除念・除念師(HUNTER×HUNTER)

登録日:2018/10/03 Wed 00:05:58
更新日:2024/01/18 Thu 14:22:56
所要時間:約 5 分で読めます





オレは一足先に現実世界に戻り 除念で大儲けだ


「除念」は、漫画『HUNTER×HUNTER』に登場する能力。
他人にかけられた念能力を解除する念能力。

いわゆるゲームにおける「解呪(ディスペル)」であるが、HUNTER×HUNTERの世界では一筋縄ではいかない。
また除念を使える能力者を「除念師」と呼ぶ。

●目次

【概要】

他者もしくは(自らの行為)によって掛けられた念能力を解除する事が出来る念能力。

数ある念能力の中でも、除念の希少価値は群を抜いて高く、念能力者が多数在籍するハンター協会でも専属で抱えている除念師はたった一人。
これは除念の能力そのものの希少さもあるが、厄介かつ強力な念能力を解除できるという能力ゆえに、普段から恨みを買いやすい権力者や金持ちが彼らを積極的に手元に抱え込もうとしたり、
力を持たない術者の場合は誘拐・監禁の危険もあるため、自らが除念師であるという事実を公にしていないパターンも多いのだろうと推測できる。
(後述するアベンガネも、除念能力を公表していたとすれば真っ先にボマーに殺害されただろう)

劇中で出てくる除念能力は、(ある特殊な一例を除いて)念を代償無しに解除することは出来ず、術者は「掛けられた念を別の形で自らが引き受ける」または「相応のリスクを抱える」事になる。
念によっては(念能力者が死ぬ事によって高まる死者の念、憎しみや悲しみなど深い感情で練り上げられた念など)そのリスクも大きくなり、除念師がその念を抱えきれずに解除を断念することもある。



【劇中で登場した除念師】

●アベンガネ

GI編で登場した、劇中で初めて登場した除念師。*1

一攫千金を狙ってハンター専用ゲーム「G(グリード)I(アイランド)」攻略に参加。
魔法(スペル)カード独占による攻略を目指す「ハメ組」に入るが、クリア直前にボマーによって念能力による時限爆弾命の音(カウントダウン)を仕掛けられ、自らを除念するはめになる。
他のメンバーがパニックに陥る中、1人冷静に状況を分析し、ボマーにこちらを助ける気がないことを見越して単独で行動を開始。
少しでも解除の成功率をあげるためにゴン組に接触し、ボマー自身が説明した能力の詳細を伝えた。
命の音(カウントダウン)の爆発を除念能力で回避した後は、ゴン組がボマーを打倒しGI攻略を達成するまで、ボマー組に見付からないように潜んでいた。

潜伏中、除念師を探していた幻影旅団と接触し、ヒソカとの交渉の末クロロに掛けられた律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)除念の仕事を引き受ける。
ボマー組がゴン組に倒されたのを受けて能力のデメリット解除を済ませ、ヒソカの手引きで一足先に現実世界へと舞い戻った。
扉絵でクロロの元に行く様子が描かれており、実際に引き受けたクロロの除念には成功している。
その後の消息は不明。

能力

人形を用いた儀式で森の精霊の力(=森に漂う生物の生命エネルギー)を集める事により、掛けられた念を喰らう念獣を産み出す。
掛けられた念の質や量などにより、念獣の姿はより醜悪かつ巨大になる。
念を食べた後の念獣は、アベンガネ自身に付きまとうようになり、念の正式な解除手順(「命の音」の場合はボマー自身の身体に触り「ボマー捕まえた」と言う)を経ない限り、消滅することも離れることもない。
恐らく動きを制御出来ないので(それと念獣の詳細は不明だが死ぬと念が戻る可能性もある)アベンガネは念獣の扱いに難儀していたが、一応アベンガネを害することはない*2模様。
またその性質上、死者の念は除念することができない。


●ヒナ

キメラアント編で登場した、キメラアントの除念師。

レオル師団長配下の蟻だったが、念能力を得た後はその除念能力を買われたのか東ゴルトーの王宮内で一室と召使の蟻を与えられ悠々自適な生活を送っている。
劇中ではヂートゥの念を二回に渡り除念している(ナックルのハコワレ、ヂートゥ自らが得た念能力)。

能力

除念の手段は不明ながら、自らの腹部にその念を抱え込む能力。
大きな念を除念すると腹部が妊婦のようになってしまい、ヒナは「好きな服が着られない」と嘆いていた。
アベンガネと同じように当事者の死亡などで念が解除されれば戻るようで、ヂートゥが死亡してすぐに腹部は元に戻った模様。


●ハンター協会お抱えの除念師

会長選挙編で登場した、ハンター協会が唯一抱えている除念師の女性。
能力は不明ながら、蟻との戦いで自らの誓約により酷い姿になったゴンを見て「私の能力では背負いきれない」と断念したところから見るに、己の身体に念を引き受ける能力の模様。


●リハン

壺中卵の儀編で登場した、カキン帝国第一王子ベンジャミン配下の私設兵。
ベンジャミン勝利のために他の王子の元へ潜入し、王子を守る守護霊獣を排除するために活動する。
劇中では第八王子サレサレの護衛として配属され、サレサレの守護霊獣を排除した後は暗殺専門の私設兵と交代する。

能力

能力名は異邦人(プレデター)
他者の念能力を推察することでその念能力の天敵となる念獣を体内で成長させ、発動させることでその念獣を解き放つもので、厳密には除念能力ではないかもしれない。
天敵となる念獣の成長にはリハンが念能力を長時間観察し「その念の能力・特徴を推理する」事が必要不可欠であり、その念に対する理解が深まれば深まるほど産み出されるプレデターも強力になる。
作中では、王子を守護する霊獣に対して有効かどうか不明だったがリハンは守護霊獣の能力を正確に推察して天敵念獣を生み出し、守護霊獣を天敵念獣が捕食するという、事実上の除念を達成している。

更にリハンは、念獣による捕食完了から48時間念を使えなくなるというデメリットを抱えており、確実性に著しく欠ける能力であることも含めて使いどころは難しい。
そのデメリットからも、1対1の直接戦闘を想定したものではなく集団での長期戦向けであり、私設兵という集団で戦う彼らだからこそ生かされる能力とも言える。
また、対象の念能力がリハンに「推理する余地が無い」場合は、能力そのものを発動することができない。(念能力を説明された場合も同様なので味方もリハンへの情報伝達は神経質に取捨選択する必要がある。)
つまりは例えば能力発動条件が相手に能力の詳細を喋る事である「命の音」とは致命的に相性が悪いし、推理する余地が無い強化系や放出系の単純な能力に対してもこの能力は無力。


●ウマンマ

壺中卵の儀編で登場した、カキン帝国第二王子カミーラ配下の私設兵。
カミーラの私設兵は皆、己の死によって王子を呪い殺す念能力「つじつま合わせに生まれた僕等(ヨモツヘグイ)」の使い手だが、彼女だけが除念師となっている。
つじつま合わせに生まれた僕等(ヨモツヘグイ)と似たような呪いを除念する場合命がけの除念になるとのこと。


【特殊な例】

“ナニカ”

会長選挙編で登場。キルアの弟(妹)であるアルカの中に潜む謎の生命体。
アルカが幼い頃から共存しており、アルカと入れ替わることで表に現れる。
キルアの“お願い”により、ゴンが自身の誓約で掛けた念を除念し、更に五体満足な状態にまで戻した。

ただしこれは除念能力ではない。
あくまでもお願いを叶える能力であり、除念はその結果に過ぎない。

能力には恐ろしいリスクがあるが、ゴンさんのケースに関しては治療だったのでリスクはナニカ(アルカ)が疲れて眠る以外に劇中では確認されていない。
(余談だがナニカはキルアに褒められたいがために、キルアからの命令ならばノーリスクで行える)
出来ることの大きさと合わせて他とは一線を隔した能力と言える……。
とは言えナニカ自身はアイと呼ばれる暗黒大陸由来のガス状の生命体であり、規格外の存在として描かれているため、これを念能力として扱って良いかも不明。



追記修正は除念能力を会得した方がお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • HUNTER×HUNTER
  • 念能力
  • アベンガネ
  • 解呪
  • 除念
  • 除念師
  • 念能力者
  • ヒナ
  • リハン
  • ウマンマ
  • 希少

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年01月18日 14:22

*1 除念師の存在自体は、ヨークシンシティ編で幻影旅団によって語られてはいた

*2 「命の音」の念獣は懐いている様子ですらあった。これが除念する念の性質によるものか、そこまで含めてアベンガネの能力の範疇なのかは不明。