バトルカード(SDガンダム)

登録日:2024/01/03 Wed 21:23:12
更新日:2024/02/03 Sat 10:05:21
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バトルカードとはバンダイのカード販売機「カードダス20」および「カードダス100」で販売されていたSDガンダムのカードの最初のシリーズ。
流れを汲む後続のシリーズについても解説する。

バトルカード(SDガンダムワールド)

SDガンダムのカードダスの原点。
1988年から1992年(パート13)にかけて展開された。1枚20円。

なお公式で「バトルカード」と呼ばれることが多いが正式な商品名は「SDガンダムワールド」である。
現在ではSDガンダムワールドと聞いて思い浮かぶのはカードダスではなく、ガンダム40周年企画の『SDガンダムワールド 三国創傑伝』やその続編『SDガンダムワールド ヒーローズ』というSDガンダムファンも多いであろう。

キラやプリズムなどと呼ばれるレアカードもある。当時の公式はビックリマンのように「ヘッド」と呼んでいた。

大抵のカードのテキストは「㊸ガンダムがあらわれた。」というかんじ。
全高、重量、パイロット、所属軍、HPなどが記載。
カードの裏には三すくみの解説くらいしか載ってないが、ちゃんと公式の対戦ルールが存在している。

+ 対戦ルール
対戦ルール
以下のルールはファイルブック掲載のもの。ボンボンの付録に掲載されていたボンボン制定公式ルールはこれとは少し異なる。

プレイ人数は2~4人。

デッキ構築
  • まず他のプレイヤーと相談してメカカードの枚数のレギュレーションを取り決めて、同じ枚数のメカカードを用意する。
  • 自身のメカカードを自身の山札にしてシャッフル。
  • メカカードの枚数の半分(0.5は切捨て)を上限枚数として、人物カードのみの手札を構築する。
  • メカカードの山札と人物カードの手札のどちらにでも入れていいカードもある。(ハロなど)
  • コンビネーションカードはおそらく上限枚数なしのエクストラデッキのような扱いでいいと思われる。

バトル
  • 全員、山札の一番上のカードをめくって一斉に出す。
  • HPが高いメカカードが勝つ。
  • HPが同じ場合は所属で勝敗を決める。連邦はジオンに勝ち、ジオンはネオジオンに勝ち、ネオジオンは連邦に勝つ。
    ※バトルカードでは、F91でも超ガンダム野郎でも武者や騎士やコマンドでも全て3つのどれかに所属している。なおティターンズは連邦ではなくネオジオン扱い。
  • メカカードのHPを確認後、HP加算する人物カードを1枚出してもいい。*1
  • 人物カードには特殊な効果を持つ特別ルールカードもある。特定の人物カードが出た場合カウンターとして出してもいい人物カードもある。
  • 人物カードを出したいプレイヤーが全員出して、出さないプレイヤーも出さないことを宣言すればカードの勝敗が確定する。
  • 負けたメカカードは後ろに置き、勝ったメカカードは前に置く。*2
  • HPも所属軍も同じ場合は引き分けになり、両者のメカカードを勝ち扱いにする。
  • 山札がなくなったら前に置いた自身のメカカードをシャッフルして新たな山札にする。
  • 誰かの山札が尽きたらゲーム終了。この時点で後ろに置いてある負けたメカカードの枚数が少ない一番少ないプレイヤーが優勝。


特殊な効果を持つ「特別ルールカード」が存在しているが、カードには効果が記載されておらず、
ボンボン、ファイルブック、書籍などで確認する必要あり。
以下にいくつか特別ルールカードを取り上げる。

+ 特別ルールカード
特別ルールカード

■組み合わせ可能な人物カード
  • 特定の人物カードと一緒に出していい人物カードがある。
  • ランバ・ラル+内助の功カード(ハモン)、ジュドー+美しき兄妹愛カード(リィナ)、マチルダ+フィアンセカード(ウッディ)、など。

■ベストコンビカード
  • ルール解説にベストコンビと記載されているメカカードと人物カードの組み合わせの場合は、合計値の2倍のHPとして扱う。
    • 例.「グフ(HP70)+ランバ・ラル(HP+20)+ハモン(HP+20)」×2倍=HP220。
  • ちなみにドダイはメカカードと組み合わせるので人物カード扱い。こちらもグフとベストコンビである。「グフ(HP70)+ドダイYS(HP+10)」×2倍=HP160。
  • 第10弾に登場した一般兵(連邦軍)、一般兵(ジオン軍)、一般兵(ネオジオン軍)は同じ所属軍の多くの量産機とベストコンビという強みがある。

■コンビネーションカードおよび類似する効果のカード
  • 特定のメカカードが山札から場に出た時に組み合わせてHPを加算する使用方法が可能なメカカード。
    • 例.「コアトップ(HP50)+ネオコアファイター(HP40)+コアベース(HP50)」=「Gフォートレス」(HP140)
  • 最終弾である第13弾にはHP2000のガンダム試作三号機にHP1000のパーツ4枚を組み合わせてHP6000のデンドロビウムになるカードが登場した。
  • ジム・トレーナー(HP10)は「チリも積もれば…カード」という効果を持ち、山札からジム・トレーナー(HP10)が出た際に他のジムトレーナーのHPを何枚でも重ねていい。理論上はHP最強。ルール解説では500枚集めれば武者ガンダムチーム(合計5000)と同じ強さになると説明されていた。

■HPが見つかった「私は運がいい」(シーランス)
  • パート5収録の潜水艦「マッドアングラー」がHP記載漏れになってしまっていたため、パート6収録のマッドアングラー艦載の小型艇「シーランス」のカードはマッドアングラーのHPにシーランス分を加算した「HP50+20」になっている。

■死なばもろともドッカンカード(いじけアムロ)
:自身も含めて全員のメカカードを負け扱いにする。*3
アムロ「僕が一番ガンダムをうまく使えるんだ、一番、一番うまく使えるんだ! うぅぅ…」
  • お助けカード(マチルダさん)
    :いじけアムロの効果を無効化して、更にいじけアムロを出したプレイヤ-のメカカードは強制敗北。
  • お助けカード(フラウボウ)
    :いじけアムロの効果を無効化して、更にフラウボウを出したプレイヤーのメカカードが勝利、アムロを出したプレイヤーや3人以上でプレイしている場合の他のプレイヤーのメカカードは強制敗北。
  • アンナマリーなども全員負けの「ドッカンカード」の効果を持つ。

■ネオドッカンカード(連邦のスペースコロニー、ジオンのアバオアクー、ネオジオンのアクシズ)
:ネオドッカンカードと同じ所属軍のメカカードだけを負け扱いにする。自身が出したカードを巻き込む危険性あり。
  • ネオお助けカード(スペースランチ)
    :ネオドッカンカードを出したプレイヤー以外の全員が効果を回避。
    アムロ「ごめんよ、まだ僕には帰れる所があるんだ、こんな嬉しいことはない」
  • ネオお助けカード(脱出ポッド)
    :自身のみネオドッカンカードの効果を回避。
    ナナイ「大佐、私達を見捨てるつもりなんですか?」

■うむを言わせず終戦カード(レビル将軍とデギン公)
:HPの代わりに「GAME OVER.」と記載された特殊な人物カード。強制ゲームオーバー効果。負け枚数が1枚でも少ないタイミングで出せばゲーム勝利を狙える超強力カード。
デギン「これで和平が…」
  • おっとどっこい開戦カード(ギレン・ザビ)
    :HPの代わりに「CONTINUE」と記載された特殊な人物カード。ギレンが和平交渉に向かった父デギンをソーラレイによって抹殺したように終戦カードを無効化する。
    ギレン「地球連邦軍にいかほどの戦力が残っていようとそれは既に形骸である!あえて言おう、カスであると!」
  • HPの代わりに文字が記載されている特殊なカードは他にも、キシリア・ザビ(RESET)、キシリアに対するカウンター「これで最後だ!トンズラカード」であるバズーカを持ったシャア(THE END)、ザクマインレイヤー(MINE)、ラー・グスタ(STEALTH)、などがある。

■おイロケはなしよカード(ドズル・ザビ)
:女性キャラの人物カードをその場だけ使用不能にする。
ドズル「やらせはせん!やらせはせんぞ!」

■ちょっとまったカード(リュウ・ホセイ)
:メカカードの負けが確定した時に出せば、自分のメカカードを勝ち扱いで前に置ける。
セイラ「驚かないでねアムロ…リュウよ…リュウが体当たりをして…」

■君もおいでよ、道連れカード(パプテマス・シロッコ)
:メカカードの負けが確定した時に出せば、一人だけ道連れでメカカードを負けにできる。
シロッコ「貴様の心も一緒に連れて行く…」

■まわれ~右っカード(ブライト・ノア)
:場に出ているカードを反時計回りにズラすことができる。

■天下無敵の引き分けカード(ジムII、ハロ)
:強制的に場に出た全員のメカカードを勝ちにする。
勝ったメカカードは後でまた山札になるため、どうにかして他の特別ルールカードで排除するか強制ゲームオーバーさせないと無限ループに陥る危険性もある恐るべきメカカード。*4
なおハロは人物カードとして手札から出す使い方もできる。
ハロ「アムロ オツカレ! アムロ オツカレ!」

■なんてったってアイドルカード(ベラ・ロナ)
:対戦相手1人を指名して1曲歌わせることができる。たくさん用意すれば対戦相手の喉にダメージを与えて降参させることも可能。
かなり後期な第11弾のカードなのでベストコンビカードのビギナ・ギナはHP900。組み合わせれば(900+30)x2=HP1860になる。単体で1860より高HPのカードは上位5種類だけという高いポテンシャルも持っている。ちなみに単体でHPが高いTOP5は、謎の最強武者(頑駄無大光帝)のHP5000、ガンダムRXF91のHP3000、千生大将軍のHP2500、ガンダム試作3号機のHP2000、ガーベラテトラのHP1900。
マイッツァー・ロナ「大衆というものは絶えずアイドルを要求するものだ」


SDガンダムNEOバトルカード

バトルカードのシリーズ2つ目。
1990年から1993年(バトル10)にかけて展開された。1枚20円。

ネオバトルカードはキラカードじゃなくても全てのカードで右上にホロのマークがあるというちょっとお得感が特徴。
同じ絵柄でホロのマークだけ異なるカードが何種類もあるため、ホロ違いを含めてコンプリートを目指そうとすると苦難の道。

ホロで戦う「ホロバトル」というルールが採用されている。

↑弱い
シングル (シングル月、シングル太陽、シングル星)
ダブル (ダブル月、ダブル太陽、ダブル星)
ブラックホール
トリプルスター
↓強い

対戦ルールは単純化されており、強いホロのカードが勝利する。
シングルとダブルは3種類(月、太陽、星)のホロがあり、シングル同士、ダブル同士ではホロの三すくみの相性で勝負する。
太陽は星に勝つ。星は月に勝つ。月は太陽に勝つ。
キラカードのホロはダブル3種類のみ。
キラではないノーマルカードのホロは、第3弾まではシングルとダブルの6種類、第4弾からはブラックホールが登場して7種類、第7弾からキラ以外のダブルが廃止され最強のトリプルスター(月、太陽、星が並んだホロ)が登場して5種類になった。
なおブラックホールやトリプルスターは裏面からでも分かるようになっている。

ホロが同じ場合のみ、HPで勝負する。

最もHPが高いカードは「真聖機兵ガンレックスVS邪神機兵ルーンカロッゾ」のHP50000vs99999(合計149999)だが、キラカードなのでホロはダブルのみで弱い。ちなみにこのHPはSDガンダム外伝の数値を1/10にしてるだけ。

最強はノーマルカードの中で最もHPが高い「真聖機兵ガンレックス」「スペリオルドラゴンEX」「雷帝千生神将軍」(いずれもHP3000)のトリプルスター。

SDガンダム スーパーバトル

バトルカードのシリーズ3つ目。
1993年から1994年(PART3)にかけて展開された。1枚20円。

カードは横向きではなく縦向きになっており、
HPではなくPOWER LEVELになっているのが特徴。
POWER LEVELは1~11とMAXの12段階。その下に1~6のゲージがある。

ルールはネオバトルよりもさらに単純化され、POWER LEVELが高いほうの勝ち。
同じならゲージが高いほうが勝つ。

最強のMAX 6は、「闇機甲神ガンジェノサイダー」「聖神アモン・ラー・ガンダム」「超機甲神ガンジェネシス」が該当。

裏面には設定が掲載されている。
強いキャラほど両面ともキラカードな表面というリバースプリズム仕様になってることが多く、2キャラ分の満足感がある代わりに裏面解説がない。

ちなみにこのカードのフォーマットはバンダイが絡んだ複数の作品で共通して使用されていた。
ドラゴンボール(DRAGON BALL)幽☆遊☆白書ウルトラマン超闘士激伝の方が有名かも?

SDガンダム外伝 スーパーバトル バトルオブナイツ

1994年から1996年(PART7)にかけて展開された。1枚20円。

その名の通り作品を『SDガンダム外伝』に絞ったスーパーバトルで、
5作目『新SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語
6作目『新SDガンダム外伝 黄金神話
7作目『新SDガンダム外伝 鎧闘神戦記
を取り扱っている。

POWER LEVELは11とMAXの中間に位置する12が登場した。
公募キャラはPOWER LEVELやゲージ点灯がなく「EX」と表示されている。

SDガンダム アルティメットバトル

バトルカードのシリーズ4つ目。
2010年から2011年(Vol.3)にかけてコンプリートボックス形式で発売された。
ノーマル、武者、騎士、コマンド、ガンドランダー、ガンボイジャー、SDガンダムRなど様々な作品が入り乱れた選出になっている。

スーパーバトルを横向きにしたようなフォーマットで、金箔箔押しの豪華仕様。
パッケージ、映画ポスターなど一部のカードは縦向き。

ルールはスーパーバトルとほぼ同じ。
POWER LEVELは1~10とMAXの11段階。その下に1~6のゲージがある。
POWER LEVEがSPという補助用カードもあり、1~6によって効果が異なる。
SP-1:下の数字のみでバトル
SP-2:自分のカードのPOWER LEVE+1
SP-3:強制引き分け
SP-4:POWER LEVEの低い方が勝つ
SP-5:自分の使用済みカードを手札に戻す
SP-6:相手のSPカード無効化
また「自分達で独自のルールを作ってバトルするのも楽しいぞ」とのことなのでカードで対戦する人は好きなルールを取り決めてみよう。
どう楽しんでもいい!SDガンダムは、自由なのだ。

なお、SDガンダム外伝キャラの一部はSDガンダム外伝のフォーマットになっている。

また『SEED DESTINY』『00』『UC』などのノーマルワールドのカードはバトルカードのフォーマットになっている。
アナザー系は三すくも各作品の物に置き換えられている。
  • 地球連合軍はオーブに勝ちザフトに負ける。オーブはザフトに勝ち地球連合軍に負ける。ザフトは地球連合軍に勝ちオーブに負ける。
  • ソレスタルビーイングはアロウズに勝ち地球連邦に負ける。アロウズは地球連邦に勝ちソレスタルビーイングに負ける。地球連邦はソレスタルビーイングに勝ちアロウズに負ける。

SDガンダム レジェンドバトル

バトルカードのシリーズ5つ目。
2015年にコンプリートボックス形式で発売された。

ルールはバトルカードを踏襲しているが、人物カードはない。
三すくみは「SDV」「BATTLE LEGEND」「NEXT GENERATION」。

その他のバトルカードフォーマットのカードダス


  • 三すくみは「バトローグ」「GMの逆襲」「アイランド・ウォーズ」

機動戦士ガンダム THE ORIGIN 激突ルウム開戦』入場者プレゼント
  • 三すくみは「連邦軍」「ジオン軍」「南洋同盟」

機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER&機動戦士ガンダム Twilight AXIS 赤き残影』入場者プレゼント
  • 三すくみは「ガンダム」「アトラスガンダム」「ガンダムAN-01トリスタン」

『LEGEND BB 飛駆鳥大将軍』
  • 三すくみは「武者飛駆鳥」「鉄鋼迦楼羅(メタルガルーダ)」「大将軍家」

  • HPではなく必殺技の名前と威力が記載されている。裏面の三すくみはバトルカードそのまま「連邦軍」「ジオン軍」「ネオジオン軍」。

  • 2023年2月から展開された。3枚200円(パック3枚220円)。水星の魔女のモビルスーツやキャラをSD化したカードダス。
  • 三すくみは「ペイル寮(ペイル社)はジェタークに勝ちグレスレーに負ける」「ジェターク寮(ジェターク社)はグレスレーに勝ちペイルに負ける」「グラスレー寮(グラスレー社)はペイルに勝ちジェタークに負ける」。「シン・セー開発公社はどれにも勝てる」。


昔も今も対戦して遊ぶ人はあまり居ないと思われるが、もし遊ぶなら、
+ SDガンダムカードダス七つのちかいを守って楽しくバトル!!
SDガンダムカードダス七つのちかい
  • われわれは、SDガンダムカードダスを明るくたのしく、コレクションすることをちかいます!
  • われわれは、SDガンダムカードダスをつうじ、友情をそだてることをちかいます!
  • われわれは、どんなカードもそまつにせず、たいせつにつかうことをちかいます!
  • われわれは、SDガンダムカードダスをつかっておもいっきり遊ぶことをちかいます!
  • われわれは、カードバトルにおいて、つねに正々堂々と戦うことをちかいます!
  • われわれは、友だちどうしでカードを売ったり買ったりしないことをちかいます!
  • われわれは、SDガンダムカードダスの最新情報を、つねにコミックボンボンでチェックすることをちかいます!

(『SDガンダムカードダス全秘密ブック』より)



「①追記・修正があらわれた。」

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最終更新:2024年02月03日 10:05

*1 付録のルールでは、メカカードをもう1枚引くことも可能だった。

*2 付録のルールでは、倒した他プレイヤーのメカカードを自分の前に置いて勝ち点としていた。

*3 付録の対戦ルールでは「ドッカンカード」は全員勝ち扱いだった。カウンター効果の「お助けカード」も、マチルダはいじけアムロのプレイヤーが場に出したメカカードを貰う効果、フラウボウは全員の場に出したメカカードを貰う効果だった。

*4 付録のルールでは「天下無敵の引き分けカード」は他の特別ルールカードを無効化する効果付きで、場に出たメカカードを引き分けにして保留し、次の勝者が総取りする効果だった。