財布

登録日:2025/08/07 Thu 19:41:13
更新日:2025/08/26 Tue 01:30:45
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財布(さいふ)とは人々の必需品であり、“財”産を入れる”布”
お金カードを入れて安全に持ち運ぶのに最適な、小さなである。
英語では「Wallet」。

概要


どのくらいの年代から使われ始めたかは分かっていないが、紀元前600年頃に世界初の貨幣が作られ、それを持ち運ぶために皮の袋が使われていたものを起源とする説がある。
また、ヨーロッパを中心に紙幣が流通し始めた17世紀頃には紙幣を持ち運ぶケースの需要が高まり、現在の長財布の原型が出来たと言われている。日本においては私鋳銭が製造され始め、貨幣の市場流通量が増加し始めた室町時代頃から財布の文化があったらしい。
経済を便利にするお金を、より便利に使おうという知恵が財布なのである。

現代ではグレゴリーやポーターといった有名なメーカーが、イケてる財布を作っている。
材質は主にワニの革といった栄一さん(旧・諭吉さん)何人分もの高級品か、合皮や普通の布、塩化ビニールなどの安価なものに分けられる。
革財布は耐久性が高く長持ちするほか、その見た目の美しさと高貴さから人気が高いが、その分コストが高く定期的な手入れも必要となる。
合皮財布は見た目が本革に似ていて値段もお手頃だが、耐久性が低くひび割れやはがれなど経年劣化しやすい。
ビニール財布は加工の容易さから、様々な模様やキャラクターの描かれたものもある。中身が透けていて金の残量が見やすいタイプも。
こちらも耐久性は低いため長期で使うことは難しい。

また、落とし物・忘れ物の定番でもある。
落とした後にはたいてい絶望が待っているのである。
優しい人が後ろから追いかけてくれたり交番に届けてくれたりしていればいいが、もしかしたら……。
そして財布がないことに気づかず買い物や食事をして後で大変なことになる、という状況に陥った人も中にはいるだろう。
そんな時は友人や知人に頼み込んで金を貸してもらうなどしましょう……え?そんな人いない?店に言えばツケ払いにしてくれるんじゃないかな。しらんけど。

財布のタイプ


形状

  • がま口
ガマガエルの口の形状に似た開け口をしているので「がま口」。
財布を表す絵文字やアイコンとしてもお馴染み。
先端に交差して飛び出した部分があり、これを引っかけ合うことで閉じることができる。
昔からある財布ゆえか小銭を入れることを主に想定しているため、紙幣は入れづらい。折りたためばなんとかいけるか。

なお、いかにも日本由来といった名前、売られ方とは裏腹に、実はラン由来の舶来品。明治時代に政府御用商人の山城屋和助が持ち帰ったのが日本における歴史の始まりとされている。

ちなみに『マリオ』シリーズに登場するガマグチクンガマネーはこの財布が元ネタ。

  • 長財布
長方形のタイプ。
見てくれがカッコいいものが多く、持っているだけで自慢できる。
ただし、横に長いため服や鞄にしまうのが大変なときもあるし、ケツポケットに入れるとスられる可能性が……。

  • 二つ折り
2つに折ってコンパクトにできる財布。
開閉がしやすくあまり現金、特に小銭を携帯しない人向け。
紙幣が折られて皴になるのはよくあること。

  • 三つ折り
3つに折ってさらにコンパクトにできる財布。
小さいを愛用する人やアウトドア等のサブ財布向け。

  • 小銭入れ
主に硬貨を入れることを目的としたコンパクトな財布。「コインケース」は和製英語であり、英語では「Coin purse」や「Coin pouch」と呼ばれる。
形状には正方形、長方形、馬蹄型(U字型)、丸型がある。
サブ財布として近場の外出時に使用するほか、メイン財布と2つ持ちすることでメイン財布の型崩れを防いだり硬貨を大量に持ち歩くことができる。
物によってはカードや紙幣を入れるスペースがあるが、サイズの都合上どうしても紙幣は折り畳まないと収納出来ない。

  • ショルダー/ポシェット
財布と肩掛け鞄が一体になったタイプ。
鞄の中に財布スペースとスマートフォンやハンカチ、エコバッグなどの小物を入れるスペースがある。
これ一つで気軽に外出できるほか、支払いのたびに鞄からわざわざ財布を出す手間が省けたり、体にほぼ密着しているので紛失・盗難の心配が大幅に減少したりするのがメリット。
ただし、大きな鞄に入れると嵩張ってしまうし、仕事やフォーマルな場などでは使えない短所もある。物によっては肩紐を外したり財布部分だけを分離できるタイプもあるが。

  • リストウォレット
その名の通り手首に取り付ける財布。
ファスナーが付いたリストバンドのタイプ、バンドにポーチが付いたタイプ(腕時計の時計部分が小銭入れになったイメージ)、薄くて細長いポーチを腕に巻き付けるタイプがある。
サイズの都合上容量が限られておりメイン財布としては使用出来ないが、余計な荷物を持たなくて済むため、散歩やスポーツ、イベントの際に使用される。

  • キーケース
  • カードケース
  • スマートフォンケース
何れも、本来はお金とは別の物を携帯するための小物である。
しかし、物によっては少額の現金を収納できるスペースが設けられている。
キャッシュレス派だが一応現金も持ち歩いておきたい、近場の外出で無駄に荷物を持ち歩きたくない人が本来の収納物兼財布として使用することがある。

  • チャック付きポリ袋
食品や雑貨を保管するのに使用する開閉機能の付いた透明のプラスチックバッグ。「ジップロック」が有名処か。
財布として使うことを想定して製造されておらず、かつては現金を入れるとしても集金袋がせいぜいだったが、近年ではこれを財布代わりに使う人たちもいる。
単なるズボラではなく、透明ゆえ開けずとも中身がわかる、水に強い、柔軟性がある、薄くてコンパクト、安価で汚れや傷が付いても気軽に交換できるといった利点があり侮れない。
ただし、カード番号が丸見えでスキミング防止機能も無し、特徴がない見た目かつ安全性から身分証も入れられないため紛失した際自分の物と証明するのが困難、何より見た目が安っぽく場所を選ぶ短所もある。

  • 知人
買い物、食事、生活費といった金銭の支出を援助してくれる人。
親や祖父母や子等の親族、恋人や伴侶、上司、先輩といったタイプがある。
お笑い界のように、先輩が後輩におごる慣例により才能の芽を守り育てている業界もある。フィクションでは金持ちキャラがこのポジションに就くことが多い。
金銭を支援してくれる相手への感謝と尊敬は忘れてはならず、間違っても金を出してくれるだけの「財布」扱いはしてはならない。
なお、感謝と尊敬以前に「親の財布から金取ってこい」「エッチなことしてあげるからコレ買って」「散々世話してやったんだから身代わりになれ」といった真似は絶対にやってはならない。

閉じ口

  • ボタン
一番オーソドックスな閉じ金具。二つ折り内部硬貨入れにも使われている。
パチンと開け閉めできて扱いやすいが、裏を返せばふとした拍子に開いてしまうこともしばしばということでもあり……。

チャックで開け閉めできるタイプ。仕様にはI字型、L字型、U字型がある。
こちらも長財布、二つ折り三つ折りの硬貨入れ、リストウォレットなど形状を問わず使われている。
先端の持ち手が取れると一気に使いづらくなる。大人しく買い換えよう。

  • がま口
がま口財布以外にも、二つ折り財布や三つ折り財布の外側硬貨入れに使われている。

  • マジックテープ


  支払いは任せろー

      ∧_∧
     (゚ω゚ )
  バリバリC□ lヽlヽ
     /  (   )
     (ノ ̄と  |
        しーJ
    やめて!

「彼氏の財布がマジックテープ式だった」とそれをもとにした↑のAAでお馴染みのバリバリ言う財布。
開け口の接続部がマジックテープなので開けるときにものすごくバリバリ言う。

上記のコピペでは何が言いたいかというと、「男性がカッコつけようとして女性に対し自身に支払いを任せるように言うも、その持っている財布がマジックテープ式だとカッコ悪いよね」っていう感じの内容。
でもポーターならおkだってさ。

近年では子供用の財布でこのタイプが多い。
これを題材にしたボカロ曲があるらしい。藤井聡太も2017年頃に使っていた。

アクセサリー

  • ウォレットチェーン
財布に付ける鎖。
これを通して衣服や鞄に財布を結びつけ、盗難や紛失を防ぐことができる。
1990年代の紳士たちの間で流行したらしい。

  • ストラップ
財布に付ける紐。
ウォレットチェーン同様に財布を結びつけるが、衣服や鞄以外にも、首から掛けたり手首に掛けることもできる。

  • チャーム
財布のファスナーのトップの穴に取り付ける飾り。
タッセル(房飾り)、キャラクター、イニシャル等のタイプがある。

主に財布に入れているもの


現金やキャッシュカードはもちろんのこと、よく行く店のポイントカードやクーポンを入れておくことも多いだろう。
財布の整理をめんどくさがった結果、大量のレシートまみれになっているのはあるある。
親にあげた肩たたき券も財布の中にあるかもしれない。
内科、歯科、眼科など、かかりつけの病院の診察券でカード入れが半分埋まっている人もいるかもしれない。
飲食店のレジ前にある気になるお店の名刺を取り敢えず入れまくってる人もいたり。
お守りや写真など、買い物と関係ないものを入れる人もいるだろう。

ICカード(Suicaやクレジットカード)を入れておけば、財布ごとタッチして改札やお会計ができるようになっているものも多い。
ただし、複数のチップ内蔵カードを重ねるとうまく反応してくれない。

他には免許証や保険証、マイナンバーカード、学生証など身分証明になる大事なものを入れるだろう。
家や車のを入れる人もいる。
キャッシュレス化が進む昨今でも、貴重品入れとしての需要は変わらない。
それゆえに財布を無くすことは厳禁なのである。

財布に入れておくとよい縁起物というジャンルがあり、蛇やセミの抜け殻なんかが有名なところだろうか。
セミの抜け殻なんか入れたら粉々になるだろ!というツッコミはさておき。
ほかにもパワーストーンやお守りなど、それ専門のジャンルを扱った通販を見たことがある人も多いだろう。
さらに言えば、持っているだけで金運アップする開運財布というのも聞いたことがある人もいるかもしれない。

ちなみに、前述した交通系ICカードなんかはお金が移動してしまうとの理由で財布に入れるべきではない、という見方もある。

おサイフケータイ


携帯電話でタッチしただけでお支払いができるサービス。
2004年にNTTドコモが発売したガラケー「mova P506iC」からサービスが始まり、いわゆるモバイル決済の先駆けのような存在である。
お支払いだけでなく、ポイント管理やSuicaの代わりにもなる。

近年ではモバイル決済に押されてだいぶ需要が下がってきているが、意外にもまだ続いていたり。
ただし、ガラケー時代からあったサービスのほとんどは終了している。

財布に関する熟語・慣用句


金に関する意味を持つものが多い。
  • 財布の紐を締める…無駄遣いをしないこと。倹約。
  • 財布の紐を緩める…多くお金を使うこと。
  • 財布の紐を握る…家計の主導権を握ること。
  • 財布と相談する…所持金を確認して買うかどうかを決めること。

「財布にやさしい」という言い回しもあるが、辞書に載っているような一般的な言葉ではないようだ。
あと特撮系のおもちゃでめちゃくちゃ高価or全部揃えるのにかなり金がかかるといった商品は某もやしになぞらえ「財布の破壊者」と呼ばれることも。

「財布」という言葉を「持ち金」「所持金」と言う意味で使う事も多い。
まぁ中には「あいつの財布をもってこい」と言いながら、本当に財布「だけ」持ってきたヤツもいるが。*1

余談


3月12日は財布の日らしい。
言わずもがな、312を「さいふ」と読んだゴロ合わせである。



追記修正はお支払いのできるお客様がお願いします。


───あ

ふふっ、ごめん


この項目が面白かったなら……\バリバリっと/

最終更新:2025年08月26日 01:30

*1 勿論わざとである