Skeb

登録日:2023/10/21 Sat 18:09:43
更新日:2025/04/15 Tue 10:05:00
所要時間:約 6 分で読めます




Skeb(スケブ)とは、クリエイター、クライアント間での有償リクエストを仲介するWebサービスである。
主にイラストコミッションを扱うが、それ以外にもコミック、3Dモデル動画、ボイス、テキスト(小説)、更にはアドバイスにも対応している。


概要


日々ネットサーフィンしているアニヲタ諸君、次のようなことを思ったことはないだろうか?

「腕の立つ絵師に供給の少ない推しキャラのイラストを描いてもらいたい」
「ファンである絵師様の趣味ではないだろうがこんなキャラを描いてみてほしい」
「自分の作ったキャラの素人絵をちゃんとした絵師に清書してほしい」
「萌え声の素人声優さんに自分の台本通りの声を喋ってもらいたい」

しかし、メールやイベント会場などで直接お願いするには気が引ける。
また、いくらクリエイターたちが趣味で創作活動をやっているとはいえ、クリエイターは基本的にただ働きはしたくないし、どうせならお金を取りたいと思うだろう。
全くのタダにするとクライアントの質がいきなり悪くなるので、信頼の意味で報酬が欲しいという人も少なくない。

そこで、仲介サービスである「Skeb」の出番である。
Skebでは、いくらかの仲介手数料は取られるとはいえ、人間である仲介人のもと、そういったリクエストを仲介してくれるのである。

「Skeb」という名称は「スケッチブック(Sketchbook)」の略である。
決して「Skebe」の略ではない。

クリエイターさんにリクエストしてみよう!


リクエスト方法は簡単。
支払い方法(多くの場合はクレジットカード)を登録し、希望するクリエイターに「リクエスト」を送ってみよう。
「ジャンル」「金額」「本文」そして「オプション」を入力したらあとはクリエイターの返事を待つ。

これだけである

+ もう少し詳しく

アカウント制作

本サイトでは必ずアカウントにSNSを紐づける必要がある。
X(旧Twitter)もしくはMiskeyのアカウントを連携してログインすることでアカウントが登録される。
一度アカウントを作ってしまえばメールアドレスからのログインも可能。

ジャンル

絵師さんならイラスト、声優さんなら声、書き手さんならテキスト(小説)を選択。
また、絵の描き方や使っている器具、自分の作品のレビューなどといった「アドバイス」も依頼することが出来る。
クリエイターが登録していない(リクエストを受けていない)ジャンルは選ぶことは出来ない。
例えば声優さんにイラストを要求することは不可能なので画伯とか期待しても無駄である

金額

クリエイターが「おまかせ金額」をあらかじめ指定しているが、これより安くても高くても構わない。
例えば、ラフ絵でもいいと本文で指定しているならば、指定金額よりも安くして見ても良いし、
複数枚絵を依頼するにしても、指定金額のまま依頼しても構わない。
ただし「おまかせ金額」とは別に指定されている「最低金額」を満たしていなければリクエストの送信自体が不可能となる。
金額に見合わないor気に入らない依頼であればクリエイターが断ったり、承認期限まで無視されて終了である。
自分でキャンセルしたり、クリエイターにキャンセルされるとリクエスト連投防止の措置として「最低金額」が送信した額を上回るように調整される。
現在ではリクエストを断る時には理由も併せて送ることが出来る。

本文

ここからが本番。
「いつも素敵な作品を拝見させていただきます」などのような挨拶を添えつつ、
クリエイターにどんな作品を作ってもらいたいのか、クリエイターの過去の依頼などを参考に書き連ねてみよう。

あまり長文を書き連ねるとクリエイターさんも対応に困るだろうが、
条件を細かく指定すればするほど作業しやすくなるということもある。
勿論、あえてクリエイターさんに任せるという形で、リクエストを短文に収めるのもありである。

かつては本文に規約違反の可能性のある特定のキーワード*1がある場合、エラーとなりリクエストが送信できない仕様が存在した。だが厄介なことに、何がNGワードなのかがわからないため一部のユーザーの悩みの種だった。
現在は本文を送信した場合ほぼ一律で「保留中」となり、ひとつひとつをスタッフが確認した上で送信される仕様となったため問題は改善しているが、スタッフのチェックで弾かれて送信できない場合でも「規約違反」以外の理由を教えてもらえないため注意。


NSFW

英語圏でよく使われる、「Not Safe For Work(職場での閲覧には注意)」の頭文字を取った用語。
閲覧に注意な絵…要はエロやグロの創作を指定する際は、必ずこちらにチェックする必要がある。

一般的には日本で言う「R-18」「18禁」と同一視されることも多い言葉であるが、このサイトでは同一ではないので注意。
基準は「街中で展示できるか否か」であり、
pixivでは全年齢指定でもOKな「湯気や光で大事なところを隠す」どころか「水着のお姉さんの投げキッス」もアウトである。
不安であれば全年齢指定でもオンにしておくといいだろう。
…正直なところ定義が曖昧で、描くものは同じでも依頼文の言い回し次第でNSFWとして扱われたり扱われなかったりする。

匿名

クライアントが匿名で依頼できる。
…別に余りにドスケベな絵を依頼したところで、隠す必要などないだろう。もとよりそういうWebサービスなのだ。
基本的にオフを推奨するが、クリエイターによっては匿名依頼を受け付けていない人もいる。

マルチポスト

このオプションを有効にすると、他のクリエイターに同様の依頼をしている際に、依頼がひとつでも承認された時点で依頼がキャンセルされる。

翻訳して送信

外国のクライアント、クリエイターに依頼を送る際に有効である。
ある程度は訳してくれるが、具体的な指定をしようとすると自分の言語でしか通じない表現、訳してくれない表現も増えてくることが多い。固有名詞も多くなりがちなのでその辺りにも不安がある。
大体の場合ニュアンスは伝わるとは思われるが、不安なら自分で訳そう。

非表示

依頼文通りだと他のクリエイターの作品とよく似ているものが仕上がる、著作権的に一般公開は不味い作品など、気になる場合はこちらもオンにしておこう。
Skeb上では非表示となり、依頼実績には「PRIVATE」と依頼を受けた実績だけが表示されて、他のクリエイター、クライアントがその依頼文を読むことが出来なくなる。
なお、クリエイターによっては、投稿された作品をSkeb上では非表示にしてpixivで公開というスタンスにしている人*2も居れば、
非表示で依頼された作品をSNSに投稿する場合もある。
作品の著作権はあくまでもクリエイターにあるのである。

宛名

作品名に「○○様へ、依頼ありがとうございました」などの文字を入れて欲しい、もしくは入れて欲しくない場合はこちらにチェックしておこう。
ちなみに「おまかせ」「ありなし両方のファイルを希望」という依頼も出来る。


…まあ逆に言えば、クリエイターとの細かい打ち合わせやリテイクなどは不可能である。

例えば、動画素材、クライアントが投稿する動画で使用する立ち絵をリクエストしたり、イラスト集に載せるイラストを依頼したとしても、
依頼本文に記載した以上の利用は出来ず、動画素材二次配布やイラストのグッズ化などそれ以上の利用は不可能である。
これは作成物の著作権がクリエイター側にある為であり、譲渡が禁止されている為。一歩間違えると訴訟されるリスクがあることは懸念すべきだろう。


依頼を募集してみよう!


クリエイターの場合、お金の振込先を登録したら、まずは依頼を募集してみよう。
現実の仕事と同様、何もしなければ依頼は舞い込んでこないため、
pixivやポートレートとアカウントを提携してSkeb以外の自分の過去の実績を提示したり、SNSなどで自分がSkebを開設したことを呟いたりしてみよう。
また、クライアント1人に対し1回だけ「アピール」を送ることも可能である。
例えば、特定のキャラクターの絵を沢山依頼しているクライアントに対し、私もそのキャラクターの絵を描けますよ!とメンションをかけることが出来る。

クライアントとのやり取りは「リクエストをもらう」「納品する」の1往復だけ
見積もり・打ち合わせ・リテイクなどは一切禁止されており、もしSkeb外のメールやSNSなどでそれを行われたら、スクリーンショットを撮ってすぐに運営に通報しよう。
ちなみにSkeb内で新たな依頼として過去の依頼のリテイクを求める行為に関しては禁止されていない。

納品が確認されたら、(場合によっては運営のチェックが入る*3が)その後10秒で報酬が振り込まれる。

自分で設定した期限内に納品することが出来なかった場合もペナルティは特に無いが、公開データである納品率が減少してしまう。
「もう一度チャンスをくれれば次こそ納品します」とクリエイターからリクエストの再送要請を送ることも出来るが、これに応えるかはクライアント次第である。


まとめると、「クリエイターにとってとても有利」であるサービスである。


余談



  • 意外にも「クリエイターとして多数の納品をしながらも、クライアントとして多数の依頼を送っている」人間も多い。

  • 作品やクリエイターの検索機能も一応備わっているのだが、クリエイターに有利な設計の一環としてクライアントがクリエイター同士を比較できないよう意図的に使いにくくされており*4
    依頼したい相手が定まっていない場合に好みや条件に合致するクリエイターを探すのは難しい面もある。
    (もっとも、タグ機能やマイナス検索などもないので、上記の件を抜きにしても検索機能として使いづらい一面は否めず、2024年頃には改善されたものの検索結果のソート順がバラバラという非常に使いづらい事態もかなり長く続いていたため、一概にクリエイター有利だけで片づけられない面はある)
    新着作品をこまめにチェックしたり、多数のリクエストを送っているクライアントをフォローしてみるのも手か。

  • 先述した通りクリエイター有利なシステムのため、他のイラストコミッションサービスと比べると相場はかなり割安だが、そもそもイラスト依頼自体が絵師の貴重な時間を使って描いているものであり、あくまで「他よりは安い」というだけで基本的には高額。
    安くて5千円、高いもので4〜5万円、凄いときは10〜20万円以上ほど。
    (もっとも、高額なクリエイターはそれでも人気な場合も多く、すぐに依頼を受けてリクエストを閉じてしまうケースも多々見られるが)
    カード払いだからと金額を忘れて依頼しまくり、カード請求額を見て絶望するクライアントは後を絶たない。
    Skebに限った話ではないが、カードの利用は計画的に行おう。
    しかしそんな環境の中で500件以上の依頼を送っているクライアントが少数ながら存在するのだが、果たして彼らは一体何者なのだろうか…?

  • Skebは悪用すればマネーロンダリングにも使えてしまうため、そういった反社会的行為にはサービスの存続にも関わるため極めて厳しい。
    あまりにも手抜きで高額な依頼をするクリエイター、クライアントには、アカウントの永久停止や警察機関への通報など相応の態度を取る。

  • 他者のイラストのトレースなどの行為は規約で禁止されているものの、クライアント側は納品に対して文句を言えない*5ため、バレても問題にはしにくい点には注意。実績などを確認してクリエイターを選ぼう。

  • AIによるイラスト生成は規約によって禁止されている。
    Skebには投稿された作品のAI検出機能がある他、「AI感知を逃れる方法」を公開した人間に対し開示請求をおこない、民事訴訟を起こすことを発表した。
    一方で、連携プラットフォームにおける発言なども監視しているのか、AIイラストに限らずAIによるクリエイターサポートツール等の投稿があった事で強制的にアカウントが長期間審査中という名の実質停止に入れられる事例があったとの事。
    この方針に関しては規約にも書いておらず、Xでの投稿のみでしか確認する事が出来ない事が一部で問題視されている。
    その一方で、監視の目を潜り抜けてAIイラストを納品している疑惑があるユーザーも存在し*6、その辺についても賛否両論。

  • 同様に、クライアントは依頼して手に入れたイラストをAI学習に使用してもいけない
    ここまでくると規約以前に民度の問題だろう。

  • かつては、「二次創作公認プログラム」というものがあり、「魔物娘図鑑」や「東北ずん子」など、特定のキーワードを入力して依頼すると、権利元に売り上げの一部が還元されるシステムがあった。
    しかし、AIによる判定には誤判定が多く、2024年4月に廃止された。*7

  • コンテンツ利用者の中には「心当たりが無いのに警告が届き、利用規約の熟読を勧められた」という声もあるが、これは「Not Safe For Work(NSFW、職場での閲覧には注意)」のつけ忘れである可能性が高い。
    上記にも書いたが、本サイトにおいて「NSFW」は「R-18」と(近い概念ではあるが)イコールではないので注意。
    不安なら「NSFWにならない程度にデフォルメでお願いします!」と依頼分に書き加えておくといいだろう。

  • 一部のコンテンツでは、
    「イラストを有償依頼で描くことがアウト」
    「特定キャラを痛めつけるリョナ絵などのシチュエーションを描くことがアウト」
    「特定キャラクターが寝取られる絵を描くことがアウト」
    コンテンツ側で禁止されているものがある。
    具体的には、ディズニーや実在人物などのイラストは一切リクエストできない。
    例え非表示で自分で楽しむにしてもダメであり、運営からクリエイタークライアント双方へ警告が届く。

  • 近年のクレジットカードの決済に関する問題を意識して独自の決済手段として「Skebポイント」が導入されている。
    銀行振込やコンビニ払いで購入、1ポイント=1円として依頼やブーストに使用することが出来る。
    購入後180日の使用期限がある点には注意が必要。
    (リクエスト承認後は使用期限までの日数が経過しなくなるため、納品されなかったことでポイントが失効することはない)


追記、修正は、憧れのクリエイターに依頼を送ってからお願いします。

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最終更新:2025年04月15日 10:05

*1 確認できた限りでは過度にセンシティブなワードや、skeb外での交渉を防ぐためか「SNS」や「DM」、「1000円」という単語も弾かれていた。

*2 主にfanboxなどを開設しているクリエイター。

*3 NSFWの付け忘れで警告を受けたことがあるなど、余程のことが無い限りはされない。

*4 リクエスト本文やプロフィール文からのキーワード検索となっているようだが精度はさほど高くなく、金額や締切日数等によるソートや絞り込みもできない。

*5 何なら、クライアントガイドラインに「キャラクター、構図、解像度、差分、ファイル形式などいかなる内容もクリエイターは従う必要がありません」と、クリエイターが故意にクライアントの要望に全く沿っていない作品を納品しても一切不問にすることが記載されている。

*6 証明する事が難しいので大半があくまで疑惑であるが、実際にカミングアウトして問題となったユーザーもいる。

*7 「以前描かれた○○のイラストと同様の構図で~」のような「キーワードは参考作品の指定用で実際のリクエスト内容は別のキャラ」というパターンも還元の対象と判定されてしまっていた。なお、キーワードを避けるためにファイル共有サイトのリンク貼って依頼したり、明らかに版権キャラを「私のキャラを描いてください!」と依頼するクライアントや、そしてその依頼を受けるクリエイターなど、「キャラは好むが権利元には敬意がない」人間が居なかったわけではない