カミーラ=ホイコーロ

登録日:2021/01/17 Sun 22:35:00
更新日:2025/03/18 Tue 22:16:45
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カミィは世界中の人間をカミィの思い通りに動かしたいの!

まずカミィ以外の王子は死んでほしいわ!理想は自ら進んで死んでほしい(・・・・・・・・・・・)

「カミーラが王になるのだから」「私は死ぬべきだ」って思ってほしいの!



カミーラ=ホイコーロとは漫画『HUNTER×HUNTER』に出てくるキャラクターである。



概要

ハンター世界にある架空国家『カキン帝国』第2王子。
第二王妃ドゥアズルの第一子。王子と付いているがこれは王家の風習であり性別は女性。
私設兵の数は(5名のハンター協会準会員含めて)12名。

一見すると高貴な雰囲気の美女だが、一人称は「カミィ」とイリイズムに走っていて非常に子供っぽい。
ベンジャミンに軍部を抑えられたためか、あるいは何らかの良心や思惑があってかは不明だが、自身は不可持民(ふかじみん)*1達全員に私設兵につく権利及び私有地の特区にて軍兵と同等の地位と実権を与えている。

人物

非常にプライドが高く傲慢な上にヒステリックで、何でも自分の思うままにならないと気が済まない自己中心的すぎる問題児。
わがままな子供がそのまま育ったような…といった感じだがそんな表現では全然生ぬるいかなりサイコな性格。
「自分」と「それ以外」で分けて、後者のほうは虫けら以下の存在にしか見えないタイプであろうその心根は「他王子達は自分に王位を譲るために進んで自殺するべき」と、長兄に言い放つシーンによく現れていると言えよう。
周りの環境が自分の思い通りにならない現実に苛立つ幼稚的な一面も見せており、ツェリードニヒとは別ベクトルで問題があり過ぎる性格から、カミーラに上記の台詞を言われたベンジャミンは「貴様に王の座など狂犬に子守をさせる様なもの!」とマジギレしている。
尚、この例えの返しに「…?カミィは子守なんかしないわ。馬鹿じゃない?」と、オツムそのものが弱そうな発言もしているが、実際の知性・知能は不明。

クラピカによる第一回念能力講習会に対しても、他の王子警備兵の情報を得られる機会ながら、プライドの高さ故に「教えを“乞う”」ことを嫌って参加を見送っている。


能力

見かけによらず、王子の中では兄ベンジャミンと同じく儀式前から念を習得済み。
カミーラ自身は儀式で授かった守護霊獣を全く信用しておらず、後述する自身の念能力に全幅の信頼を置いている。
後述の能力の性質上かなり異常な過程で念を覚えたことは推察できるが、念能力者としてどこまで基本的なことが出来るかは不明。
「絶」は使っていること、ヒュリコフのダメージを見て「お仲間」と発言したこと、殺せないのを承知*2でベンジャミンに発砲した事等から、すくなくとも知識はそれなりに正しいものを持っていると思われるが…?

ファンの間で「念については殆ど知らないのでは?」という意見も根強い。やはりその最大の根拠は「コイツがせっせと訓練に励む姿を一ミリも想像できないから」であろう


守護霊獣

カキン帝国王家に代々伝わる儀式『壺中卵の儀』により生み出された寄生型の念獣。
カミーラの場合、外見は枝の代わりに房のようなものが多数ついている樹木のような生物。
殺気立つと、中からドス黒い顔が出てくる。
発現した能力は操作系、強制型。
「条件を満たした者を意のままに操る」とされるが、発動条件は不明。


百万回生きた猫(ネコノナマエ)


いいコね お帰り…


迎撃型(カウンタータイプ)の念能力。
カミーラが死ぬと同時に発動し、カミーラを殺した者の背後に巨大な黒猫の念獣が出現。
カミーラを殺害した者を抹殺し、奪った命を用いてカミーラを蘇生させる。
発動前にカミーラは“絶”をしていたが、これが発動条件に含まれるのか、単純に自身が確実に死ねるようにするためかは不明。
抹殺された対象は完全に消滅し、死体はもちろん着ていた衣服等も残らない。

所謂「死後に強まる念」の一種であり、発動条件が「己の死」という高いリスクからか出現したさ念獣は非常に強力で、作中では、ベンジャミンの私設兵ムッセ(念能力者)を背後からとはいえ声も上げさせず瞬殺した。
カミーラ自身、この能力の「死後に強まる念+自己の蘇生」という特性から「無敵の能力」と考えており、絶対の自信を持っている。

しかし性質上100%後手に回る上、発動条件が特殊なだけに能力のからくりがバレると対処自体は非常に容易いという能力の凄まじさに反してあまりにも穴がでかい。
カミーラを殺すことなく、拘束したり負傷させる等して行動不能にするだけで事実上無力化できてしまう。
実際ベンジャミンはムッセの死亡時の不自然さからか、部下に一切の発砲を禁じ、自身も一切反撃しなかったことで容易に拘束されてしまった。
殺されたムッセにさえ「絶」状態で挑発しまくる姿から最大限に警戒されてしまっている。

死後の念は本来、恨みなどの強い感情を抱いている念能力者が死んだ際に「死んだ術者の念能力がより強力になって現世に残る」という“現象”として語られることが多く、偶発的に生じる*3のが一般的と思われるので、カミーラの能力のように「死後の念を前提にした能力」というものは極めて珍しい。
いったいどのような経緯でこの能力を会得・発現したのかは不明。

「死後の念」+「殺した者の排除」+「死者蘇生」と一見すると強い要素が多分に含まれた能力だが、
  • もし念獣が相手を殺せなかった場合はどうなるのか
  • カミーラの死体の原型が残らないほど破壊されたらどうなるのか*4
  • 強制絶状態にされていても発動できるのか
  • 事故や操作されての自殺だとどうなるのか
など色々疑問は残る上に、上記の通り致命的な弱点が幾つもあるので、一概にインチキ能力とは言えない。
特にカミーラを殺した者の命が使えない状況*5では蘇生できない可能性が高いように思われる。


名称の由来は佐野洋子の童話『100万回生きたねこ』、ルビの方は欅坂46の楽曲『猫の名前』から。


◇カミーラの護衛(私設兵)

私設兵が12名(そのうちハンター協会の準協会員は5名)。従事者7名。
私設兵全員が念能力者で、「不可持民」と呼ばれるカキン国内における生涯不変の差別階級出身者で構成される。
人としてすら扱われなかった彼らだが、カミーラが彼らを保護し、本来絶対に就職できない筈の軍人に取り立てた。
そのためカミーラに対して、兵士全員が己の死すら厭わない程の狂信的な忠誠を誓う。
更に全員が不可持民共通の念能力を有しており、己の命と引き換えに王子を呪い殺す暗殺特攻部隊となっている。
また、不可持民からの取り立てのおかげか、極めて希少な除念師も一人所属している。


  • フカタキ
従事者。
執事長でサラヘルから「ババ」と呼ばれている老メイド。
不可持民として修羅場を生き抜いてきた経験値の高さをうかがわせる。
カミーラ陣営の司令塔兼参謀のような立ち位置で、呪詛暗殺に精通。
王子を守護する霊獣の存在を危険視して安全圏からの暗殺案を真っ向から否定し、王子の至近距離で死ぬよう提案した。

  • サラヘル
私設兵隊長。
呪殺担当はワブル。
人ですらなかった自分達に「意志」をくれたカミーラに絶対の忠誠を誓っており、元々「持たざる民」である以上失敗して失うものが何もないため、自分の命を投げ出すことにも躊躇がない。
フカタキの忠告もあり、呪殺にあたって赤ん坊であるワブルを想う年数が少なかったことや、短時間で強力な呪詛を練り上げつつハンター協会の除念師の有無を確認するため、クラピカによる第2回念講習会参加(とそこでの自分の死)を決断した。

  • モスワナ
呪殺担当はベンジャミン。
カミーラを王にするため一刻も早く死んでベンジャミンとあの世で結ばれることを願っている。

  • バケット
呪殺担当はチョウライ。

  • ヒニョーリ
呪殺担当はツェリードニヒ。

  • ジダル
準ハンター協会員。呪殺担当はツベッパ。

  • ブルベーナ
呪殺担当はタイソン。

  • リサムセッタ
準ハンター協会員。呪殺担当はルズールス。

  • ヌクオコン
呪殺担当はサレサレだが、王子が死亡したため待機要員に。
現在は相手陣営に除念師がいないか探る諜報要員として機能。

  • カコ
呪殺担当はハルケンブルグ。

  • モズベ
準ハンター協会員。呪殺担当はカチョウ。

  • メシュシ
準ハンター協会員。呪殺担当はフウゲツ。

  • カビッチ
呪殺担当はモモゼだが王子が死亡したため待機要員に。
現在は相手陣営に除念師がいないか探る諜報要員として機能。

  • ターラー
呪殺担当はマラヤーム。

  • ウマンマ
女性。カミーラの私設兵の中では唯一の除念師。


劇中での行動

継承戦序盤では、己の念に対する絶対的自信と短気さから、部下達の制止も振り切って単身ベンジャミン抹殺のために行動。
自分の念能力でベンジャミンの部下ムッセを殺害し、拳銃片手にベンジャミンを堂々と殺そうとするも、ムッセ殺害後の警戒態勢もあって念能力発動の機会も許されずにあっさり拘束され、第一級犯罪者として牢に入れられた。
その後、裁判が開かれるが、ムッセの遺体が見つからない(カミーラの念能力により死体ごと消失したため)ことや、正当防衛を主張する私設兵の弁護により証拠不十分として監視付きで釈放される。
しかし、カミーラの知らない間にベンジャミンの念能力*6により、ベンジャミンからも直接監視を受けることとなってしまった。


余談

カミーラの護衛が得た能力の元ネタは中国に伝わる独自文化「冥婚」と思われる。
不可持民等の設定はインドの差別階級がモチーフと考えられる。


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最終更新:2025年03月18日 22:16

*1 カキン帝国の身分制度において最底辺に位置する被差別民。公職に就けないなどの不自由がある。

*2 王族同士でも殺しが立証されると極刑なため

*3 クロロと決闘して敗北したヒソカが、死ぬ直前に自身の念に命令して意図的に死後の念を発動させた例はあるが、これもヒソカとしては一か八かの賭けであった

*4 蘇生の過程で念獣がカミーラの死体に液体の様なものを経口摂取させる場面がある。

*5 間接的な毒殺などによりカミーラを殺した者が誰なのか特定できない場合や、カミーラを殺した者が念獣に殺される前に自殺した場合等

*6 厳密には死亡したムッセからベンジャミンが受け継いだもの