

オブジェクトは“峯太郎神社”として知られた小さな無人神社。現在は財団によって隔離されている。
この神社の社殿区域からは動植物の生細胞に成長と増殖を促す未知の微弱なエネルギーを放射している。
そのため、神社の周囲の樹木は本来の推定樹齢や環境から比較すると1.5~2倍程度の成長をしている。
このように、成長をもたらす異常性を持つために、近隣地域の人々からはありがたがられ、子供の成長に関するイベントの際には参拝されていたようだ。
また、代々管理を行っている宮司の一族の発案により、例年2月に子供の成長を願って12歳程度の児童1名を選出し、名目上の宮司として祭祀を執り行う「若宮司」という行事が続けられていた。
実際にこの地域の出身者には身体的発育の面において有意に良好な数値が得られている。

+まあ話はそれだけでは済まないのだが
さて、そんな子供の成長にご利益のある神社だが、ここでは由緒と民話が伝わっている。
ここでは民話のみを要約する。

昔、この地域の山には鬼賊が棲んでいて、郷に下りては悪さをして人々を困らせていた。
そこで郷のみなしごの峯太郎が鬼の村まで赴き、村のあばら家に棲む手長足長の夫婦に助けを求めた。
峯太郎の話を憐れに思った夫婦は力を貸してやることにし、手長の女房が念仏を唱えると峯太郎の身体はぐんぐんと大きくなり、足長の旦那が念仏を唱えるとみるみるうちに峯太郎は逞しい若者へと変わった。
夫婦から力を借りた峯太郎は郷の男たちと共に鬼賊を懲らしめると、鬼たちはもう二度と郷を襲わないと約束し、得意の大工仕事で郷に流れる川を治水し、峯太郎が住むための立派な屋敷を建てた
身寄りのない峯太郎は、子供のいなかった手長足長の夫婦と共に屋敷で幸せに暮らしましたとさ。

この民話は「鬼が工事した川はどれほど雨が降っても水が溢れなかった」、「屋敷は転じて峯太郎神社と呼ばれるようになった」という話で締められている。
前者は相変わらずの如月工務店の技術力を示し、後者は現在のオブジェクト指定された神社が元は如月工務店が作った峯太郎のための屋敷であったという話である。

とまあ、平和な話はここまでだ。
ただの昔話がSCP財団に収められているはずがない。

収容されてからしばらく経った2月のこと。
社殿が突如として消失し、巨大な石の構造物へと変化したのだ。
何が行われなかった? そう、「若宮司」だ。
実際には「若宮司」自体は行われていたが、件の神社は財団によって閉鎖されている。捧げられるべきものが捧げられなかったのだ。あれ、もしかして財団やらかし案件?
……まあ、いずれは起こることだったのだろう。

この石の構造物の穴から、長い腕部を持つ人型実体が出て行った。
当然見逃す財団ではないが、この人型実体、人の目には映らないのである。そのため、発覚したのも観測機器の映像記録を確認してからであり、財団はこの人型実体を完全に見逃がしてしまった。

そして、この人型実体を逃がしてから、全身が肥大化、多数の病変が発生した異常な様相の遺体が発見されてゆくことになる。
今年の若宮司から始まり、宮司の一族、果てには過去に若宮司の役を担った人々にすら影響が及ぶ。

報告書内において全ては語られておらず、画像もあいまって恐怖心を煽られる記事となっている。

SCP-1641-JP - ノスタルジア☆コーヒーメーカー

商品名 「ノスタルジア☆コーヒーメーカー」
価格 999,980円(税込)

周囲を使用者の望む過去の景色へと現実改変するコーヒーメーカー。
製造は超工家電という異常製品を作り出す団体であるが、報告書内では如月工務店が超工家電へ技術提供をしたように読み取れる。

オブジェクト自体も すばらしいネーミングセンス! ミーム初心者向けで面白いオブジェクトなのだが、この報告書において更に興味深いのは各団体の関係性だろう。
懐古主義である夏鳥思想連盟は共に酩酊街に対して反感を覚える如月工務店に対して好意的に思っているのと反対に、東弊重工はSCP-1881-JP(後述)のこともあり、技術盗用されたとして如月工務店を良く思っておらず、夏鳥思想連盟に対して注意喚起を行っているのである。
その様相はさながら某泥棒一味のようでもある。

SCP-1762-JP - 閨の扉

ええ、この扉を作ったのは彼らなのでしょう、私に次を作りたいと。

別空間へ繋がる木製の引き戸。取り付けて開くことでその異常性が発揮される。
扉の先の部屋には複数の死体が転がっており、いずれも損壊が酷いために性別すら判別が不可能。
また、これらの死体には経年による変化が発生していないことが確認されているため、部屋の中は時間の流れが通常とは異なっていると推測されている。
この扉の周囲には、稀に“深井”の能面をした女性が現れることがあり、扉に接近する人物に対して強い拒絶や制止を行う。
そして、彼女を無視して内部を確認した場合、能面は“般若”に代わり、殺しかかってくる。
能に詳しい諸兄ならばどこかで聞いたことがあるのではないだろうか。

+人型実体とのインタビュー記録(要約版)
かつて如月工務店(あるいはその前身)は自らを閉じ込める彼女に「共に隠から光へ行こう」と誘ったが彼女は断った。それに対して何を思ったのか、如月工務店は“扉”を残していったのであった。
そして同報告書内にてSCP-031-JP-Cも似たような話をしている。
如月工務店は同類に対して憐みを抱く、鬼と呼ぶには悲しい存在なのだろうかと考えさせられる。

+石榴倶楽部との関り
そもそもこのオブジェクト、発見された場所が石榴倶楽部の関係者の自宅である。
あのカニバリズム集団である。
扉の持ち主であった男は、この特異な死体を石榴倶楽部に提供していたようだった。
彼ら曰く、その死体は「千年物の柘榴」だとか。……なんとも言い難い話である。

また、同様に如月工務店からのメールも見つかっている。如月工務店もメールでやり取りするのか
こちらも要約すると、「基本的に食肉は作ってないので石榴倶楽部さんとは取引できないです」とのこと。
因みに扉の食糧庫扱いにはおこである。もう取引はしないとまで言っている。怒っている如月工務店さんは珍しい。

SCP-1768-JP - 温羅の賽銭箱

これまでの材料提供に対する感謝としての寄贈 今すぐあの鬼どもを見つけ出せ

人間がすっぽり入る鉄の箱。
ちなみに「温羅」は「うら」と読み、岡山あたりに居たとされる鬼の固有名である。

人間がすっぽり入るからには、如月工務店産オブジェクトであるが故に、まあ人間は人間ではなくなる。
正しくは観測されていないが(所謂シュレディンガーの猫状態であるため)、この箱に入れた人間、或いは人間由来の組織をそれに応じた量の鉄に変える。錬金術棺桶。尚、生成された鉄には不純物が多いため、精錬が必要。……理由は分かるね?

というのが、このオブジェクトに関しての説明。
ところが、話は東弊重工(以下、「東弊」)や日本生類創研(以下、「ニッソ」)にまで及ぶ。
これはそう、三団体による企業戦争の記録なのである。

+要注意団体による企業戦争
如月工務店はこのオブジェクトを(他団体を経由して)東弊に奪われ、それを抗議したがどうやら聞き入れられなかったようだ。
その為、如月工務店に産業スパイとして送り込まれていた東弊、ニッソの人間とその技術を用いてSCP-1768-JPよりヤバいオブジェクトSCP-1768-JP-Aを作り上げた。

因みに財団はSCP-1768-JP-Aが自殺スポットになっているところを発見し、調査し始めていたのだが、調査に向かったエージェントとの通信が途切れたことで、機動部隊を組織して侵入しようとしたところで、スパイに送っていた 肉塊 研究者たちを回収するためにやって来た東弊とニッソにかち合ったのである。
そうして東弊・ニッソの協力を経てSCP-1768-JP-Aを収容するに至った。
まあその後、謎の団体に破壊されてしまうのだが。

で、このSCP-1768-JP-Aである。
外見は廃ビルだが、忘れてはならないのがこれがSCP-1768-JPの発展型のオブジェクトだということである。
SCP-1768-JPが鉄のみを作り出すことと比べ、鉄、真鍮、マグネシウム合金等の金属、合金まで作り出せるのだ。一度に何十人という単位で。
しかもこのビル、他の場所にも建っているという報告が上がっている。
それ故に、このビルによって約███人以上の人間が金属に変換されていることが調査によって明らかになった。一体何百人なんだ……。

悪い話はまだ続く。
東弊と如月工務店の衝突は高度経済成長期の頃からのことであり、つまりその頃からこのビルも作られたと考えられる。材料も随分集まったことだろう。
高度経済成長期、つまり建物も大量に建てられ、それだけの金属類も必要とされた。
そのある意味では絶望的な状況については補遺から引用する。

全国的に調査を行ったところ、日本国内の約██.█±██%の製品、住居にSCP-1768-JP由来の資材、材料が使用されていることが判明しました。これらの金属は複数の会社、あるいは要注意団体を通じ洗浄されているため追跡は困難です。この中には█████、████████等日本において重要な意味を持つ施設、また、サイト-81██を含む財団関連施設も多数確認されました。これらの資材は現在時点で一切の異常性が確認されず、一般の工業製品と区別困難なため、回収は検討されていません。

……つまり、日本支部の施設、我々の住む家屋、もしくは有名なあの建物なんかに人間由来の金属が含まれていることが判明したのだ。一体何十%なんだ……!
金属自体には特異性は無さそうだが、単純にとんでもなく気分の悪い話である。

SCP-1805-JP - 百代守護の母鬼箪笥

其の代償、御首にて頂戴仕る

とある血筋の嫁入り百味箪笥。その名のとおり、100本の引き出しがある。
その血筋の女性たちは代々嫁に入るとこの箪笥を家財道具に持っていく。

端的に言えば、この箪笥はメタタイトルどおり、百代に渡ってとある血筋を繋がせる箪笥なのである。
如月工務店そうじゃねーよ案件とも取れるが、依頼主が依頼主なのでなんとも言い難い。
話を当オブジェクトに戻そう。
この箪笥は対象女性が16歳になると、結婚に積極的になるという精神影響を及ぼす。というか、子供を作りたくなる。そして次の継承者として、必ず女児を出産する
やがて死んだ女性は、非実体女性によって、恐らくは箪笥に納骨される。
そして納骨された人たちで次の後継者に「いい旦那見つけて子供を作りなさい」と声をかけるのである。口うるさい親戚そのものでは

余談だが、依頼主兼彼女の血筋の女性の骨を回収している非実体女性は石榴倶楽部の一員であった女性である。
彼女の遊郭の建築の一部を如月工務店に任せていることもあり、どうやら如月工務店とはある程度親しいようであった。

SCP-1881-JP - ※個人の感想であり、効果・効能を保証するものではありません。

純度99.99%!! 驚異の高純度ゲルマニウム

通販番組なんかで見たような健康ブレスレット。
このオブジェクトを直接視認した人間は軽度の生理的疲労感を訴えるようになり、このオブジェクトを着用することで疲労感がなくなったと感じるようになる。
そしてその効果から周囲にこのオブジェクトを勧めるようになる、認識災害を起こすオブジェクトである。

如月工務店が関係している――とされるオブジェクト。
というのも、如月工務店の関与については要注意団体の一つ、東弊重工の「如月工務店による弊社へのネガティブキャンペーンである」と主張がある程度で、如月工務店からはこのオブジェクトや東弊の主張に対して何のアクションもない。
財団側も「東弊重工が自分たちの失敗を如月工務店に被せる気ではないのか」「両者の共謀を隠す狙いがあるのではないだろうか」とあまり信用していないのである。

SCP-2501-JP - 廻り舞台

日本の要注意団体だよ! 全員集合!
如月工務店はチョイ役(技術提供のみ)。
とはいえ、彼の「SCP-2000-JPコンテスト」に参加した力作である。
お気に入りの団体があるのならば楽しめるだろう。

SCP-2518-JP - 北岳に来ただけなのに

……私は、また北岳に登りたいと思ってます。

トマトの到来を望みたくなるメタタイトルだが、死亡率の高いオブジェクトである。 Safe(審議中)だけど

山梨県北岳の山頂に設置された「北岳」と文字の入った山頂標識。
この標識の1m圏内に入ってしまった場合、北岳の4つの登山ルートの始点となる登山口へ転移させられる
それだけなら帰るのが楽でいいのだが、困ったことにこのオブジェクト、体を再び北岳の山頂へと向かわせるのだ。それも体が死ぬか、4つの登山ルートを使って山頂まで登りきるまで。

基本的にはこの異常性に曝露された者は死ぬしかないのだが、

如月工務店「北岳の魅力が伝わることを祈っています」
唯一の生存者「北岳にそこはかとない魅力を感じました」

……とのことである。山には何度でも登りたくなる魅力があるとはいうが。

+詳細版
オブジェクトは山梨県北岳の山頂に設置された「北岳」と文字の入った山頂標識。
因みに、北岳は富士山に次ぐ日本第2位の高峰である。日本で2番目に高い山なのである。
このオブジェクトは半径1m圏内に侵入した人間に対して異常性が発揮される。
その異常性とは、北岳の4つの登山ルートの始点となる登山口へ転移させられるというものである。
そして、自分の意思とは関係なく再び登山させられる。意識と感覚を保持したままで。一度目の登山で蓄積された疲労もそのままである。
それも再び山頂へ登り切れば、また登山口へと転移させられる。何度となく北岳に登らされるのだ。休憩や水分補給などもちろんしてくれない。ひたすら登らされる。
そのため異常性の影響を受けた者は、栄養失調や脱水症状、滑落、精神的ストレスなどによって死亡する。因みに、反ミームの影響も受けることになるので、周囲の人間から認識されないため「何度も登ってるよあの人」とはならないのである。そりゃあ精神的に死ぬこともあるだろう。ただでさえ何度も高い山に登らされているというのに救いがない。

因みに、如月工務店からの言い分はこうだ。
これを機に、北岳、そして御市が持つ魅力がより多くの人々に伝わる事を祈り、締めの言葉とさせていただきます。

そして、唯一の生存者もこう語る。
勿論、あんな目には二度と遭いたくないですし、あの看板が限りなく恨めしいです。
……でも、自分は何となく、北岳にそこはかとない魅力を感じました。

因みにこの標識、全国の山々に10以上納品されているという。
登山家たちはくれぐれも登山標識を見かけても近づかないように。きっと何度でも登りたくなるのだろう。



追記・修正は陰から出で、光の中へ向かう方にお願いします。


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最終更新:2020年10月31日 18:36