邪悪な儀式(遊戯王OCG)

登録日:2021/09/03 Fri 23:47:32
更新日:2024/01/18 Thu 20:19:36
所要時間:約 5 分で読めます




邪悪な儀式
通常魔法
フィールド上の全てのモンスターの表示形式を入れ替える。
発動ターン、モンスターの表示形式は変更できない。
このカードはスタンバイフェイズにしか発動できない。





「邪悪な儀式」とは遊戯王OCGの1枚。
初出はMagic Ruler -魔法の支配者-。
モンスターの表示形式の変更と再変更を封じる効果を持つ。


「モンスターの表示形式の変更」を全体に適用する効果なので、攻撃力と守備力に大きな差がある相手モンスターに対して適応して戦闘での撃破を可能にしたり、モンスターの表示形式の変更をリバース効果モンスターの効果発動のトリガーにするなどの使い方が出来る。

が、フィールドに存在するすべてのモンスターに対して強制的に適用するので、表示形式を変えたくないモンスターがいても変えなくてはならない。

表示形式の変わらないリンクモンスターを主体にするなどの対応も可能だが、それでも使いにくさは否めない、


更に言うと表示形式の変更を封じる効果だが、これは所謂「カードの効果による表示形式の変更」ではなく、
各モンスターに対して1ターンに1度行える「ルールによる表示形式の変更」のこと。
そしてこのカードを使うのは自分のターン。そのため、事実上この制約を受けるのは自分だけである。

予め出しておきたい表示形式とは逆の表示形式で出す必要がある上に、
出した後は他のカードを使わない限りは表示形式を変えられないというのも地味だがもどかしい状態である。


他にも2体以上ののモンスターの表示形式の変更で言うならば以下の様なカードがある。


カード・フリッパー
通常魔法
(1):手札を1枚墓地へ送って発動する。
相手フィールド上に存在する全てのモンスターの表示形式を変更する。

イタクァの暴風
通常罠
(1):相手フィールドの全ての表側表示モンスターの表示形式を変更する。

重力解除
通常罠
(1):自分と相手フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターの表示形式を変更する。



カード・フリッパーの場合は手札1枚のコストが必要だが、自分モンスターには効果が適用されないので自分側のモンスターの表示形式の下準備が必要ない為、使いやすさはこちらが上。

後の2枚も対応範囲がこのカードとは完全に一致しているわけではないため単純な上位・下位が決められているわけではないが、やはり罠カードゆえに相手ターンでも使えるという点で大きく水をあけられてしまっている。


そのためこれらと併用するか、区別可能な点を活かす形で使うか、いずれにせよ構築に工夫を凝らす必要があるカードである。













……さて、表示形式変更の効果に関して語る事はこれぐらいだが、このカードには最大の特徴がある。



ここで改めて邪悪な儀式のテキストを見てみると…………。






邪悪な儀式
通常魔法
フィールド上の全てのモンスターの表示形式を入れ替える。
発動ターン、モンスターの表示形式は変更できない。
このカードはスタンバイフェイズにしか発動できない。






・・・お解りいただけただろうか?





遊戯王OCGをプレイしたことのある人なら分かるだろうが、速攻魔法を除く魔法カードは通常、「自分ターンのメインフェイズ」にしか発動することが出来ない。
しかしこの「邪悪な儀式」は通常魔法でありながらスタンバイフェイズに発動するという異例中の異例な効果を持っている。
そしてテキストにある通り、そのタイミングでしか発動することが出来ないため、通常魔法としてメインフェイズに使う事が出来ない。


この発動もスタンバイフェイズに手札からポンと発動できるわけではなく、「メインフェイズに1度フィールドにセットして次のターン以降の自分のスタンバイフェイズに発動する」と言う特殊な処理を行わなければならない。(セットしてからでないと発動できない通常魔法には他に「ZERO-MAX」などが挙げられる。)
上で「邪悪な儀式」と他の例として挙げた3枚の内、「イタクァの暴風」「重力解除」の2枚の使い方の差で「罠と魔法なんだから速効性で差別化できるんじゃないの?」と思った人がいるかもしれないが、この条件から速攻性での差別化は難しい状態になっている。


「メインフェイズに発動できない」魔法カードとしてはそもそもカードとして発動すること自体が出来ない「おジャマジック」「コアキメイルの鋼核」「Z-ONE」の3枚があるが、邪悪な儀式は発動自体はできる為、それらとは決定的に性質が異なる。

「発動タイミングがメインフェイズ以外に設定されている」速攻魔法でない魔法カードは1万枚以上のバリエーションがある遊戯王においてもこのカードしか存在しない。


以上の裁定を踏まえ、最新式のテキストに直すとこんな感じだろう。

邪悪な儀式
通常魔法
このカードは手札から発動できず、自分スタンバイフェイズにのみ、セットされたこのカードを発動できる。
(1):フィールドに存在する全てのモンスターの表示形式を変更する。
このターン、フィールドのモンスターの表示形式は変更できない。


なお、上記の「セットして次のターンのスタンバイフェイズに発動」と言うのが通常の手順だが、
このカードは通常魔法なのでスタンバイフェイズ中に何らかの方法でセットできればその場で発動できる。
もっとも現状出来る方法が「砂塵の大竜巻」や「荒野の大竜巻(自分のカードを破壊した場合)」くらいしかないので、
実際に使う場合は「素早く発動する」ことよりもセット状態を相手に狙われないようにするなどの「いかに確実に発動できるか」の方が重要になる。
最近ではセット状態のカードが破壊できなくなる「天獄の王」が出てきているため、以前に比べれば発動の難易度は多少下がっている。


ちなみに通常魔法という点からD-HERO ダイヤモンドガイが使えそうに見えるが、このカードには「発動タイミングが正しくないカードの効果は発動できない」と言う裁定が下っており、このカードをダイヤモンドガイの効果でめくって墓地に送っても効果を発動することは出来ない。


スタンバイフェイズにしか発動できない点だが、はっきり言うとメインフェイズに表示形式を変更するのと使い勝手はさほど変わらない。

ただ、エフェクト・ヴェーラーの様な発動タイミングがメインフェイズとされているカードの妨害をかいくぐる事が出来、逆にスタンバイフェイズをタイミングに指定してくる妨害カードはあまりないため、リバース効果モンスターや表示形式が変わる事で効果が発動するモンスターの効果を発動する目的であれば妨害を受けにくくなるなどのメリットがある。
特にリバース効果モンスターを使う場合は、「重力解除」などではモンスターをリバースさせられないので、差別化できるポイントになっている。



【余談】


  • 後に登場した「大寒波」ではルールの例外に抵触しない「メインフェイズ1の開始時のみ発動可能」というものが設定されており、このカードの反省がうかがえる。

  • アニメDM初期ではキース遊戯とのデュエルで使用しており、こちらでもやはりOCGと同様にスタンバイフェイズでしか発動できない効果になっていた。

  • 名前に「儀式」とあるが、このカード自身は儀式魔法ではなく、また儀式モンスターや儀式魔法に関する効果を持っていない。ついでに効果も大して邪悪じゃない。




追記・修正はスタンバイフェイズに表示形式を変更させる有用なコンボを考えながらお願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 遊戯王
  • 遊戯王OCG
  • 遊戯王デュエルモンスターズ
  • 通常魔法
  • 魔法カード
  • Magic Ruler -魔法の支配者-
  • キース・ハワード

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年01月18日 20:19