異次元グランド(遊戯王OCG)

登録日:2023/12/27 Wed 22:45:07
更新日:2024/05/03 Fri 17:11:26
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異次元グランド
通常罠
(1):このターン、墓地へ送られるモンスターは墓地へは行かず除外される。

「異次元グランド」とは遊戯王OCGの1枚。
初出は「STARSTRIKE BLAST」。


概要



発動ターン中に墓地に送られるモンスターを除外する効果を持つ。

「墓地は第2の手札」と評される遊戯王において「墓地へカードを送らせない」と言う状況を作り出せるのはかなり強力で、単純に用途をあげるだけでも

  • 単純に墓地の枚数が増えるのを防ぐ。
  • 後々特殊召喚するつもりで墓地へモンスターを落とす動きを阻止する。
  • 「墓地へ送る」「墓地へ送られる」発動トリガーをもつ効果モンスターの効果を封殺する発動する。
  • PモンスターをEXデッキに持っていかせることなく、除外させる。

と言った直接的な効果を得られる上に、相手がまだ何も行動をしていない状態で上記の可能性をチラつかせて行動を躊躇させるのにも役立つ。

またこの効果、自分のカードで役立てる場合は、除外する事をコンセプトとしたデッキで除外されるカードの枚数を稼いだり、除外されることで効果が発動するカードのトリガーとして役立てることも出来る。

また手札誘発効果を持つモンスターを自分が運用にも役立ち、墓地にカードを送らせずに除外することで墓穴の指名者の発動を不可能にさせることで効果発動の確実性を高めるといった芸当にもつなげられる。



……と、高い汎用性を持つ効果なのだが、この効果を聞いて多くの人はこれらのカードを思い浮かべるだろう。


次元の裂け目
永続魔法
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、お互いの墓地へ送られるモンスターは墓地へは行かず除外される。

マクロコスモス
永続罠
(1):このカードの発動時の効果処理として、手札・デッキから「原始太陽ヘリオス」1体を特殊召喚できる。
(2):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。


ダーク・ロウを思い浮かべました!」と言う人、先生怒らないから出てきなさい。


前者は異次元グランド同様、モンスターだけを除外するが、魔法カードゆえに引いたターンでも使用可能。
後者は罠カードのため、タイムラグの面での優劣は特にないがモンスター以外も除外できる。

どちらも発動ターン以降も効果が続くので中長期的な墓地利用封じができ、除外をコンセプトとしたデッキで高い採用率を誇る。

これらと比べると1ターンのみの効果である異次元グランドは見劣りしているように感じる。
実際「長期的な拘束」や「自分のカードを大量除外する」という目的での運用ではあちらに分があるのだが、このカードにも特有の利点が存在する。

・自身のカードを除外に巻き込みにくい。
効果の性質上、基本的に相手ターンのタイミングの発動が一般的になり、「1ターン限りの足止め」になってしまう事が多いが、環境が高速化した現在では1ターン動くのを躊躇させるだけでもなかなかの痛手になる。

そこまでだけならば先に紹介したカードだけでも事足りはするのだが、同じターンに「除外されると困るカードを自分が使用する」場合、「自身が墓地に落としたいモンスターを早めに落とした上でこのカードを発動して相手には除外効果を押し付ける」と言った芸当に繋げることが比較的容易で、ターンが終われば効果が切れてまた自分の墓地の運用ができるようになるといった具合でフレキシブルな運用が可能になる。
そのため、墓地へ送られて効果を発動するカードや墓地にカードをためるカードが死に札になるリスクを低減でき、共存させることが出来る。


・除外する効果が「残存効果*1」によるものである。

「次元の裂け目」「マクロコスモス」の除外は共に永続効果なので、除去されるとその場で除外効果も途切れてしまうが、このカードは発動後ターン終了時まで効果が残存効果として残るため、発動を無効にされなければそのターン中除外効果が続く。

実は「墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される」と言う効果の多くは永続効果として運用されることが多く、異次元グランドの様に発動後の残存効果で除外ができるようになるカードは少ない。


条件に当てはまる他のカードとしてメジャーな物は以下がある。


ディメンション・アトラクター
効果モンスター
星6/闇属性/魔法使い族/攻1200/守2200
(1):自分・相手ターンに、自分の墓地にカードが存在しない場合、このカードを手札から墓地へ送って発動できる。
次のターンの終了時まで、墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。


こちらも汎用性の高い除外効果を持つ手札誘発効果で残存効果による除外を行う。


異次元グランドとこのカードを比較した場合、異次元グランドには「発動タイミングに制約がない関係上腐りにくい」という点で優り、ディメンション・アトラクターには「奇襲性の高い手札誘発で、魔法・罠カードも除外できる」という点で優っている。

効果の持続時間も「より相手を長く拘束できるディメンション・アトラクター」と「自分のカードを除外に巻き込みにくい異次元グランド」で分かれるため、どちらを取るかは好みの問題になりうる。

また、ディメンション・アトラクター先攻1ターン目から発動できる(異次元グランドも通常罠カードゆえに ラビュリンスなどで条件が整えば先攻1ターン目にも発動して効果が使う事が出来なくもないのだが。)が、逆に墓地にカードがあると発動が封じられてしまう癖の強さを持つので、奇襲性の高さと除外の確実性のどちらかを取るのかで採用対象が変わってくる。





……と、ここまでまとめてきたが、「フリーチェーン」「腐りにくい」「自分のカードを除外に巻き込むリスクを低減可能」といった、効果持続が短いが故の独特な利点がこのカードの強みで、「短期的な妨害」に特化した形での除外の運用において効果を有効に使用できるため、デッキ内で想定している除外のコンセプトに応じて採用するカードを決め、運用するとより「墓地へ送らせずに除外する」効果の特性を活かしやすくなる。

ちなみにかつての【蟲惑魔】に置いては「墓地のモンスターに干渉するカードが少ない」「通常罠をトリガーにするカードがあるのでフリーチェーンの異次元グランドは都合がいい」ということで採用されることもあった。
現在は「ホールティアの蟲惑魔」と言った墓地に干渉するカードを始め多数の蟲惑魔カードが登場した関係上スペースが無いが、それでも除外が刺さるデッキが流行っている場合は稀に採用されている。




余談


  • 魔法・罠カードの除外に対応していないこのカードだが、もしも対応している場合、自身の効果処理が終わる前に「非常食」のコストなどで場からどかさない限り、自分自身が必ず除外されてしまうことになるため、これを防ぐためと言うのが目的として考えられる。




追記・修正は1ターンの足止めからの猛攻をもくろみながらお願いいたします。


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最終更新:2024年05月03日 17:11

*1 カードがフィールドから離れても適用され続ける効果のこと。非公式用語である。