ザ・ナチュラル(キン肉マン)

登録日:2024/04/14 Sun 01:20:06
更新日:2025/02/02 Sun 11:31:34
所要時間:約 6 分で読めます






我は天界にて安寧の神と呼ばれし存在

そして下天の折に得た新たなる超神名は ザ・ナチュラル!


ザ・ナチュラルとは『キン肉マン』に登場する超神の一人。
天界では“安寧の神”の名で呼ばれていた。

戦績
vsサタンクロス○(ナチュラルボーンクラッシュ)
vsはぐれ悪魔超人コンビ●(阿修羅バスター)*1


【概要】

フェニックスに導かれたソ連領内*2のシャウレイの十字架の丘にて、元知性チームサタンクロスと交戦するべく姿を現した超神。

筋骨隆々の堂々とした体躯を誇り、上半身は裸のはずなのだが一見すると燕尾服を着ているようにも見えるという不思議な外見をしている。

【人物】

笑い声は「バハー」「バハハ」
“安寧の神”の名に恥じない冷静沈着で感情の起伏を殆ど見せない精神と、非常に強靭で揺るぎの無い肉体を併せ持ち、己のファイトスタイルを「両の足をしっかり地に着け、両の目でじっくり本質を見極める」と自己分析している。色々な意味でバイコーンさんとは真逆である。
“下天”後に名乗る“自然(ナチュラル)”とは、裏を返せば“神”に支配された現在こそが自然という傲慢の現れか?
実際、超人を初めから不完全な存在と断じており、「その存在が宇宙の安寧を脅かす」「不完全な者をあまねく滅す」との考えの下で“調和の神”に同調、共に下天することを決断した模様。
これらの思想から超人への嫌悪感自体はバイコーンさんに劣らず相当強いようで、姿を晒して以降の試合序盤ではサタンクロスの打撃を受けた直後に、「下等な存在に触れられた箇所を放置したくない」と言わんばかりに、シールドの埃を払うような動作をたびたび見せている。
かつて超人を生み出す仕事にも携わっていたかどうかすら想像できない。


【活躍】

サタンクロスの戦闘スタイルや予想を超えた多彩な技は面白いと認めるも、寄生虫との実質的な2対1の状況で向かってきて西洋忍術も使うサタンクロスのことを評価していなかった*3
しかしサムソン・ティーチャー個人としてサタンクロスが復活すると、その正々堂々とした戦いぶりには素直に称賛を贈ると共に自身も真正面から応じ、先立っては超人を「常に不安に怯え勝利を求め、いたずらに敗者を生み続ける“勝利という名の呪い”に取り憑かれた不完全な者」と断じていたにもかかわらず、敵でありながらサムソンの底力に期待するそぶりも見せ始める。

結局、試合自体はナチュラルが終始盤石に進め、最後はナチュラルボーンクラッシュで寄生虫、次いでサムソンを打ち倒し勝利。フェイスシールドを投擲しサタンクロス自身が入場パフォーマンスに用いた十字架に磔にした。
これまでの超神の戦いはランペイジマンビッグボディ以外の強力チームメンバーを蹴散らし、バイコーンがプリズマンに敗北した程度だったが、ここにきて超神の実力を証明してみせた。

“バベルの塔”での戦いでは“自制の神”バーザーカーと共に4階リングの番人を務める。
タッグマッチ形式でサムソンの敵討ちに燃えるアシュラマンを迎え撃つが、当初は自身の“安寧”の価値観に相反するようにいきり立つアシュラに呆れており、パートナーのサンシャインと纏めて相手にしてやると完全に舐めきった態度をとっていた。
しかし、共に待ち構えていたバーザーカーの誘いもあって2対2のタッグ戦にもつれ込み、初めは的確な煽り&相変わらずの盤石の肉体による防御により自身の言葉を証明するかのような試合運びでアシュラを圧倒するも、サンシャインの的確なアドバイスと介入により逆転されてしまう。
その後は自身もバーザーカーの的確なサポートを受けつつも反撃に転じるが、復活した“はぐれ悪魔コンビ”の予想以上の実力に翻弄されることに。
合体技「ベルセルクの剣」のダメージを引き受けたことで自らの最期を悟ったサンシャインだったがアシュラを激励しナチュラルを抹殺することを優先。
アシュラに「呪いのローラー」へ放り込まれそうになったのをブリッジで防いだと思いきや縦回転に変化した「呪いのローテーションローラー」に捉えられてしまう。
この攻撃からも全ての盾を犠牲にしながらも生還したナチュラルはバーザーカーのサポートを受けつつ合体技の「モデスティーズグリードボンバー」を、次いで必殺の「ナチュラルボーンクラッシュ」でサンシャインにトドメを刺したかと思ったがギリギリで生還される。
そして、もう限界の自身ごとナチュラルを殺せと言うサンシャインの決死の覚悟と悪魔の友情を受け取ったアシュラが繰り出した最強最後の合体技「竜巻砂塵地獄」をまともに受け、散乱していた自らの盾を全身に浴びた末にサンシャインに道連れにされ、最後まで見下し続けていた超人の前に散ったのである。

試合後、その遺骸は無体にもパートナーであった筈のザ・バーザーカーにリング外に放り投げられて放置されることに。
いつしか“ギミック頼りの癖に偉そう”とバイコーンさんに続くレベルで読者からのヘイトを買っていたとはいえ、無情感漂う哀れな末路であった。
アシュラの因縁の相手としては呆けない……と思いきや、その役割は予想以上の形でバーザーカーが引き継ぐことに。(詳細はバーザーカーの項へ。)


【実力】

顔面は無機質な仮面のようなデザインで、さらに右上腕、左胸、左下腕、左右の脛にも同じく仮面を象った意匠の「フェイスシールド」を持つ。
これは必要に応じて伸縮や変形が可能で、名前通りに防御も兼ねた武器にもなるという中々に反則的なギミック。
また、頭頂部の左右両端からは常に火が吹き出ているのだが、これも出力を上げることで火炎放射として使うことも可能とシンプルながらギミックに恵まれており、実際にサタンクロスが仕掛けた魔界沼などの西洋忍術や必殺技の数々もほぼ無効化してしまった。
その上で超神らしく基礎となるスペックも戦闘技術も高く、サタンクロス最大の必殺技であった昇技 トライアングル・ドリーマーも空中でフックを切ったばかりか、反対に怪力でサムソンと寄生虫を鉢合わせにして破るという力業も見せた。

一方で、ケンタウルスブリーカーを破る際に「我が安寧の精神を研ぎすませばここにも活路は見出せる」と、まるで冷静に技の弱点をついて抜け出すかのように宣言しながら、組み技からの脱出方法はだいたい力づくな点をよくツッコまれたりする。
安寧の精神とは「相手のパワーの強さを正確に見極めて、余分過ぎる力を使うことなく相手を一回り凌駕するパワーだけを無駄なく発揮して対処する」という事だろうか?

相手の本質を見極めるといいながら、アシュラマンが冷血面と化した後は攻撃を防ぎ損ねたりとどめを刺し損ねたりと、全く見極められていない描写が目立つ。
結局のところ、ザ・ナチュラルが本当に見落としていたのは超人達の本質ではなく、表面的にしか超人の力を認識していないのに理解した気になっていただけの蒙昧という「自分自身の本質」だったのだろう。

【技】

  • ナチュラルチョークスラム
鋏状になった左腕のフェイスシールドで敵の首を挟み、高く持ち上げた状態からマットに叩きつける。
使い勝手もよく最も多く使用される得意技。

  • ナチュラルフェイスニーシールド
足のフェイスシールドをスキー板の如く靴底に移動させ、踏み台にすることで足場にする技。

  • ナチュラルフェイススパナ
手側のフェイスシールドの鋏部分を伸ばすことで、即席の凶器に変え切りつける。

  • ナチュラルシールドバイト
展開した両手・両足のフェイスシールドを相手の四肢に噛み付かせて拘束する。

  • ナチュラルショルダークッション
左胸のフェイスシールドを蛇腹状に長く伸ばした形状に展開し、敵の攻撃による落下の衝撃を吸収するクッションにする防御技。

  • 撲殺地獄
巻き投げからマウント状態となりダブルアックスハンマー*4による猛烈な連打を繰り出す。
シンプルながら実力者であるはずのサタンクロスをKO寸前まで追い詰めるほどの威力を持つ。

  • ナチュラルレイヤークッション
文字通り、全身の盾をボディに積層させるように重ねた完全防御形態。
自分狙いで放たれたザ・バーザーカーへの「阿修羅飯綱落とし∞パワー」を防ぐ為に繰り出されたが、ダメージを無効化する代わりに2枚の盾を砕かれており、それまでの“安寧”の盤石の戦い方が崩されてゆくことに。

  • ナチュラルボーンクラッシュ
ザ・ナチュラルの最大奥義。
正面から向かいあった状態から「ナチュラルシールドバイト」で四肢を拘束後、空中から相手の背中をリングめがけて叩きつけ粉砕する大技。


【余談】

プレイボーイ掲載時に毎回発表される「今週の採用超人」の1人。
丁度その号はナチュラル自身の顔見せ回であったため、名前は「???」と表記され、名前は次の回で名乗った。



両の足をしっかり地に着け

両の目でじっくり項目を見極める それが我の編集なり


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最終更新:2025年02月02日 11:31

*1 ナチュラル自身はツープラトン「竜巻砂塵地獄」でKO。

*2 1989年当時。現リトアニア。

*3 普通に卑怯な寄生虫はともかく、西洋忍術すら自身もギミック持ちなのに「卑怯」呼ばわりしている。

*4 両の掌を組み合わせた状態での殴打。