超神(キン肉マン)

登録日:2021/07/05 Mon 15:55:53
更新日:2025/01/27 Mon 07:46:57
所要時間:約 20 分で読めます




(ちょう)(しん)は、漫画『キン肉マン』に登場する種族、勢力、カテゴリーの一つ。
『オメガ・ケンタウリの六鎗客編』の終盤にて存在が明らかにされた。
これより前に「超神」の名を持つヒーローが秋田県にいるがもちろん名前が被っただけで関係はない。

ただし、それ以前の段階で、この“超神”にカテゴライズできるキャラクターとしては、すでに元“慈悲の神”ことザ・マン(ストロング・ザ・武道/超人閻魔/完璧・零式(パーフェクト・ゼロ)が存在していた。
しかしザ・マン自身は超神のリーダー格である“調和の神”との対話の中で、自らが超神と呼ばれることを否定しているため、本項目でも番外として扱うと共に例外とする。


【概要】

天上界に住む超人の神々の内、太古に超人絶滅を提案した“調和の神”と、その意見に従った神々が、かつてザ・マンが行ったのと同じく本来“神”として備えている1億パワーの内1万パワーと引き替えに肉体を得、“神”から“超人”へと変じた存在のことである。
天上界から地上に降りてきたザ・マンや“調和の神”を初めとする超神たちは、この行為を()(てん)と称しており、さらに“調和の神”は自分たちこそが超人に代わる地上の支配種族である、と称して“超神”を名乗ったのだった。

とはいえ、ザ・マンは自身を例に挙げて「“超神となった神”と“超人”には違いが無い」としており、これを聞いた“調和の神”は否定こそしているものの、実際に下記の“超神”のみの特徴と思われる要素も「種族として根本的に違う*1」というものではないので、実際には“調和の神”とその同志がイデオロギーとして主張を譲っていないだけという可能性も大いにある。

超神の特徴

“超神”は全員一律で9999万パワー超人強度を持つ。

これ以上の超人強度数値となる1億を持った超人としては、すでに“運命”が登場していたものの、彼らの超人強度1億というのは憑依している“神”である知性の神ら邪悪五神の数値が反映されたものに過ぎず、
更に言えば後のWEB連載によると完全に“神”のパワーを引き出せていた訳ではなかった模様。(憑依が無い状態の五王子の超人強度は正義超人としては高いが平均的なレベルでしかなく、実際に強さこそ一流だが決してキン肉マン達と比べても突出していた訳ではなかった。)

そうした上乗せバフを加えない純粋な超人強度の数値としては、完璧超人軍やオメガ・ケンタウリの六鎗客も超えて、歴代の『キン肉マン』関連作内でも最高値を誇っていた集団ということになる。*2
しかし、この評価は続く新章にて“五大刻”により更新されてしまうことになった。

本来の“神”の姿から1万パワーを失って肉体を得たことによる変化やリスクについては特に明言されていない
戦いに敗れた場合、普通に戦死していることや、『完璧超人始祖編』での悪魔将軍とザ・マンのやり取りから、“神”の奇跡とされる不老不死を放棄した場合にはザ・マンですら普通に死ぬ可能性が示唆されているので、この霊的で不滅の状態から実体を得て死の可能性が生じたというのが、“神”から“超神”への変化なのだと思われる。
ただし地上に下天した「ザ・マン」は数億年単位で生きていても老化しない 不老 であり、しかも その特性を弟子である完璧超人始祖にも分け与えていた。
ゴールドマンに敗北して信念を改めてからはその 特性を意図的に放棄した が、そうでなければ自分と始祖等で 永久に地上の超人を管理するつもりであったため
不死でないとしても不老、しかも条件付きでそれを他者に付与したり放棄できる性質を持っており、おそらくは他の超神も同等と思われる。

“神”が本来は霊的な存在であるという根拠としては、上述の通り邪悪五神が憑依という手段を用いて運命の五王子に力を与えていたことからも予想がつき、実際に“超神”として地上での先陣を切ったランペイジマンが初戦を前に「実体の慣らし(・・・)」という表現を用いていることからも確実かと思われる。

ザ・マンを含む超神たちの様子から見ると、実体を得たことで邪悪五神の憑依のような霊的な能力は使えなくなっているらしい。
『キン肉マン』で憑依と言えば、かの大魔王サタンが思い浮かぶが、サタンの場合は憑依の他に自前の肉体を用意することが可能であり、その肉体を完膚なきまでに砕かれても逃げおおせているので、この点に於いてはサタン様の方が汎用性が高い印象ではあるが、実は
  • サタン→自己による乗っ取り
  • 邪悪五神→憑依した相手の純粋なパワーと感情を増幅させる
と、描写に若干の違いがあったことと、ザ・マンが発した「サタンは神になり損ねた中途半端な存在」という説明からも、そもそもが近しい(・・・)だけで、やり方や存在の仕方が違っている可能性もあるので、同列で比較するべき話題ではないのかもしれない。

これら以外で超神全員に共通していそうな要素としては、バイコーンが披露したカピラリア七光線及びその他の有害な毒素の侵入を防ぐオゾン層めいたバリアがあるが、これは物理的な力で“剥がす”ことが可能であり、除去した場合には超神でも容赦なく消滅させられることが判明している。
……まぁ、カピラリア七光線(の効果)を使える超人なんて、プリズマンとプリズマンから欠片を受け継いだジェロニモくらいなもんで、それ以外の戦いではフィーチャーしようにもできない特徴なのだが。

また、考察班の注目すべき点として『完璧超人始祖編』にて本来は“神”の領域の力であると明かされたダイヤモンドパワー──それも、ザ・マンや悪魔将軍レベルのものを、超神たちならば全員が使えるのでは?……といった危惧もされていたのだが、現時点で超神陣営でダイヤモンドパワーを披露したのがイデアマンだけで、それも脳天のみのダイヤモンド結晶化に留まっている。
このことから“神”の領域の力なのは間違いないが“神”だからって使いこなせる能力でもないというのが現時点での回答になると思われる。
そして、これにより全身をダイヤモンド結晶化せしめたザ・マンと悪魔将軍のチートぶりがより際立つことになった*3

また、何も無い空間からリングを作り上げたりと“神”らしく単なる超能力を超えた神通力とも呼べる現象を起こしており、この点から言えば実体に縛られるようになったこと以外は“神”の頃と変わっていないと考えられる。

完璧超人が他属性の超人に「下等超人」という蔑称を使っていたのに対し、超神は自分たちやザ・マン以外の超人全般を 「愚者超人」 と呼ぶ。

後にリーダーのザ・ワンにより「超人の真価を冷静に見極めようとする者」「当初から超人の持つ可能性に期待をかけていた者」「一貫して超人殲滅を主張する者」といったように超神も一枚岩ではなく各々異なる信念によって動いていたことが判明した。
この内、ザ・ワンにとっては自分と意を同じくする最初の一派こそが真の同志*4であり、それ以外の神々は真意を知らされることなく超人の力を見定めるための試金石として扱われていたようだ*5

【メンバー】

“調和の神”ザ・ワン

超神のリーダー格。
笑い声は「ボッボッボッ」、かけ声は「ボワッ」
かつて天上界で有数のカリスマを誇ったあのザ・マンと同等の力を持ち、古代において超人の絶滅を主導した存在。
その危険性故に、地に降りたザ・マンは己が見出した完璧超人始祖に「絶滅から救い出すべき完璧な種となる可能性を持つ者」と同時に「いつか地上に侵攻してくるだろう“調和の神”一派に対する最高戦力」としての意味も抱いて育てたという。
ホーリーロッド(聖なる杖)と呼ばれる角飾りのついたを身に纏っており、扇を持つこともあって戦国武将のようにも見える。

詳細は個別項目を参照。

“戒律の神”ランペイジマン

笑い声は「テ~トテトテト」
超神最初の降臨の地となった秦始皇帝陵にて最初に姿を現した超神。
調和の神ザ・ワンの真意を理解した上で行動していた同志の一人で、ザ・ワンも自身の片腕的存在として厚く信頼していた。
“戒律の神”でありながら“乱暴者(ランペイジ)”と“下天”後には神としての属性とは真逆の印象の名前を名乗っている超神の一人である。
濃い紫色のボディの各所に✕印の意匠を持ち、特にボディの大きな✕印はパニッシュメントエングレイバーなる必殺の刺突として用いられる。

詳細は個別項目を参照。

“憤怒の神”バイコーン

笑い声は「フェフェフェ」
フェニックスに導かれたエジプト・ギザのスフィンクス像前にて、元知性チームプリズマンと交戦するべく姿を現した。
“憤怒の神”らしく超人への嫌悪を少しも隠そうともしない激情家で、煽り耐性も低く感情の振り幅も大きい……と、全く“神”らしさを感じさせない……ということで、逆の意味で読者を動揺させた
バイコーン(二角獣)の名の通り、巨大な2本角が特徴的な各部にも獣を模したコスチュームを纏っている。

詳細は個別項目を参照。

“安寧の神”ザ・ナチュラル

笑い声は「バハー」「バハハ」
フェニックスに導かれたソ連領内*6のシャウレイの十字架の丘にて、元知性チームのサタンクロスと交戦するべく姿を現した。
元“安寧の神”の名に恥じない冷静沈着で感情の起伏を殆ど見せない精神と、非常に強靭で揺るぎの無い肉体を併せ持ち、曰く「両の足をしっかり地に着け、両の目でじっくり本質を見極める」
筋骨隆々の堂々とした体躯を誇り、上半身は裸なのだが、一見すると燕尾服を着ているようにも見えるという不思議な姿をしている。
顔面は無機質な仮面のようなデザインで、さらに右上腕、左胸、左下腕、左右の脛にも同じく仮面を象った意匠のフェイスシールドを持ち伸縮や変形が可能。
後の“バベルの塔”での戦いでは後述のザ・バーザーカーとタッグチーム“モデスティーズ”として組んで戦った。

詳細は個別項目を参照。

“修練の神”コーカサスマン

笑い声は「ペギペギ」
フェニックスに導かれたソ連領内*7の「地獄の門」ことダルヴァザガスクレーターにて、元知性チームのマンモスマンと交戦するべく姿を現した。
その名の通りコーカサスオオカブトを象った強固な鎧を纏っており、能力もシンプルにパワーと防御を前面に押し出した超神である。
“修練の神”らしく、修練によって磨かれた己の力に自信を見せる一方で、超人のことは「幾ら修練を重ねても成長することなどない存在」と断じており、それをかつての同志であったザ・マンに知らしめるべく“調和の神”の誘いに乗った模様。

詳細は個別項目を参照。

“理性の神”イデアマン“狂気の神”ザ・ノトーリアス

笑い声は、それぞれ「ヌガヌガ」「ガゴガゴ」
元々「天界最強のタッグチーム“マイティハーキュリーズ”」を名乗っていた武闘派*8だったらしく、フェニックスに導かれたイタリア・ローマのコロッセオにてフェニックス及びそのタッグパートナーとして指名されたビッグボディによるタッグチーム「ゴッドセレクテッド」と交戦するべく姿を現した。
イデアマンは古代ローマやスパルタの闘士を思わせる姿で、ノトーリアスは白虎を思わせるレザー状の扮装を纏い2本の巨大な牙を持つ。
シングルマッチに長ける神が多い中、彼らは天界において最強のタッグチームとして名を馳せてきた。
超神の多くが「新たな神の候補に値するか」という視点で超人を試したのに対し、イデアマン・ノトーリアスは自分達が神の限界を超える手がかりを得るための存在ととらえていた様子。

詳細は個別項目を参照。

“進化の神”ジ・エクスキューショナー

笑い声は「ムッハムッハ」掛け声は「ムハー」
vs超神戦の次なるステージとなった“バベルの塔”にて第一の関門となる超神。
圧倒的な巨体に仮面と蛇腹状とも階段的なデザインとも呼べる鎧を手足に纏っているという、シンプルながらも威圧的な容姿が特徴。
エクスキューショナー(処刑人)という、前身が“進化の神”であったというのとは真逆の印象となるような物騒極まりない呼び名を名乗っているわけなのだが、
右肩に正しく“処刑人の鎌”を思わせるエクスキューショナーソードを備え、左前腕にも回転する刃であるドリル・ア・ホール・スコップを備えるという危険なギミックの持ち主。

詳細は個別項目を参照。

“禍福の神”リヴァイアサン

笑い声は「ギロギロ」ジョージ声の赤ダルマかな?
一人称は「(それがし)」で、堅苦しい口調が特徴。
マントを剥ぎ取られた当初はお馴染み武道(ブドー)の鎧を纏っておりネプキンと因縁浅からぬネプチューンマンを動揺させた。
彼の解説により武道のコスチュームは神が不退転の決意を示す証であることも明らかになった。
その全身を隙無く覆ったボディアーマー姿で隕石や膝部の車輪のようなギミックが搭載されているが、ファイトスタイル自体は超神の中でもかなりの正統派に入る方である。

詳細は個別項目を参照。

“維新の神”オニキスマン

呼吸音は「シューピー」
ウォーズマンを彷彿とさせる全身にタイトなアーマーを纏った姿の超神であり、これまた明らかにウォーズマン的な無機質な仮面で顔も覆っているロボ超神。
その上で意外にデカいウォーズマンを上回る体格の持ち主であり、機械としてのスペックのほか技量の面でも格上らしさを見せつける。
あらゆる手段を講じてでも先へと進み続けることを信条とし、生身の肉体の限界を超えるため後天的な改造手術により機械の体を手に入れた。

詳細は個別項目を参照。

“自制の神”ザ・バーザーカー

笑い声は「ドフドフ」キモオタか。
一人称は「我」。
ヒーロー然としたド派手なタイツと装飾を身に纏う長身・長髪の超神で、武器として大剣を携えているが流石に試合では使用しなかった。
スマートな印象ながら大柄なザ・ナチュラルと同程度以上の筋骨隆々とした肉体を誇る。
基本的には瞳が見えない白目状態なのだが、感情の動きが見えるアップ時には瞳が見えることがある。
元“自制の神”にもかかわらず「バーザーカー(狂戦士)」という、これまた元の属性とは相反する印象の超神名を名乗った一人であるものの、試合では司る“自制”の名に違わぬ完璧な感情コントロールを見せて戦いの主導権を握り続けた。
“バベルの塔”での戦いでは先行して姿を現していたナチュラルと共に待ち構えており、はぐれ悪魔コンビ(アシュラマン&サンシャイン)の思わぬ善戦に興味を引かれ、強引に試合に介入すると共にナチュラルに呼びかけ、タッグチーム“モデスティーズ”を結成して迎え撃った。
防御を重視するナチュラルのスタイルを“盾”と評す一方で自らのスタイルを“鉾”と評した通りの攻撃主体の超神だが、ガチで攻撃一辺倒だったバイコーンさんとは大違いの攻防一体のファイトスタイルで読者を感心させた

詳細は個別項目を参照。

“洞察の神”マグニフィセント

笑い声は「ムハハハハ」口癖は「ムハムハ」
一人称は「我」。
特徴的な鶏冠に仮面でないとするのならば無機質な顔面に3対(6つ)もの眼を持っており部族的な装束を身に纏っている。
超神名の“マグニフィセント”は素晴らしい、壮大、堂々とした……といった意味合い。
一見すると大らかに見えて“神”らしく傲慢と思える程に威厳に満ちた性格をよく現している。
超神達の中でもテクニックと言う面に於いては頭抜けていると確信できる程の実力の持ち主で、実際に“バベルの塔”での戦いでは、ヘタレモードながら自分が現世代最強の超人だという自覚もあるスグル(キン肉マン)を何もさせずに一方的に叩きのめすという有り得ない展開を作り出した。
特に、スグルにとってトラウマとなっているバックフリップを食らわせられたのには、思わずある超人を思い出し……。

詳細は個別項目を参照。



+ ネタバレ注意
(とき)の神”
超人の神の中でもどの派閥にも属さず独立独歩の立場を貫いていた神。
慈悲の神よりも後かつ、調和の神と超人殲滅派よりも前の時期=ザ・マンと悪魔将軍との決着が付けられた直後に天上界から姿を消すと共に下天していた……と考えられる。
と言うのも『完璧超人始祖編』終了時にザ・マンの竹刀をへし折っていた思わせ振りに登場した謎の人物が居り、彼が“調和の神”なのかとも思われていた訳だが、実際には十二名纏めて下天してきたザ・ワン率いる超神一派とは時系列に齟齬が生じるので再び不明のままだとなっていたが、どうやら今回の話が明らかになったことで先んじて下天した“刻の神”だったということで間違いないようである。ザ・ワンも自分たちに下天を決意させるきっかけだったと語っている。
よって、彼もまた超神にカテゴライズされるはずだが、刻の神自身が下天後の自分をどう見なしているかは不明。(神による超人製造術により誕生した配下の時間超人達は自分達の創造主たる“刻の神”を真の神と呼んでいる。また時間超人以外の超人達や神を旧式と呼んでいる。)

やり方はともかく世界の滅亡の阻止という目的だけは共通しているザ・マンとザ・ワン及びその支持者の神と異なり、
刻の神は世界のバランスを守るどころか崩壊をあえて加速させ、最後は魔時角の力でタイムスリップし自分達以外の全てが滅んだ遠い未来にて、
“終焉の刻“ファナティック、“黎明の刻“エクサベーター、“燦然の刻“パピヨンマン、“黄昏の刻“ペシミマン、“宵闇の刻“エンデマンからなる五大刻などマグネット・パワーを使って自身が創造した眷属の時間超人たちの手で世界をやり直す事を目論んでおり、他の神々や超神と全く異質な思想の下で動いている。
時の流れに介入する力を持ち、時間超人たちも自身が受けたダメージを驚異的なスピードで回復させる”超回復”などある程度その力を受け継いでいる。

ザ・ワンの話では太古より殊更自由を好む性質。
反面、慎重かつ用意周到な性格でもあるらしく、完璧超人始祖編前からファナティックを使って裏工作を行いまた超人製造に必要な超人製造機"降誕のメガフォン"を探し出すなど神や完璧超人の目も逃れながら暗躍に成功する狡猾さを備えている他、頑固者のザ・マンの考えを変えたキン肉マンの事も見くびることなく警戒していたとのこと。
特に調和の神によって厳重に封印されていたはずの超人製造術を刻の神がいかなる手段で再度使用したのかは、聡明なザ・マンですら全く心当たりがないらしい。
一方で、ザ・ワンが動き出すや否や計画を前倒しにして五大刻をけしかけるなど、必要あらば大胆な行動も躊躇しない。


【劇中の活躍】

オメガ・ケンタウリの六鎗客とサタンの計略が失敗した直後、ザ・マンの予想を上回る早さで地上への進行を開始。
手始めに中国の秦始皇帝陵に降り立ち、駆け付けたキン肉マンビッグボディと遭遇し、強力チームとランペイジマンの戦闘になるが、
そこへ乱入してきたキン肉マンスーパーフェニックスが自らが邪悪五神のカピラリアの欠片5つを持っていることを明かし、
知性の神の力を借りて開いた大穴の先に自身が持っているカピラリアの欠片に関する確実な情報源を24時間後に差し向けると提案する。
フェニックスを不敬となじる超神もいたが、調和の神ことザ・ワンも知性の神の策略があると見越したうえでフェニックスの提案を了承。
他の超神を宥めつつ「神との誓いを破った者には厳罰が下る」と念を押しは行いながらもあえてこの思惑に乗り、超神達は各々が分散して別々の穴に飛び込み、
行先で待機していた既に故人であるディクシアを除くかつての知性チーム及びビッグボディと超神達とのカピラリアの欠片を懸けた戦いに挑んだ。

圧倒的な力を見せつけた超神達であったが、フェニックス達の奮戦により4人もの超神が倒されてしまい、
モニター越しに現れたザ・マンの促しもあり、ザ・ワンは天上界への道であるバベルの塔に立ち入り神々の住む天上界に昇る為の試練を受ける資格を与えると承諾。
他の超神らの同意を得た上で、ザ・マンが所持していた欠片、邪悪五神が所持していた残りの欠片に自分と敗れたイデアマンとザ・ノートリアスの所持していた欠片も提供し、
バベルの塔に昇るために8つのカピラリアの欠片を用意して試練を受ける超人8名を選定するよう言い残し、残りの超神達と共にバベルの塔へにて超人達を待ち構えた。
引き分けになったりタッグ戦で相方が死亡するなど超人側も完全勝利とは言えない試合結果もあったが、対して超神側の方は実質ザ・ワン以外誰も勝てておらず勢力としては事実上壊滅した形になった。
唯一完全勝利したザ・ワンも、対戦相手であるバッファローマンを弟子として引き入れるという、超人を全滅させようとしていた当初とは相反する行動を取った。
ザ・ワンとしてもまさかここまで超神側に損害が出るとは想定外だったようだが、ザ・マンの目論見通りではあったものの成長した超人達の力を実感し、
同志が全員倒されたことで「神だけが、神である時代はとうの昔に終わっていた」ことを認めて、事実上の和解を宣告。
一斉に下天した神々の中で唯一残されたザ・ワンも方針転換したため、超人達は「超神が超人に代わる地上の支配種族となる」という当初の彼らの目的を事実上瓦解させることには成功したのだが……。


【超人の系譜】

「神は己の姿に似せて超人を創造した」とある様に、
キン肉マン世界の神々は108席の神の席の中の一つである「空白の一席」を埋めるため、
つまり「神は新たなる神を創らんと欲し超人という種を生み出した」というのが超人の歴史の始まりなのだが、
これを最初に提言したザ・マンを含め超神達も自らが創った超人がルーツとなった現代の超人の一族、いわゆる「系譜」が存在する。
上記の「己の姿に似せて超人を創造した」とある様にその超神が作った系譜の超人は姿や能力が似ていたりする傾向が多い。
現在明確にわかっている超神とその系譜は

ザ・ワン → バッファロー族(バッファローマン)
マグニフィセント → ココナッツ星人(プリンス・カメハメ)
ジ・エクスキューショナー → ジェロニモ 

の三つの系譜が確認されている。
ジェロニモは作中の経緯通り人間から超人になった存在ではあるのだが、
彼を超人にしたエクスキューショナー本人の口から系譜と認める発言がなされているので特例的な扱いに近いが少なくとも系譜であることは確からしい。
またリヴァイアサンは彼の発言からしてどうやら彼の創り出した超人の系譜は途絶えてしまっているらしい。
上記のバッファローマン以外絶滅したバッファロー族もそうだがそのようなケースも多少は存在しているようだ。
またネタバレになるだろうとある超神の創り出した超人の一族も系譜の定義に当てはまるだろう。
その他超神と彼らに似ている既存の超人も少なからず居るのだがそういった超人も名言はされていないが彼らも系譜に連なる超人なのかも知れない。

ちなみにだが非常に似ているオニキスマンとウォーズマンだが、少なくともウォーズマンは父親が機械超人として改造されそれを受け継いだ超人なので
最初からロボ超人の一族という訳ではないので系譜と断言しにくい関係性なのは確かである。
しかし一方でオニキスマン自身も後天的に改造して得た機械の肉体なので系譜の可能性が完全に消えたわけでもない、
というか彼ら二人の機械の肉体は似てはいるが経緯を考えれば機械部分の性能が似ているのは完全に偶然である可能性が高いという一周回って運命的なものでさえあるとも言える。

ザ・マンや邪悪五大神達の系譜は明言されいない一方で、
作中の過去描写でザ・マンが赤子のゴールドマン・シルバーマン兄弟が入っている籠を抱えているシーンが存在するため(ちなみにこの二人、新シリーズが始まる遥か昔から生誕地は「天上界」と明記されていた)
彼ら兄弟はザ・マンの系譜であり、シルバーマンが祖先であるキン肉族もザ・マンの系譜の可能性が出ていた訳だが、ザ・マンから続く系譜が金銀兄弟とキン肉族ということは後にザ・ワンの口から明言された。

また、ザ・ワンによれば“系譜の力”を真に引き継いだ(ルーツとなる神が直接的に指導するか運命に介入する?)場合には本来の潜在能力が完全に開花するらしく、ザ・マンをも倒したことで天上界に衝撃を与えた、現時点で超人界最強と位置づけられる悪魔将軍ことゴールドマンが比類なき力を得たのも、そのゴールドマンすら凌ぐとされる潜在能力を秘めた火事場のクソ力の体現者であるキン肉マン(キン肉スグル)が生まれたのも、どちらもザ・マンの“系譜の力”が発揮されたから……ということらしい。
そうして、ザ・ワンもまたバッファローマンに上述までの事情を明かした上で師である悪魔将軍と親友にして最大のライバルであるスグルを超える力を与えてやると説得し、バッファローマンもまたそれに従うことを決めたのだった。


【余談】

  • 姿の判明した超神たちはお馴染み読者からの応募超人であり、特にWeb連載化された『完璧超人始祖編』以降で活躍した超人の考案者によるデザインばかりで、今回も見事な仕事ぶりは最早専属デザイナーと呼びたくなるほど。



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最終更新:2025年01月27日 07:46

*1 そもそも“超人”自体が「本当に同じ種族として扱っていいのか?」と言われるほどに雑多で幅の広い個性を持った連中ばかりであるし。

*2 運命の五王子も本来の自分のパワーでないからか憑依にはリスクを背負い、完全に“神”の力を使いこなせていたわけではなかったらしい。ビッグボディなんか「オレにもよくわからない」とか言ってたしね。

*3 実際、脳天だけへの展開とはいえイデアマンはそれによってキン肉族三大奥義の1つであるマッスル・リベンジャーを完璧に防いでおり、薄々予測しつつも最大奥義すら通じないことを確認したフェニックスは脳天を避ける形で落として後のビッグボディとの合体技への布石とした。また、これによって改めてダイヤモンドパワーの脅威が浮き彫りになったともいえ、本来ならば始祖や超神でもなければ対抗手段を講じるのも難しいのだろう。

*4 ランペイジマン、コーカサスマン、オニキスマン、ザ・バーザーカー、マグニフィセントの5名がこれに該当する模様。これにより、遠回しにランペイジマンのコーカサスマンに対する態度とバイコーンに対する態度に違いがあった理由も判明することとなった

*5 ただしランペイジマンの口ぶりからすると、ザ・ワンの同志以外の一部の超神の中にも、この真意に気付いている超神がいた可能性はある

*6 1989年当時。現リトアニア。

*7 現トルクメニスタン。

*8 過去の回想でも天上界のリングで修行に励んでいるのが見受けられ、シリアスな笑いを提供する一方で、天上界ではそれ以上の成長が見込めないままに時を過ごしてきてしまったことが窺え、その現状を破る可能性が地上の超人にあるかもしれないことを“知性の神”に示されている。