水戸黄門

登録日:2016/01/10 Sun 01:00:14
更新日:2025/03/07 Fri 14:25:25
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この紋所が目に入らぬか!

畏れ多くも前副将軍(さきのふくしょうぐん)

水戸光圀公にあらせられるぞ!

『水戸黄門』とは幕末に創作された講談の演目であり、後世ではこれを元にした時代劇なども演じられている。
元々は『水戸黄門漫遊記』という題名で数多の舞台や映画化がされていたが、現在ではもっぱらTBS系列で放送されていたテレビドラマ版の題名である『水戸黄門』と称するのが一般的。

本項ではこのテレビドラマ版を中心に、各種メディアミックス作品について解説する。


概要

徳川御三家の一つである水戸藩の先代当主・水戸光圀が素性を隠し、家臣の2人と共に諸国漫遊をしながら悪人を懲らしめる勧善懲悪のストーリー。

テレビドラマは一貫して松下グループ(現:パナソニックグループ)の一社提供枠である「ナショナル劇場」→「パナソニックドラマシアター」で、1969年8月から毎週月曜20時に放送された。
製作は株式会社C.A.L.が担当し、東映が制作協力で関わっている、この体制は同枠で放送された『 大岡越前 』『 江戸を斬る 』『 翔んでる!平賀源内 』といった他の時代劇も同様だった。

主要人物は実在する人物をモデルとしているが、家臣などの名前に関しては元の名前がわかる程度にもじってある。
人名のもじりはこの手の創作でしばしば見られるパターンで、
他に有名な物としては赤穂浪士の討ち入りを題材にした歌舞伎の演目『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』の登場人物で「大石(おおいし)内蔵助(くらのすけ)」をモデルにした「大星(おおぼし)由良助(ゆらのすけ)」などがある。

戦前から戦後にかけて上映された映画作品『水戸黄門漫遊記』は複数シリーズが出ており、多くはお家騒動に巻き込まれたり、お犬様を偏重する五代将軍・徳川綱吉を諫めたり、暗殺者に狙われたりなどのシリアス作品だが、中には偽黄門一味が主人公のコメディーもあったりする。
映画作品は特に1950~60年代に公開された月形龍之介主演のシリーズが有名だが、悪代官や悪徳商人のみならず人食い狒々や巨大ゴリラと戦う怪獣映画や、本物の化け猫や怨霊が登場するオカルトものといったキワモノも存在する。

TBS版は初期こそ人間の悲喜こもごもを描いた群像劇の形をとっていたが、高齢の視聴者から「自分たちは1週間先の番組を見られるまで生きていられるかわからない」という声があったためか、
次第にシンプルなストーリーにパターン化していき、「変わらない安心感」「大いなるマンネリ」の代名詞としてしばしば引き合いに出される。
よくも悪くも「アホみたいに強い助さん格さん」「百発百中の弥七やお銀」「最強のコネクションことご老公」の三大戦力が悪代官その他悪者を蹂躙して被害者たちを助けていくストーリーで、相手が悪代官でなければよく考えると無理矢理な話も割とあったりする。
なお、同時代の赤穂藩に水戸光圀に負けないほどの有名人である大石内蔵助が実在していたため、光圀一行が赤穂藩に立ち寄る事は長い間なかったが、第28部24話(2000年8月28日放送)では『水戸黄門』放送通算900回記念として、初代格之進役の横内正が演じる大石内蔵助が登場し、光圀との共演が実現する運びとなった。第42部15話(2015年1月31日放送)では市川右近演じる内蔵助が登場し、終盤の大殺陣では光圀一行との共闘が実現している。

また、かつてはプロ野球中継と並んで居間のテレビを乗っ取る常連でもあった。
子供時代、家族にテレビのリモコンを取られて泣きを見た経験のある人も多い事だろう。

1978年には、10周年記念としてTBS版第9部のキャストで劇場版も公開されており、加賀藩のお家騒動から端を発した藩乗っ取りを防ぐために水戸藩から加賀藩へ向かうという1シーズンを濃縮したような内容になっており、劇場版ならではの広大な屋外ロケや大規模なセットでの殺陣など、見所の多い作品となっている。
この劇場版と、いろいろとカオスで有名な教材ビデオ『水戸黄門のお年寄りの交通安全』(1997年制作、キャストはTBS版第22~28部と同じ)は東映が著作権を持っており、現在では東映側の配信サービスで視聴可能となっている。

長年TBSの看板番組として親しまれてきたが、2011年12月に惜しまれつつ終了した。
番組が終了した理由は唯一のスポンサーであるパナソニックの都合による物で、視聴率不振のためではない。
それどころか2000年代後半には、この番組の再放送がTBSの全日視聴率1位になることもしばしばあった。
番組は特にお年寄りに大人気だったが、お年寄りはパナソニックの主力製品であるテレビを買う事が少なく、「『水戸黄門』の合間にCMをいくら流しても宣伝効果が薄く、費用対効果が見込めない」としてスポンサー撤退を決断したのが理由である。

TBSとしても人気番組を打ち切る事に心苦しい物があったようで、2015年には複数社提供のスペシャル版という特番形式で復活し、2017年と2019年にはBS-TBSで新シリーズが放送された。

地上波のレギュラー放送終了後も、全国各地で平日の昼前か夕方に再放送されていたが、2010年代に入ってからは報道・情報番組の需要が高まったためか減少傾向にあり、現在はBS-TBSおよびCSの「TBSチャンネル」での再放送が主流となっている。

【作風】

ストーリーを大まかに説明すると、

  1. 旅の途中、今回の目的地で悪党に絡まれた庶民を見つけ助ける(場合によっては既に瀕死状態で、一行に後を託して息を引き取る者もいる。シリーズの初回に多い)*1
  2. 助けた庶民と親しくなり、今抱えている問題や苦難やトラブルなどの事情を教えてもらう。
  3. 困った人を放っておけない光圀が協力を申し出て解決に乗り出す。
  4. あらかじめ誰か(弥七などの隠密が多い)が悪党の一味に探りを入れ、証拠を集めた上で光圀一行が乗り込むか、邪魔者の出現に業を煮やした悪党が強硬手段に出る。借金の支払いや武家へのお目見えといったタイムリミットがある場合はその当日となる。
  5. 襲いかかってくる一味を制圧してから印籠を見せつけ、身分を明かす。
  6. 邪魔者の正体が光圀と知らされた悪党は手下含めて一同ひれ伏し、罰される事になって万事解決。一行は次の目的地へ旅立つ大団円となる。

といった感じ。

話の序盤にも軽く殺陣が披露される事も多いが、終盤には必ず殺陣が披露され、大立ち回りになる。一行は圧倒的な強さを見せつけ、相手をバッタバッタと倒しまくる。
そして雑魚たちを大方制圧した所で印籠を見せつけ、悪人どもが震え上がって土下座するまでがパターン。光圀は悪人どもに「藩主殿が裁きを下すから覚悟しておけ(大意)」などと言いつけ、一件落着となる。

第1部で初めて印籠を見せた際は光圀が自ら印籠を見せて素性を明かしていたが、
途中から格之進が印籠を受け取って見せるようになり、第14部以降は格之進が印籠を出す事が定着した。

なお印籠自体は身分を示すための物ではなく、いわば旅行用の携帯薬箱で、一定の身分以上の人物が使う事を許された道具である。
作中で身分を明かすための道具として使われている理由は、単純に「家紋が入っているから」に過ぎない。
三つ葉葵は徳川家の者しか使えない紋所であるため、「三つ葉葵の紋所の入った印籠を持っている=徳川家の者」という証明になっている(ちなみに光圀や格之進も、作中では実際にあの中に薬を入れており、時折病人に薬を渡す際に家紋の部分を上手く隠しながら薬を取り出す場面がある)。

各話で出てくる悪人には様々な者がいるが、悪徳商人、悪代官、悪奉行、悪家老などが多い。
いずれのケースでも初期を除いて藩主(大名)は悪者として描かれず、「光圀とは参勤交代の際に顔を合わせている」という設定がパターンとして確立されている。
藩主は大抵善良な人物であるが、病気療養中や参勤交代で領地を離れて江戸にいるなどの事情で家臣の監視が疎かになっており、役目を代行する家老などの悪事を見逃してしまっている事が多い。
まれに藩主の乱行により藩の取りつぶしまで行ったり(当然行うのは幕府の決定による物だが)、藩主の横暴に対して直々に痛い目を見せたりしている。
また目に余る乱行を行った藩主には、公儀による藩の取りつぶしを盾に藩主の座を息子に譲らさせ強制隠居させるなど、やる時は容赦なく処断する(それでも即座に藩の取りつぶしではないだけ、また温情ある裁きである。何せ実際の江戸幕府は大名の力を削ぎ天領(幕府直轄領)を増やすために、鵜の目鷹の目で大名の落ち度を探していたのだから)。

また、まれに公家やオランダの南蛮商人など、身分や国籍の関係で光圀に頭を下げない者もいたりする。
この場合は、光圀は彼らよりも地位が上の者(上位の公家・当時の南蛮商人たちの元締めであるオランダ商館の関係者*2・オランダ国王など)にあらかじめ彼らの悪事を伝えていて、取り次ぐ形で呼び出して彼らの処遇を委ねる形になる。

このケースは、ネット上では「麻呂(麿)」の呼び名で有名な一条(いちじょう)公麿(きみまろ)三位(さんみ)(第18部23話、演:菅貫太郎)と、その元ネタといえる六条(ろくじょう)公麿(きみまろ)三位(さんみ)(第10部15話、演:蜷川幸雄)が代表例。
彼は印籠を見せられても「麿は(みかど)(すなわち天皇)の臣であって徳川の家来ではおじゃらん!」と開き直り、「その麿の屋敷内で狼藉(ろうぜき)を働くとは言語道断!この事直ちに帝に言上(ごんじょう)致し、きっと公儀に掛け合うてくれるゆえ、心しておじゃれ!(現代風に言えば「私の屋敷に勝手に押し入って暴れるとはとんでもない話だ!この事を今すぐ天皇に言いつけて、表沙汰にして裁いてやるから覚悟しろ!」)」と完全に自分の悪行を棚に上げて、光圀一行を一方的に朝廷に楯突く逆賊扱いしながら、幕府と正面からぶつかり合うのも辞さない勢いで脅しつけた。
なお、一行で一番地位の高い光圀と一条(六条)三位はどちらも従三位中納言であり、官位の上では“同格”なので一条(六条)三位が頭を下げる必要はなく、それゆえに光圀も自分の理解者であり一条(六条)三位より官位が上の菊亭(きくてい)左大臣(さだいじん)今出川(いまでがわ)公規(きんのり)(キャストは第10部が有島一郎、第18部が加賀邦男。なお設定上は、第16部と第23部に登場した梅小路(うめのこうじ)大納言(だいなごん)定矩と同一人物である)に取り次いで、裁きを委ねる事にした。
第18部23話では、こうして菊亭左大臣が事前の報告を受けて「さて、それはどうかな?」とその場に現れ、一条三位の悪行とその往生際の悪さを「公家の面汚しじゃ!」と一喝した上で「この上は身を清め、帝の沙汰を待つがよいぞ(現代風に言えば「おとなしく罪を認めて、天皇からの処分を待て」)と告げたため、一条三位も観念せざるを得なくなった。

なお元ネタに当たる六条三位の方は、第10部の冒頭で菊亭左大臣を失脚に追い込んだ黒幕として、姻戚関係を結んだ上位公家の広幡右大臣(演:金田龍之介)がいた。第10部15話で、光圀は広幡右大臣の名前を利用して六条三位を誘い出した上で悪行を糾弾するが、やはり「麿は徳川の家来ではない、帝の臣じゃ!その麿に向かって狼藉を働けば朝敵じゃ!謀反人・逆賊と呼ばれても言い訳はできまいな!そればかりではない、畏れ多くも広幡右大臣様の御名を騙り麿を呼び出すとはなんたる事じゃ!この事直ちに帝に申し上げ、公儀に掛け合うてくれるゆえ、さよう心得られよ!」と反抗。そこに光圀の助けで朝廷に戻ってきた菊亭左大臣が現れた事で追い詰められ、駆けつけた手下の役人たちとの大殺陣のどさくさに紛れて逃亡を図るが失敗、菊亭左大臣の手で朝廷に突き出された。そして広幡右大臣の方も、後日に六条三位に連座する形で罪を暴かれ、右大臣の職を辞任した上で出家した事が光圀の発言で判明している。

公家の悪党では、他に第38部9話に登場した近衛少将・東北条基近(演:渋谷哲平)も同様に「何が徳川じゃ、田舎侍にとやこう言われる覚えはないわ!」と武士とは埒外の立場にいるとして反抗したばかりか、「控えるのはお主らの方じゃ!」とあろう事か光圀たちに平伏を迫る始末だったが*3、この時は「浮世捨八郎」の偽名を使い敦賀で隠遁生活を送っていた大納言・九条良房(演:中村梅雀)が光圀たちに協力し、基近の悪行を天皇に報告して公家からの追放を言い渡す天皇からの勅命を以て、基近の官位を剥奪した上で断罪している。

なお前述の通り、光圀自身も朝廷内部では従三位中納言の官位にあるため、中納言より官位が低い公家相手であれば、直接この官位を用いて屈服させる事ができる*4
そもそも「黄門」とは中納言の別名「黄門侍郎」の事である(中国で皇宮の門が黄色に塗られていた事から、皇宮の中から外へ勅命を下す地位に当たる)。

また、各シリーズ第1話や最終回など江戸が舞台となる話では、作中における光圀の最大のライバルである 柳沢吉保 *5や堀田備前守を始めとする将軍家直参の臣下(老中・御家人・旗本・大奥関係者など)が敵方となるケースが主で、その場合は大っぴらには追求しない代わりに極力事を荒立てない搦め手で悪事を暴き、その最終的な断罪も基本的に大目付や、時に五代将軍綱吉に直接委ね、光圀は主に悪事に加担した他の諸藩の悪党や商人を断罪する形になっている。
この都合で、綱吉と柳沢吉保には「どうせまたお前のせいだろうけど…はぁ」みたいな面倒臭いキャラがすっかり定着している。

他に 第28部17話 第38部5話 では、あの八代将軍徳川吉宗の若かりし頃である徳川新之助(徳川源六*6)と出会い、彼と協力して現地の与力や勘定奉行らの悪事を暴き出し、成敗している。メタ的な視点では、この時の光圀との経験が後の『暴れん坊将軍』の原点になったとも解釈できる秀逸なエピソードである。
一方で『暴れん坊将軍Ⅷ』の第10話()では、当時隠居の身だった水戸藩三代藩主・徳川綱條*7(演:神山繁)が当時江戸で出版されていた『水戸黄門漫遊記』に触発され、「自分も叔父のようになりたい」と御用人の古田介乃丞(演:住吉正博)と永井鶴右衛門(演:藤沢徹夫)を「介さん・鶴さん」として伴い、お忍びで江戸を訪れる展開が描かれている。そしてそこで徳田新之助として街に出ていた吉宗と鉢合わせして互いに慌てまくったり、幕閣復帰を目論む水戸藩の江戸家老に謀殺されかけ危ない目に遭ったりしていた。

そもそも、封建制社会では室町幕府の侍所別当、江戸幕府の大目付のように大名の監督の担当者か、正式な後見人(生駒騒動では藩主の叔父・藤堂高次、伊達騒動では大叔父・伊達宗勝)でもない限り、いかに悪政であってもよその藩の政治に介入する事は違法であり、近隣の藩に集団逃亡する人間が出てようやく「他領にも問題が波及した」と交渉のテーブルに持ち込めるのがルールである。寧ろ、自領に火の粉が掛からない範囲で悪政を働いてくれていると、「あそこの藩よりはうちの殿さまはマシだ」と領民の支持率の向上につながる一面もあるからである。格式が高い大名家とはいえ、よその元藩主が政治干渉していたら幕藩体制そのものが崩壊しかねない。

【主な登場人物】

他にも各シリーズごとの準レギュラー的キャラクターが多数存在する(詳細は こちら を参照)。

水戸(みと)光圀(みつくに)
我らが黄門様でご老公。主に「越後の縮緬問屋の隠居・光右衛門」と名乗り、諸国漫遊の旅を行っている。ちなみに「縮緬」とはちりめんじゃこではなく、表面に細かい凹凸がある絹織物の一種。また石坂浩二が演じた時には「江戸の太物問屋の隠居・光右衛門」か「江戸の戯作者・日進斎*8」と名乗る事も少なくなかった。
白い髪と整えた髭が特徴で、芥子色に近い黄色い着物と頭巾、灰色の袴、紫のちゃんちゃんこがお馴染みのスタイル。ナレーターからの呼称が「光圀」→「水戸老公」→「ご老公」→「黄門様」と時代によって変わっていたりする。

性格はお節介焼きの頑固者で好奇心旺盛。割と突拍子ない提案をしては助格に「遊興(酔狂)が過ぎます」と窘められる。まあ聞き入れはしないが。
意外と短気且つへそ曲がりな一面もあり、年寄り扱いされたり、「ケチ」や「頑固者」と言われると大抵怒る(ただしアキの「じいじ」やゲストの女性や子供の「お爺ちゃん」「お爺さん」呼びには寛容)。
そして怒って一人で行動した結果、崖から落ちて農家の娘に助けられたり、野盗に拉致されたり、食い道楽のしすぎで腹を壊すなど、しばしば危険な目に遭っている。
キャストによって性格が異なるが、これらは役者が光圀のイメージを崩さずなおかつ新たな光圀像として受け入れられるように考えて練った物であり、どの俳優も四苦八苦したらしい。
光圀を演じた俳優が過去のシリーズに別キャラの役で出ている事があるが、これは後任を選ぶテストも兼ねているとか。
多くの歌舞伎役者やスター俳優が演じてきた映画時代の『漫遊記』からは一転、TBS版では初代・二代目と悪役が専門だった俳優が光圀を演じているが、三代目の佐野浅夫から善人役を多く演じてきた俳優が演じるようになった。

大殺陣での悪人との戦闘は専ら助格に任せているが、戦闘中は主に女性や子供を壁際に避難させて守っており、近づく雑魚は杖を用いた棒術で追い払ったり、黒幕に一撃加えて制裁するなど、腕っ節もそこそこ強い。ちなみに杖には刀を仕込んでいる。他にも時に火縄銃や長弓を扱う事もあるが、いずれも秀でた腕前を披露している。
キャスト次第で動きの派手さは変わり、特にキャストが里見浩太朗の時は助格並みか、それ以上に大殺陣での見せ場が多い(芸歴を考えれば至極当然ではあるが)。歴代助格よりも圧倒的に殺陣が上手いといわれ、「武闘派黄門」と評されたほど。決して読売屋の居候ではないし、二刀流で自ら悪人を斬ったりはしない*9「もう少し若かったらやりかねなかった」とか言わない。

悪人を成敗し、全てが丸く収まった時には独特の高笑いをするのがお約束となっている。…が、この笑い方も歴代のキャストは大変苦労したらしい。
初代の東野英治郎は笑い声が確立できず、そのストレスから共演者や周囲のスタッフに当たり散らし(初期の役者は殴られた事もあるとか)、見かねた息子の東野英心が付き人になって笑い声の考案に協力するなどし、3年かけてようやく笑い方を会得し、
二代目の西村晃も散々悩んだ挙げ句に独特の発音を交えた笑い方(ほっほっほ…の「ほ」と「っ」の間にごく僅かに「ぁ」を含めるような発声との事)を会得した。

身分を明かす前の肩書きが「越後の縮緬問屋の隠居」なのは、史実で実際に光圀が越後産の縮緬製品を愛好していた事に加え、越後国を含む日本海側の地域が北前船の交易や佐渡金山など、諸藩だけでなく幕府にとっても重要な資金源となる産業が盛んで日本でも有数の豪商の地とされ、その越後の商人の隠居と名乗っておけば「豪商の元親方で大金持ちが付き人を連れて旅をしている」イメージで通せるからである。なお、現代風の言い方で置き換えれば「大商業都市(新潟)のアパレル企業の会長(元社長)」といった感じになる。
当然、越後でその肩書を名乗ると現地の住人から訝しげられるおそれがあるため、越後及びその周辺の土地においては、同じく縮緬の産地で有名な丹後や、水戸など別の地方の縮緬問屋の隠居、あるいは「京(または江戸)の和菓子屋の隠居」などと名乗っている。

モデルは言わずと知れた、水戸徳川家二代目当主(第二代水戸藩主)の徳川光圀公。
なお、徳川幕府に副将軍という地位がある訳ではなく、「(さき)の副将軍」とは徳川御三家である水戸家が「天下の副将軍」と呼ばれていた事に由来する(当主の地位を降りたから「前水戸家当主」=「前副将軍」である)。
なお、官位は慣例的に「の」を省略表記できるため、「前副将軍」でも「さきのふくしょうぐん」と読める。

佐々木(ささき)助三郎(すけさぶろう)
水戸藩士にして光圀のお供その一。軟派な遊び人気質の色男で、女性にモテモテなのが特徴。城での堅苦しい生活が嫌いで、気ままな諸国漫遊の旅を好んでいる。光圀曰く「名前通りの助平の遊び人」、八兵衛曰く「助平の助さん」。
悪人どもに印籠を示すシーンでは向かって左に立ち、刀を斜めに構える。なお、初期には格之進ではなく助三郎が印籠を出した事もある。

なお助三郎自身もキャストによって性格が異なる。
シリーズによって異なるが、二代目の里見浩太朗・五代目の原田龍二・六代目の東幹久が演じる助三郎は作中で結婚している*10
一方で、三代目のあおい輝彦が演じる助三郎は、軟派な色男ぶりが強調された独身貴族ならぬ独身士族である。ついでに歴代助三郎の中で一番女好きで、光圀に無断で八兵衛と遊びに行く事も多々ある。
八兵衛ほどではないが一言多い一面もあり、些細な事をきっかけに光圀の機嫌を損ねたり、臍を曲げさせてしまう事がしばしばある。
反面、遊び好きな一面や、特に二代目の里見助三郎は妻の志乃*11との仲を、光圀や八兵衛にからかわれてしまう事も多い。
また、為替両替(旅費の調達)などの大事な役目を任されて一時的に一行を離れた際に、八兵衛や行きずりに出会ったゲストの遊び人の甘言に唆されてつい羽目を外してしまい、遊びにうつつを抜かした結果肝心の用事を忘れてしまったり、遅刻するなどで光圀らに手間を取らせる事態になり、最終的に遊び呆けている所*12を偶然お銀/お娟に見つかったり、遊んでいた旅籠や料亭に光圀らが来てしまうなどで遊んでいた事がバレて、こっぴどく叱られてしまう事もしばしばある(特に三代目のあおい助三郎や五代目の原田助三郎などに多い)。BS-TBS版の財木助三郎は主に光圀の講釈に対してのツッコミ役だが、八兵衛の食い意地も受け継いでいる。
また第42部で一部設定が刷新され、「代々水戸藩の祐筆(藩主の秘書的な職務)を勤める家柄で光圀の側近」という設定になった。

素手で戦う事も多いが、終盤の大殺陣では自前の脇差し、または雑魚から奪った日本刀による峰打ちが多い。シリーズによってはやたらと棒を使う事もあった。
飛んできた矢を刀で払い落とすなど、剣術の腕だけなら格之進をも上回る達人で*13、初期には一度剣客に剣術勝負で負けた格之進が、リベンジのために助三郎に指導を乞うた話もある。
反面、スタミナや筋力では格之進よりは劣るため、剣を使わずに豪腕を武器とする巨漢を相手にする際には、正面から渡り合おうとせずに周囲の地形や物を駆使した戦法を用いる。
基本的に普段から光圀の側で活動するが、後述の格之進同様、悪党一味に剣豪として潜入するエピソードでは光圀の側を離れて潜入捜査を行う。

モデルは水戸藩士にして水戸藩の修史局・彰考館の総裁を務めた儒学者・佐々(さっさ)介三郎(すけさぶろう)こと佐々(さっさ)宗淳(むねきよ)で、史実でも剣の達人だったという。

渥美(あつみ)格之進(かくのしん)
水戸藩士にして光圀のお供その二。助三郎とは対照的に硬派で実直な性格。諸国漫遊の旅においては、助三郎と共に越後の縮緬問屋の番頭(もしくは手代)を装っている。光圀曰く「見た目の通りガチガチの頑固者」、八兵衛曰く「堅物格さん」。
悪人どもに印籠を示すシーンでは向かって右に立ち、懐から印籠を出す役目。

また旅の間の道中日誌を書くのも役目で、特に五代目の合田雅吏が演じる格之進はよく日誌を書くシーンが挿入されている。
なお「格之進が日誌を書く」のは初期の頃から決まっており、三代目の伊吹格之進はたまに、初代の横内格之進もごくまれに日誌を書いているが、後者は激レア映像レベル。
これは、助三郎と格之進は武士の身分上では助三郎の方が上役なので、光圀一行の武士の中では一番下である格之進が日誌を書く事になっているためである(ただし第42・43部では、職務の関係で助三郎が道中日誌を書いている)。
またその性格上、光圀一行の中でブレーキ役になる事も多く、他のメンバーに振り回されて苦労する様子もしばしば見られた。

初代の横内格之進には「幼少時に父親が悪人に謀殺されて光圀に育てられた」という主人公っぽい設定があり、助三郎より目立っていた。
ちなみに初代は妻子持ちで「格之助」という息子がおり*14、二代目にも一応妻子の設定は引き継がれているが、三代目以降は基本独身で、母親の多加(演:高峰三枝子)からしばしば縁談を勧められて辟易する様子が見られた*15
しかし、六代目の的場浩司が演じた格之進は最終回スペシャルにおいて光圀の旧臣・安積厳兵衛の婿養子となり、厳兵衛の娘・深雪と結婚して長女・さえ、長男・平太郎(さらに深雪は第三子を妊娠中)という家族がいる設定となっている(ちなみに、この時厳兵衛を演じたのは初代格之進役の横内正である)。つまり、この時の正式な氏名は「安積格之進」であると思われる。
また四代目の山田格之進は「足軽上がりの新参者」「未熟者なので時折ミスをやらかす」という設定があり、特に助三郎とは明確な上下関係があった。
後者については六代目の的場格之進にも反映されているが、こちらは未熟というよりは元来の生真面目な性分ゆえに早とちりしやすく、勘違いから騒動を起こしてしまうなど、考えるよりも先に手が出てしまう悪癖がある(いわゆる脳筋)という形になっていた。
こちらも第42部で一部設定が刷新され、「水戸藩の命を受けて光圀を警護する」という設定になった。

殺陣のシーンでは柔術を使って悪人をなぎ倒す事が多いが*16、剣術の腕も助三郎ほどではないが超一流。剣豪に扮して悪党一味に潜入する時などに、その腕前が披露される。
また、刀剣以外にも一通りの武器をオールマイティに使いこなせるため、大殺陣の最中に雑魚から奪い取った・薙刀・角棒・六尺棒・金棒・錫杖・火縄銃などの武器を用いて戦う事もある。また、中期のある回では助三郎と共に悪党一味に潜入する際に、刀を用いる助三郎に対して槍を用いて互角に渡り合った事から、武器の中では槍が一番の得意である模様。
二代目の大和田伸也までは体術と剣術の両方をよく使っており、また敵を豪快に投げ飛ばしたり、回し蹴りを繰り出すなどやや誇張された感のある戦いぶりだったが、体格のいい三代目・伊吹吾郎に替わってからはさらに見映えのする(実際に即した)柔術がクローズアップされ、さらに飛猿が登場してからは、やや誇張された感のある豪快な力技は、彼や鬼若などの怪力タイプのキャラが行うようになった。
また、これ以降は劇中で幾度か「そなたは剣術よりも柔術が一番の得意手であるか」と各地の達人たちに指摘されているほか、飛猿や鬼若といった怪力キャラ不在のシーズンなどのおける相撲大会などの格闘技の腕や力自慢を競う場などでは光圀一行の主力的な立場になる事が多くなる。
歴代格之進によって見せつける時の印籠の持ち方が違い、五代目格之進の合田雅吏はかっこよく見せるために鏡に向かって延々とポーズの試案をしていたとの事。

モデルは水戸藩士にして水戸藩の修史局・彰考館の総裁を務めた儒学者・安積(あさか)覚兵衛(かくべえ)こと安積(あさか)澹泊(たんぱく)。こちらは史実では武術に秀でたという記録はないが、その一方では学術に秀でた人物だったらしく、彼の死により大日本史の編纂は一時停滞したというほど影響が大きかったとされる。

風車(かざぐるま)弥七(やしち)
最初期からのレギュラーキャラ。
第3部で、「伊賀は名張出身の忍者だったが、当時の頭領だった叔父の弥平次*17(演:武藤英司)の盗みの罪をかぶって抜け忍になった後に義賊をやっていて、光圀の情けで足を洗った後は隠密として仕え始めた」というなかなか複雑な経歴の持ち主である事が明らかになっている。
風車のついた棒手裏剣がトレードマークで、通り名の「風車」はこれに由来する。またこの棒手裏剣は武器としてだけでなく、牢屋などの鍵を開けるピッキングにも使える万能ぶりを誇る。
飄々とした性格だが根は熱く、常に弱者の味方で困っている人を見過ごせない好人物。うっかり八兵衛は義賊時代からの押しかけ弟子で、「親分」と呼ばれて当初は嫌々だったが、後に受け入れた。

ちなみに普段所持している風車の棒手裏剣の数は4本…なのだが、作中では割とそれ以上投げまくっている。
光圀一行とは別行動を取っている事が最も多く、姿を見せずに伝書を風車の棒手裏剣に結びつけて飛ばし、光圀たちに情報を流す事も多い。また渡世人風の出で立ちを活かし、賭場などに潜入して情報収集を行ったりもする。
大殺陣などの戦闘では普段と同じ格好のまま、霞玉や短刀、風車の棒手裏剣を使って戦う。
まるで仮面ライダーのようなアクションが多く、初期では空中二回転して現れる(ごくまれに三回転もあり)。
なお初期の頃は、悪党の屋敷などに潜入する際には頬被りと忍び装束を着用している事が多い。
助格の両方が敵の一味に潜入する際には、姿を隠さず光圀の側についている事もある。
なお、第27部を最後に設定のリセットで一旦姿を消しており(ただし、一応1000回記念スペシャルなどでは存在が示唆されていた)、二代目弥七は旅の途中(第37部11話)での初登場だったが、「久しぶりの再会」といった描写は全くなく、あたかも最初から道中を共にしていたかのように描かれていた。また二代目以降は隠密としてのスタンスが強められており、敵方の情報を伝える時以外はほとんど光圀一行の前にさえ現れず、単独行動を取る事が多い(性格面でも寡黙・朴訥な印象が強く、一行との馴れ合いも少なく、軽口を叩く事もあまりない)。

うっかり八兵衛(はちべえ)
ご存じ食いしん坊のうっかり八兵衛。知名度の高さでは光圀一行の中でもトップクラスだろう。
初登場は第2部で、一行から財布を掏ろうとした所を助格に捕まり、そこから勝手に「親分」と慕う弥七の追っかけをしているうちに光圀一行に加わった。普段は西山荘に住み込んで奉公人をやっており、このため家事が一通りこなせる。「こいつぁうっかりだ」が口癖で、冠称もこれが由来。

一行の中では唯一の平民で、武士だらけの一行のカムフラージュ的な役割。光圀からは平民視点を特に気に入られている。
メンバーの中では特に助三郎と仲がよく、片や女遊び、方や食い道楽が高じてこっそり宿を抜け出して遊びに行く事も多い。
助格からは「八」と呼ばれており、お新やお銀・飛猿からは「八っつぁん」、志乃などの女性準レギュラーからは「八兵衛さん」と一応敬称づけ。

食い意地の汚さには定評があり、「食べ物に関する事になれば目がない」「八といえば食い物」と評されるくらいご当地名物(ただし食べ物限定)を語らせれば右に出る物はおらず、よく食べすぎで腹を壊して怒られる。また各回の冒頭では滞在する土地の名物の講釈(やはり食べ物限定)を始めたり、初期の話ではよく地元の民謡を口ずさむシーンが見られた。一方で、一行が野宿を強いられた際の山菜取りでは、食べられる野草を判別するなど意外な才能を発揮したほか、その食い意地のおかげで一行の危機を救った事も*18
ただ食べ物以外の名物への関心は薄い模様*19。他に、物売りや芝居小屋の呼び込みや口上などの言葉を活かす場ではその陽気な性格や饒舌さをフルに活かし、多くの人を呼び集める才能を見せている。
基本的に色気より食い気だが、色気にも割と釣られる。だいたいトラブルメーカーで、場を読まない発言で光圀の機嫌を損ねてしまう事もある。
臆病で武芸もからっきし(弱いというイメージが強いが、これでも元盗賊なのでそれなりに場慣れはしており、『素手の相手』『一対一』の条件であれば勝てるだけの最低限の喧嘩の腕はあるほか、周囲の物を手当たり次第に使って立ち回ったりもする)だが、一方で身を挺して弱者を守ろうとする気概と正義感も持ち合わせている*20
大殺陣の時は、基本的に弥七たちが捕縛した悪党を証人として連れてくるか、巻き込まれた一般人を避難させるのが主な役目。また、悪代官らに反発した民衆などの多数のモブが参加する大殺陣などでは群衆の先導役に立って最前線で戦ったり、助格・弥七不在時に光圀が狙われた時は、光圀を庇いながら敵に立ち向かっている。他に、大殺陣の場から逃げようとする臆病な敵方の主要人物(主に悪徳商人のドラ息子)を捕まえてぶん殴る制裁を加えたりもする。
3回ほど印籠を出した事もある*21が、そのうち1回(第7部31話)は「お控えなさってぇ~、お控えなさってぇ~!」という芝居がかった滑稽な言い回しと、あまりにも締まらない出し方だったため、「それでは場が締まらない」と見かねた格之進に印籠をよこすよう言われた上やり直されてしまった*22
様々な理由により「越後の縮緬問屋の若旦那」を装うエピソードが1シリーズに1回くらいの頻度で出てくるが、大抵は事件に巻き込まれ「もう若旦那は懲り懲り」となって終わる。この時は、光圀が「若旦那のお目付役の爺や」に扮する事もあった。
また、光圀一行を窮地に陥れた悪党を一人で撃退して一行に見直される夢を見たり*23、不思議な薬(実はただの胃薬で、いわゆるプラシーボ効果である)を飲んで悪党を蹴散らすエピソードもある。

第28部終了後、設定のリセットによる空白期間を経て(その間も八兵衛と似たスタンスのキャラクターが登場したり、八兵衛自身も1000回記念スペシャルで一度登場した事がある。詳細は後述)、
第40部で久々に登場した際には同じ名前を持つちゃっかり屋を養子としており、二代目八兵衛の「ちゃっかり八兵衛」として光圀一行のお供に同行させたほか、2011年12月19日放送の最終回スペシャルでは諸国の旅で得た経験を活かして、江戸で蕎麦屋を営んでいた。
容貌が明らかに光圀よりも老けているのは突っ込んではいけない。

(かすみ)のお(しん)
弥七の恋女房で姉御肌。彼女もまたくノ一で、弥七の義賊時代の親分だった野ぶすまの仁平(演:市川小太夫)の娘であり、父と共に薩摩藩の隠密として仕えていた。
通り名の由来は、「霞玉」という名の煙幕効果を持つ爆弾の一種を使う事から。戦闘の際は、この他に短刀を使ったり小柄を手裏剣のように投げて攻撃したりもする。

初登場は第3部。彼女に横恋慕していた夜鴉の藤吉(演:中野誠也)の策略で、当初は恋人の弥七を父親の仇と思い込まされ命を狙っていたが、第3部の途中で真相を知って和解し、一緒に藤吉を倒した後復縁した。
弥七にベタ惚れだが嫉妬深く、弥七が他の女と一緒にいると嫉妬の炎を燃え上がらせる困った面がある。
弥七との間に娘のお梅(演:馬渕英俚可)を授かっており、お銀の加入後は江戸で弥七が構えた(仁平から受け継いだ)蕎麦屋「田毎庵」で留守を預かる事が増え、基本的に光圀一行の旅の始まりと終わりを担う事が多い。他に、江戸での騒動に際して光圀らのバックアップを務めたり、たまに忍びとして同行する事がある。また、お銀や飛猿からも姉さん的存在として慕われている。
悪党の屋敷などに潜入する際には、弥七同様に忍び装束を着る。
第28部終了後は設定のリセットにより存在が抹消された模様(ただし、一応1000回記念スペシャルでお梅と共に登場した)で、二代目以降の弥七はあくまでも独身であり、一行が旅に出ていない時はちゃっかり八兵衛と共に江戸に住んでおり、蕎麦屋を営んだりはしていない。

かげろうお(ぎん)疾風(はやて)のお(えん)
第16部から登場。風呂に入ると視聴率が上がる事に定評があるお色気担当。
伊賀忍の三頭領の一角である藤林一族の頭領・藤林無門の孫娘で天才的な力量を持つくノ一であり、無門のキャストはなんと三代目光圀役の佐野浅夫。
なお助三郎に惚れており、よく周りからからかわれる。
初登場時は、金銭面で困窮する一門を救うべく、報奨金目当てで相棒の火炎大筒使い・煙の又平(演:せんだみつお*24)と共に光圀の命を狙う刺客として登場。後にその行いを無門に叱責された事から和解して又平と共に仲間になるが、又平は大人の事情で第17部1話で刺客の黒谷の道鬼一味に殺されてしまった。
道鬼一味にいた飛猿を仇と狙うが、実は二重スパイで又平を助けようとしていた事が最後に判明した事で和解し、共に道鬼一味を倒した。

諸国を旅する際は鳥追い(正月の祝い芸として家々を回り、三味線の弾き語りで鳥追い唄を歌う旅芸人)の格好をしている。光圀一行と一緒に行動する事も多いが、弥七や飛猿と一緒に行動する事も多い。
悪者の親玉の会話を障子越しに盗み聞きするが、見つかってもその美貌ゆえ成敗されず、寧ろ気に入られるのがお決まり。
相棒となった飛猿と共に悪党の懐に潜入して、情報収集を行うのが主な役目で、芸者や侍女に扮して色仕掛けを図る。
時々風呂に入っているシーンがあるが、鼻の下を伸ばした悪代官や悪徳商人が一緒に風呂に入ろうとすると、大量のお湯をぶっかけられて懲らしめられるのがお決まりのパターン。

戦闘になると忍び装束に着替えて(忍者らしく早替わりも多い)現れ、刀を使うのみならず素敵なお御足で悪人どもを蹴る事も多い。他に武器として銀針を使い、常に7~8本は所持している。
忍び装束は紺色をベースにしつつ、腕や脚の部分はレオタードのような質感のスタイリッシュなデザインになっているのが特徴。これはキャストの由美かおるが、得意のバレエから衣装や立ち回りを考えた事による。
一行に同行したまま大殺陣に入った場合は鳥追いの装いのまま戦う形で、この場合は三味線で悪人をぶっ叩いたり簪を手裏剣のように投げて攻撃する。

その人気の高さから、1995年に彼女を主役にしたスピンオフ『 水戸黄門外伝 かげろう忍法帖 』まで作られたほど(ぶっちゃけ水戸黄門ファンにとっては黒歴史だが)。
設定がリセットされた第29~42部ではキャストは同じながら別キャラとして、風魔一門の山賊出身の「疾風のお娟」というくノ一が登場する(詳細は後述)。
「日本一有名なくノ一=お銀」と言っても過言ではなく、格闘ゲーム『餓狼伝説』シリーズの不知火舞など彼女をモチーフにしたくノ一は多い。

柘植(つげ)飛猿(とびざる)
第17部から登場した、二つ名の通り伊賀は柘植出身の忍者。初登場時はお銀の相棒・煙の又平を殺した伊賀忍者のはみ出し者の一団・黒谷の道鬼一味の一員と思われたが、実は最初から味方であり、恩義ある鳥羽藩のために光圀の命を狙う道鬼から光圀一行を守るべく一味に潜入していた、いわゆる二重スパイだった。道鬼一味の壊滅後に改めて正式に光圀一行に加わり、諸国漫遊の旅に同行するようになる。
寡黙でワイルドだが男前で心優しい大男で、いろいろとぶっ飛んだ怪力と頑丈さの持ち主。実はお銀に一目惚れしており、第17部で惚れられていた吹き矢使いのくノ一・くれないお蓮(演:MIE*25)とは三角関係が展開されていた。
諸国漫遊の時は行商の薬屋の格好をしており、薬関係の知識は深い。弥七を尊敬しており、彼の不在時は荷物に風車をぶら下げている。
光圀一行とは別行動を取る場合が大半で、登場の際はお銀と、その地から去る時は弥七と一緒にいる事が多い。3人で動いている事もあれば、光圀一行と共に動く事もある。なお光圀らと同様の理由で、薬売りの本場である富山では弥七とお銀の指摘もあっていつもの薬屋でなく、派手な飴屋を装った事もあった。

主にサポート役がメインで、お銀が接触を図る悪人が飲んでいる酒の容器に天井から垂らした糸を伝わせて眠り薬を盛るという離れ業を見せたり、風呂場でお銀のお湯攻撃に怯んだ悪人を殴って気絶させたりする。
また、薬師としての知識から仲間や悪人に傷を負わされた者の救助に当たる事も多い。お銀と共に街の悪党の懐に潜入する事も多く、その際はもっぱらお銀のサポート役。
また飛脚や馬に乗っての遠距離の伝達や確認など、持久力の必要な任務も大体飛猿が請け負う。弥七が不在の場合は、風車の棒手裏剣の代わりに猿面に伝書をつけて投げ込み、光圀たちに情報を流したりする(そして大体八兵衛の頭に猿面が直撃する)。

また、投獄された被害者などを救出する際には牢屋の鍵を力ずくで壊す、牢屋の格子を力ずくで破壊する、牢屋の壁を外から力ずくでぶち抜くなどピッキングいらずの離れ業を見せる。
しかしたまに針金で鍵を開けたりもするなど手先も器用で、その時の気分や状況次第で牢破りのやり方は変わるらしい。

戦闘時には黒っぽい忍び装束姿となって現れ、開けた胸元からは逞しい胸板が覗く。最初期は忍者刀で戦っていたが、第19部からは戦闘手段は基本的に徒手空拳となる。
格之進の柔術と違い、こちらは空手や拳法といった打撃技と怪力を活かした力技がメイン。壁などをぶち破る、相手にチョップをかます、巨大な岩や丸太を持ち上げて投げ飛ばす、跳び回し蹴り、悪人どもの頭同士をぶつけてノックアウトするなどが定番の立ち回り。
2~3人くらいまとめて倒してしまうのはもはや定番で、野村将希の体格や動きのキレと相まって見映えが大変いい。
なお、たまに一行と同行して薬屋の装いのまま大殺陣に入る事もあるが、この場合は蹴り技を使わずに腕力に物を言わせる事が多い。

お銀や弥七とはかぶる部分も多い立ち位置でありながら、2人とは全く違う個性を発揮するキャラクターである。
弥七役の中谷一郎の体調不良に伴い、負担軽減のための補佐役として登場した経緯があり、弥七不在の際は飛猿が切り札として活躍する事も多い。
ただ残念ながらお銀の人気があまりにも高すぎるため、その陰に隠れがち。
第28部を最後に設定のリセットで姿を消すが、その後の1000回記念スペシャルなどでは登場しており、ドラマ終了後も里見浩太朗主演の舞台版において、弥七を差し置いて登場するなどそれなりに優遇されている。

【定番のセリフ】

「○○の名産といえば何といっても△△でしょう」
光圀や八兵衛が冒頭でよく言うセリフ。
その土地の名産や名物をクローズアップするセリフで、『水戸黄門』の人気の一端でもある「全国各地を巡る」という行為を、ダイレクトに現地のご当地視聴者に伝えてくれる貴重なシーンともいえるだろう。
話の導入で話題になるだけの事もあれば、実際に一行が実見したり舌鼓を打ったり、またはトラブルの火種になっていたりとバラエティに富んでいる。
トラブルの場合は頑固者の職人が家族を省みず悪者扱いされて孤立していたり、藩の高官と悪徳商人が結託して安く買い叩いた上で専売で利益を得ようとしているなど、パターンは大抵決まっている。
また現代に伝わる伝統工芸や名物(鳴子のこけし・長岡の銘菓越乃雪・南部鉄瓶・信楽焼の狸など)が生まれるきっかけに関わったり、「時代的にも場所的にもあり得ない技術を生み出した職人が現れるが、その技術が事件・騒動の種になった事で、生み出した職人が自ら技術を封印・破棄する」というエピソードもある。

「ただの旅の隠居ですよ。『お節介焼きが玉に瑕』と供の者に言われますがね」
「ご覧の通り、お節介焼きのただの旅の隠居(ジジイ)ですよ」
「だから、ただのお節介焼きの田舎ジジイですよ」
光圀が本格的にその土地の悪代官や悪家老たちに対抗しようとする時に、「ご隠居様は一体どのようなお方なのですか?とても尋常な方とは思えませんが…」「俺たちを助けてくれる爺さんは一体?」「爺さん、ただの町人だとは思えないが?」などと訊ねてくる被害者に返す言葉。
一介の旅の隠居が藩の重役たちに臆面なく立ち向かう事を不思議がる人々の心情がよくわかる。
言葉に反して「私はただの隠居ではありません。あなた方の窮状を救える者です」という宣言であり、「それは後でわかる事です」などとさらに露骨な言い回しをするパターンもある。
この際にその回のゲストの中で勘のいい者が、光圀をただならぬ身分の者と悟りその正体を追求しようとするが、大抵は光圀が無言で首を振ったりしてその場ではその「正体」が明かされる事はない。また、光圀が自ら藩主や幕府への献上品に名前をつける際に、その回のゲストが献上品の箱に記した「梅里*26」の銘を見て、眼前の老人の正体が光圀と気づくパターンもしばしば見られる。
その回のターニングポイントとなるセリフであり、だいたいこのあたりで最後のCM入りするパターンが多い。

「助さん、格さん、懲らしめてやりなさい!」
大殺陣が始まる際に光圀が発するセリフ。これを言う前に大殺陣が始まり、途中で改めてこのセリフを言うパターンもある。
メタ的な言い方で説明すれば、「ここからが今日一番の見所だ」といった所か。
「懲らしめてやりなさい」のセリフが出ると殺陣のBGMも変わる。
弥七・お銀/お娟・飛猿などの隠密が敵の小悪党一味に潜入していた場合、大殺陣の最中に悪人一味に敵対する姿勢を見せた事で悪人(主に小悪党の親分)から「てめえ裏切りやがったな!」などと糾弾されるが、それに対して「表返っただけだよ!」「今ごろ気づいても遅いんだよ!」と啖呵を切ったり、「親分さん(旦那)、お世話になりました!」などと皮肉っぽく返す場合もある。

「助さん、格さん、もういいでしょう」
助三郎「鎮まれい!」
格之進「鎮まれい!」
助三郎「ええい、鎮まれい!」
格之進「鎮まれ鎮まれい!この紋所が目に入らぬか!(懐から三つ葉葵の紋所入りの印籠を取り出して周囲に示す)」
(『デーン!』といったSEが流れて一同驚愕)
格之進「こちらに御座(おわ)すお方をどなたと心得る!畏れ多くも(さき)の副将軍、水戸光圀公にあらせられるぞ!」
「水戸の… !? 」
「ご老公様… !? 」
助三郎「一同、ご老公の御前である。()が高い!控えおろう!」

印籠を見せつけて一同をひれ伏させる際のセリフ。
当初は様々な形があったが、格之進役が二代目の大和田伸也に交代した頃から「もういいでしょう」から「控えおろう!」までがパターンとして確立された。また里見黄門期は、「もういいでしょう」が「もうよかろう」に変わっている。
助格がそれぞれ何度か「鎮まれい!」と言ってから印籠を出すまでのセリフや印籠を出した際の一同の反応は、その回やキャストによって微妙に変わる。
一同をひれ伏させた後で光圀が悪党の親玉に対して、
「××の身にありながら、庶民を苦しめるその方らの行為は言語道断である。藩公○○殿(藩主の名前)より、追って厳しいお沙汰(もしくは「お裁き」)が下されるであろうゆえ、覚悟いたせ(大意)」と言いつけて観念させ、悪党どもに苦しめられていた領民には優しい言葉を掛け、時には何かしらのご褒美*27が与えられる。
また被害者側に「酒に溺れるなどでまともに働かない」「博打狂い」などの悪癖がある場合は、この時に更生を誓う事が多い。

【お約束・よくあるパターン】

◆往生際の悪い悪人
身分を明かした光圀から悪事を糾弾された悪人たちの多くは、自分の悪事を素直に認めて「恐れ入りました!」「申し訳ございません!」と観念するが、たまに光圀の正体を知ってもなお、『暴れん坊将軍』よろしく自分の悪事を認めず言い訳をしたり、しらばっくれたりする者もいる。
その際の口ぶりは「恐れながら申し上げます」「ご老公様のお言葉ではございますが…」のどちらかで始まる事が多く、「(それがし)、(行った悪事の内容)など、一切身に覚えはございません」「どこでそのような事をお聞きなされたかは存じませぬが、何かのお間違いではないでしょうか?」などとしらを切ったり、「全てはこの○○屋や××一家が勝手に行った事!私めは何の関わりもございません!」と自分の悪事を共謀者や実行犯の小悪党に全て押しつけるなどして言い逃れようとする。またひどい時には「私はこやつらの怪しい噂を聞きつけ、彼らに取り入って情報を得ようとしていたまで」などととんでもない嘘をついたり、光圀の面前で共謀者を斬り捨てたり捕縛する事で、強引に身の潔白を証明しようとする(ついでに口封じも兼ねている)など、なりふり振り構わぬ行動に打って出る者もいる。
また他にも、その土地の藩主が悪人たちの動向を探り、かつ相手の油断を誘うためにわざとうつけな言動をしていたのをいい事に、自分が光圀に悪事を糾弾されると「全ては我が殿が藩政に目を向けなかったのが事の起こり」と、事もあろうに自分が仕える主君のせいにするという不忠義極まりない言い訳をした者もいる(当然ながらその直後に現れた藩主の怒りを買い、改めて罪状を突きつけられた上で極刑を言い渡された)。
この場合、共謀者の悪徳商人や実行犯の小悪党などは「私もこのような事は覚えがありません」「私も同感です」などと首謀者に同調するか、首謀者から罪を擦りつけられた事で「○○様 !? それはあんまりです!」「私一人を悪者にするおつもりですか !? 」「今さらそれはないでしょう !? 」とここに来ての理不尽なトカゲの尻尾切りに憤慨して仲間割れに発展する(そして光圀や助格から「見苦しい!」と一喝される)かに分かれる。

ここで光圀は「あくまで知らないと申すのか?」「ほほう、身に覚えがないと?」などと穏やかに念押しするか、仲間割れや見苦しい言い訳をする場合は「黙りなさい!」「言い訳無用!」と一喝する。
そして決定的な証拠を突きつけるか、生き証人として身柄を押さえられた手下や口封じに殺したはず(しかし秘かに助けられていた)の被害者を連れてこられる。これにより結局悪人たちも観念せざるを得なくなる。
なお悪事を糾弾されると「もはやこれまで」などと開き直ったり、自害を図るフリをして光圀に斬りかかろうとするパターンもあり(主に前から徳川家に敵意を持っていた者に多い)、この場合は助格らが刀を払い飛ばすなどして「痴れ者!(もしくは「戯け者!」)」などと一喝する(初期から中期にかけてはそのまま無礼討ちとして斬り捨てる)のがお決まりのパターンである。
派生パターンとして、光圀が黒幕の悪奉行や悪代官に「まずは、この者たち(共謀者の悪徳商人や実行犯の小悪党など)に縄を打ちなさい」と命じ、命じられた悪奉行や悪代官は意気揚々と部下の役人たちに他の悪人たちを捕縛させた後、白々しく「ご老公様、これでよろしいでしょうか?」と自分の罪をごまかそうとするが、光圀から「もう一人縄を打たねばならぬ者がおるであろう!その方だ!」と追及され、結局自分も裁かれる流れも少なくない。

◆お銀/お娟の潜入
動かぬ証拠を押収するべく、お銀/お娟が悪党らの屋敷に潜入して親玉の持つ書状や証文などを盗み出す。
主なパターンは芸者で、大抵の場合「銀奴(ぎんやっこ)/娟奴(えんやっこ)」と名乗る。
侍女など芸者以外の場合はそのまま「お銀/お娟」と名乗る。他に地元の悪徳商人が人身売買を行っている場合は、光圀が農民などに変装した上「孫娘を売りに来た」と称してお銀/お娟を潜入させ、悪徳商人に買われた被害者の救出も同時に行うパターンもある。
盗み聞きをしてわざと見つかるよう仕向ける場合が多いが、芸者の場合は新入りと称して他の芸者と共に座敷に上がるかのどちらかで、悪党の気を引く事もある。
いずれのパターンでも美貌のおかげで、新顔に関わらず即座に気に入られ、親玉に接近する事に成功する。
その後は風呂のお湯か悪党が飲んでいる酒を使って(酒を使うパターンは飛猿と組む場合、もしくは自ら酒に薬を盛る)軽く制裁し、証拠となる書状などを盗むパターンが多い。
  • 風呂の場合:「お風呂に入りたい」と言って席を外し、悪党は一緒に風呂に入ろうと後から風呂場にやってくる。
    しかし風呂場の扉を開けた瞬間に洪水のような大量のお湯をぶっかけられ、さらにいつの間にか背後に現れた飛猿(お銀の場合)や鬼若(お娟の場合)によって気絶させられる。
    狙った相手が悪代官や悪徳奉行の場合、風呂場に入ったら風呂に入っている女性が自分の奥方、最悪飛猿や鬼若に入れ替わっているというパターンもある。
  • 酒の場合:お銀/お娟が悪党の気を引き、その間に天井裏に控えた飛猿が酒の入った徳利に眠り薬を垂らして盛り込む。
    お銀/お娟がお酌をした酒を飲んでいい気になった悪党はお銀/お娟を床に誘い、よからぬ事をしようと襲ってくるが、その頃には薬が回ってきて、突然眠り込んでしまう。
    眠り込んだ所でお銀/お娟は証拠となる書状などを捜し出し、天井裏に控えた飛猿に渡す。また、飛猿と組むパターンではなかなか薬が回らず悪党が眠らない事にお銀が焦り、ギリギリの所でやっと悪党が眠り込んだ後で飛猿に対して抗議し、それに対して飛猿が「ちょいと薬の量が足りなかったかな?」と茶目っ気混じりに詫びを入れるやり取りもよく見られる。

◆お銀/お娟の壺振り
お銀/お娟が賭場に潜り込み、丁半博打の壺振り師としてサイコロを振る。
お銀/お娟は美貌に加え卓越した壺振りの技を持っているため、
悪党どもは彼女を疑う事なく期待の新入りとして歓迎する。
だいたい賭場の床下に別の壺振り師が弥七か飛猿と一緒に潜り込んでおり、
手裏剣などを突きつけられ脅迫される形で出目を操作するか、弥七か飛猿が悪党のイカサマに荷担していた壺振り師を縛り上げて自ら出目を操作する。
イカサマ賭博で家屋敷などを奪われた被害者を救うためにイカサマ返しで取り返したり、意図的にトラブルを引き起こすためにイカサマを使って、狙った相手を敢えて勝たせるという作戦である。

◆家族問題
嫁と姑の諍い、碌でなしの息子に頭を抱える母と妻、後添えの妻子と前妻の娘や息子との確執、頑固者の職人とその息子の衝突(息子が勘当されている場合もあり)などなど。
武家の家に嫁いできた嫁が気に入らない姑の嫁いびり、逆によくできすぎた嫁にいじける商家の息子、自分の息子・娘可愛さに前妻の子をいびる(夫は大体故人か病身・頑固な職人気質で聞く耳を持たない)などのパターンがある。
どのパターンも、大抵トラブルの原因になっている側が光圀に説得され取りなされて、大殺陣の前くらいに自分の行いを反省し、悔い改めて和解する。

が…中には印籠を見せつけるまで納得しなかった頑固な姑もいたりする。
この際、格之進が提示した印籠の三つ葉葵の紋所をちゃんと見ていなかったとはいえ、武家の者、それも徳川家縁の三河武士の関係者でありながら「そのような紋所など目に入りませぬ!」と暴言を吐きながら葵の印籠を格之進の手から払い飛ばすという暴挙に出ていた(幸い印籠は床に落ちる前に助三郎がキャッチして無事だった)。痺れを切らした光圀が自ら名乗り出る形でようやくその正体を知ると自分が今しがた犯した暴挙を含め、たちまち顔面蒼白で慌てふためきひれ伏しながら詫びたものの、万が一印籠がそのまま床に落ちていた場合、姑はもちろん家長である息子も(切腹)自害して侘びねばならぬほどの大事になる*28事は間違いなく、ましてや上役が見ていたら家名大事どころか全員死罪の上お家取りつぶしになるレベルである。

また、後妻の場合はタチが悪いのになると、代官や家老と組んで夫を病死に見せかけ毒殺するなどして家の乗っ取りを企んだりしたケースもある(第11部19話など)。
この時ばかりは商家は闕所、後妻も他の悪人ともども引っ立てられる結末を迎えた。
前妻の娘や息子は当然お咎めなしだが。
あくまで家の中の問題であるため、この話が大殺陣の相手の黒幕たちとは直接関わらない事もある。

◆お世継ぎ問題
だいたい1シリーズに1~2回くらいの頻度で出てくる各大名家のお世継ぎ騒動。
場合によっては、この件を解決するために諸国漫遊に出る事もある。
この場合は問題の土地から若い侍や姫君などが従者を伴ってお忍びで水戸を訪れ、直々に光圀に助けを求めてくる。
そして問題の地に着くまで姫君と従者が世直しの旅に同行するか、負傷していた場合は光圀に後を託してその場で息を引き取る事もある。
事が表に出ると大事であり、事情が事情なので出てくる悪人も筆頭家老・次席家老・城代家老や藩主の側室など大物ばかり。
大抵はお世継ぎにかこつけて、家老と側室が藩の実権を握ろうとしている。
若殿が兄弟関係であるなど藩を二分する争いになっている事も少なくなく、悪人側と対立している家老・教育係の爺や・忠義者の下級武士などは大体藩主の勘気に触れて閉門・蟄居・謹慎中の事が多い。
また兄弟が後継ぎのライバル関係にある場合は当人同士の仲がいいというパターンが多く、悪人が持ち上げている当の本人は「兄上(もしくはあやつ)が後を継ぐべき」などと全くその気がない事が多い。
なお藩の若い侍たちが勢い任せで悪家老の首を狙う場面も多いが、ほぼ間違いなく失敗する。
最終的に光圀によって悪家老が断罪されると、進退窮まった共謀者の側室は自害しようとするが光圀や藩主に止められ、「そなたは我が子への愛情ゆえに一時の思慮を失っていたのであろう」「これを悔いる気持ちがあるのなら、生きる事で償いなさい」などと諭されて悔い改め、処分に関しても出家などの比較的寛大な裁きを下される事で収まる。なお初期では「自らの命と引き換えに子息の無罪放免を嘆願しながらそのまま自害して果て、哀れに思った光圀や藩主がその願いを聞き入れる」というパターンもあった。

◆仇討ち
これもだいたい1シリーズに1回の頻度で出てくる。
『水戸黄門』の中でも特にバリエーションが豊富な題材で、親兄弟の仇討ちだったり主君の仇討ちだったりするし、仇として追っている相手も止むに止まれず(もしくは事故に近い形で)相手を殺してしまい深く後悔している者や、別人(多くはその事件の黒幕)によって濡れ衣を着せられた善人の事もあれば、私利私欲で相手を殺害した(殺した相手がその回の悪人たちにとっての目の上のコブで、邪魔者として謀殺したパターンもあり)悪人の事もある。
特に仇が悪人だった場合はその仇が非常に悪辣非道な事が多く(自分を仇として追ってきた者を、後ろ盾の悪家老や悪奉行らと結託し冤罪を着せるなどして抹殺を図るなど、卑劣な手を使う者もいる)、光圀たちの手助けで仇討ちを成功させる時は実に爽快。
とりわけ、第4部11話では父の仇を追う武家の姉弟を、真の仇である郡奉行・榊原隼人(演:玉川伊佐男)とその背後にいる城代家老・牧野半左衛門(演:浜田寅彦)が騙して、光圀を仇と思い込ませ討たせる形で暗殺し一石二鳥を狙うという、唯一無二の悪辣極まりない展開が描かれた(もちろん最後は真実を暴かれ、姉弟は光圀の後押しで仇討ちを果たしている)。
一方で仇が善人だった場合*29は、光圀の取りなしにより仇討ちを取りやめたり和解する事がほとんどだが(なおこの場合は、その仇がその回の悪人たちにとっての目の上のコブで、仇討ちを利用して抹殺を図るなどの悪巧みをするパターンもあり)、仇討ち免状は藩主の許しから発行される物なので、それを取り消してもらう理由の説明役として光圀の出番となる。
またこのパターンでは、仇の側が自身の過去の罪に苦しみせめてもの贖罪として周囲のために働く姿が描かれたり、それを追っていた者が光圀の導きもあって仇を許す決意に至る心境の変化も見所である。
初期の頃は容赦なく斬り捨てたが、中期の後半くらいからは直接的に殺害する事は減り、当地の藩主に裁きを任せる事も多くなった。

◆芝居小屋
旅芸人一座と旅先で関わっている場合、光圀が劇作家として土地の悪代官・悪奉行・悪徳商人の悪事を滑稽に暴露した筋書きを書くエピソードも多い。
この際は悪党一味の前で芝居を披露するが、一行自ら役に扮して実名で劇を演じ、代官などの悪行を暴露するパターンもある。大抵、弥七が悪代官や悪奉行、八兵衛がその手下の悪徳商人やならず者に扮し、実に楽しげに生き生きと悪人役を演じる。
代官などの悪党は「根も葉もない事を言い立てられコケにされた」と怒り、代官とつるんでいる悪徳商人などが用心棒たちに光圀たちを斬り捨てるよう命じ、お馴染みの大殺陣が始まる。
光圀は大抵本人役でこの芝居に出演し、「恐れ多くも水戸のご老公の御名を騙るとは(または「このようなひどい芝居に水戸のご老公の御名まで用いてこようとは」「わしだけでなく、天下の水戸のご老公までも侮辱するとは」)不敬にも程がある!」と悪代官らが激怒し、それに光圀が「いえいえ、本人が自分の名を騙るのだからいいのですよ」と飄々と返す事が多く、その発言に「何を言うか田舎ジジイの分際で!」などとさらに腹を立てた悪代官が「不敬な連中を斬り捨てろ!」と部下に命じて大殺陣に発展するケースもある。

◆印籠紛失事件
大事な印籠を紛失してしまう事件。
大体掏り取られるか、宿で風呂に入っている間に盗まれたり(この時は大抵衣類も一緒に盗まれ、仕方なく手近な着物を借りて着る事になる)する事が多い。
場合によっては、その後さらに光圀と助格が言いがかりに近い容疑で投獄されるパターンもある。
盗まれた印籠は、盗んだ者が売り払ったり丁半博打の賭場で駒札に替える時に藩の重役につるむ商人や悪党から藩の重役へと渡り、印籠を手に入れた藩の重役はそれを悪用*30しようと企てたり、印籠を餌に将軍家に取り入ったり、たかりを謀ろうする、身の証となる印籠がない事を良いことに自分達の悪事を知った光圀を「ただの田舎ジジイ」として口封じに暗殺しようと目論む。
なお盗んだ者は大体口封じとして殺されるか、弥七・お銀・飛猿らに捕まえられ、半ば拷問じみた尋問で印籠の行方を白状させられ、最後は悪党一味と共にお縄になるなど悲惨な結末が待っているが、盗んだ者がその回で光圀と関わる現地の者の身内(放蕩の末に家出した息子・娘など)の場合は、印籠を持っている事に気づいた藩の重役や商人たちから、公儀関係者や光圀一行の先達と勘違いされて甲斐甲斐しくもてなされる事となり、最初はそれをいい事に豪遊するパターンが多い。だがやがて藩の重役や商人たちの悪事や、自分の家族を含めた故郷の人々の苦しむ様を目の当たりにしたり、印籠の在り処を知った光圀から諭されるなどして悪党の悪事を暴くのに協力し、最終的にその奮闘・手柄に免じて、印籠を取り戻した光圀に許してもらえる(または真面目に家業をする事を条件に放免になる)。
また、印籠や売り飛ばされた荷物などは、最終的に弥七か飛猿がこっそり忍び込んで取り返すのが大体のパターン。
投獄されていた場合は、ここで牢屋の天井裏から弥七か飛猿がこっそり印籠を光圀に渡し、
光圀が印籠で牢屋番に身分を証明する事で、相手は震え上がって一行を釈放する流れとなる。

また印籠を預かる立場である格之進が、紛失の責任を感じて無茶をする事も多い。この場合は光圀から格之進への親子にも似た信頼関係や、助三郎との友情を再確認するエピソードも多い。
一方で光圀が賭博に嵌って身ぐるみ巻き上げられたり、みんなで風呂に入ってる間に印籠を奪われたりした時などは何の呵責もない(まあ格之進のせいではないし)。

末期(第43部14話)では、格之進が土産物屋で買って食べた饅頭に当たって寝込んでしまったため光圀と助三郎の2人だけで悪党の本陣に乗り込んでいくが、その際に格之進はうっかり印籠を光圀らに渡し忘れ、手元に置いたままにしてしまっていたというレアケースが見られた。
この時は、光圀は将軍綱吉の代理で参拝していた伊勢神宮の参拝証文(徳川家の家紋と綱吉の名前入り)を、印籠の代わりに見せる事で身分を証明し、悪党を成敗した。

なお、光圀が持つ刀の柄や紐止めなどの小物にも三つ葉葵の紋所は使われており、印籠を奪い返された悪党がそこから光圀が印籠の本来の持ち主である事に気づいたり、初期には悪党から無理矢理にかっさらう形で奪い返し、悪党の目の前でそれと示し合わせる事で印籠の本来の持ち主である事を証明したパターンもある。

◆偽黄門様ご一行
とある老人(貧しい旅芸人が多いが、一部例外あり)が「諸国漫遊の黄門様」に扮して、地元の事件や問題を解決しようとしたり、些細なきっかけから光圀一行と間違われるパターン。大まかに、以下の2通りに分かれる。
◆白髭の老人と若い男2人の一団が、光圀一行と間違われたり光圀一行になりすます*31
◆様々な理由で光圀と助格が離ればなれになり、助格が別人を偽黄門に仕立てるか、光圀がその回のゲストの頼みで一緒に「黄門様ご一行」になりすます
光圀は敢えて文句を言わず、この「偽黄門様ご一行」をカムフラージュを兼ねて本物として立てる。
老人はもともとその土地の者だったり言動を怪しまれるなどで、大抵途中で正体がバレるのがお決まり。
また、第5部ではシリーズ通しての刺客・ 鉄羅漢玄竜 (演:天津敏)の目を欺くため、影武者の一行という形で旅芸人一座が扮した光圀公認の偽黄門一行を立てたが、第2話で無残にも玄竜の配下の手で皆殺しにされてしまった。
光圀役が交代する頃に放送される事が多く、後々に次の光圀役となる俳優が偽黄門役を演じる事が多い。
特に三代目光圀役となる佐野浅夫は光圀役を演じる直前に「悪政を正すために『光圀が四国に入った』という噂を利用して光圀を騙る」という目的を持った元宇和島藩士の老人・笹岡彦兵衛を演じており、この時はもともと武士だけあって、多くの偽黄門たちの芝居じみた立ち居振る舞いとは異なり、たまたま協力する事になった助格が感心・納得するほど本物らしい振る舞いだった*32
他に、第20部47話の半助(演:小松政夫)は賭場荒らしで逃亡中の身で、ちょうど光圀と喧嘩中だった助格が苦肉の策で偽黄門に仕立てたという設定で、偽黄門が印籠をかざすという史上唯一の展開となった。

前述の通り、本物の光圀一行が地方でたまたま出会った小悪党やお調子者などに、様々な事情で「黄門様を演じてほしい」と頼まれ、甲斐甲斐しくもてなされ豪遊したりならず者の土地の権力者たちに一泡吹かせるパターンもある。このパターンでは光圀を偽黄門に仕立てた者たちが、最後に実は本物の光圀一行だったと知って慌てふためき必死に許しを請うが、光圀は時に優しくユーモラスに「いやあ、なかなか楽しい酒の席でしたぞ」「お前さんの行いに免じて、これからは心を入れ替えて真面目に働く姿を、いつか見せてもらいますぞ」などと諭す結末が多い。

そっくりさん
光圀一行の誰か*33とそっくりな容貌の人物が現れて、人違いから話が発展するパターン。
特に光圀のそっくりさんは「光圀以上に頑固でドケチな拝金主義の商家の大旦那(他に庄屋・農民・海賊の一味・侍もあり)」など、本物と対照的な性格であるパターンが多い*34。またそれゆえ地元でも嫌われ者で、光圀がその当人に間違われてひどい目に遭わされるパターンもあり、話の中盤あたりで光圀に諭されて悔い改める事が多い。
助格のそっくりさんはその回で光圀と関わる現地の者の身内で、陰謀絡みなどで行方不明か死んだ事になっているパターンが多い(そしてその現地の者に、帰ってきた当人と間違われる)。光圀はそこを利用して、助格を当人に仕立てて悪党をおびき出す作戦を始め、その過程で当人も姿を現して大殺陣に入る事が多い。
弥七のそっくりさんは地元でお尋ね者になっており、弥七が人違いから追われるパターンが多い。光圀はその流れから真相を探り、弥七を当人に仕立てて悪党をおびき出す作戦を始める。こちらも、やはり最後に当人も姿を現して大殺陣に入る事が多い。
八兵衛のそっくりさんは、地元の藩主の場合は「光圀に憧れてお忍びで城下町を視察しているが、そのために家臣らの悪巧みに気づかずのさばらせてしまっている」パターンが多く、最後は光圀に「形だけ真似ても意味がない、領民一人一人の声を聞く事が大事(大意)」などと諭される*35
若旦那の場合は、出会った2人が意気投合して『王子と乞食』よろしく入れ替わり、八兵衛は豪遊して羽目を外し、若旦那は口うるさい番頭や親の目を逃れて羽を伸ばすが、やがてその若旦那を陥れて店の乗っ取りを企む陰謀に巻き込まれて危険な目に遭うパターンが多い。

そっくりさんは当然ながら1人2役となる。
特に第12部は第4話「兄と呼ばれた格之進」、第6話「助さんそっくり千両役者」、第12話「八兵衛身代り危機一髪」とそっくりさんエピソードのオンパレードだった。中でも第6話は芝居小屋エピソードと複合した話で、助三郎のそっくりさんは旅芸人一座の看板役者・沢村菊次郎だった。郡上八幡の由緒ある芝居小屋・寿座の乗っ取りを企む陰謀を絡め、寿座の公演の妨害を図った春駒屋と町奉行らに陥れられ投獄された菊次郎と寿座を救うために、光圀一行が活躍する話である。

なお第29部の設定リセット後は、そっくりさんエピソードは前述の偽黄門エピソードともどもほとんど見られなくなっているが、第40部2話では原田龍二演じる助三郎によく似ているという宮大工・佐吉役で、原田の実弟の本宮泰風が出演するという変わったパターンもある。

◆火難
各シリーズ(主に道中で光圀の命を狙う刺客が登場するシリーズ。刺客たちの詳細は こちら も参照)では、光圀一行が高確率で敵方の刺客の忍者による焼き討ちを受け、危うく火攻めや爆殺される危機に陥る。
冒頭となる第1話において悪事の予兆をつかみ、口うるさい水戸藩国家老の 山野辺兵庫 *36を出し抜いて旅立った矢先か、旅の目的地やその目前の土地においてこのパターンに至るケースが多く、滞在先の屋敷や家屋を突き止めた刺客が放火したり、罠として用意された茶屋の建物に閉じ込められるパターンが多い。
もちろんここで一行が死んでしまったら話が進まないので、基本的に自力で脱出するか、弥七などの隠密もしくはそのシリーズの準レギュラーやゲストに助けられたりする。
変則的なパターンとして、第12部では兵庫が風邪で寝込んでいた光圀の名代としてそのシリーズの目的地の高松藩に向かうが、江戸へ来た所で刺客の焼き討ちに遭って負傷し、そこに回復した光圀が訪ねてきて役割を引き継ぐ形で旅に出るという流れになっていた。
また第14部では、このシリーズの目的地となる南部藩のお世継ぎ問題で光圀に助けを求めに来た、家老・柴田弥左衛門(演:水島道太郎)の子女の弥太郎(演:坂口徹郎)と由紀(演:片山由香)兄妹が追っ手との戦闘で負傷した挙げ句逃げ込んだ小屋に放火され、そこに駆けつけた助格と弥七の手で由紀だけが辛うじて救出されるという流れだった。


◆帰り道
「お世継ぎ問題」の項でも少し触れたが、基本的に各シリーズでは一行が旅に出る何らかの理由と目的地が設定されている。
そして当然「行ったからには帰らなきゃならない」という事で、旅の目的地に到着した(同時に事件を解決)後は、江戸や水戸への帰路につく事になる。
基本的にはシリーズの途中で目的地に到着し、残りの回を帰路として描く事が多い。この際に光圀が「回り道をしながら帰りましょうか」などと発言し、結果的に行きより帰りの方が長くなる(話数が多くなる)ケースもしばしば見られる。
中でも、第21部では初回の2時間スペシャルで目的地の岡崎まで一気に進み、残りの31話全てを帰路としている。
それ以外ではそのシーズンの最終回で目的地に到着し、その後は
◆次のシリーズでその帰路を描く(第5・6部及び第14・15部)
◆帰り道は描かずに、その最終回の中で江戸や水戸に帰った事が語られる(第3部・第13部・第17部・第26部など)
といったパターンがある。
例外的に、第28部ではこの後に設定がリセットされる事になっていたため、片道道中で帰路及び水戸や江戸の描写もないシリーズとなっている。

【よく言われる(野暮な)ツッコミ】

明らかに元禄時代の物ではない風俗がしばしば出てくる(レギュラー陣の身なりからして明らかに江戸後期の物である)
→そもそも原作が江戸時代末期の作品で、忍者関係の資料など同様に後世の創作も多い。

世直しとのためとはいえ、公的な身分を退いた身で、しかも身分を故意に偽った上で他藩の内政に干渉するのは問題があるのではないか?
→これも原作が江戸時代末期の作品で、現在の助格がある同行する形になったのも明治期であり、当時の庶民に受けのいいい筋書きにしただけ。いわゆる「実在の人物を用いた歴史エンタメ」というべき物である。
→身分を偽らないと「武家の最高権力者である徳川家の人間」として、即ち公的な形で裁かなければならなくなり、下手すると藩取りつぶしになり得るレベルの失態もあるので、そちらの方が徳川幕府やその藩としても穏便に済ませられるので都合はいい。

「懲らしめてやりなさい」といっても、ただ上の指示で仕事をしているだけであろう小役人たちを懲らしめても仕方ないのでは?
→まず下っ端を制圧しないと黒幕も始末しにくい。
ちなみに、最初期のエピソードでは助格も手向かってくる敵を容赦なく斬り捨てており、ある話では光圀を「騙り者」と見做したある藩の若藩主がお付きの側用人や藩士たちに光圀たちを斬り捨てるよう命じるが、実はこの時この場には悪臣はおらず、全員が藩主に忠実に動いただけの家来だった。しかし状況が状況だけに助格はやむなく斬りかかってきた藩士たちを全員斬り捨て、最終的に側用人までも斬られた所で正確な事情を把握した家老が駆けつけ、やっと若藩主も光圀が本物だったと気づくが時既に遅く、側用人始め大勢の家臣が助格の手で斬られていて、その場は死屍累々の様相へと変わり果てていた。そして光圀から「そなたの浅はかな振る舞いが大勢の忠臣を失う結果を招いた」と窘められた若藩主は、己の短慮さを悔いて涙を流す…という、若藩主側はもちろん光圀一行としても後味の悪い結末となった話もある。
この一件は助格にも少なからず影響を与えるきっかけとなったのか、この回以降の助格は、単に上の命令に忠実に動いただけの小役人たちは峰打ちにして無力化するようになっていき、基本的に峰打ちに徹するようになった中~後期以降はこのようなケースは皆無になった。

そもそも最初から印籠を見せて身分を明かして動けばもっと簡単に事件は解決するだろう
→解決を図る前に警戒されて、証拠を迅速に隠滅される可能性が生じる。
→実は、初期のエピソードではいきなり身分を明かす回がちらほらあるが、証拠がそろってない段階で公表してしまうため、悪党にはぐらかされて屈服させるに至らず証拠隠滅を許し、町人や善良な武士らに被害が出たり、光圀自身も口封じに謀殺されそうになったケースまであった。
これは初期のシリーズやエピソードで、情報収集に当たる隠密がいなかったりした事からよく起きており、弥七一人では情報収集と口封じで狙われている町人の護衛の両方に手が回らなかったりする事もあった。
捜査中に被害者がほとんど出なくなるのは、お銀や飛猿が加入した事で悪代官・手下の悪徳商人やならず者たち全てを同時に調査できるようになってからである。

【主な出演者】

42年も続いたシリーズであるため当然ながら同じキャストが延々と出演できる訳はなく、加齢で体力が落ちたため降板した者や亡くなった者も少なくはない。
1シリーズあたり20話近く毎回出演する事もあり、特に忍者役はアクション系の演技も行う為、場合によっては単純な時代劇のレギュラー出演よりも体力を要する場面が多い。

なお、出演者は俳優としての実力を問われるため、旧ジャニーズ系は退所者を含めても殆どおらず、メインキャストではあおい輝彦が唯一の該当者となる。
初出演時から演技力は高く、殺陣の見映えも素晴らしく実力も十分備わっている。

第28部までは制作上の都合によって、既婚者が独身に戻ったり、亡くなったはずの御附家老が再登場するなど以前のシリーズとは矛盾する部分も生じてはいたものの、基本的には前シリーズの流れや設定が次のシリーズに受け継がれていた。
しかし石坂黄門期の第29部では設定がリセットされて、光圀・助三郎・格之進以外の周辺の登場人物が全て一新されたのもさる事ながら、水戸藩主だった光圀が権中納言を拝命し、隠居する所から話が始まっている*37
また第42部でも一部の設定が刷新され、「助三郎と格之進が一緒に光圀の供をするのは初めて」という設定になった。それに伴い、それまで定番だった「道中では町人を装う」「印籠は格之進が預かる」などの要素も物語開始時点では決まっておらず、旅立つ前に話し合って決める描写がある。その一方で、第1話のみの登場となったお娟がそれまで長らく光圀に仕えていた事が語られるなど、従来の設定を窺わせる描写もある。
なお2003年12月15日放送の1000回記念スペシャルでは、(その時点での)石坂黄門期を含む各シリーズの登場人物を一通り出した事で、第1~28部までの設定と第29・30部からの設定がクロスオーバーする形になり、実質お娟=お銀とする事で世界観の統合が図られている。

◆水戸光圀
演:東野英治郎(第1~13部)/西村晃(第14~21部)/佐野浅夫(第22~28部)/石坂浩二(第29・30部)/里見浩太朗(第31~43部)/武田鉄矢(BS-TBS版)

◎東野英治郎
  • 第1部時点ではまだ62歳だったが、老け顔だったため老人役がよく似合っており、時として怖そうに見える風貌が印象的だった。
    物語の締めの呵々大笑は光圀の決めポーズとなり長く愛される一因となった。
    通称「じゃがいも黄門」。
◎西村晃
  • 初代よりも若々しく、穏やかでどこか上品な振る舞いが特徴。そのため「シティボーイ黄門」と呼ばれた。
    お茶目な感じでもあり、悪人たちと相対した時は歴代光圀の中でも特に飄々とした演技でからかう。
    また後のレギュラー陣の多くが彼の時に集まっており、「水戸黄門の代名詞」と親しまれた。
◎佐野浅夫
  • 歴代の光圀の中で最も「好々爺」たる雰囲気が出ている。またやや威圧的な初代、高貴な感じのする二代目と違って庶民的で慈悲深い。
    よく感激して涙するシーンが多く、「泣き虫黄門(当然悪い意味ではない)」と呼ばれ親しまれていた。
◎石坂浩二
  • 当初、史実に沿った(水戸黄門の生きた時代である将軍綱吉の時代には武士は髭を生やす事を禁じられていた)「髭なしの黄門」を試みたが、結果は不評だった。
    第29部の最後に作中でいろいろとあった事から髭を伸ばす。
    また、これまでの庶民的な面を持つ親しみやすい光圀像とは一線を画した、インテリっぽく普段から浮世離れした(というか、庶民に見えない)風格を持つ光圀像(通称「インテリ黄門」)を打ち出している。
◎里見浩太朗
  • 元・二代目助三郎役。歴代光圀役の中で最も男前で体格がよく、時代劇のベテランである上に、助三郎役で養った経験から殺陣でも助格に引けを取らないほどに見せ場が多いほか、往生際悪く言い訳をゴネたり、開き直って刃を向けてきた悪人を自ら杖でぶっ叩いて制裁を加えるなど、歴代でも群を抜く「武闘派黄門」。あと元が助三郎役なせいか、遊郭や京遊びなどに行きたがるなど何かと羽目を外してしまう場面も多い。
    『水戸黄門』では光圀の過去はあまり語られないが、この頃には何度か過去が語られている。
  • 三代将軍家光公の甥御様 ではないため、お付きの爺やと共に二刀流で悪人どもを斬り捨てるような物騒な事はしない。
    また、 肩に桜吹雪の入れ墨なんて入ってない し、 鼠小僧次郎吉を捕らえた後秘かに隠密として雇った北町奉行 でもない。
    いずれにしても悪人どもは漏れなく地獄に送られるが。
    ただしレギュラー放送終了後の2015年6月29日に放送された『 月曜ゴールデン特別企画 水戸黄門スペシャル 』では、悪党のあまりの悪辣さに激怒し、助格に任せず自ら斬り捨てて成敗した。
    その際は、光圀に歯向かおうと刀を抜いた悪役に対して、即座に脇差しを用いた居合抜きで返り討ちにするという、「武闘派」の名にふさわしい鮮やかな太刀筋を披露した。
  • 2022年6月11日に放送された『ワルイコあつまれ』(NHKEテレ)の一コーナー「慎吾ママの部屋」で、香取慎吾扮する慎吾ママと共演している。チャンネル的にカオスである。
  • なお、里見浩太朗は二代目助三郎役時代を含め、初代から六代目までの格之進全てと旅に出かけている。
    実は助三郎役時代の第14部で、光圀に変装し替え玉を務めた事もある。他に、1959年公開の月形龍之介主演の東映映画『水戸黄門 天下の副将軍』では格之進役も演じており、光圀と助格の3人の役をコンプリートするという史上唯一の偉業を達成していたりする。
◎武田鉄矢
  • 以前は『3年B組金八先生』の主人公・坂本金八を演じていた事もあって、「金八黄門」もしくは「黄門先生」とも呼ばれる。このシリーズは『金八先生』に出演した俳優がゲスト出演しており、加藤優役の直江喜一もBS-TBS版の各シリーズ初回にゲスト出演している。
  • その主張や決意には一本筋が通ってはいるが完璧ではなく、ずるさや甘えといった「老いの欠点」を持つ泥臭い・人間臭い一面も見られる。
  • 第2部4話でゲストに浅野温子が出演した時*38は、ドラマ『101回目のプロポーズ』を思わせるシーンもあったりする*39

◆佐々木助三郎
演:杉良太郎(第1・2部)/里見浩太朗(第3~17部)/あおい輝彦(第18~28部)/岸本祐二(第29~31部)/原田龍二(第32~41部)/東幹久(第42・43部)/財木琢磨(BS-TBS版)
後述の格之進にもいえるが、いずれも本放送当時は若々しい二枚目の俳優という顔ぶれである。
こちらはいずれも、本放送当時はスラッとした体躯に爽やかな雰囲気の好青年であり、格之進と並ぶと色男ぶりが際立つ。
なお、助三郎役が杉良太郎だった第1・2部では助三郎の方が格之進より背が高かったが、第3部で里見浩太朗に交代して以降は第41部まで、格之進の方が背が高くなっていた。

◆渥美格之進
演:横内正(第1~8部)/大和田伸也(第9~13部)/伊吹吾郎(第14~28部)/山田純大(第29~31部)/合田雅吏(第32~41部)/的場浩司(第42・43部)/荒井敦史(BS-TBS版)
助三郎役に負けず劣らずの若々しい男前の俳優ばかりで、こちらは屈強な肉体で精悍な風貌に定評のある者が多い。
単体では感じにくいが、キャストの演技も相まって助三郎と並ぶと堅物ぶりが目立つ。
なお、 最終回スペシャル から4年後に当たる2015年の『水戸黄門スペシャル』では、六代目ペアではなく五代目ペアが出演している。
ちなみに初代・二代目格之進役の横内正と大和田伸也は、後にテレビ朝日の『暴れん坊将軍』シリーズで大岡越前役を演じている。また、三代目格之進役の伊吹吾郎はNHK大河ドラマ『八重の桜』で第9代水戸藩主・徳川斉昭役を演じており、作中では「水戸のご老公」と呼ばれていた。
他にも、五代目格之進役の合田雅吏は後に、東海テレビ(フジテレビ系列のローカル局)制作の『最高のオバハン 中島ハルコ』シリーズで助格に相当するポジションの美容クリニック事務長・大谷将役を演じており、格之進を思わせるセリフを言った事もあった。

◆うっかり八兵衛
演:高橋元太郎(第2~28部、第40部)
オンリーワンの存在であり、設定のリセット後も唯一キャストが替わっていない。
第28部終了後に設定のリセットに伴いレギュラーを降りるが、後のシリーズではよろず屋の千太、おけらの新助など同じようなスタンスのコメディリリーフが登場しており、第40~43部ではうっかり八兵衛の養子として林家三平演じる「ちゃっかり八兵衛」なるキャラが登場した(詳細は後述)。
BS-TBS版ではこのようなコメディリリーフは不在で、助格の2人が少しずつ要素を分担する形になっている。

高橋元太郎は同じ「ナショナル劇場」枠で放送されていた時代劇『 大岡越前 』の岡っ引き・すっとびの辰三役が好評で、うっかり八兵衛はここから派生して生まれたキャラクターである*40

  • 第33~35部で登場したよろず屋の千太(演:三波豊和)は「よろず屋」の名の通り、さまざまな仕事を器用にこなす今でいう便利屋。明るく元気はいいが結構失敗も多く、それでいて愛嬌があって憎めないキャラ。「合点承知の助」が口癖で、第33部で疾風のお娟に助けられた事がきっかけで旅に同行するようになった。恩人でもあるお娟に憧れていて追っかけとなったが、彼女からはしばしば冷たくあしらわれている(でもまんざらでもなさそうにも見える)。
  • 第36~39部で登場したおけらの新助(演:松井天斗)はよろず屋の跡取り息子で、明るく気立ては優しいがそそっかしく、トラブルを持ち込む事もしばしば。元々は父親の権太(演:魁三太郎)への孝行のために、実の祖父と噂される萩焼の陶工・一ツ窯の太兵衛(演:石立鉄男)に会うべく第36部10話から勝手に旅についてきて、目的を果たした後もそのまま同行していた。また権太の他にも母親のおかつ(演:重田千穂子)、居候の安五郎(演:桜金造)がゲストとして登場し、最初は新助を江戸の実家に連れ戻そうとしていた*41。なおこの新助は、うっかり八兵衛や千太に比べて「若々しさ」を前面に出したキャラクターとして造形された。
  • 第40~43部では、前述の通りちゃっかり八兵衛*42が登場している。これは内藤剛志が二代目を演じる風車の弥七のような「二代目うっかり八兵衛」ではなく、うっかり八兵衛が江戸に腰を下ろした(光圀一行から離れた)後に出会った孤児で、同じ「八兵衛」という名前だった縁から親代わりに面倒を見るようになった養子という、あくまで「二代目八兵衛」という位置づけである。このため、第40部の1話と20話(最終話)ではうっかり八兵衛との共演が実現している*43ほか、ちゃっかり八兵衛は養父のうっかり八兵衛を「おやじさん」と呼んで慕っており、弥七の事も養父同様に「親分」と呼んでいる*44。また養父同様にお調子者かつ食いしん坊なほか、茶屋で手に入る割り箸や紙くずを様々にリサイクルするのが得意で、それを売っては小銭を稼いでいる所から「ちゃっかり」といわれる。他に、養父の「こいつぁうっかりだ」に対して「どーもすいません」が口癖*45で、養父に比べて好奇心旺盛な一面も見られる。

◆風車の弥七
演:中谷一郎(第1~27部)/内藤剛志(第37~43部)/津田寛治(BS-TBS版)
人気がある上に光圀らのキャストが代替わりしてもこちらは代替わりしないため、キャストの中谷一郎の加齢に伴って徐々に負担が大きくなっていった。
後述のお銀や飛猿は中谷の負担を減らすために設定されたキャラクターである。
また、第22部では10話で「紀州家国家老の娘・百合*46(演:中野みゆき)とその父親の国家老・安藤陳武(演:高城淳一)を次席家老・浦野宗広(演:川合伸旺)の罠から救おうとして爆発に巻き込まれ重傷を負い、療養による離脱を余儀なくされる」という展開が描かれ、制作側が中谷を休養させている。
なお、初代の中谷が最後に出演してから、設定のリセットを挟んで内藤剛志が二代目として出てくるまでは現実時間で8年ほどの間が空いている。
内藤剛志は面長なのでキャストの素顔から浮かぶイメージは中谷一郎とは違った物になるが、劇中での雰囲気は中谷一郎の初代弥七をしっかり受け継いでいる。また2015年の『水戸黄門スペシャル』では、配下のくノ一としてお恋(演:高部あい)とお雪(演:佃井皆美)の2人が登場していた。

◆霞のお新
演:宮園純子(第3~8部、第12~14部、第17~26部)
弥七のキャストが中谷一郎の頃のみ出演している。
弥七のキャストは設定のリセットを挟んで代替わりしたが、お新は設定のリセット後は誰にも引き継がれなかった。一応キャストの宮園純子はレギュラー降板後もしばしば別の役で登場しており、最終回スペシャルでも別キャラ(うっかり八兵衛と共に営む蕎麦屋(屋号は不明)の女将・おふじ)ではあるが、お新を思わせる役どころで登場している。

◆かげろうお銀(第16~28部)/疾風のお娟(第29~42部)
演:由美かおる
飛猿ともども当初は弥七役の中谷一郎の負担を減らすために設定されたキャラクターだったが、
結果的にシリーズの中では最も人気の高いキャラクターとなってしまった。
50歳を過ぎてもなお、若かりし頃と変わらぬ色気を漂わせる事に定評がある。
歳を重ねても美しいプロポーションとしなやかな身体を維持し続けており、
入浴シーンではきめの細かい肌、大殺陣では年齢を感じさせない華麗な動きを見せつけて長年に渡り非常に人気が高い。
女優としてプロポーションを維持するために出産経験もなく、2013年まで未婚である。ちなみにスリーサイズは15歳のデビュー当時から65歳を過ぎた現在もほぼ変わっていないとの事。半端じゃねぇ…。
ほぼ毎回のように入浴シーンがあるが*47、エロいというよりも色っぽい。
正統派入浴シーンでありながらエロさを感じさせないため非常に人気が高く、第29部の設定リセットとレギュラー総入れ替えの際にも唯一(別キャラとしてではあるが)続投した。
疾風のお娟として出演したシリーズ終盤では体力的な負担から、第42部の冒頭で「江戸の塩問屋・翁屋与右衛門(演:前川清)と結婚して後妻になる」という形で降板し、後任として楓(演:雛形あきこ)という棒術の達人のくノ一(信州の問屋場の娘だが忍者の血を引く)が登場した。
BS-TBS版では、類似ポジションとして田代誌乃(演:篠田麻里子、仙台藩勘定方役人・田代小十郎(演:山口馬木也)の妻にして里隠れのくノ一*48)というキャラクターが登場している。
  • お娟は風魔一門の山賊の出身。当初の人物像や設定は一人称が「俺」で男口調で話すなど、お銀とは大きく異なっていた。また戦闘時のスタイルもお銀のレオタード風の衣装とは異なり、普通の忍び装束だった。
    また第29・30部のみ、お娟の配下のくノ一としてせん(演:清水あすか)・みつ(演:児玉百合香)・ひで(演:尾上彩)の3人が登場する。第30部以降は視聴者の要望を反映してか次第にお銀との統合が図られ、1000回記念スペシャルなどでは設定上お銀とお娟は別キャラのはずなのに、飛猿やうっかり八兵衛と以前から面識があるかのような描写があったりする。
  • ちなみに、吉本新喜劇の座長を務めるアキ(水玉れっぷう隊)はスタントマンの経歴があり、駆け出し時代に由美のスタントマンを担当していた時期があった。

◆柘植の飛猿
演:野村将希(第17~28部)
齢40を過ぎても年齢を感じさせないパワフルなアクションを披露し続けた。
スペシャルで再登場した頃には50歳を過ぎており、2015年には63歳を迎えたが、やはり衰えを感じさせない動きを見せている。
筋骨隆々とした非常に逞しい体であるが、肩幅が広く長身で腕が長いため、力強さを見せつける場面でも動きがもっさりした感じにならず、むしろ綺麗でキレがいい。
第28部終了後に設定のリセットに伴いレギュラーを降りるが、やはり人気があったため、少し後(第31~37部)に類似ポジションで風の鬼若(演:照英)という怪力の忍者が登場する事になる( こちら も参照)。
  • 風の鬼若は柘植の里の頭領・幻斉(演:本郷功次郎)の孫娘・アキ(演:斉藤晶)と行動を共にしている。第31部3話で、アキの母親・およう(演:古柴香織)を捜すために抜け忍となった身で、柘植一族から命を狙われている事が判明。その後第9話で、光圀暗殺計画も絡んだ柘植の里の危機を救った事で罪を許され、正式に一行に加わる。第37部10話で、秋田杉の山守をしていた母方の祖父・半右衛門(演:綿引勝彦)の仇を追うアキを庇って凶弾を浴びそのまま崖から転落、生死不明となるが(次の第11話から入れ替わる形で二代目弥七が登場)、第23話(最終話)で帰郷するアキを迎えに来るという形で姿を見せ、生存が判明した。
  • なお大殺陣においては、鬼若は飛猿同様に打撃技と怪力を活かした力技を使うほか、重要な対戦の時は折り畳み式の三節棍(鎖つき)を使う事もあった。アキは子供なので戦闘に参加する事は少ないが、戦闘時はお銀/お娟に似たデザインの忍び装束を着用し、ボーラのような分銅を使って悪人を捕縛したり、屋根の上から瓦を投げるなどして一行の援護を行う事もあった。また読唇術やちょっとした未来予知など、戦闘以外での活躍もあった。

◆素破の次郎坊
演:コロッケ
第29・30部の石坂黄門期に登場(他に1000回記念スペシャルにも登場している)。元々は柳沢吉保に雇われ光圀の命を狙う刺客だった。金さえ払えば誰にでもつくという変装と声帯模写の名人で、武器として独楽を用いる。最初はクールな忍者だったが次第に光圀の味方になっていき、第30部では陰陽師に転身して神出鬼没かつコミカルな所を見せ、コメディリリーフ的な役割を担っていた。

【オープニング曲】

『ああ人生に涙あり』
作詞:山上路夫、作曲:木下忠司
「〽人生楽ありゃ苦もあるさ~」で始まるお馴染みの曲。
基本的に歴代の助格役の俳優が歌っているが、第29部と1000回記念スペシャルは御三家(橋幸夫・西郷輝彦・舟木一夫)が、第30~32部は御三家が1人ずつ週替わりで担当していた。

【余談】

  • 印籠シーンは概ね20時43分ごろと決まっている。これはある大御所が、視聴中に大殺陣の最中に電話が来て肝心の印籠シーンを見れなかったとのことが由来。
  • 実は光圀一行の方が明らかに悪者となった回がある。
    • その回では最後の大殺陣の相手はある藩の藩士一行であり、光圀一行はその藩士が狙う男女を守る形で殺陣を行っているのだが…
      男:その藩の特産品を生産している一家の息子で、脱藩しようとしている最中に藩士一行に追いつかれた
      女:男に本気で惚れて抜け忍になったとはいえ、その特産品を盗作しようと近隣の藩の命を受けて潜入したくノ一
      …そら追いかけるわ。
    • さすがに光圀も後ろめたい物はあったのか、いつもの口上が「懲らしめてあげなさい」ではなく「手加減してあげなさい」になっており、
      この前にあらかじめ弥七に命じて藩主に書状を送っていて、助格らが時間を稼いでいる間にその書状を見た藩主が駆けつけ、光圀一行に斬りかかっている藩士を止めに入り光圀の身分を明かす形という流れになっていて、印籠も見せていない。

【アニメ化】

1981年には『まんが水戸黄門』のタイトルでテレビアニメにもなっている。制作元はナック
…そう、 あの『チャージマン研!』のナックである

内容の方は制作会社でお察しの通り(光圀がほぼ空気だったり、代わりに助格が必殺技を連発したり、文字通り人間離れした能力を持った超人になっていたり)。
ただ、「ナックの音楽にハズレなし」の例に漏れず、オープニングテーマの『ザ・チャンバラ』をはじめ、BGMは評価が高い。

【ゲーム化】

そして1987年にはファミコンソフトにもなっていたりする。制作はサン電子。
…そう、あの『いっき』のサン電子である。
失敗した時の悪代官の「残念でしたなぁ…黄門様!」の台詞は往年のゲーマーの間ではかなり有名。
一定時間内に、襲ってくる悪党の手下を懲らしめる、人々から話を聞くなどして様々な悪事の証拠を集めて黄門様に報告し
印籠を見せつけて一件落着。

一作目『天下の御意見番 水戸黄門』はテレビシリーズと同様、日本各地*49を巡りながら悪党を懲らしめるストーリーだったのだが、
二作目の『水戸黄門Ⅱ~世界漫遊記~』では、タイトル通りに海外へ足を延ばし、
西部開拓時代のアメリカでアウトローを成敗したりドイツで吸血鬼ドラキュラ相手に立ち回ったりという奇想天外な内容になっていた。
「外国で三つ葉葵の印籠が通用するのか」というツッコミは野暮。
「ドラキュラはドイツじゃなくてルーマニアだ」というツッコミも無粋。

【漫画作品】

小学館の雑誌『小学五年生』2006年9月号から2007年3月号まで(2007年2月号は休載)、漫画作品『水戸黄門外伝 DokiDokiアキの忍法帳』が連載された。主人公は第31~37部に登場するくノ一の少女・アキで、TBS版では成人男性である風の鬼若と鳴神の夜叉王丸がアキと同年代(やや年上くらい)の少年という設定になっており、またTBS版と共通する登場人物はこの3人のみ。
ストーリーは、アキが母の命により、願いを叶える力を秘めた柘植の里の秘宝の宝珠を遥か東にある清龍の滝へ沈めて封印するために、宝珠の力を狙う甲賀の忍者と戦いながら清龍の滝を目指すというもの。執筆を担当したすぎ恵美子は最終話掲載号発売直後に胃ガンにより死去、これが遺作となった。単行本は2007年5月に発売。
他に公認漫画作品としては、リイド社『コミック乱TWINS』で2008年1月号より連載された倉田よしみの『水戸黄門 食いしん坊漫遊記』がある。

【アニヲタ関連】

2013年には水樹奈々が自ら座長を務めるライブイベント『水樹奈々大いに唄う 参』で『光圀-meet,come on!-』として舞台化。
水樹が女体化お祭り好き黄門様を演じ、お供として保村真(助三郎)・小西克幸(格之進)・杉田智和(うっかり八兵衛)・沢城みゆき(かげろうお銀)・浅沼晋太郎(風車の弥七、本作の脚本・演出家でもある)が出演。
他には敵役の悪代官として松本保典、その部下役で名塚佳織、謎の青年役で宮野真守、光圀に助けられるヒロインとして能登麻美子福圓美里が登場。ナレーターも本家地上波版末期と同じ槇大輔となっていた。
筋立て自体はシンプルなアクションコメディーものだが、背景に『竹取物語』があったり、一応時代劇なのに現代のネタや中の人ネタが出てきたリとハチャメチャだった。


「助さん、格さん、アニオタさん、追記・修正してやりなさい」

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最終更新:2025年03月07日 14:25

*1 導入部のバリエーションは他にも多数あり、光圀が自ら旅先の有名な職人を訪れ、その職人が被害者となるパターンや、光圀が助三郎たちと喧嘩し、単独行動中に出会った人物が被害者となるパターンもある。

*2 第22部19話では悪徳オランダ人の商人が「(日本人に)私は裁けない」と治外法権を盾に開き直ったのに対し、光圀はオランダ商館長に取り次いで断罪してもらった。

*3 基近は正五位下から四位に相当する近衛少将で、一条(六条)三位と異なり官位の上でも光圀より下であるにも関わらず反抗している。

*4 第40部2話に登場した日光例幣使・東十条宗房(演:村野武範)は、印籠を見せられても立場の違いを理由に光圀を無視して立ち去ろうとするが、光圀が中納言の官位にある事を知らされた途端に掌を返すように頭を下げて、光圀の裁きを受け入れた(もっとも、その後でやはり徳川家である光圀に裁かれる事は不服に思ったのか、刀を手に刃向かおうとして一蹴されてしまっていたが…)。

*5 各シリーズごとの事件・策略における黒幕として暗躍しているという設定。第3部で隠居に追い込まれたが、光圀役が交代した第14部で一部設定の刷新に伴い復活している。

*6 キャストは第28部が茂山逸平、第38部が柳沢太介。

*7 光圀の兄・松平頼重の次男で、光圀の甥に当たる。

*8 これは光圀の実際の号でもある。

*9 非常にレアなケースではあるが、敵の親玉を自ら一刀のもとに斬り捨てたシーンは存在する。

*10 結婚相手はそれぞれ異なり、里見助三郎は久保田藩家老の小野塚兵衛(演:水島道太郎)の娘・志乃(演:山口いづみ)、原田助三郎は水戸藩の武家の娘・美加(演:須藤温子)、東助三郎は志乃(演:大村彩子、素性は不明)となっている。

*11 前述の通り、元は第9部で光圀を頼って西山荘を訪れた久保田藩家老の娘で、藩のお家騒動の解決後に故郷を出て水戸藩国家老・山野辺兵庫の養女になり、助三郎と結婚。第17部まで登場した。

*12 この際には光圀を「口やかましい頑固ジジイ」、格之進を「頭の固い唐変木」などと陰口を言ったりもする。

*13 史実で光圀を警護していた剣術家・和田平助正勝が興した新田宮流抜刀術の達人という設定がある。

*14 妻の深雪は水戸藩家老の娘で、第1部の最後で結婚した。格之助は第3部で生まれている。

*15 なお、多加は第18部からは助三郎にも縁談を勧めるようになったが、第19部の途中で亡くなったという設定で、その後は水戸藩の家老らが縁談を勧めたりしていた。

*16 柔術・剣術・居合術を複合させた関口新心流の達人という設定がある。

*17 第13部では、なぜか設定が弥七の兄に変わっている。

*18 第15部11話。旅籠の主人に化けた刺客・卍屋徳兵衛(演:田中明男)が眠り薬を盛った料理を出して一行が眠り込んだ所を暗殺しようとするが、八兵衛が料理を一人で平らげたおかげで光圀たちは眠らされずに済んでいる。

*19 「白椀」と「たくわん」、「木地」と「雉」を聞き間違えるなど。

*20 特に第3部9話では、お新が短筒で弥七を撃とうとした所に近くの屋根から飛び降りて組みつき、弥七を助けた事もあった。

*21 第5部19話、第7部12話と31話の計3回。

*22 なお第7部12話では、「印籠を手に、光圀と共に石段を駆け上がりながら『控えろ、控えろ!』と叫ぶ」というかなりかっこいい出し方だった。

*23 第5部7話・第18部23話・第23部16話など。特に第5部7話でシリーズ通しての刺客・鉄羅漢玄竜(詳細は後述)を撃退した際は、背景が砕石場のような岩山から書き割りの五条大橋や巌流島へと変わっていく芝居じみた演出で、次第に夢である事が明かされる形だった。

*24 なお『水戸黄門外伝 かげろう忍法帖』では、同じキャストで双子の弟の花火の又八が登場している。

*25 現:未唯mie。

*26 光圀の号の一つである。

*27 藩の医者によって身内の難病を治療してもらえる、悪人に取りつぶされた家の再興、叶わなかった結婚が認められるなど。またゲストが職人の場合は、その職人の作った品が藩御用達や幕府への献上品として認めてもらえるなどのパターンが多い。

*28 徳川家の家紋である「三つ葉葵の御紋」がついた品を幕府関係者の面前で粗末に扱った場合、不意か故意かは問わず、当事者(特に武家の人間)は斬り捨て御免か切腹・自害を求められるほどの不祥事であり、ましてや「三つ葉葵の御紋の入った品をわざと床に払い落とす」行為は「徳川家への叛逆の宣言」にも等しい不敬極まりない行為と見なされる。

*29 第5部12話、第7部12話、第11部10話、第14部6話・20話、第35部14話など。

*30 印籠を使って公儀または徳川家縁の者と称した偽の使者を立てて、城下の商家から金品を巻き上げる、印籠を公儀からのお墨つき代わりにして自身の行う悪事を正当化・強行しようとするなど。

*31 地元では「白髭の老人と、『すけ』『かく』とつく名前の若い男2人の一団が光圀一行」と知らされていて、光圀の容姿に似た髭の老人(髭や髪の色合いはまっ白ではなく、現代風にいうロマンスグレー的な感じが多い)と「助八」「助造」「角平」「格次」といった名前の若い男2人の一団が光圀一行と思われるパターンが多い。

*32 第21部14話「瞼の父は偽黄門」

*33 大抵は光圀や、助格のいずれかが多い。他に「八兵衛そっくりの若旦那や地元の藩主」「弥七そっくりの渡世人や風来坊」も見られる。

*34 自分の娘を藩の重役のドラ息子に嫁がせて、利益を得ようとするなどの非道に走る者もいたりする。

*35 そして八兵衛の方は、命を賭けて悪家老の不正を暴こうとする若い侍たちに「藩主はもう全てお見通し」とアピールするための替え玉として担ぎ上げられたり、逆に悪家老に自分たちの操り人形たる替え玉に仕立てられて本物の藩主の暗殺を狙う陰謀に利用されたりする。

*36 里見浩太朗が演じる二代目助三郎の妻・志乃の養父で、助三郎の舅に当たる。

*37 さらに、諸国漫遊の旅に出るのも第5話とかなり遅く、目的も史実の要素を取り入れ「『大日本史』を編集する上での史料を集めるため」となっている。

*38 延岡名産の染物を手がける老舗・日向屋の女将のおまさ役。

*39 なお、ドラマでの共演も『101回目のプロポーズ』以来28年ぶりである。

*40 八兵衛が間抜けで頼りない印象のキャラクターなのは、熱血漢だった辰三との差別化のため。

*41 魁・重田・桜の3人はNHKで1995年4月から2006年3月まで放送されていた時代劇バラエティー『コメディーお江戸でござる』『コメディー道中でござる』のレギュラー出演者で、新助役の松井も『道中でござる』にレギュラー出演していたコントグループ・カンカラのメンバーだった。

*42 第42・43部では一部設定の刷新に伴い「江戸見物の客の案内業で生計を立てる町人で光圀らとも旧知の仲であり、一行の旅立ちに際して宿の手配や道中を案内する先達の役目を引き受けた」という設定になり、名前も「ちゃっかり」の冠称がなくなっている。

*43 そもそもちゃっかり八兵衛が光圀一行に加わったのも、「かつての自分のように諸国を旅させて、様々な事を学ばせてやりたい」とうっかり八兵衛が光圀に頼んだためである。

*44 なお、おけらの新助も同様に弥七を「親分」と呼んでいる。

*45 キャストの三平の持ちネタである。

*46 光圀に助けを求めに来た第22部のレギュラーキャラである。

*47 なおキャストの由美は元来早風呂で、入浴シーンの撮影ではいつも苦労していたらしい。

*48 最初は柳沢吉保とその配下の忍者・蛇骨の升六(演:中村嘉葎雄)の策略で記憶操作されるなどして光圀と敵対したが、光圀の人柄に触れた事で記憶が戻ると同時に味方になった。

*49 第16部のルートを踏襲している。