俺TUEEE

登録日:2022/01/04 Tue 18:01:42
更新日:2023/05/04 Thu 23:56:39
所要時間:約 5 分で読めます







【概要】

俺TUEEE(俺つえー)とは圧倒的な強さを自覚できる状態、環境、感情などを表す言葉である。
TUEEEの E の数はまちまちであるが、大抵は3~4個、多くても5個である事が多い。本記事では3つで記述する。

ポジティブに取れば「爽快」、ネガティブに取れば「己の強さ、万能感に陶酔する」意味合いを持つ。
その性質上、批判や侮蔑の用途で使われる事がままあるが、この単語の指す定義は非常に幅広く、必ずしもネガティブなだけの単語ではない。

類語に「無双」がある。




【ゲームにおける俺TUEEE】

プレイヤーが好き放題暴れられる様子を示す。
難関や強敵をバッサバッサと薙ぎ倒す快感はまさに「俺TUEEE」の醍醐味である。

ゲームにおいては基本的にポジティブな用語であり、中にはチートを使用して楽しむケースも含まれるとはいえ、
キャラクターを育てたり、鍛え上げた装備で やり込みに対する一種のご褒美 としての意味は大きい。
いわゆる単純なレベル上げでさえ労力の見返りとして強くなれる事はプレイ意欲に大きく寄与するのだ。


無論、際限なく強くなってしまったり、簡単に強くなってしまうようではゲームの面白味が損なわれてしまうので、
RPGでは「レベルが上がるごとに必要経験値が増加」などでバランスを取ったり、
主人公のレベルを参照して難易度を変えてしまうレベルデザインを採用したりする。*1

また、せっかく強くしたキャラクターの力を存分に発揮したいというニーズも根強い事から、開発側が更なる高難易度を用意する事も多い。
強くてニューゲームのようなデータの引継ぎが一般的となっている事からも、俺TUEEEできるゲームの需要の高さが窺えるだろう。

強いてネガティブに使われるとしたら対戦ジャンルが挙げられる…が、それは「初心者狩り」等が近く、俺TUEEEは動機に過ぎない。




協力型のゲームの場合は意味に悪い意味はなくとも周囲が白けるという負の側面を持つ点は留意しておきたい。
いわゆる独壇場である。

…なお、やり込みと言っても苦行の果てに僅かな強化といった極端なものは俺TUEEEとは異なる。
そこまで行くと俺TUEEEしたいが為に、ではなくやり込むためにやり込むという賽の河原である。




【創作における俺TUEEE】

創作では主に「主人公もしくはヒロインが圧倒的な力で相手を蹴散らす」行為。
また、そこから転じてジャンルを指す用語としても扱われる。

かつて小説家になろうなどでこれと異世界と組み合わせた作品が人気を博し、一世を風靡したためか、
特に悪口雑言を厭わないような場所では「ワンパターン」等の意味を込めた侮蔑として使われる事もある。
(広義には主人公が活躍する作品ならなんでも当てはめる事ができてしまう点が拍車をかける。)
この場合はメアリー・スー、無双、チート、最強モノなどと似たような語句と言えるし、
主観的であり安易に批判に用いるべきでない点も同じである。


単語そのものの発祥がゲームか創作かは意見の分かれる所であるが、
俺TUEEEという要素そのものは古今東西普遍的に人気のあるテーマであり、こちらもやはり悪い意味ではない。
読者や視聴者に対しシンプルかつ力強い爽快感を与えるものであり、特に強敵を打ち倒すという流れは訴求力が高く、それらは黄金比とも言うべき王道ジャンルでもある。

この圧倒的な力とは暴力に限った話ではなく、能力を発揮できればなんでもよい。
「医療」「料理」「内政」などをテーマにした題材を想像して貰えれば分かるが、
天才的な手腕を発揮して悪を蹴散らしたり、事態を改善して称賛を得る展開は多くの読者の心を掴んで離さないものなのだ。



もちろん主人公が矢鱈滅多に無双と称賛を繰り返すだけでは物語に発展性がないので、
様々な作品でより俺TUEEEの味を活かすために様々なリスク的な要素を織り交ぜたり、他の要素を活かすために俺TUEEEを用いている。

  • 無視できない代償や条件を持たせる
  • 致命的な弱点を作っておく
  • 脇役を守らせるなどで制限を加える
  • 脇役やサブキャラ主体で進行する
  • そのTUEEE要素とは別の分野を主体にする
  • ギャグや恐怖感に訴えるなどで異常性を強調する
  • そもそもギャグ作品にしてしまう
  • TUEEEよりキャラクターの掛け合いをメインにする
  • エロをメインにする

…など。
また諸刃の剣ではあるが、

  • 頻繁にピンチに陥る
  • 主人公を制御できるキャラを作る
  • 主人公以外の味方がバタバタ死ぬ

といったものもある。
これらは 醍醐味である爽快感を大きく損なう危険 があり、俺TUEEEの中でも特に作者の手腕が問われるが、
世の中の名作と呼ばれるものはこれらの舵取りが上手いことが非常に多い。


創作論での俺TUEEEの例としてしばしば挙げられる水戸黄門も、中身を見てみると、
実はレギュラーの尺は思ったより多くなかったり(勿論話によるが)、物語ごとのサブキャラから始まる回が多かったり、
基本的にサブキャラのドラマがメインであり、俺TUEEEたる懲らしめは基本的に解決直前のみ…といった具合である。
というか一行がピンチに陥る事も割と多かったりもする。珍妙なギャグ回もある。

このように人気ある俺TUEEEには確固たる下地があり、それを活かした工夫があるのだ。


思わず「ん?」と言いたくなるだろうが、あのチャージマン研も俺TUEEEの要素の強い作品である他の要素の主張がヤバすぎるだけで。
何事も調理方法次第という事だろう。




【敵もTUEEE】

俺TUEEEと呼ばれるジャンルにはもう一つ王道パターンがある。

それはTUEEE

単に敵TUEEEだけだと一方的にしかならないが、 両者が恐ろしいまでに強い となると読者や視聴者を否応なく燃え上がらせる。
歴代のジャンプなど少年漫画を漁ればもはや例を挙げる必要すらないだろう。
これに加えてライバル、ラスボス、宿命の対決といった要素は 幾多の読者を魅了してきた王道パターン なのである。


話が前後するが、これはゲームも同じ事が言える。
手応えを求めるゲーマーがやり込み等によって極限まで強くしつつマゾい更に高い難易度を求める事は珍しくない。
そうでなくとも自分も敵も圧倒的な力で大暴れというのは大抵語り草になるほど人気が出やすい。
…思い出したくないというケースもあるにはあるが。





追記・編集は俺TUEEEしたいんであって敵YOEEEじゃねェ!

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最終更新:2023年05月04日 23:56

*1 やり過ぎると反感を買うのだが。