市場調査部によればプレイヤーは本当に長い名前が好きなのでこのカードを間違いなく歴代最長の名前にしてみた精霊(MtG)

登録日:2009/05/26 (火) 21:53:08
更新日:2021/03/04 Thu 03:52:02
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ながァァァァァァァいッッ!!
説明不要!!!

―――初心者プレイヤー




追記、修正よろしく。






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アニヲタWiki




マジック:ザ・ギャザリングのカード。
ジョーク・エキスパンションであるアンヒンジドのコモンである。

(ジョークなので公式大会には使用不可です。)

※アンヒンジドは日本未発売のため日本語カードがありません。
名前は意訳(準公式訳)なのであしからず。

市場調査部によればプレイヤーは本当に長い名前が好きなのでこのカードを間違いなく歴代最長の名前にしてみた精霊
/Our Market Research Shows That Players Like Really Long Card Names So We Made this Card to Have the Absolute Longest Card Name Ever Elemental

クリーチャー - エレメンタル
(1)(緑)(緑)

イラストランページ2
(いずれかのクリーチャーにブロックされるたび、
そのクリーチャーの絵にいる2体目以降のクリーチャーにつき+2/+2の修正を得る)2/2


長い。
名前が信じられないくらい長すぎる。
今までのMtGはおろか、その他カードゲームを含めても……、
いや、カードゲームはおろか普通にどんなゲームでもこんなに長い名前なんて出ないだろ、多分。
どっかのRPGの「震天裂空残光旋風滅砕神罰……こーげきィ!」より長いのだ。

どのくらい長いかって、↑のカードの説明文だけでアニヲタwikiの記入欄半分ほど潰すくらいに長い。
空白含めて141文字なので、英文含め140文字制限があった時代のツイッターでは名前を入力できないほどだった
同じカードゲームの「    」を見習ってほしいものである。


さて、実はこのカードだが、テキストを正しく覚えているプレイヤーは結構少ない。このやたら長い名前ではなく、中身の話である。
ジョークカードだし、「名前がやたら長い」ことがネタにされるだけだし。
なんならこのカードの名前について熱く語るプレイヤーの中には、点数で見たマナ・コストが3点ということすら知らない人もいるくらいである*1
ただまじめに運用してみると意外と面白いカードである。というのも能力が特徴的で、相手のカードに描かれているクリーチャーが多いほどバンプするというこのクリーチャーのみがもつ「イラストランページ」
イラストに描かれているクリーチャーの数なんて普段絶対に意識しないので、思わぬカードがこんなバニラ同然のやつに返り討ちにされてしまったり、イラストに描かれたクリーチャーの数を数えるうちに新しい発見があったりと割と面白い。

……あんまり多すぎると数えるうちにお互いにめんどくさくなって「もう面倒だからランページ10くらいでいいよね?」ってなるし、そもそもイラストランページが誘発しそうなカードだったら一方殺って分かりきってるからブロックしないんだけどね。
こうなると単なる3マナ2/2、たまに接死がつくほぼバニラ。意外と面白い(とても面白いとは言ってない)

さぁ、トランプルを付加して剣の壁でブロックさせてみよう!
市場調査部によればプレイヤーは本当に長い名前が好きなのでこのカードを間違いなく歴代最長の名前にしてみた精霊は大変なダメージを与えていきました。

……ああ長い……コピペすら疲れる……。



フレイバーテキストでは
「あまりにも長いから略して呼んでネ!」(意訳)
的な事を語っているものの、略がやたらと無理矢理で、

OMRSTPLRLCNSWMTCTHTALCNEE
市調よプ本長名好こカ間歴最名しみ精」※準公式訳です

って略させようとしている。
むしろ覚えにくいし言いにくい。
このカードが含まれる「ジョークエキスパンション系パック」にはその他にもへんてこなカードがわんさか。でも土地はカッコイイという。
自重を知らないWoC社に幸あれ。


「市場調査部によれば……プレイヤーは本当に長い名前が好きなのできょ……このカードを間違いなく、歴代最長の名前にしてみた精霊……を召喚」
「対☆抗☆呪☆文」
「…………」*2



さて、結局長い名前が本体なので、それにちなんだ話をいくつか。

MTGでは「マジックはカード名の記憶ゲームではない」という姿勢*3のため、実はいちいち名前を言わなくても「むちゃくちゃ長いやつ」で双方の合意があればそれで通ったりする。
そもそもこれはジョークカードなので別にそこまで目くじらを立てなくてもいいし、いちいち長い名前を言って楽しむという、落語の寿限無のような面白みもある。
また、名前の長さはともかくとして、MTGはある時期から「英語圏で発音しやすい・間違って覚えられることが少ない」固有名詞を作るように心がけており、カード名で揉める要素を極力排除しようとしている。

……つまりこの《市場調査部によればプレイヤーは本当に長い名前が好きなのでこのカードを間違いなく歴代最長の名前にしてみた精霊/Our Market Research Shows That Players Like Really Long Card Names So We Made this Card to Have the Absolute Longest Card Name Ever Elemental》というカード名、別に一文字だって覚えてなくてもゲーム的には全然問題なく遊べてしまうのである。
そしてカード名をひとつひとつ見てみると、単語自体はかなり簡単なものがそろっている。一番難しい単語はAbsolute(間違いなく、絶対に)あたりだろうか。

一方で、実際にトーナメントシーンでもよく使われる名前の長いカード、《The Tabernacle at Pendrell Vale》だとTheとat以外何なのかすらよく分からなかったりする。
Tabernacleは幕屋(旧約聖書にたびたび登場する、移動できるテントのようなユダヤ教の神殿のこと)
PendrellはMTGに出てくる固有名詞で土地の名前
Valeは谷や谷間という意味。
つまり「ペンドレル峡谷の幕屋」程度の意味になるのだが、Tabernacleは宗教と密接に絡む単語だけあってとにかく意味の変遷が大きく*4、このカードをもとにした《幕屋の大魔術師》の幕屋の部分は「誤訳だ!」「誤訳じゃないだろ」なんてことでしょっちゅう揉めている。
そういったことを踏まえるとこのカード名はバカみたいに長いだけで、後述の《Now I Know My ABC's》とのシナジーも壊れすぎない程度に考えられており、
カード名に対する配慮が非常にきめ細やかなのである。


このカードが登場してから、様々なTCGのジョーク寄りのカードとして「非常に長い名前のカード」が登場するようになった。
特にデュエル・マスターズの
超法無敵宇宙合金武闘鼓笛魔槍絶頂百仙閻魔神拳銃極太陽友情暴剣R・M・G チーム・エグザイル~カツドンと仲間たち~
「破壊の赤!スクラッパーレッド!」「知識の青!ブレインブルー!」「魅惑の緑!トラップグリーン!」「閃光の黄色!スパークイエロー!」「強欲の紫!ハンドパープル!」「ブレイクあるところに我らあり!シールド戦隊、トリガージャー!!」
あたりは、自社製品の先駆者であるこのカードを下地に敷いているだろう。
《超法無敵宇宙合金武闘鼓笛魔槍絶頂百仙閻魔神拳銃極太陽友情暴剣R・M・G チーム・エグザイル~カツドンと仲間たち~》のほうは名前のレイアウトもよく似ている。
他のTCGにも色々あると思うので、興味があれば気軽に追記してみよう


さて、気になるのが「ほんとにプレイヤーは長い名前が好きなのか?」という点である。
《The Tabernacle at Pendrell Vale》あたりはよく「名前が長い土地」と呼ばれる。なじみのない単語ばかりで正しく読めないし、覚えるのがめんどくさいし、それで通じる。そしてルール上何も問題がないからだ。
また、遊戯王では名前の長いカード《CNo.92 偽骸虚龍 Heart-eartH Chaos Dragon》や《ユベルーDas Extremer Traurih Drachen》あたりは、もはや言えるだけで一つの芸になってしまう他、《マインドクラッシュ》《禁止令》のようなカード名宣言に際して揉めやすい。
というのも、遊戯王は「カード名は日本語で正しく宣言すること、そうでない場合は無効である」とルールで定められているからで、これがたびたびネタにされたり問題視されたりする。
そういう意味ではぶっちゃけ「面倒がられる」「好きどころかむしろ嫌われてるんじゃないか」なんて思ってしまうようなものだが、ここでTCGから少し離れて、最近(2020年)のライトノベルや「小説家になろう」の人気作品のタイトルなどを見てみる。
するとやたら長大語が多いことが見て取れる。

もちろん小説のタイトルとカード名は全く違うものだが、こういう長大語を好む層というのも少なからずいるということの根拠のひとつにはなるだろう*5
そういうことを考えてみるとこのカードはある意味、「本当にまっとうに市場調査をしたうえで、それを極端なネタにした」という、由来自体はかなりまじめなカード、そして先見の明があるカードなのである。
そしてこのカードは名前の長さばかりがネタにされ、中身について話すプレイヤーがほとんどいないというあたり、……そういうことなのかもしれない。


銀枠特殊勝利《Now I Know My ABC's》と組み合わせて使う話が有名。
Now I Know My ABC's (1)(青)(青)
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、あなたがコントロールするパーマネントのカード名にアルファベット26個全部が含まれている場合、あなたはこのゲームに勝利する。
このカード名はFJQXZを除く21種類のアルファベットが含まれており、残り5種類にまで近づける。そして3マナと比較的出しやすいし、出す土地を工夫すれば……たとえば《森/Forest》から出せば残り4種類にまで減らせるのである。
ただしF、J、Q、X、Zを同時に含むカードはすべての言語で存在しないので結局カードが3枚以上必要になる。つまり実はそこまで相性がいいというわけではない。
さらに、長い名前というわけではないが「すべてのクリーチャーの名前を持たせる」カードとして《スパイ道具》というカードが登場してしまった。さすがに面白みに欠けるとはいえ、適当なクリーチャーに装備するだけで勝利条件を満たせてしまう。


アンヒンジドのカードは初見では面白そうなのだが実際に使ってみるとそうでもないというカードが結構多い。
この《市場調査部によればプレイヤーは本当に長い名前が好きなのでこのカードを間違いなく歴代最長の名前にしてみた精霊》も、ぶっちゃけ長い名前以外であんまりネタにできない。
しかし単なる「名前が長いだけのジョークカード」で終わらないあたり、カルト的な人気を誇るカードの面目躍如といったところだろう。


BBSによればWiki籠りは本当に秀逸な項目が好きなのでこの項目に間違いなく歴代最良の追記・修正をお願いしてみたアニヲタ。

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最終更新:2021年03月04日 03:52

*1 そもそもジョークカードを使う環境で日常的に遊ぶプレイヤーが非常に少ないため、熱く語るプレイヤーはよほどのMTGフリークか、MTGの物珍しさに惹かれた人くらいのものなのだからしょうがないといえばしょうがない

*2 3マナ2/2のほぼバニラにすぎないこいつを相手に対抗呪文切るってどんなシチュエーションだよ、なんて言ってはいけない

*3 ルールに無意味なほど厳格になっていた時期にジャッジキルが横行してしまい、「ルールを守ることでゲーム性を損なう場合は適宜対応していく」という姿勢になった。この言葉は「種族宣言の間違い」に対するもので、「言い間違えてるので無効です!」という意見に対する姿勢表明で出された声明文の中の一言。

*4 それこそキリストが生まれるよりも前の時代とかだとテントみたいな神殿のことを指していたが、こういうものは時代が下るにつれてちゃんとした建物になっていく。そして日本を含むアジア系の文化圏はそういう事情となじみがないため、この言葉の意味を知っていたとしてもうまく想像できない……つまり日本人じゃなくてもあんまりピンとこない単語ってこと。

*5 これは小説投稿サイトにおける問題点に適応した形で長大語化していったという真っ当な理由がある。もちろん「長いタイトルで話題を作る」宣伝狙いもある。詳しく話すと完全に脱線するのでこの辺で。