外科医エリーゼ

登録日:2024/02/24 Sat 10:15:30
更新日:2024/07/31 Wed 19:31:25
所要時間:約 5 分で読めます




この人生は誰かの命を救うために

外科医エリーゼ』はyuinによる韓国のウェブ小説である。
2015年より韓国のモバイル向けウェブコミック配信サイトであるカカオページにて連載された。後に漫画版が2017年より、小説と同様にカカオページに連載された。日本でもピッコマにて連載、後に2019年8月よりKADOKAWAより発売されている。

小説は全4巻。
漫画版は全11巻。(2024年2月時点)

【概要】


本作の主人公は2度転生する機会をもらっている。
1度目の人生はいわゆる「悪役令嬢」として周囲の者たちや人民を苦しめ、夫により処刑されてしまう。
2度目は現代に転生して外科医として活躍するも、不慮の事故により再び命を落としてしまう。
そして3度目の人生で改めて1度目の悪役令嬢として再び転生して、死亡フラグを回避するために今度は2度目の人生で培った医者の知識を活かして人々を救っていくという医療ドラマのような側面も有している。
いわゆるなろう原作作品によくある「悪役令嬢」ものの系譜に名を連ねる作品といってもいいかもしれない。2度目や3度目の人生で反省してやり直していく主人公に感情移入していくのが見どころである。

メディアミックス展開として、上述した漫画版がminiにより描かれている。
2024年1月からはテレビアニメ版も放送中。

【あらすじ】


高本 葵の前世は“悪女皇后”エリーゼ。
数多の悪行を働き人々に不幸をもたらした彼女は、
夫・リンデンによって処刑されるという最期を迎えた。
現代に生まれ変わった2度目の人生では、過ちを償うべく外科医として
人のため生きてきた葵だが、ある日飛行機事故で帰らぬ人に…
しかし、目を覚ますと1度目の人生に戻っていた!
処刑される10年前に転生したエリーゼの目の前に現れたのは、
自分のせいで命を落とした家族たちだった。
もう、大切な人を失いたくない…
後悔でいっぱいの人生なんて絶対にいや!
3度目の人生は悲劇のきっかけとなったリンデンとの結婚を回避し、
医学の知識を生かして再び医者になりたいと決意する。
ところがそんなエリーゼの道のりには、さまざまな困難が待ち受けていて…?
この人生は、誰かの命を救うために――
運命にあらがう“天才外科医”の、ひたむき医療ファンタジー開幕!
(アニメ公式HPより引用)

【キャラクター】


エリーゼ・ド・クロレンス/高本葵
CV:石川由依
本作の主人公。
クロレンス公爵家の長女。
1回目の人生で悪女皇后と呼ばれてしまっている。見た目に反して自己中心的な性格が目立ち、うまく物事が行かないと八つ当たりをしてしまっており、信頼できる部下や友人はいなかった。こうした振舞は皇太子リンデンとの結婚後も続いてしまっており、後にそうした振舞がエスカレートして悪行を繰り返した。その結果、国を乱したということで処刑されてしまう。
しかし、リンデンへの恋愛感情は本物で、彼に気を引いてもらいたかったという切ない想いがその根底にあったことから、同情してしまうこともいくつかあった。
して
2回目の人生では『高本 葵』として生まれ変わる。前世での過ちを精算すべく外科医となって人に尽くす。貧しい孤児として虐めにも遭うという,前世との生活環境の格差に苦しみつつも、最年少で東京医大教授にまで上り詰めた努力の天才として周囲からも一目置かれる存在になる。そんな医者として順風満帆な彼女であったが、30歳になった時、ドイツへ出張の途中、飛行機事故に遭い、自身にも致命傷を負いながらも、乗客の応急手当に尽力するも力尽きてしまうことになった。

3回目の人生で再び『エリーゼ』に転生することになる。1回目の人生のように同じ悲劇を繰り返すまいと大奮闘。
高本葵として培ってきた経験を基に医者として人に奉仕する人生を希望するために、リンデンとの婚約を破棄する。その後、テレサ病院で医師として働く際には、天才外科医としての経験が多くの人の命を救うことに繋がり名医として名を馳せることになる。とはいえ、現代と転生前の世界では医療技術そのものに格差があるので、彼女の医療技術や知識はいささかオーパーツな側面も有している。

好きな食べ物はイチゴケーキなどのスイーツ全般。酒も飲めるが2度目の人生以降は自重している。嫌いなものは牛乳。字はあまり得意ではない。

リンデン・ド・ロマノフ
CV:阿座上洋平
ロマノフ王家王位継承者。
エリーゼの1回目の人生では婚約者だったが、自らの手でエリーゼを火炙りの刑に課してしまう。もともとエリーゼとの結婚は父親の命令で結婚したことによるため、そもそもエリーゼに対して愛情を持っていなかったとされる。エリーゼは彼を振り向いてもらおうと努力はしていたが、どれも冷たくあしらわれてしまったために、彼女の暴走が始まったとされている。
政務、剣術、魔法、何でもそつなくこなす秀才肌。

エリーゼの3度目の人生においては、ロン(CV:日野聡)という名前で変装してエリーゼのいるテレサ病院とその周辺の街を視察していたところ、通り魔の襲撃を受け、従者が負傷してしまった。
その際、従者の治療にあたったエリーゼの医術を見て、本物であると確信。後に甲状腺の病気で自身も診察されることになり、交流を重ねるうちに彼女に惹かれることになる。

グレアム・ド・ファロン
CV:細谷佳正
ファロン男爵家の当主。テレサ病院の最年少教授である。
努力を重ねて今の地位に上り詰めた天才医師でプライドの高い性格。自他共に厳しく、滅多に他人を褒めることをしない。

エリーゼが最初に病院に来た際も、貴族の道楽の延長戦上によるものだと思っており、信用していなかったが、彼女の医術を目の当たりにして考え方を改めることになり、信頼を置くようになる。

レン・ド・クロレンス
CV:小野大輔
エリーゼの兄。クロレンス家の長男。
銃騎士団の副団長を務めており、忠義の熱い軍人である。
常に冷静沈着で隙を見せず、責任感も強い。エリーゼに厳しく接するときもあるが、それは愛情の裏返しで内心はエリーゼのことをすごく大事に想っている。
前世のエリーゼは彼の言動を苦々しく思っているが、3度目の人生で精神的にも大きく成長した彼女としては彼に全般の信頼を寄せている。

クリス・ド・クロレンス
CV:下野紘
エリーゼの兄。クロレンス家の次男。
明るい性格で勢いがあり、エリーゼの身に何か起きると誰よりも騒ぎ立てて心配する。過剰なまでに過保護でときおりエリーゼを困らせる。
とは言え、自身に優しくしてくれる彼に対してエリーゼも好意的に接している。
前世では戦争で命を落としてしまうが、今生ではエリーゼの活躍により死を免れる。

ユリエン・ド・チャイルド
CV:潘めぐみ
チャイルド公爵家の長女。褐色の肌にエメラルドの髪が映える美少女である。
エリーゼとはリンデンをめぐる恋のライバルである。
前世のエリーゼは恋敵ということもあり、彼女に対して虐めを繰り返していたとされる。
こうした振舞に対して彼女はエリーゼを心よく思っていなかったが、3度目の人生で再会した際、エリーゼがこれまでの非礼を詫びたことにより和解。良き友人となる。

ミハイル・ド・ロマノフ
CV:斉藤壮馬
リンデンの弟。
一見、自由気ままで飄々としているように見えるが、魔法の腕は帝国一。
ロマノフ皇室に受け継がれる超常能力と生命エネルギーである「オーラ」を自在に操る帝国最強のオーラナイトとされる。
好きなことは旅行で武者修行と称して、家出(旅)を繰り返して皇室を驚かせている。

前世ではエリーゼの良き理解者で親友だった。
生まれ変わったエリーゼにも親身に寄り添い、陰ながら彼女を支える。

ミンチェスター・ド・ロマノフ
CV:井上和彦
リンデンの父。
雷帝の異名を持つブリチア皇帝である。
エリーゼのことを気に入っていたが、3度目の人生のエリーゼは、これまでの自分の振舞を反省していたこともあり、彼にリンデンとの婚約解消を願い出た。医者になりたいという彼女の意を汲むものの、彼女の卓越な外交センスや考察力にも気づき、婚約解消を回避すべく、医者になるための条件を提示して、婚約とエリーゼの将来について、彼女と「賭け」をすることにした。

【テレビアニメ版】


2024年1月~3月にかけて放送中。
一部名前の表記など原作と異なる部分もあるが、おおむね物語の展開はそのまま踏襲されている。
Youtubeにてミニドラマやミニキャラアニメが配信されている。

アニメーション制作はMAHO FILM
監督は羽原久美子 シリーズ構成は赤尾でこ

主題歌

OP:「biliever」
エリーゼを演じた石川由依によるオープニングテーマ
メロディーラインが90年代~00年代のロボットアニメ等を彷彿とさせるものとなっており、世代的に「刺さった」視聴者が多発するなど好評を得ているOPである。
ED:「Listen」
荒井麻珠によるエンディングテーマ

追記・修正は転生して外科医になった時にお願いします。
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最終更新:2024年07月31日 19:31