Half-Life(ゲーム)

登録日:2021/09/23 Thu 16:48:27
更新日:2024/11/06 Wed 02:06:57
所要時間:約 7 分で読めます






Welcome to the HEV Mark 4 Protective System,
for use in hazardous environment conditions.



概要

Half-Life*1とは、1998年にVALVE Corporationが発売したFPSゲーム。
後にPCゲームプラットフォームの最大手Steamを作り上げたことで知られる同社の処女作である。

当時発売を担当したのは、King's QuestシリーズやThe Incredible Machineなどで知られるSierra Entertainment。現在ではValveの自社プラットフォームであるSteam上でデジタル販売されている。


ムービーシーンを一切使用せず、オープニングからエンディングまで全て一人称視点で物語を描くという臨場感溢れる内容が特長。
演出は全てリアルタイムスクリプト演出で行われ、ゲームプレイと並行して起こるため実際にそこにいるかのような迫力を実現している。
これまでのFPS以上にストーリーとゲームプレイの融合を進め、以降数多くのFPSがストーリー重視の作風となるキッカケとなった。

レベルデザインも優秀であり、ロードこそあるもののほぼ全ての地形がシームレスに繋がり一つの研究所を構成している。
また銃撃戦主体のFPSではあるがNPCへの対処にはある程度自由度があり、主人公と協力関係にあり助けるも殺して奪うも自由な生存者、研究所を新たな棲み処にしておりルート次第で無視しても良いエイリアン、対立しておりエイリアンとの同士討ちを狙える海兵隊員など複数の派閥が登場。
互いに敵対関係にある者同士の共闘や猛獣をけしかけての利用など、プレイヤーの行動次第で戦略が変化する場面もある。


また、『DOOM II』や『QUAKE』のプロゲーマーとして当時名を馳せていたDennis "Thresh" Fong氏の提唱である『右手でマウスを操作することを前提に、WASDを中心に左手で確実に押せるキーボード左端のみに必要キーを集中させた「Thresh bind」』をデフォルト設定に採用しており、操作性が大幅に向上。
それまで移動はWAXDやESDFなど複数のパターンが存在し、武器選択は数字キーの端から端まで使い*2、各種アイテムは専用ファンクションキーを用意する*3のが当たり前だったが、本作ではそういった煩雑な要素を徹底的に排除。
すべての操作キーはキーボード左側4列に集約され、武器はカテゴリ別に数字キー1~5に格納&ボタンを押す回数で同カテゴリの切り替え、そして配置が気に入らなければどの操作キー割り当ても変更可能という仕様を導入している。
この競技性の高いキー配置は『Counter-Strike』をはじめ、多くの同社製FPSにも変わることなく受け継がれ、また後のFPSのみならず海外のPCゲームの多くにも影響を与え、界隈のスタンダードとなったことで知られる。



ストーリー


2003年5月16日 アメリカ合衆国 ニューメキシコ州 ブラックメサ研究所

ブラックメサの巨大な渓谷の合間に建設された、合衆国の誇る極秘地下研究施設「ブラックメサ」。
ここでは、軍用の特殊兵器の開発から未知の転送技術の解明までセクターごとにさまざまな研究が行われていた。

研究の末に次元の狭間に存在する異空間「Xen」を見つけ出したブラックメサ研究チームは、次元扉を利用した転送技術の開発のため調査・発掘を進めていた。

研修を終え、セクター3テストラボに配属されて11日が経ったある日。
新人研究者のゴードン・フリーマンの5月16日の実験は、「GG-3883」と呼ばれるある結晶体の分析だった。

Xenから採取されたというそれを分析装置に運び入れるフリーマンだったが、照射されたレーザーに触れた結晶体は未知の反応を起こして暴走、次元の裂け目を大量に発生させ、研究所全体がXenと繋がる「レゾナンス・カスケード(連鎖共鳴)現象」が発生してしまう。

防護服のおかげで辛うじて生き延びたフリーマンは生存者と協力し、異次元からの生物で溢れかえる研究所を抜けて地表を目指す。
しかし、彼らを地表で待っていたのは、極秘研究所であるブラックメサでの事件隠蔽を図り生存者に銃を向ける海兵隊だった。

事故の拡大を防ぐため、そして研究所から生きて脱出するため、孤立無援のフリーマンは壮大で過酷な脱出劇を繰り広げていく。


キャラクター


本作の主人公。
MIT卒のブラックメサ・セクター3テストラボの新任研究者。中肉中背、白人で茶髪。
口元には髭を生やし、眼鏡をかけている。

理論物理学でテレポーテーション技術に関する論文を書き博士号を得るなど、若いながら非常に優秀な物理学者。
身長体重ともに一般成人男性のそれであり特異な体質を持つわけではないが、強固な耐久力を持つHEVスーツを着用して危険な実験に参加していたことが幸いし爆発事故を生き延びる。
就職して11日で勤務先が吹っ飛ぶ 過酷な運命の持ち主だが、これはまだ後の彼の運命の序の口に過ぎなかった。

参加していた実験が失敗してレゾナンス・カスケードに巻き込まれるも何とかセクター3を脱出し、海兵隊に付け狙われるもこれを撃退。
更には政府直属の暗殺部隊すらも卓越した銃撃戦で切り抜け、事故に介入しているXenの親玉を倒すべく縦横無尽に駆けずり回る。

実はとあるレンジャーの素質を受け継いでおり、熟練者の腕次第では ありえない速度で宙をかっ飛んでいく地球最強の物理学者 となることも。

  • HEVスーツ
本作のヒロイン。
ゴードンの異常な耐久力の根源となる、頭部以外の全身を覆う防護服*4

耐熱、対衝撃などはもちろん、負傷した際の鎮痛剤投与機能やある程度の放射能汚染からの防護などあらゆる環境に耐え抜くことができる。
更に、試作強化パーツ「ロングジャンプ・モジュール」を装着することで幅跳びの要領でより長距離のジャンプを行うことも可能。

完全稼働には燃料が必要で、各所にあるHEVチャージャー、若しくはバッテリーから燃料を補充する。
補充した分だけアーマー効果が発揮され、プレイヤーの衝撃を吸収して致命傷を防いでくれる。

正式名称「Hazardous Environment Suit(対危険環境スーツ)」。オレンジや赤、白といった複数のカラーリングがあるが、基本的にはオレンジのものが多い。
ゴードンが着用しているのはマーク4。初期型は排便などに難のある構造だったが、現在ではある程度改善されているらしい。

一応ヘルメットも存在するのだが、どうも作中描写や数々のコンセプトアートのほぼ全てで彼が着用していないことが暗示されている。

  • G-Man
作中幾度となく登場する男。ブラックメサ事件の最中にもかかわらず傷一つなくスーツ姿で歩き回る。
Government Man(政府関係者)」を意味する名前を持つがクライアントは米国政府というわけではない*5らしく、確定している情報も殆どない。


  • 研究員
ブラックメサに勤務していた人々で、白衣を着用している。諸事情で声も顔も似たような奴が多い。
戦闘能力はないが、新人のフリーマンではクリアランス的に明かない扉も開けてくれるほか、フリーマンが瀕死状態だと注射で回復してくれたりもする。

殺すよりは助けた方が恩恵が多いので、生きている人を見つけたらなるべく助けてあげよう。

  • 警備員
青服に黒いベストとヘルメットを着用した警備員で、グロック17を装備している。
ゾンビやヘッドクラブ程度なら倒すことができるが、海兵隊やボーティガンツ相手にはやや分が悪い。

こちらも追従させることで援護射撃で支援をしてくれる、助けた方が恩恵のある存在。
攻撃すると敵対してしまうが、死体からはグロック用の弾を確保できる。

  • H.E.C.U.兵
Hazardous Environment Combat Unit(危険環境戦闘ユニット)。
合衆国海兵隊の特殊部隊で、MP5とグレネードを使用する。
地表に脱出してきた関係者を口封じのために抹殺し、フリーマンのこともつけ狙う。

遮蔽物に隠れる、回り込んで側面から攻撃するなどなどAIは賢く、集団戦ではなかなか手ごわい相手。
エイリアンと遭遇すると主人公そっちのけで交戦を始めるため、弾薬節約のためにも積極的に狙っていきたい。

一般兵やガスマスク、ヘルメット、ベレー帽を被った隊長格など複数の外見バリエーションが存在する。

  • スナイパー
ネットを張って見晴らしのいい場所に隠れる狙撃兵で、銃で倒すことができない。
接近してグレネードを投げ込むと爆死する。

  • ブラックオプス
政府直属の暗殺部隊で、サイレンサー付きピストルで武装している黒ずくめの全身タイツ。
神出鬼没で移動スピードも速いが、行動パターンは単純なためダメージ覚悟で袋小路で待ち構えれば対処自体はそう難しくはない。


兵器

  • セントリーガン
レーザーセンサーと連動し、見つけた敵をマシンガンで撃ち続ける自動機銃。エイリアン相手にも効果を発揮する。
持ち上げて再利用できる後の作品とは異なり、一度破壊して動かなくすることだけができる。

海兵隊の接地した三脚で自立しているもののほか、研究所に元から埋め込まれている機銃も登場する。

  • M2機関銃
海兵隊が持ち込んだ、地面に固定されている機関銃。あまり出番はない。
プレイヤーも使える物のほか、土嚢陣地に配置されたものもあり、こちらはグレネードを投げ込んでガンナーを吹き飛ばす必要がある。

  • ロケットランチャー
鉄道などでたまに登場する、固定配置のランチャー。プレイヤーは使用できない。
しゃがめば回避できるが、うっかりしていると命中して爆散する。

  • 地雷
地表の地雷原でのみ登場。踏むと爆死する。
オリジナル版では見分けがつかない初見殺しとなっており、セーブ&ロードはほとんど必須。

  • M198榴弾砲
対大型エイリアン用に持ち込まれた大型砲。閉ざされたシャッターの破壊のために何度か出番がある。
発射速度は速くない外力は絶大で、命中すれば堅牢なグラントですらひとたまりもない。

  • 戦車(エイブラムス・ブラッドレー)
HECUの兵器。
砲撃によって敵を吹き飛ばすが、移動はできない置物。
RPGや爆弾で砲塔を吹き飛ばすことができる。

  • トラック(M35カーゴトラック)
海兵隊の資材輸送に使われた車両。
破壊され炎上しているものもあれば、良いものを積んだまま投棄されたものもある。

  • ヘリコプター(アパッチ・オスプレイ)
HECUの兵器。
空を旋回し、ロケット弾や機銃で攻撃してくる。
RPGで撃墜可能。

  • 戦闘機(F16ファイティングファルコン)
海兵隊所有の戦闘機。
爆撃のために飛んでいる姿を目にすることがあるが、流石に直接対決することはない。
威力は絶大で、爆撃を食らえばガルガンチュアの巨体も粉微塵に吹き飛ぶ。

チャプター「Surface Tension」ではタクティカルマップを用いて彼らに爆撃を要請することができ、これを用いて施設を破壊して先に進むというパズル要素が登場する。



エイリアン

  • ヘッドクラブ
猫ぐらいのサイズの生物で、目はなく体の下部に巨大な口を備える4足歩行生物。
相手に寄生して変異させ操る能力を持つが、Xenにヘッドクラブが寄生可能な生物は登場しないなど出自に謎は多い。
元ネタはエイリアンのフェイスハガー。

  • ゾンビ
一般的なゾンビではなく、研究者がヘッドクラブに寄生されたなれの果て。
身体が変異して長い爪を備えたおぞましい外観に変異しているが、近接攻撃しか行わないため慣れれば対処は容易。
ヘッドクラブのせいで弱点判定がわりと大きいため狙いやすい。

  • ハウンドアイ
小型犬ぐらいのサイズの生物で、蜂の巣のような顔面が特徴。
すばしこく動き全方位音波攻撃で攻撃するが、攻撃を放つ前の予備動作が長いため倒すのはラク。

  • ブルスクイド
イカのような口を持つ茶色の生物で、素早く動いて酸を吐く厄介なヤツ。よく人間を捕食している。
ヘッドクラブを見つけるとそちらに攻撃する癖がある。

  • バーナクル
天井に生えたフジツボ型の生物で、白っぽい触手が天井から垂れているのが目印。
触手に引っかかった生物は絡めとられ、抜け出せないまま頭を噛み砕かれ死んでしまう。
プレイヤー以外にも生存者や海兵隊員が引っかかることがあり、掴まるとなすすべもなく捕食されていく。

外伝では研究者が何かをキメたのか バーナクルガン などという珍兵器が爆誕した。

  • エイリアン・スレイブ
種族名はボーティガンツ。ニヒランスらと近い種ではあるが、首輪を付けられ奴隷として扱われている。
下っ端戦闘員としてブラックメサに送られ、生存者や海兵隊員と戦った。
体力は少ないがレーザー攻撃の命中精度は高く、なかなか侮れない相手。

PS2移植版では裏モード「エイリアンモード」の主人公に抜擢されている。

  • イクチオサウルス
水中に出没する巨大魚で、でかいアゴで科学者を丸呑みにしていた。
遠距離攻撃手段こそないものの移動速度はかなり早く、クロスボウかハンドガン程度しか水中で撃てる銃もないため対処は面倒。

  • リーチ
芋虫状の水中生物で、齧って微妙ダメージを与えてくる。
サイズが小さいので見逃しがちだが、よく見ると結構キモい。

  • エイリアン・グラント
ニヒランス配下の一般戦闘員で、Xenで量産されているゴリラのような体格のエイリアン。ハイブハンドによる誘導攻撃を行う。
体力は多いため倒すのはやや面倒だが、海兵隊との同士討ちが頻発するため彼らとの戦闘では活躍してくれる。
Xenでは警備員的ポジを務めており、作業を進めるボーティガンツを高台から監視している。

  • エイリアン・コントローラー
空飛ぶエイリアンで、エネルギー弾をばら撒いて攻撃する。
ボーティガンツたちの司令塔として活動しており、前線に出てくることは少ない。
Xen中枢では大量に出没し、空からプレイヤーを苦しめてくる。

  • エイリアン・エアクラフト
空飛ぶエイリアンで、倒すことができない。
下に向かって黄色いビームを放つことができ、外伝ではオスプレイを航行不能に陥らせた。
ブラックメサでは地上からエイリアン・グラントを降下させる任務に就いていたほか、Xenではゴードンの足場として使われた。

  • テンタクル
巨大な鎌を持つ触手で、触手自体に感覚器を備える特異な生物。
眼がなく、音だけを頼りに動くものを攻撃する。手榴弾の爆発音で騙されやすい。
元々Xen由来の生物だが一匹だけ爆発物試験場エリアに転送され、ゴードンの起動したジェットエンジンでタコヤキに加工された。

  • ガルガンチュア
巨躯のエイリアンで、足で踏んだり両手からビームを垂れ流して敵を粉砕する。
基本的に倒すことはできず、イベント戦で電撃を浴びせたり空爆を当てたりして倒すほかない厄介な敵。

  • ゴナーク
ミニヘッドクラブを従えた巨大なメスのヘッドクラブで、ブルンブルンの腹が特徴。
難度か段階を踏んで戦う長期戦となる、Xen編の実質的な中ボス。

  • ニヒランス
Xenの支配者で、巨大な胎児のような体型をしたエイリアン。
クリスタルの力を利用して自身を守っているため、まず先にこれらを破壊する必要がある。
開く頭頂部が弱点だが、クリスタル破壊後も容赦ない攻撃を浴びせてくる厄介な敵。

もともと別次元の存在だったが、元居た世界はとある多次元帝国の侵略を受け壊滅、彼一匹だけは狭間のXenに逃げ込むことに成功した。
種族としての存亡を賭け、地球への移動と繁殖に活路を見出したはいいものの、髭眼鏡に逆に攻め込まれてしまう。


登場勢力

  • ブラックメサ研究所
ニューメキシコ州ブラックメサに位置する極秘研究所。元ネタはエリア51。
巨大な渓谷の内部に張り巡らされており、宿舎や娯楽施設も完備され各エリアはモノレールで接続されている。

兵器開発も行っているが主な研究はポータル開発であり、1990年代からアパチャーサイエンスと熾烈な技術競争を続けていた。
月の石由来の携行型ポータルを作るアパチャーとは異なり、異次元を経由したポータル技術をメインに研究しており、その過程でXenの生態調査なども行っていた。

分析中の事故が原因でレゾナンス・カスケードが発生後は施設は半壊。多くの研究者が隠蔽を図る海兵隊に抹殺され、機能停止に陥った。

  • Xen
次元の狭間に位置する空間で、ある次元侵略種族から逃げ出したニヒランスが自身の根城としている。
腹に腕のある知的生物が階級社会を形成しているほか、彼らに寄生できる構造でないはずのヘッドクラブが生息しているなど異なる次元からさまざまな生物が流入している。

レゾナンス・カスケードに乗じて地球への侵攻を企み奴隷種であるボーティガンツらを送り込むが、勝手に入ってきた髭眼鏡に蹂躙された。

  • H.E.C.U.
Hazardous Environment Combat Unit(危険環境下戦闘部隊)の略。合衆国海兵隊の特殊部隊。
拠点はブラックメサからほど近いサンテゴ軍事基地で、戦車やオスプレイ、アパッチなど多数の軍事車両を有する。
ブラックメサ事件の収束と隠蔽のために送り込まれ、エイリアンの討伐と民間人の抹殺を行った。
指令によりゴードンフリーマンを執拗に付け回すが殺すには至らず、最終的にかなりの犠牲を伴い研究所から撤退した。

  • 合衆国政府
アメリカ合衆国を統治するものとしてはなんとしても研究所の存在を公にしたくなかったらしく、直属の暗殺部隊を送り込んで生存者の抹殺にかかった。
それが無理であると分かると今度は核弾頭を持ち込み、爆発事故を装って研究所の抹消を図った。
弾頭自体は海兵隊の生き残りであるシェパードによって一旦解除されたものの、その後G-Manが再起動した。

  • 雇用主
別次元のとある帝国と敵対していることだけが判明している、G-Manの雇用主。ブラックメサ研究所のみならず海兵隊すらも指揮できる高い権力をG-Manに与えている。
とはいえ事件そのものを止めるよう指示しているわけでもなく、その行動理由は謎に包まれている。


武器

  • バール
フリーマンが最初に手に入れる武器にして、続編にも登場する シリーズ通しての彼の相棒 ハイテク兵器に一回浮気されリストラされている。
弾薬を消費しないのが利点だが、当然リーチも威力も心許ない。
戦闘中に使うことは少なく、木箱や板、ダクトの蓋といったオブジェクトの破壊やゾンビ、小型の敵への対処に用いる。ただ道なき道を進んでいくため、近接武器にしては出番はけっこう多い。

  • グロック17
標準的な性能のピストルで、警備員の使用する武器。
威力自体は心もとないが、水中でも撃てるという利点がある。
HDパックではベレッタM9に置き換わる。

  • 手榴弾
ピンを外して投げると数秒後に爆発する。
壁越しの敵などに投げることで先制ダメージを与えられるが、海兵隊は気付くと逃げる。

  • .357マグナム
長いリブが付いたコルトパイソンで、高い威力と精度を誇る武器。多くの敵を一発で倒すことができ、狙撃にも使用できる。
反面弾薬は心もとなく、装弾数も少ないため乱用しにくい。

  • MP5
連射可能なサブマシンガンで、HECUの主力火器。グロックと弾薬が共通している。
セカンダリでグレネードランチャーを放つことができ、数は限られるが高い威力で複数の対象を吹き飛ばすことができる。
欠点は集弾性の悪さで、近距離でないとまともに運用するのは難しい。
HDパックでは性能はそのままM4に置き換わる。

  • SPAS-12
近距離高威力のポンプショットガン。そもそもダブルバレルですらないのにセカンダリで二発同時発射というDOOMな撃ち方も可能。
リロードが長いのが欠点だが、一発ごとに装填する仕様であり途中でキャンセルして発砲も可能。

  • クロスボウ
海中の敵を仕留めるべく研究所の水槽エリアに配備された武器だが、水中だけでなく対人狙撃にも使える。本作唯一のスコープ搭載武器。
装填や弾薬数に難はあるものの威力自体はけっこう高め。またあまり意味はないが音がしないという特長もある。

  • レーザートリップマイン
壁に接続すると一直線にレーザーが伸びる爆弾。レーザーに接触すると起爆する。
主に敵側がトラップとして使用することが多く、プレイヤーにとってはあまり使わない兵器。
ただ、壁に貼り付けた爆弾には当たり判定があるため足場として利用することができる。
元ネタは「Duke Nukem 3D」の同名兵器。

  • サッチェルチャージ
投擲してスイッチをオンにすると起爆するカバン型爆弾。
遠隔操作が可能なため戦車の破壊などに使えるが、個数は少ないため機会はあまり多くない。

  • スナーク
Xen由来の赤い甲虫で、放つと付近の生物に攻撃を始める。
撃たれるか数秒経つと爆発し、周囲にダメージを与える。
エイリアンだろうが海兵隊だろうがゴードンだろうが投げればお構いなしに攻撃するため、隠れたまま敵を倒すときに便利。

  • ハイブハンド
エイリアン・グラントが所持する生体兵器。 蠢く芋虫状の銃。
弾薬が無限で誘導性能もあるが、弾丸の再装填には時間がかかり威力も大して高くはないため使い勝手は微妙。
ファンメイドリメイク「Black Mesa」では取得モーションが追加され、こいつをア*ルフィストして装備する様が見られるようになった。しかも発見直後に登場する警備員に、ある手順でこのモーションを見せた時に返してくれる台詞が 複数 存在する。

  • RPG
直進と追尾を切り替えるミサイルランチャーで、ヘリコプターや戦車などの破壊に用いる。地味に水中でも使用可能。
持ち運べる弾頭は少ないが高い威力を持つ。

  • タウキャノン
タウ粒子のオレンジ色のビームを一発ずつ連射する武器で、ある程度の射撃精度がある。
セカンダリでは一定時間チャージし、薄い壁を貫く高威力だが反動の大きいビームを発射する。充填しすぎると放電しダメージを受ける。
表面に市販の電池が取り付けられていることから分かるようにまだまだ試作段階の兵器であり、入手直前に発生するイベントでは暴発で 部屋の科学者全員が木っ端みじんに吹き飛んでいる。
20年後には改良され、車載兵器として猛威を振るった。

  • グルーオンガン
極太ビームを常時垂れ流す火炎放射器のような試作兵器。元ネタはゴーストバスターズのプロトンパック。
最終盤でしか入手できないが威力は非常に高く、連続照射でどんな敵も吹き飛ばす高い威力を誇る。
反面燃費もけっこう悪め。


余談

  • 元ネタ
ストーリーを担当したのは小説家マーク・レイドローだが、実は基本的なプロット自体はDOOMQUAKEといった古き良きidのFPSシリーズを踏襲している。
このうえで、スティーブン・キングの小説「ミスト」やテレビドラマ「アウターリミッツ」の12話「ボーダーランド」などの影響もあるという。

  • ベータ版
本作のバージョンには最終的に完成した本編以外に、1997年に公開されたテックデモなどが存在する。
本編未使用のキャラクターモデルは多かったようで、赤い犬型エイリアンやチェーンガンを抱えた兵士、 マクロスのリガード など複数のボツキャラクターを見ることができる。
また、開発初期はゴードン・フリーマンのモデルにも試行錯誤が重ねられており、初期のキャラクターモデル、通称 「イワン・ザ・スペースバイカー」 はフリーマンとは髪色以外全く似ていない ヴァイキング並みのヒゲを蓄えた顔のゴツイおっさん だった。

  • 移植・リメイク
1998年のオリジナル版のほか、幾つかオリジナル要素も追加されPS2にアレンジ移植されている(北米限定販売)。
PS2版を開発したのは今や『ボーダーランズ』で知られるGearbox Softwareで、新たにCO-OP用追加エピソード『Decay』が収録されている。

また、2004年には『Half-Life 2』向け次世代ゲームエンジンであるSourceエンジンに本作をまるごと移植したリマスター版『Half-Life: Source』が開発され、Steam向けに販売開始。より高画質でHL1を楽しめるようになった。

しかし、『Source』版の内容はオリジナルそのままの古臭いものだったうえにMODの互換性がないためファンには不評となり、HLコミュニティ内でリメイク版の製作チームが結成。長年の開発を経て、2020年に無事『BLACK MESA』の公開・販売に漕ぎつけた。ファンメイドではあるが公認作品であり、オリジナルを現代的に昇華した良リメイクとして高い評価を獲得している。

現在Steamでは三種類の『HL1』が配信されている が、仕様はそれぞれ、
Half-Life
1998年当時そのままの仕様。旧MOD対応。
Half-Life:Source
2004年のリマスター版。解像度・光源・物理表現向上。オリジナル版向けMOD非対応。
Black Mesa
2020年のリメイク版。演出やグラフィック、マップ構造全てがHL2以降の最新版エンジン準拠で再構築。ワークショップ機能と実績対応。

となっている。
あくまでオリジナル版を遊びたい、またはオリジナル版向けMODを遊びたいのであれば無印を、オリジナル版と同一の内容をより快適に遊びたいのであればSource版を、それらがさすがに色々と古すぎるという現代っ子はBlack Mesaを購入しよう。全部買えば三回楽しめるぞ!















「あぁ、恐らく問題ではない...恐らくは。だが少し食い違いが...いや、大丈夫だ、想定範囲内に戻った。追記・修正を進めよう。」


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最終更新:2024年11月06日 02:06

*1 この言葉自体は英語で「(放射性物質の)半減期」を意味する専門用語。

*2 DOOMなど

*3 Duke Nukem 3Dなど

*4 彼が所持していないだけで装備としては存在しており、たとえばXenの探検隊メンバーの遺体やマルチプレイモードの研究者などはヘルメットで顔部分も覆い隠している。

*5 おそらくそれより上の謎の組織

*6 彼自身が事故を引き起こさせ、初見でいきなりゴードンらを見定め雇用した可能性もあるが、やけに落ち着いた行動や能力の便利さを考えるとおそらくどこかの段階で使っていると考えるのが妥当だろう