Marchen

登録日:2011/02/13(日) 19:59:05
更新日:2024/01/01 Mon 23:35:37
所要時間:約 4 分で読めます




此の物語は虚構である。
然し、
其の総てが虚偽であるとは限らない。







7th Story CD 『Marchen』(メルヒェン、公式ではマルチェンらしい)とは、Sound Horizonの通算7枚目のCDアルバムである。

●アルバムについて

前作マキシシングル『イドへ至る森へ至るイド』の続きと定義付けられており、時間軸や人物関係等の考察に於いて議論が絶えない。

舞台は前作内の台詞にある「テューリンゲンの魔女」や、『磔刑の聖女』の歌詞にある「七選帝侯の息女(フォン ザクセン)」等から、中世~近世ドイツと推測されている*1
また史実にて「テューリンゲン」が宗教改革に関わった地名からか、宗教戦争などを背景とした曲が多い。
アルバム中、グリム童話を原作にした曲が7曲あり、それらは『』繋がりで、中世ヨーロッパのキリスト教で最も忌まわしいものとされた『七つの大罪』を一つずつモチーフとしている。

ちなみに本アルバムのイラスト、及びコンサートではメルヒェンの衣装が『イドへ至る森へ至るイド』からマイナーチェンジされた。

●収録曲一覧

9 8 7 6 5 4 3 2 1






薔 を 硝
薇 別 子
の つ の
青 塔 境 棺 黒
磔 き で 界 で き 火
暁 刑 伯 眠 の 眠 女 刑 宵
光 の 爵 る 古 る 将 の 闇
の 聖 の 姫 井 姫 の 魔 の
唄 女 城 君 戸 君 宿 女 唄

●各曲の紹介とつの大罪・グリム童話

◆1.宵闇の唄
オリジナル
『さあ、潔く死んでから出直してくれ給え!』

メルツ=メルヒェンの復讐の始まりを描いた曲。
メルヒェンとエリーゼの誕生、『屍人姫の復讐を指揮する事=メルヒェン・エリーゼの復讐』である事等、このアルバムにおいて非常に重要なファクターが散りばめられている。
また曲中に「物語の策者」「作為的な嘘」というフレーズが登場しており、「策者」が「誰」なのかはファンの考察に委ねられている。


二つの焔は想い人と母。


◆2.火刑の魔女・・・大罪『暴食
原作:ヘンゼルとグレーテル
『殺られる前に殺らなきゃヤ・バ・イ!』

原作はヘンゼルとグレーテルだが兄妹が出て来るのは終盤で、この曲は修道女(=屍人姫・主人公)とその母をメインに描かれている。
(*^ω^)「グレーテルたんハァハァ……グレーテルたんに悪戯したいお……」

老婆『ギャァァァア!!』

( ゚д゚)

ヘンゼル「偉いぞグレーテル!」

( ゚д゚)マジカヨ・・・


捨てられた子の気持ちはわかっても、捨てた親の気持ちはわからない。


◆3.黒き女将の宿・・・大罪『強欲
原作:絞首台から来た男
『おい、クソババア!』

じまんぐが全部持って行きました。

歴代最強のじまんぐ。初見のサンホラー達の腹筋を壊して回った。


傍観して止めなかった罪にも、覚えはない。


◆4.硝子の棺で眠る姫君・・・大罪『嫉妬
原作:白雪姫
『灼けた靴で――死 ぬ 迄 踊 れ!』

テッテレ王子第一弾。
王子の他にも
じま狩人・七人の小人・唐突にインサートされるIdolfried Ehrenbergの声(ソフト版ではズームアップも可能)・寝起きも超スッキリな美少女雪白姫(黒沢ともよ*2)等、ネタが尽きない曲。つーか七人の小人の声優が無駄に豪華。
あと、ラストのメルヒェンは爆発しろ。 
余談だが、この後2011年に行われたライブ「第一次領土復興遠征」には本CDの歌姫で黒沢女史のみ不参加となっており(10代前半だったせいと思われる)、イドルフリートが登場してもこの曲は披露されなかったそうな。


外見と内面が相反するのは良くあること。

◆5.生と死を別つ境界の古井戸 ・・・大罪『怠惰
原作:ホレおばさん
『【ceui】っ!』
『マジで!』
『わぉ!』

重々しい本アルバムの中にあって、突出した明るさやコミカルさが目立つ曲。しかし歌詞を深読みすると一番怖いと言われたりも。
Marchen発売前は、タイトルの仰々しさからも物語を解くに於いては非常に重要な鍵を握った曲だと思われていたが……別にそんな事は無かったぜ!

只ライブ版では曲ラストの鳴き声から『イドへ至る森へ至るイド』の隠しトラック「黒き死の行進」が前後に挟まり、イドルフリートとヒロインの亡き父に「船乗り」なんて共通点があるので、そっちから連想すると…とも言われていたり。
また2021年の『Sound Horizon Around 15周年記念祭』版では、千秋楽にて猫に八つ当たりする子供が登場した事でラストの鳴き声の理由が補足されていた。

あと某冬の人がライブ版アンコールにてこの曲の面子に呼ばれてゲスト出演したので、腐ったお姉さん達がメルヒェン×冬の人とか
言い出sうわなにをするやめ

エリーゼ『馬鹿ナ事言ワナイデ頂戴?』


働き者なのはいいことだが、やり過ぎると他の意味を奪う。


◆6.薔薇の塔で眠る姫君 ・・・大罪『傲慢
原作:いばら姫
『傲慢なのはお前の方よ!』

テッテレ王子第二弾。
エルの絵本【魔女とラフレンツェ】』と関わりがあるとかないとか……。また『Nein』の「西洋骨董屋根裏堂」では姫を眠らせた糸紬の紡錘が飾られていた。
「どきどきだわ…!」が超可愛い。


いつまでも少女のままではいられない。


7.青き伯爵の城 ・・・大罪『色欲
原作:青髭
『例え相対者が神でも 唯 穴さえあれば 嗚呼 貫いてくれよう――』


『《私の槍で》!』


  • 解説
明夫が全部持って行k(ry
青髭『跪けェ!』

( ゚д゚)

( ゚д゚ )

ちなみに青髭のモチーフはジル・ド・レという実在の人物。詳しくは個別項目をご覧下さい。
あと歌詞が無駄にエロい。


肉体ばかりで魂を見ない。


◆8.磔刑の聖女・・・大罪『憤怒
原作:憂悶聖女
『メル、そんなになってまで…約束を守ってくれたのね……』

涙腺崩壊曲。 「この狭い鳥籠の中で」から続くエリーザベトの物語でもある。
これまで屍人姫達の人生と怨みを全肯定してきたメルヒェンだが、このトラックのみ否定あるいは疑問を零しているのも特徴。
メルヒェン『果たして彼は君の死と引き換えてまで、本当にそれを望むのかな?』*3←お前だお前
そしてヤンデレCD顔負けなエリーゼの台詞が聞ける。


背負うべき立場と運命を投げ出した聖女。

後に9th Story CD『Nein』でIFストーリー『忘れな月夜』が制作され、そちらではラストエリーゼの高笑いが聞こえている。
また『Nein』コンサート版アンコールで本曲が披露された際本作コンサート版の映像が使われ、モニターに映るメルへ『忘れな月夜』世界の修道女エリーザベトが歌いかけるという演出がされた。ヤンデレエリーゼはカットされたが。



◆9.暁光の唄
オリジナル。
『君が今笑っている、眩い其の時代に。
誰も恨まず、死せることを憾まず、必ず其処で逢おう』

復讐劇の終わり。
これがハッピーエンドバッドエンドかは意見の分かれるところだが……とにかく、多くのサンホラーが磔刑で涙腺を打ち砕かれ、この曲で駄目押しされた。

なお、コンサートでは驚きのループエンドである。



想い人は天に、求め続けた母は隣に。


※一部、物語の本筋とは関係の無い追記・修正が施されている可能性が御座います…



◆ボーナストラック

Chronicle…

Thanatos…

Lost…

Elysion…

Roman…

Moira…

Marchen…




僕たちは、廻り続ける。






追記・修正は復讐劇を始めてからお願いします。


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最終更新:2024年01月01日 23:35

*1 リアルでのテューリンゲン地域とザクセン地域はドイツ内で隣接しており、「七選帝侯」とザクセンを治める「選帝侯」が存在したのは中近世の『神聖ローマ帝国』のため。ちなみに『磔刑の聖女』の歌詞「門閥貴族の令嬢」の読み「フォン ヴェッティン」は、史実におけるザクセン選帝侯の家名「ヴェッティン家」からと思われ、「ライン・プファルツ(ライン宮中伯)」も史実では七選帝侯の一角にあたるが18世紀に消滅している。

*2 かつて『冥王』のPVとコンサート版『Moira』で幼少期のミーシャ役を演じたことがある。

*3 ちなみに漫画版『Nein』「忘れな月夜」では終盤でこの台詞が、なぜか同世界でメルを諦め生きる事を選ぶもその後悔を感じたエリーザベトに届いていた。