ヴァルキリーシリーズ(ベイブレードバースト)

登録日:2023/11/10 Fri 17:48:33
更新日:2025/04/10 Thu 20:58:21
所要時間:約 12 分で読めます




行くぜ、相棒!!

ここでは、ベイブレードバーストの主人公機「ヴァルキリー」、及びその系列機について記す。

【概要】

マンガ・アニメにおいて初代主人公を務めた蒼井バルトの愛機。
いずれも三枚刃による強烈な攻撃を特徴としたアタックタイプで、ラッシュシュートなどの必殺技を駆使して強敵に勝利してきた。
玩具としての特徴はアッパー攻撃と、使い込むほど性能がより過激に変化していく『覚醒ギミック』を備えている事が挙げられる。

尚、「ヴァルキリー」とは本来戦乙女といった意味だが、そのアバターは軒並み男性の剣士である。
…子供受けが悪くなるからか?

【一覧】

ヴァルキリー・ウイング・アクセル

シングルレイヤーの初代ヴァルキリー。
最初に発売したバーストシリーズのベイブレードである。
初期も初期の機体だけあって、後継機のような特徴的な機構は一切ないが、その分癖のない攻撃や挙動が特徴。

レイヤー「ヴァルキリー」は三角形の形状で攻撃しやすく仕上がっている。
ディスク「ウイング」はアッパーフォースで機体を軽快に動かす。トライピオはダウンフォースなのでお門違い
ドライバー「アクセル」は平らな形状でベイが動き回りやすく、これも攻撃に適している。

アニメにはPVにのみ登場、シュウの使用する初代スプリガンと激闘を繰り広げた。

ニューヴァルキリー

漫画版にのみ登場。
シャカとの練習試合で文字通り粉砕されてしまった初代ヴァルキリーをバルトが無理矢理修理した姿。
接着剤や絆創膏で歪に繋ぎ止められたフォルムながら、「斜めに取り付けられてアッパー攻撃に適した刃」「テープが巻かれる事で6枚刃になったディスク」「消しゴムで出来ておりすぐ摩耗するドライバー」とこの時点でビクトリーヴァルキリーへの原型としては完成している。

レギュレーション違反のベイの為危うくバルトは参加できないところであったが、たまたま近くにいたマスターブレーダー堀川の眼に止まり、その独創性を評価されその場でビクトリーヴァルキリーが制作されることになった。

ビクトリーヴァルキリー.B.V

デュアルレイヤー機として登場した二代目ヴァルキリー。
いずれのパーツもより攻撃に特化した形状に進化した。
レイヤー「ビクトリーヴァルキリー」は刃がアッパー形状となっただけでなく、巨大化したことにより、一撃の重みが増した。
ディスク「ブースト」はウィングが六枚に増えており、更に安定感が増した。今度はしっかりダウンフォースを発生させる

そして目玉となるのがドライバーの「ヴァリアブル」、『可変』の名が示す通り使い込むほど性能が変化するようになっている。
具体的には、このドライバーの軸先はラバー製の細かい突起が敷き詰められた形状になっているのだが、摩耗しやすいラバー素材なので段々と擦り減っていき、そのたびに軸先が完全な平らに近づいていくことでスピードが変化していくというもの。
新品の状態はツブツブが6本しか接地していないが、使い込むことで次の14本の段も接地するようになり、最終的には完全な根本の部分で地面を蹴るようになる。
この「覚醒システム」は全国のユーザーを熱狂させた。

アニメではバルトが初めて使用する機体として登場。
持ち主が素人レベルの実力の為、本編開始前は勝ち星に恵まれていなかったが、バルトの成長につれ段々と強化されていく。

ゴッドヴァルキリー.6V.Rb

神レイヤーシステムを搭載した三代目ヴァルキリー。
神レイヤーシステムの特徴であるギミック付きレイヤーとしての要素は「バウンド刃」。
刃となるリングにはスプリングが仕込んであり、相手ベイに衝突した時にこのバネが縮み、その反発力によってより強力なアタックを繰り出せるようになっている。
この神アビリティ「バウンドアタック」が目玉ギミックとなっている。

ディスク「シックス」はフレームを装着することが可能なコアディスクの一種であり、単体ではダウンフォースを発生させる形状となっている。
フレーム「ボルテックス」は初代ヴァルキリーのような三角形で、攻撃性能を強化する。
ドライバー「リブート」にはもう一つの神アビリティである「ゴッドリブート」を搭載しており、強力なシュートをすると遠心力で軸先が一部飛び出し、バトル後半になって遠心力が弱まると引っ込んで元の極太軸に戻り、再加速が可能という代物。
これがゴッドヴァルキリーの覚醒要素となっている。
精度が悪いのか何回も使っていると摩耗してリブートしなくなる事があるので注意。
石鹸水やシリコンスプレー等を可動部に吹けば治るが、大会レギュレーションに抵触する恐れがあるので要確認。

アニメでは二期にてバルトが使用する。

撃ゴッドヴァルキリー.6S.Ul

激化する世界大会の中に対応すべく、ゴッドヴァルキリーが強化パーツを付けた姿。
レイヤーには専用パーツ「撃ゴッドチップ」を装着し、神アビリティがバウンド刃が固定される代わりに隠されていた刃が出現し、元からあった刃と組み合わさる事で超大型刃となる「ゴッドスラッシュ」に変化。
ディスクはフレームを「スター」に変更、五枚刃によって攻撃性能を更に高める。
ドライバーも「アルティメットリブート」に交換。回転力が弱まった際に軸先が引っ込み、根元のラバー軸で再加速が可能となる、前作メタルファイト ベイブレードの主人公機「ビッグバンペガシス」に搭載されていた「ファイナルドライブボトム」の能力を受け継いだギミックを持つ。

アニメでは二期終盤で撃ゴッドチップとアルティメットリブートドライバーのみが登場、世界の強豪を相手に戦い抜いた。

現実でもこれらの強化パーツは発売されたが、撃ゴッドチップは『無限ベイスタジアムDXセット』に付属する邪神ヴァルキリーから、スターフレームは当時の雑誌付録などで、アルティメットリブートドライバーは当時のコロコロの応募者全員サービスでそれぞれ入手する必要があるなど、対象年齢の子供には結構キツい出費が求められる、おまけにドライバーはコロコロを5か月購読して一冊一冊に付いてくる応募券をすべて集めないといけない鬼畜っぷり。
救済措置か購入者プレゼントや他の雑誌付録、ブースターやランダムブースターへの再録という形で各パーツの再録がなされた。

ウイニングヴァルキリー.12.Vl

全ベイが標準でメタルを搭載している超Zレイヤーシステム搭載の四代目ヴァルキリー。
レイヤーはメタルパーツが一周している形状で、メタルとプラスチックが一体化した剣で切り裂くような攻撃を行う。また、例によってアッパー攻撃に向いた形でもある。
ディスクは「トゥエルブ」、シックスからやや軽くなったが大型化している。
残念ながらフレームは標準搭載ではなくなった。
ドライバー「ボルカニック」は超大径かつフリー回転する軸先で、これまでのラバー軸とはまた違った急加速を見せる。
何度もシュートして内部機構を摩耗させることで、フリー回転の滑らかさを増しつつ超大径軸の安定性の高さを併せ持つスタミナタイプのドライバーにする「覚醒ヴァリアブル」という魔改造が流行った。
また、超Zシリーズから一部のドライバーに高さの概念が加わり、ボルガニックの場合は通常ドライバーより高い背に仕上がっている。

アニメでは三期から登場、しかし物語後盤で闇堕ちした当時の主人公・アイガに破壊されてしまい…

超Zヴァルキリー.Z.Ev

「超Z覚醒システム」を引っ提げて復活した五代目ヴァルキリー。
今度は撃ゴッドヴァルキリーを意識したようなオーソドックスな三枚刃となった。
レイヤーは強力シュートによってウィングが開き、攻撃性能が増すと同時に内部のバーストロックが展開し、ディスクの爪に引っかかる事でベイがバーストしなくなるという強力な能力を持つ。
代償としてかなりのシュートパワーが必要となる為、同時に発売されたより高いパワーが出せるランチャーと併用したい。

ディスク「ゼニス」はプラ素材を介してラバーと金属が融合したものであり、フレームと同等以上に攻撃性能を強化する。
ドライバー「エボリューション」はヴァリアブル同様に使い込む事で性能が変化するが、違いとして背が高く設計されており、これにより超覚醒状態になっても通常ドライバーと同等の高さで使用できる。

スラッシュヴァルキリー.Bl.Pw 烈

GTレイヤーシリーズの六代目ヴァルキリー。
そちらのシステムを採用したことでレイヤー自体のカスタマイズが可能となった。

GTチップ「ヴァルキリー」は固い二つのロックで自らの攻撃の反動に耐える。
ウエイト「烈」は片方に2つ、もう片方に1つの重心を持つ形状でやや偏重心になることで攻撃力を高める。
ベース「スラッシュ」はかなり大型のアッパー三枚刃。

ディスク「ブリッツ」は回転中に遠心力によって広がる3枚刃が存在し、攻撃の補助を行う。
重さ自体もそこそこの為持久力強化にもつながる。
ドライバー「パワー」はロック固定用のスプリングと軸先が直結しており、強い衝撃を受けると軸先ごとスプリングが縮む事でロックが固くなる。

アニメでは四期にて、シニアクラスに上がったバルトの愛機として登場。
クラスの違いからあまり活躍は出来なかったものの、頭角を示し続けた。

ブレイブヴァルキリー.Ev’ 2A

超王レイヤーシステムで登場した七代目ヴァルキリー。
当時のコロコロコミック誌上で展開された「新ヴァルキリーデザインコンテスト」との兼ね合いからか、ヴァルキリーでは初の新シリーズ一発目の機体の座を逃がしている。
その代わり、そちらの応募はがきに描かれていた「ヴァルキリーの頬にバルトと同じ痣」という要素を拾っている。

スパーキングチップ「ヴァルキリー」は他の超王チップよりドライバーを引っかける爪部分が太く短くなっており、短期的な衝撃に強いがその分バースト自体はしやすいという調整となった。
リング「ブレイブ」はラバーによって刃が本体に繋がった状態で、その弾力によってバウンド攻撃を行う。
シャーシはダブルシャーシの「2A」、こちらは単に刃がラバー素材になっており、その摩擦力によって相手をバーストさせやすい。
ドライバーはエボリューションがロック固定用スプリングを強化した「エボリューションダッシュ」として再録。

アニメでは五期にて登場、他のレジェンドブレーダーと共闘する場面も。

セイバーヴァルキリー.Sh-7

DBレイヤーシステムを取り入れた八代目ヴァルキリー。
今回も新シリーズ一発目の機体ではない。

DBコア「ヴァルキリー」はスプリングが仕込まれており、あらゆるブレードにバウンド攻撃性能を与えることが可能。
公式のカスタマイズの中にはこの機構を衝撃吸収の為のサスペンションとして使う物があり、『プロミネンスヴァルキリー.Ov.At'-0』として商品化された。
アーマー「7」は七枚刃で偏重心にしつつ空力性能も強化。
ブレード「セイバー」はラバー製刃でバウンド攻撃を行う。
今回の覚醒ギミックはこのラバー刃が使い込む事で千切れ、本来のスラッシュヴァルキリーに近い大型アッパー刃で攻撃が可能となるというもの。

ドライバーはヴァルキリー初のディスク一体型ドライバーである「ショット」。
なんとトライグルよろしくジャンプする。

ジ ャ ン プ す る 。


大事な事なので二回言いました。
といってもグル程ジャンプはしないし、どちらかというとリブート以来の再加速ギミックとして昇華された。
強力シュートで内部構造のロックが解け、一定時間経過すると収納されていた軸先が飛び出し、ジャンプ後再加速する。

アニメでは六期で登場、バルトだけでなくバルトを慕う新世代ブレーダーのラシャド・グッドマンが使用。
ラシャド仕様の赤いヴァルキリーも存在し、コロコロの銀剥がしや低確率で通常のヴァルキリーの代わりに商品に封入されているという形で世に出回った。
こちらの赤ヴァルキリーには、バルトと同じ頬のマークは存在しない。

アルティメットヴァルキリー.Lg.V’-9

ベイを変えたラシャドにセイバーヴァルキリーを破壊されたバルトが、それまでの愛機を思い出しつつ制作した九代目ヴァルキリー。

DBコア「ヴァルキリー2」はオーソドックスな性能で、ロックは固いものが三つ。
アーマー「9」は空力を強化。
ブレード「アルティメット」は初代ヴァルキリー以来の突き刺す形状の刃で、ラバー製の為攻撃力は高い。

DBディスク「レガシー」はブーストディスクをDBディスクに落とし込んだような形状で、やはり空力に特化。
ドライバーはヴァリアブルドライバーのバネを強化した「ヴァリアブルダッシュ」。

そして何より、歴代ヴァルキリーの要素を至る所に仕込んでいる。
一例として
  • 初代ヴァルキリーから、回転方向に突き刺すシール。
  • ビクトリーヴァルキリーから、中央の横顔のデザイン。
  • 撃ゴッドヴァルキリーから、中央の撃ゴットチップのデザイン。
  • ウイニングヴァルキリーから、黄色い羽と赤い三角形の形状。
  • 超Zヴァルキリーから、ディスクに「Z」の意匠。
  • スラッシュヴァルキリーから、刃の空気ダクト。
  • ブレイブヴァルキリーから、頬の痣。
  • セイバーヴァルキリーから、ラバー製刃。

ベイブレードバーストの歴史と共に歩んできたヴァルキリーの歴史を内包したベイと言えよう。

アルティメットヴァルキリー.W’.A’-9

「バーストスプリガン.S’.F’-8」とセットで発売されたアルティメットヴァルキリーのマイナーチェンジ。
レイヤーのカラーリングは初代ヴァルキリーをイメージした物に変更されており、ディスクとドライバーも初代ヴァルキリーの「ウィング」ディスクと「アクセル」ドライバーをインフレに合わせて発展させたものとなった。

実は前作の時点でヴァルキリーの横顔に「15」の意匠が隠されており、バーストスプリガン側の「20」と合わせてベイブレードバーストが開始した年である「2015」と読める。
ブレードもそれぞれを続けて読むことで当時のシステムである「バーストアルティメット」となり、中央に造形されたイニシャルも「VS」となる。
最初の二機をリスペクトした、まさにベイブレードバーストシリーズの終焉に相応しい機体達である。
実際にはバリケードルシファーが控えてたんだけどな!!

ビクトリーヴァルキリー2-60RA

ベイブレード25周年記念セットにて、BEYBLADE X (ベイブレードX)の規格に合わせて復刻されたビクトリーヴァルキリー。
かつて初めて復刻ベイが実装されたバーストシリーズがリメイクされる側に回った事に感慨深い想いをしたブレーダーも多いのでは?

ブレード「ビクトリーヴァルキリー」は元のレイヤーとディスクを一体化した上で意匠を再現している。
ランチャーに引っかけるフックが3つあるなどのXシリーズの規格の都合から若干見た目は異なるものの、殆ど気にならないレベル。
安全基準の都合か肝心の刃が小さくなっているものの、ディスクと一体化した事で傾斜自体は更に大型化したアッパー刃による攻撃を決められる。

ラチェット「2-60」はドライバーのリベット止めされている部分の出っ張りを表している物と思われる。

ビット「ラバーアクセル」はXシリーズでは初のラバー軸。
Xシリーズ名物のエクストリームダッシュとの兼ね合いからスピードが速すぎてすぐにバテてしまう等の欠点もあるが、完全に平らな軸先が超覚醒したヴァリアブルドライバーを彷彿とさせたり、ギア部分の段差の付いた形状も相まって覚醒前のヴァリアブルに似ているとの見方も。

復刻ベイの宿命か現在の環境でやっていけるかは怪しい性能だが、約33gとXシリーズの復刻ベイの中ではそこそこの重量と、攻撃型ベイでは長所になりやすい編重心によって改造次第で充分にやっていける部類。

追記・修正はラッシュシュートの特訓をしてからお願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ベイブレードバースト
  • ベイブレード
  • 主人公機
  • ヴァルキリー
  • 蒼井バルト
  • 攻撃型
  • アタックタイプ
  • 右回転
  • コマ
  • 独楽
最終更新:2025年04月10日 20:58