ジ・エクスキューショナー(キン肉マン)

登録日:2024/04/14 Sun 01:32:33
更新日:2025/02/03 Mon 12:07:18
所要時間:約 8 分で読めます





我はかつて天界で“進化の神”と呼ばれた者

下天後に得た名はジ・エクスキューショナー


ジ・エクスキューショナーとは『キン肉マン』に登場する超神の一人。
天界では“進化の神”の名で呼ばれていた。

戦績
vsジェロニモ●(ニュー・マシンガンズカウベルスタンピード)

【概要】

vs超神戦の次なるステージとなった“バベルの塔”にて第一の関門*1及び塔のルールの説明役を務める超神。
笑い声は「ムッハムッハ」、掛け声は「ムハー」

何より目立つのが過去に登場した巨漢超人たちと比しても勝ると思われるほどの長身の持ち主であるということ。ニスデールを纏っていた時には全くそんな気配も無かったけど、まぁ『キン肉マン』だし。
その巨体にレオパルドンダーマの方)みたいな仮面と蛇腹状とも階段的なデザインとも呼べる鎧を手足に纏っているという、シンプルながらも威圧的なデザインをしている。
対戦相手となったのが超人としては小柄なジェロニモだっただけに、最初にリングで向かい合った時の対比が凄まじいことになっていた。

【活躍】

リアル・ディールズの先鋒を切ったジェロニモと交戦するべく姿を現した。
対戦相手となったのが超人としては小柄なジェロニモだっただけに、最初にリングで向かい合った時の対比が凄まじいことに。
格闘技術も超神らしく高レベルで、体格差もあってか最初の絡みの時点ではジェロニモの攻めを全く寄せ付けなかった。

ジェロニモを軽くあしらった後でダウンしたジェロニモの顔に唾を吐きかけるという“神”らしくもない挑発を見せる。
しかし、これはエクスキューショナーも思うところがあっての行為であり、思惑通りに発奮したジェロニモはドリル・ア・ホール・スコップから抜け出すと、プリズマンより託されたカピラリアの欠片で力を増したトマホーク・チョップの連打により片膝を着かせた。
ボディアタックへのカウンターとして抜かれたエクスキューショナーソードをもスグル譲りの「肉のカーテン」で凌いだジェロニモは伝家の宝刀・アパッチのおたけびの体勢に入る……

が、直撃を避けたと思われたエクスキューショナーソードからはさらに真空の刃による斬撃が放たれており、これで喉をやられていたことで不発に。
あまりにも的確にジェロニモの攻撃を潰していったエクスキューショナーは「私はお前のことは何でも知っている」と語り、ジェロニモの動揺を誘う。

肉体は勿論、心理的な面でもダメージを受けたジェロニモだったが、無理にでも攻撃を続行。
カピラリアの力も加えた“おたけび”は弱められた状態でもジ・エクスキューショナーの肉体に大穴を空けるほどの威力を見せたものの、異常な再生能力により抵抗。
ジェロニモも隙を突いてジ・エクスキューショナーに空けた大穴に潜り込んでからの双手蹂躙スープレックスを叩き込むなど奇策を講じたものの、エクスキューショナーは余裕綽々でジェロニモを捉え、必殺のシックルバスターでジェロニモをエクスキューショナーソードの上に打ち据え、天井へと放り投げる。

文字通りの公開処刑となったと思わせるほどの一撃には、スグルも涙ながらに「せっかくうまいいなり寿司*2をたらふく食わせてやろうと思っていたのに──っ!」と悲痛な叫びを発したほどだったがジェロニモは生存。
なんとエクスキューショナーは本気で技を放ってはおらず、立ち上がってきたジェロニモに対して「それでこそ勇者を自称する者」と称賛すら送る余裕を見せる。

自らを品定めするかのようなエクスキューショナーの態度に怒り心頭となったジェロニモは猛反撃に出る。
ジ・エクスキューショナーもジェロニモが自分に食らい付いてきたことに喜びつつも応じ、ジャイアントバックブリーカーでリングを支える柱に叩き付けていく。

しかし、ここで距離が空いたことでジェロニモは再度アパッチのおたけびの体勢に。
今度は切り裂かれた喉の傷を自らの手で塞いで全力で放ち、無理がたたり途切れそうになった時にも自らの力を信じてくれていたサンシャインを筆頭に、試合前は過去の実績からジェロニモの実力を疑問視していた者までも含めたリアル・ディールズ(仲間たち)のエールを受けて、限界を越えた“おたけび”により完全にエクスキューショナーの左腕を破壊することに成功する。

再生が追いつかないながらも前進したエクスキューショナーは右手でジェロニモの口を封じにかかるが、実はジェロニモの狙いはカピラリア七光線を防ぐ「膜」を引き剥がすことであり、まんまと近付いてきたエクスキューショナーにカピラリアの欠片の力を加えたモンゴリアンチョップをはじめとした連続攻撃を加えてダウンさせる。

いよいよ余裕のなくなってきたエクスキューショナーであったが、ジェロニモのここまでの戦いぶりの中に「超人としての機転と勇気」「自らの喉を潰してまでも仲間のため勝利をもぎ取らんとする捨て身の犠牲心」があったことを絶賛し、最終試練を与えると宣言して再度のシックルバスターの体勢に入る。

……ジェロニモもまた、この時にかけられた言葉からジ・エクスキューショナーの正体を悟っていた

試練の意味を知ったことで自らを震い立たせたジェロニモはセットアップから抜け出すと、反対に最も尊敬すべき先輩でもあるテリーマンの得意技からヒントを得た新技ニューマシンガンズカウベルスタンピードでエクスキューショナーを捉えて巨体を粉砕し、見事に勝利を掴むのだった。

……そう、読者の中にも超神としての姿と名前のギャップを感じつつも“進化の神”という名前から正体を予想していた者も少なくなかったが、ジ・エクスキューショナー=“進化の神”の正体とは、かつてジェロニモを超人に転生させたスーパーマン・ロードの神だった。
図らずもジェロニモは自らの運命を導いてくれた最大の恩義に対し、自らの力で乗り越えるという最高の結果を以て“神”の期待に応えてみせたのである。
ストーリーの流れと旧作の描写から登場を予想していた読者もそれなりにいた様子

決着と共に自らがスーパーマン・ロードの神であったと認めた“進化の神”ことジ・エクスキューショナーは、改めてジェロニモのこれまでの道程と戦いぶりを称えると共にリアル・ディールズに対して「“神”は“新たなる神”を創らんと欲し超人という種を生み出した」という、今回の戦いの根幹となる秘密の一端を明かす。

実は、これまで言われてきた「108の超人の神」とは「天上界に超人の神が108人居る」ということではなく、天地開闢以来埋まることのなかった天上界にある108の“神の席”のことであり、それを埋めるべく“慈悲の神”が提案し、神々が試みたのが超人という種を作り出すことだった。

そして、当の元“慈悲の神”ことザ・マンは超人という種を救うべく自ら下天、己の考え(超人が神に至れるのか)が実現するかを探ってきた……というのがweb連載以降の展開にて描かれてきた歴史というのは読者にとっては承知の通り。
天上界の観点から言えば億年を経てもその結果の出なかった無視してもいいレベルの話のはず……だったのだが、ザ・マンが悪魔将軍に敗れたのを目撃したことで、天上界としてもザ・マンの蒔いてきた種が萌芽したと認めざるを得なくなり、改めて超人をどうするのかが議論されることになった。

ザ・マンに反対する立場の“調和の神”も、ザ・マンの天界への尽力は他の神よりも理解しており、精査した結果「ザ・マンは地上に“神”となれる候補を作りすぎた」と認めざるを得なかった。
……しかし、その事実はこれまで維持されてきた“調和”を壊すものであり、それ故の再度の超人絶滅計画にして、反対に“神”の存在意義を問うことも含めた“最後の審判”のために下天したのだという。

そして“進化の神”であるジ・エクスキューショナーが“調和の神”に賛同したのは“進化の神”であるが故に自らの目で超人の真価を確かめたかったからであり、このやり取りの中で自らがジェロニモへと通じる種の創造主であることまでも明かした上でジェロニモに天上界への切符を与えた。
……ということは“超人”ではない普通の人間の創造主でもあるということなのかもしれない。“進化の神”なだけに。

超神の中では当初から超人に対してやや好意的な方向に傾いていたためか、バベル組の一人ではあるがザ・ワンの同志の中には含まれていない様子。


【実力】

下天後は自らエクスキューショナー(処刑人)という、前身が“進化の神”であったというのとは真逆の印象となるような物騒極まりない呼び名を名乗っているわけなのだが、
その名の通りに巨体だけでも充分な脅威となるのは解りきっているのに、右肩に正しく“処刑人の鎌”を思わせるエクスキューショナーソードを備え、左前腕にも回転する刃であるドリル・ア・ホール・スコップを備える危険なギミック超人、もといギミック超神。


【技】

  • ドリル・ア・ホール・スコップ
左前腕に装着した刃物状のアーマーを回転させての斬撃。
ダウンしたジェロニモに追撃として使用。
いかにも『キン肉マン』的な残酷技で『Ⅱ世』の頃までの旧連載時には酷いことになってそうだが、カピラリアの欠片を埋め込まれたことによるパワーアップの恩恵か、ジェロニモは凌いで抜け出した。

  • ドリル・ア・ホール・スコップ ラリアット
その名の通りで、左腕を高速回転させた状態のままのラリアット。その使い方はいいのか?
アパッチのおたけびを阻止した直後に使用。

  • エクスキューショナーソード
見るからに危険な右肩の刃を利用しての斬撃。
柄のようなものは無く、エクスキューショナーも直接刃を持って扱っているのだが自らを傷付けたような様子は無かった。
その切れ味は凄まじく、ガードで直撃を避けたと思ったジェロニモにも直接刃が当たっていないにもかかわらず真空の刃による斬撃が届いていた。

  • エクスキューショナーシックルバスター
エクスキューショナーの最大奥義。
「シックル」とは小型の鎌のこと。どう見てもサイス(大型)やんけ。
技の体勢としては巨体を利用して一応は相手の四肢も封じているものの、体勢と痛め付ける部位的にはただの落下(着席、膝折)式=投げ技型のカナディアン・バックブリーカーなのだが、落とす場所が右肩のエクスキューショナーソードなので、名前通り処刑執行となるであろう見た目にも危険な一撃である。
……が、前述のように今回の戦い、特に序盤はジェロニモに対する試練という意味が大きかったこともあってか、劇中で成功させた一撃は全力ではなかったと思われ、実際にジェロニモも大ダメージは負ったものの行動不能・絶命に陥るのは免れている。
終盤、最後の試練と称した時には本気の一撃を放とうとしていたのだと思われるが、この時は左腕を失っていたこともあってか抜け出されて未遂に終わっており、読者によっては見るからに危険そうなのに実際の威力は微妙と見られてしまっている面も。


【余談】

旧連載『夢の超人タッグ編』において、スーパーマン・ロードの神は自分が命を助けたことのあるジェロニモから普通の超人と認識されていたこともあったのだが、その辺の扱いがゆでの中でどうなっているかは不明である
神であるが子孫(自分の系譜を継ぐ者=ジェロニモ)のために超人を装っていたのか、本当に超人から神に格上げされていたのか?……どっちにせよ現状の戦いを色々と揺るがす描写である。


旧連載終了後に刊行された『キン肉マン 77の謎』では「スーパーマン・ロードの神様って何者ですか?」という謎に対し「105人の超人の神の1人ではないか」という未来を予知したような推察があり、「実力・人徳に抜きん出た超人は超人の神に昇格できるのでは」という解説も存在した。
ちなみにこの本、こいつとかと違ってれっきとしたゆでたまご公認のファンブックであり、以降の公式本で採用されている解釈もいくつか存在する*3



た…たとえどんな項目でも…ソースを見失うことなく編集し続ける強い心…

しかと見届けた…見事だアニヲタ

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最終更新:2025年02月03日 12:07

*1 このエクスキューショナーの称する「第一の関門」という表現も旧シリーズと絡めた伏線と思われる

*2 「なんでいなり寿司?」と思った人はアニメ版でのジェロニモのキャラソン『魂のおたけび』を聴くこと。ウララーッ!

*3 「バッファローマンが『黄金のマスク編』でスキンヘッドにしていたのは正義超人軍に転向することに対する彼なりのけじめの印であり、『夢の超人タッグ編』以降は地毛」とか。