裁きの神ジャスティス(キン肉マン)

登録日:2015/05/19 Tue 02:00:17
更新日:2024/04/08 Mon 09:48:15
所要時間:約 32 分で読めます







そんなことをいくらやっても永遠に決着はつかない…これで勝負をつけなさい



裁きの神ジャスティスとは、漫画『キン肉マン』の登場人物である。
ゲーム『キン肉マン マッスルグランプリMAX』での声優は小野健一。
悪魔六騎士編】では回想シーン等でその存在に言及されたが、闘いに参加等はしなかった。


●天上兄弟喧嘩

裁きの神ジャスティスは、ある兄弟の神の喧嘩を仲裁した存在として伝えられる。

数億年前、超人界にはゴールドマンシルバーマンという二人の神がいた。
ゴールドマンは無敵を誇る格闘技の達人であったために「戦いの神」と呼ばれ、
シルバーマンも兄に劣らぬ達人ではあったが、争い事を好まない穏やかな性格から「平和の神」と呼ばれた。
この二人の神の存在によって超人界は大きな争いが起こらず、平和が保たれていた。

しかし、ある少年が「ゴールドマンとシルバーマンは仲がいいから実現しないと思うけど、戦ったらどっちが強いの?」
等といらんことを訊いてしまったために仲違いが起き、大規模な兄弟喧嘩へと発展してしまう。
事態を重く見た他の神は緊急会議を開き、仲裁役として派遣することを決定したのが、この裁きの神ジャスティスであった。
彼は兄弟にの勝負で決着を付けることを提案し、結果的に互いの首を斬り合うという相討ちで兄弟喧嘩は終結した。

なお、回想シーンではジャスティスの表情は描かれていないが、
何故か体格や辮髪等、容姿はアイドル超人の一人ラーメンマンに酷似している。

しかし、これほど「神々」の存在が重要となるシリーズであるにもかかわらず、
裁きの神ジャスティスを含む【悪魔六騎士編】の神話に登場した神々はほとんど本編に関わってくることはなかった
ただし、知性チームのオメガマンの雇い主である超人閻魔は除く)。
そのため、ジャスティスの存在も「ただのモンゴルマン登場の前フリじゃね?」等と片付けられるようになった。


追記・修正は公平な裁きを受けてからお願いします。
















以下、【完璧超人始祖編】のネタバレ注意

















なぜ、おまえたちほどの男が共にそこまで意地を張る

素直に超人墓場に戻るという選択肢はもはや万にひとつもないというのか?

ならばこのジャスティスマン、おまえたちの決意の闘いせめて見届けてしんぜよう





裁きの神ジャスティスの正体とは、完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)の一人、完璧・陸式(パーフェクト・シックス)ジャスティスマンである。

●プロフィール

所属:完璧超人
出身:スイス
身長:209cm
体重:136kg
超人強度:1500万パワー


+ 戦績
vsアシュラマン○(ジャッジメント・ペナルティ)
vsテリーマン●(途中棄権)
vsサタン○(ジャッジメント・ペナルティ) ※非公式


●概要

神話で伝わっていたラーメンマンに酷似していたシルエットは、あくまでもオーバーボディによるもの。
辮髪に見えた部分は持っている天秤の鎖、楕円形の顔は兜で隠したもの、細身に見える身体はマントで覆われていた。
姿を表した際に兜を砕きマントを脱ぎ捨てたため、ラーメンマンと似ても似つかない姿になってしまった。私は変身などしなーい。

その真の容姿はこれといった具体的なモチーフが存在しない*1プレーンなタイプの超人で、筋骨逞しい肉体に血管か葉脈のようなラインが走っている。
頭部は左右に大きく拡がった翼のような形状をしており、中央部が透けて中の脳髄が目視できるという造形が印象的。
顔立ちは非常に端整で瞳の無い切れ長の目の持ち主*2
基本的に淡々とした無表情だが対戦相手の抹殺を決断した時は凄まじい陰影が浮き出しなまじ異形の悪行超人よりもよほど恐ろしい。


一見すると透けて脳が丸見えな頭部が弱点に見えるが、実はその頭部こそゴールドマンのダイヤモンドパワーに匹敵する硬度を誇る、彼の身体で最も強固な箇所である。
それを知らず全身全霊を込めた 「ブラッドユニット阿修羅バスター」 で頭部を砕かんとしたアシュラマンは、逆に自分の兜が砕けてしまった。

彼の所有アイテム『裁きの天秤』は戦闘に使うものではなく、対戦相手の実力や正しさを測るための物である。
互いの装飾の一部分を載せることで実力・正しさを測ることができ、持ち主が「有罪」であれば天秤は下がる。
彼が載せるのはコスチュームの胸のうろこ状部品の一番上の一枚で、これが実は光のダンベルである。

なお、ジャスティスマンの真の姿が明らかになった際には、読者の間でも賛否両論の大騒動となった。
後に作者ゆでたまごは単行本50巻の後書きで
「批判があるのは覚悟したが、やはり変えないとダメだろうという結論になった
「あのシルエットを残したらジャスティスマンがラーメンマン以上のキャラに育つことはなくなってしまう」
……と答えている。
ラーメンマンとは許されざる大樹にて共演しているが、最後まで特に絡みは無かった。


●神話の真実

【悪魔六騎士編】で語られた伝承の内容は全てが正しかったわけではなく、
【完璧・無量大数軍編】以降、神々の正体や背景等が明らかになっていった。
後付け?気にするな。

1.神々の正体

【悪魔六騎士編】の神話に登場した彼らは、実は「神」そのものではなく「慈悲深き神に選ばれし超人」であり、
「神に最も近い存在」とされる「完璧超人」の中でも真の完璧超人にして、完璧思想の源流である『完璧超人始祖』であったことが判明。
太古の世界、余りの放埒ぶりに神々により滅びることが決定された超人という種の中で、後の超人閻魔である神の座を捨てた慈悲深き神こと、ザ・マンに救われた超人の一人として、存在するに値する完璧な種となるべく、同志達と共に地上で鍛錬の日々を過ごしていた。

2.同志との訣別

詳細は各個別項目に譲るが、見事に精神的にも肉体的にも完璧を極めた10名と、師である慈悲深き神を加えた11名は“完璧超人”を名乗り、カピラリア七光線による神々の粛清から約束通り生き残る。

……しかし、偶然から彼ら以外にも生き残った超人達が居た。
初めは、自分達以外にも超人が生き残っていたことを喜びつつも“種に交わらぬ”ことを決めて、自分達の完璧を維持しつつ、下等超人達を見守るためにも本拠地とした完璧の山に籠っていた彼らだったが、長い時を経て再び地上に蔓延っていった下等超人共は始祖達も見過ごせない程に増長していき、滅ぼされる以前と同じく、弱肉強食の混沌の世界を描き出していた。

そして、完璧超人始祖を名乗っていた彼らは地上を見捨てた神々に替わり下等超人への粛清を実行。
更に、神々に代わり自分達が地上も管理していくことを宣言する。

しかし、この時の粛清を機に、師である“元”慈悲深き神の変節に失望していった筆頭格の壱式ゴールドマンは敬愛していた師や弟や親交の深かったジャスティスマン等の同志達との決別を考え始める。
詳しくは個別項目に譲るが、ゴールドマンは新たなる進化の可能性として、完璧となった自分達が遥か昔に捨て去って久しい、下等超人の持つ感情の力に目を向け、自らが地上に降りて下等超人達を導くことを選択する。

これは、超人の可能性を信じて自分達を見出した筈の慈悲深き神が、新しい世代の下等超人達の可能性を認めず超人の生死すらも意のままに操ろうとする超人閻魔と成り果てたことに失望したことと、
完璧を極めた筈の自分達でありながら、結局は誰一人として師である慈悲深き神を越えられなかったことについて、
師の変節の理由の一つが自分達の至らなさにあると思い悩んだ果ての解答であった。

そして、この時点で師の変節と「完璧の山」が超人墓場と成り果てたことから目を逸らし黙認を決めた同志達との乖離は決定的となっていた。

こうして、地上に降りたゴールドマンは自ら下等超人共に戦いを挑み圧倒すると、自らに付き従う者達に直接の指導を加え始めた。
当初、ゴールドマンを止めて同志の下に帰らせる役目を期待されて送り込まれた弐式シルバーマンもゴールドマンへの説得と対話を繰り返した果てに、兄と同じく自分の選んだ超人達に直接の指導を加え始め、
こうして、二手に分かれて各々に兄弟に導かれて力を付けた超人達は互いの勢力として対立し、地上には弱肉強食で混沌としていた時代とは別の争乱が起きるようになった。

この時ゴールドマンに従ったのが悪魔超人の源流であり、シルバーマンに従ったのが正義超人の源流である。

超人閻魔はこれを問題視し、両者の争いを仲裁する存在として陸式・ジャスティスマンを派遣。
「兄弟の内どちらかの首を差し出すか、両者が超人墓場に戻る」ことを条件に手を引くと伝えた。
ジャスティスマンは超人閻魔に従い超人墓場に戻るよう諭すが、
彼らは「ここで歩みを止めることはできない」とこれを拒否、己の信念のために敢えて修羅となって互いを討つことを選択する。
やむなくジャスティスマンは二人の戦いを見届け、結果的に兄弟は互いの首を斬り合う相討ちに。
これにより地上の超人達は神とも崇めた指導者二人を同時に失い、以降は導く者も居ないままに知らず知らずに始祖の管理する世界の中で、数万年単位で進歩が遅れることとなった。

また、この決闘に関する出来事はキン肉族の間で語り継がれるようになり、キン肉星における現在の神話の形に変容していった。


なお、【悪魔六騎士編】の回想シーンとは違い、
この時はゴールドマンとシルバーマンの手から剣が生えている描写となっている。
(悪魔将軍の必殺技の一つ、地獄のメリーゴーランドで使用する剣と思われる。弟のシルバーも同様のものを使えたようだ)

なお、この経緯からも分かる通りゴールドマンとシルバーマンはそもそも下界に降りた時点からさほど好意的な関係ではないし、両者が戦った理由も決してその力比べのためでは無い。どちらが強いのか、と聞いた子どもすら恐らく実在していない。
ジャスティスマンが降臨したのも両者の戦いを諌める為ではなく、むしろ両者の戦いを促している。
剣もジャスティスマンが渡したものではなく、彼らが自らの能力で自前で用意したものである……と、神話上で語られた内容はほとんど全部デタラメである。もちろん、神話というのはある程度創作性があるものとはされているが、ほぼ原型がないほどまで真相がねじ曲がってる原因は不明。恐らくシルバーマンとゴールドマンが周囲に何も告げないまま決闘に臨んでしまい、その背景を当人同士以外誰も知らなかった為、このような形になってしまったものと推測される。

●戦いの軌跡等

1.イレギュラー粛清計画

その後、暫くは超人閻魔及び完璧超人始祖らは直接地上に干渉しなかったが、
後にキン肉マンら「下等超人」が「火事場のクソ力」の成長により、自分達を超えかねない力を手にしようとすることに危機感を募らせていった。
そのため、超人閻魔は【キン肉星王位争奪編】で彼らを始末するように完璧超人オメガマンに指示しており、
【完璧・無量大数軍編】では、『三属性超人不可侵条約』の破約を名目に親衛隊である『無量大数軍』を率いて粛清に向かっている
さらに「悪魔将軍」として復活したゴールドマンと悪魔六騎士が超人墓場侵攻に向かったことで始祖達も動き出し、より戦いは熾烈を極めていく。

2.魔界との因縁

悪魔将軍が超人墓場を崩壊させた後、残りの始祖達も「下等超人」粛清のために地上に出現。
他の始祖が古代超人界に関わる地に向かう中、彼は悪魔超人の本拠地である魔界へと赴き、魔界のプリンス・アシュラマンと闘うことを選択する。
そこで、魔界が他ならぬゴールドマンにより超人墓場に似せて作られたこと、アシュラマンの先祖が自分の弟子ミロスマンの腕を奪ったことで一族を繁栄させたことを指摘し、
魔界とその王族を「不完全な地」「偽りの王族」と断じた。
もっとも、ミロスマンの敗北については「実力不足」であるとして、怨恨の感情は抱いていない様子。

圧倒的な実力でアシュラマンの腕を4本破壊するが、アシュラマンはジャスティスマンに垂直落下技「阿修羅稲綱落とし」を仕掛ける。
だが4本の腕を失い体重が落ちていたため威力が半減、結果ジャスティスマンは両腕から着地することで脳天直撃を防ぐことができた。
この時の衝撃でジャスティスマンの腕の血管が一部切れているが、後の試合展開には特に影響することはなかった。むごい。

優れた超人であるミロスマンの技と力を奪い我が物としたアシュラ一族だったが、
それはつまりミロスマンの師であるジャスティスマンにはミロスマンの技が通じないということでもあった。
それに気付いたアシュラマンはミロスマン由来の残り2本の腕をもぎ取り、散っていった悪魔超人たちの腕を魔術で合体。悪魔超人の誇りをもってジャスティスマンに挑む。
ジャスティスマンをもってしても動きが読みきれず、次々にヒットしていくアシュラマンの攻撃。しかし、上がっていく技の威力に瞠目こそさせるが有効打にはつながらない。

切り札の阿修羅バスターは即座に首の弱点を見抜かれ、すぐに改良阿修羅バスターへ切り替えるも、圧倒的パワーで四肢のロックを振りほどかれてしまう。
それでもなお食い下がるアシュラマンは、頭脳が露出している頭部をジャスティスマン唯一の弱点と見定め、全ての腕のフックを頭部に集中、脳天一点特化「ブラッドユニット阿修羅バスター」をジャスティスマンに放った。

しかしジャスティスマンは倒れなかった。
曰く、あからさまな弱点に見える頭部はよりにもよって悪魔将軍のダイヤモンドパワー並に強固な部位であると。そんなバカな……。
敵の脳天ではなく自身の冠にヒビを入れられ動揺してもなお奮戦するアシュラマンであったが、ジャスティスマンは自身の必殺技「完璧・陸式奥義 ジャッジメント・ペナルティ」を放ち、悪魔超人達の腕もろともアシュラマンを完全粉砕する。

悪魔六騎士最強であるアシュラマンをまさに手も足も出させずに撃破したジャスティスマン。
読者は悟る。この男こそは、悪魔将軍……ゴールドマンに並ぶ、完璧超人始祖最強の一角であることを。


3.本当の正義

勝ち残った超人達が国立競技場に集結したため、彼もそちらに合流することに。
この地には、かつて「下等超人」らがカピラリア大災害を逃れるための避難所としていた『許されざる世界樹』が埋まっており、
再び地上に姿を表した世界樹内部のリングで完璧超人らが待機し、正義・悪魔超人軍に自由に対戦相手を選択する権利を与えた。

ジャスティスマンの対戦相手は、アシュラマン最大のライバルを自負し、彼の敵を討とうとするテリーマン
ジャスティスマンは「感情の力などまやかしにすぎぬ」「確かな裁きを今一度受けるがよい! 」と自らの迷いを振り払うかのように宣言する。

圧倒的実力差を見せられてもなお、「闘いを通じて分かり合う」望みを捨てないテリーに対し、
ジャスティスマンは「お前が勝てば完璧超人の教えにも不備があることを“正義”の名の下に認めよう」と宣言。
かつてゴールドマンやシルバーマンの見出した答えが気に掛かっていたことに加え、
実際に正悪連合軍の友情パワーを目の当たりにしたことで、その真価を見極めたいと考えたようだ。

ジャスティスマンは「確実にお前を殺すつもりで闘ってやろう」と本気を出し始める。
その言葉通り、技を受けても微動だにしない強靭さや片腕で相手を軽々と投げるパワー、隙のない冷静な攻撃でテリーを圧倒する。
それでもなお倒れないテリーだったが、遂に放たれたジャッジメント・ペナルティを受けてしまう。
アシュラマンすらも倒した一撃に、もはやテリーが立ち上がれる筈が無かった。が、


ヘイ、ボーイ!せ…正義の魂を、からかっちゃいけないぜ!


四肢を破壊され、義足も外れてしまったテリーマンは、もはや這いずり縋りつく事しか出来ない。
しかしテリーマンの闘志は衰える事なく、ジャスティスマンに戦闘続行を宣言する。
そんな対戦相手にジャスティスマンが下した判断は、彼自身を除くその場の全ての人間と超人に衝撃を走らせた。

ダブル・ジョパディ――二重処罰の禁止と言うルールを自分に課しているジャスティスマンは、
審判を下す最後の処罰…ジャッジメント・ペナルティを最後まで決めた時点で相手の罪は全て裁き終えた事になり、
既に無罪放免となった相手にそれ以上攻撃を加える事は無い。

それでも尚相手が生きており、かつ戦う意志を見せるのであれば、ジャスティスマンの取る選択肢は――棄権と言う事になる。

かくして、テリーマンとジャスティスマンの戦いは満身創痍のテリーマンに対し、
ほぼ無傷のジャスティスマンが光のダンベルを譲与し、敗北を認めると言う結果に終わったのであった。

ジャスティスマンは、ダブル・ジョパディだけで戦いを止めたのではない。
不死となり寿命を超越したが故に自身を磨いて自分で目的を成し遂げる完璧超人には、仲間の敗死から得たり見出したりするものはなく、また敗者が遺すものもない、というのが彼等の常識だった。
しかし、今まで下等超人と見ていた者、テリーマンは何も残ってないはずなのになお戦おうとし、更にその姿に感銘を受け、遺志を継ごうとする者たちがいること。
それは完璧超人が目を向けなかった事、たとえ弟子がいようと「後継者」と言う概念がない完璧超人とは異なり、
戦った者の中から何かを掴み、受け継いで次の世代へと繋いでいく姿に、一つの「永遠」を見出したのだ。
それこそが、ダブル・ジョパディと言う判断だけでなく、下等と見ていた者たちが次なるステージへと踏み出した証拠であり、ジャスティスマンが棄権した理由なのだ。


4.新たな使命

ジャスティスマンを含む始祖達との試合に勝利した正義超人と悪魔超人達は、始祖達のダンベルを全て集めることに成功。
このダンベルは「始祖以外の超人達が全滅するか、または始祖が超人という種の成熟を認めた」時に始祖の存在を消滅させるためのものであった。
ゴールドマン、シルバーマン、ジャスティスマンは地上の超人達の成熟を認め自分達は退場することを望み、遂に祭壇に全てのダンベルが掲げられる。

しかし、「始祖がこんな仕掛けでアッサリ消えて良いはずがない」というサイコマンの判断により、
ダンベルによる消滅の効果は彼自身にのみ作用するように秘密裏に作り変えられていた。

生き残ったジャスティスマンは、「サイコマン」と初めて名前を呼び自分の新たな使命を果たすことを決断する。
彼は、嘗ては下界に降りることを引き止めた過去がある親友達の作り上げた正義超人悪魔超人のやり方に一定の理があることを認め、視線を合わせた悪魔将軍とは頷き合うも、超人閻魔や完璧超人の在り方を全否定することもしなかった。
この先の未来にまだ見ぬ答えが生まれてくることを確信した彼は、自分なりの答えを見つけるために旅立つのであった。

5.そして再び

その後、オメガ・ケンタウリの六鎗客編で再登場。
ワームホール*3を作り出し、試合前より劣勢感漂う正義の5本槍の援護へと向かうキン肉マンを手助けした後、どこかへと飛び去った。

古代の地球の支配者であった六鎗客の先祖であるオメガの民を追放したのが他ならぬ始祖達であったことが明らかになっていたこともあり、その後の活躍も期待されていたのだが、前回のアシュラマンとテリーマンとの戦いを通じて自らも現世代の超人を認める立場となったこともあってか、事実上の地球への侵略者であっても、六鎗客との戦いではスグルの到着を早めた以上の介入をしようとはしなかった。

しかし、邪悪五神の介入により復活した運命の五王子も巻き込んだ戦いの末に、六鎗客のリーダーであるオメガマン・アリステラキン肉アタルに敗れてオメガの民の敗北が決定する。

すると、悪魔将軍の一部としてゴールドマンを操った過去があり、今回は六鎗客を地球に導いた黒幕でもあるサタンがアリステラの粛清の為に自ら実体化までして現世に出現。
それを見たジャスティスマンも、サタン討伐の為に地上に降臨した。

尚、この際には完璧超人始祖の打倒を一族の悲願としてきたアリステラより、どうして始祖の一人であるジャスティスマンが自分の命を救おうとするのかとの疑問を投げ掛けられるも、アタルとの戦いを通じて、オメガの民の教えの過ちに気付くと共に、先祖が犯した罪の意識に苛まれるアリステラに対して「罪人の子孫は罪人ではない」と語り、罪を悔い改心したのであれば裁く理由は何処にもないという考えから、オメガの民に救いの手を差し伸べる慈悲深さを見せつけ、心行くまで語り合うことすら約束した。

一方でサタンに対しては、サタンが過去に犯した罪を見てきた(・・・・)ためか「旧世代の遺物の中でも最低の部類に属する代物」「負の遺産」とボロクソに批判し、サタンの様な邪悪な存在を現世にのさばらせないように始末する事こそ完璧超人始祖の本来の任務と断言。
サタンからのヒールレスラーらしい見下すような挑発的な言動に感情を荒立てるどころか真顔で「黙れゴミ屑」と身も蓋もなく一蹴し、ジャスティスマンはサタンと開戦する。

サタンからは宿敵であるザ・マンの手下に過ぎないとして「小童」と煽られるも、自身を「(あやつと呼ばず)誇り高きザ・マンの弟子」「希望に溢れる未来の守護者」と切り返した。

この発言からも、前回の戦いの結末や、その末に自分達の永年の悲願も背負っての悪魔将軍=ゴールドマンの勝利、そして超人閻魔と成り果てていたザ・マンが和解を果たすと共に本来の使命を取り戻したことは彼も把握していた模様。
実際、前回去る時には完璧超人陣営から抜けたと言っていたのに、今回の登場では誇りを持って完璧“陸式”ジャスティスマンと名乗っているのが何よりの証明か。

戦いに於いては、手負いとはいえ現世代の超人達の中では間違いなく最強圏内に入るであろうアリステラを余裕で蹂躙し、同じく手負いとはいえ、やはり現世代最強とも謳われるアタルに悲壮とも思える覚悟をさせた程のサタンを相手にしては、さしものジャスティスマンも圧倒された……かに見えたが、調子よく攻めていると思っていたのは当のサタンのみで、実体化サタンの力を確かめるためにわざと攻撃を受けていたジャスティスマンはほとんど無傷

逆上したサタンはザ・マンを倒すための技と語った必殺のサタニックソウル・ブランディングを放つも、此れすらわざと仕掛けさせたジャスティスマンは、食らった上で「こんなものか」と言い放つのだった。

さしものサタンも戦きつつも、直後にジャスティスマンが吐血したのを見て「やはり効いていない訳がない」「すました顔を装いよってこのド畜生めが」と、3階のバカに続く新たなアダ名を提供したが活躍はここまで。
実際、始祖特有のタフネスにより全くダメージを残さなかったジャスティスマンは、力試しが終わった後は本番とばかりに、長年裏から謀略を駆使するばかりで碌にテクニックを鍛えておらず、受け身や切り返しがド素人なサタンを裁きの技で反撃する隙を許さず蹂躙し尽くし、
余裕を見せようとした所を容赦なく蹴り飛ばす等々……の、サタン曰く「やりたい放題しやがって~」を見せた末に、サタンの奥の手である憑依すら力ずくで分離させるという方法で脱した末に、多くの読者がラスボスの登場かと期待された相手を、必殺のジャッジメント・ペナルティにより粉砕するのだった。

しかも、サタンが逆転の拠り所=憑依出来る理由としたジャスティスマンの天秤が認めたジャスティスマンの罪とは、『サタンのようなゴミ屑を放置していたから』という、メタ的にしてあんまりな理由であり、サタンを倒せると確信した時点で罪の意識が消えたのか、あっさりと秤が逆転している……ムゴい。圧倒的な力でラスボスかと思われた相手を蹂躙する掟破りにより“塩試合”とネタとして弄られた主に対して、抜群のタイミングで秤を逆転させた天秤の方が“プロレスを解っている”と言われる始末であった。

勝利後、戦いを見ていたスグルや、無事にサタンの粛清から命を救いだしたアタルやアリステラ達に対し、今回の戦いはサタンなどが問題ではないと言い放ち、全ての真相をザ・マン当人から知らせてもらうべく、自らが完璧の山へと導くことを宣言し、ワームホールを作り出して向かう。
その途中で、ミラージュマンとアビスマンの亡骸を見つけ、墓守鬼たちに復旧作業の途中なのに何故亡骸をそのままにしているのか聞き、自分ら墓守鬼では完璧超人始祖の尊き存在の大きさ故に亡骸でも触れるのは恐れ多くて出来ないと言う理由を聞くと、墓守鬼達へミラージュマンとアビスマンだけでなくペインマンの埋葬の許可を与えた。

因みに、完璧の山へと通じるロード・トゥ・ヘブンを開く場面にてアンジンロッソという奇妙な呪文を唱えているのだが、一説には徳川家康に外交特使として仕えた水先案内人、航海士として知られるイングランド人ウィリアム・アダムスこと三浦按針と自分のパーソナルカラーでもある(Rosso)を組み合わせたものではないのか?との考察も。
作中にて最初にこの現象を見せた悪魔将軍の例と発言から鑑みるに、どうせ完璧超人なら通れるんだからここでは個々人が何を言ってもいいんじゃないか?疑惑も。

その後のザ・マンとの邂逅では、前回の戦いを経て互いに始祖としての使命を取り戻すと共に現世代の超人達への希望を確信するに至っていた為か、その後は特に意見を交わす等していなかったにもかかわらず、蟠りもなく完全にかつての信頼関係を取り戻しており、天界から超人絶滅を目論む“調和の神”とその一派が下りてくるという真実を前にしても立ち向かうことを受け入れた超人達を共に優しく見守っていた。
また、ザ・マンと共に“バベルの塔”に挑む“リアル・ディールズ”選抜の際には現世代完璧超人の代表として出陣することを許してくれるようにネプチューンマンより依頼されていた辺り、現在の立場的にはザ・マンと並ぶ完璧超人陣営の最高顧問にして現世代超人の守護者といった所であろうか。


●人物像

名前の通り、始祖の中でも特に厳格な性格。
悪魔将軍曰く、始祖の中でも格闘技術と隙のない冷静沈着な判断力という点で群を抜いた存在であり、
感情などの不安定な要素に価値を認めず、この世に盤石の安定を築こうとしたその姿勢は、かつてのザ・マンに最も近いという。
生真面目で堅物とも言える男であるが柔軟な思考もそれなりに持ち合わせ、始祖側に過ちがあると指摘さればそれを拒絶することなく素直に認める一面もある。

ただしその強固な信念故に一度「殺意」を向ければ、その後はたとえ相手が格下であろうと油断や慢心、手加減抜きで確実に相手を殺そうと無慈悲に攻めたててくる。
絶対的強者であるため慢心や油断が多く目立つ他の始祖と比べても、その淡々と機械的に敵を攻めたてる性格は非常に異質。
「対戦相手が言い訳できないような完勝をする」というポリシーの持ち主でもあり、対戦相手が何らかの身体的欠点(テリーマンの義足など)を抱えている場合、逆にその部位をあえて狙わず攻撃を仕掛けてくる傾向にある。


ゴールドマンとは「ゴールド」「ジャスティス」と呼び合う間柄で、下野し「下等超人」となる考えを打ち明けられている辺り、親しかったようだ。
もっとも、ゴールドマンの「完璧超人に欠けているものは感情」という思想までは受け入れられず、「情で動く者は大義を失う」と反論している。
ガンマンやサイコマン同様に、超人閻魔の思想に賛同し、地上の下等超人の力を認めてはいないが、彼の場合は二人とは少し異なり、
「下等超人の力を認めること=親友を死なせてしまった自分の判断こそが誤り」だと受け入れることを無意識に避けている傾向がみられる。
事実、アシュラマンには、あたかも自分が謀略を用いて金銀兄弟を同士討ちにさせたかのように説明していた。
尚、シルバーマンのことも「シルバー」と呼んでいるので、偏屈ながら(故に?)金銀兄弟とは性格的にも気の合う仲だったのだろう。

内心では超人閻魔に対して疑念を抱く始祖が少なくない中、魔界やその王族の断罪に向かう彼は己の信念に従って行動したように見えるが、
アシュラマンとの戦いと上述の「裁きの天秤」の一件で、そこに迷いが生じていくことになる。
そもそも、自分が認めていた金銀兄弟の見出した可能性であるし、口では否定しつつも結果的に親友二人の命を奪ってしまった件に関わったことには苦悩や後悔もあったようで自分なりに考えていたようである。

また全体的に「集団としての完璧超人の方針」よりも「自らの裁きの判断」を優先して動く傾向にあり、
テリーマンとの戦いで始祖の敗北=ザ・マンを含めた始祖の消滅という危機にありながらも試合を棄権し自らのダンベルを渡すのがその極地。
師である超人閻魔と、完璧始祖の理念・思想を重んじるサイコマンからは、「いつか裏切ると思っていた」「私を怒らせることにかけては間違いなく天才」「3階のバカ」とマジギレされている。

総じて非常に冷静でストイックさが極まっており、それ故周囲の掟や空気が間違っていると判断すれば自身の信念に準じて迷いなく行動するタイプに繋がっているため(ここらはゴールドマンやシルバーマンも同じなので本質的には似た者同士なのだろう)、
サイコマンがある意味唯一危惧していたらしいのも当然の始祖という集団に埋め込まれた爆弾のように危険な存在である。
もっとも「3階のバカ」の件については、ジャスティスマンがというよりはダンベルがクソシステム過ぎたといえるが

なお他の始祖のような特徴的な笑い声は披露していないが、「ハワーッ!」という独特のシャウトを多用する。



●戦闘スタイル

「裁きの神」という異名からギミック系を思わせるが、実際の戦い方はフィジカル・テクニック等全てが超高水準に纏まった正統派。
故に戦闘においては、特殊能力を一切用いず驚異的なパワーとテクニックだけで相手の技を捌き、シンプルな投げ技や極め技で容易く相手の体を破壊していく。
下等超人程度であれば簡単な絞め技や打撃技、握力だけで豆腐のように肉体をバラバラに粉砕可能で、過去のオメガの民との戦いでは片手でその頭を握りつぶしていた。
体幹が強く柔軟性も高いのか、その場から一歩も動かずに攻撃をいなし、態勢が崩れても腕を使わずに立ち直すなどの動きを見せており、自分より遥かに巨体のサタン様(笑)の片足タックルを受けてもビクともしなかった

他の始祖達のようにビジュアル面での派手さやインパクトのない詰め将棋にも似た堅実(悪く言えば地味)な試合運びを行うが、極めて高いレベルでバランスの取れたスペックにより技や立ち回りにほとんど隙が生じない。
隙が大きい傾向にあるド派手な技をほとんど使わないことが、ジャスティスマンの隙の無さに拍車を掛ける。

しかし真に恐るべきは、「裁きの神」の名を冠するに相応しい物事を的確に見抜く高い洞察力と眼力であり、その眼力によって相手が繰り出す技・戦術をことごとく看破してしまう。
ミロスマンではなく悪魔超人の腕を借りた状態の 「阿修羅バスター」 及び 「改良阿修羅バスター」 すら、初見で弱点を見抜いて攻略している。
そのためテリーマンのように、「プロレスのお手本のような理詰めの戦い方」をする超人は、その洞察力から来る「読み」でほとんどの技を看破されてしまうため相性が悪い。
テリーマンはその基本に忠実な面から、「意表を突く想定外の奇襲に弱い」と見抜きセオリーから外れた攻撃を放ち、何度かジャスティスマンに有効打を当てることに成功しているが、
上記の対応力から次からは「読み」の範疇と化し、何度も通じないばかりか更に何億年も研鑽を重ねた肉体にダメージらしいダメージは与えられなかった。


おまけにシングマンペインマンなど他の始祖のように、戦闘においてギミックや特殊能力の類を一切使わない為、「ジャスティスマンの能力や特性を逆手に取って打開策を得る」という下等超人側の対始祖の基本戦術も使えず、
更に精神面も長年の修練と鋼のような信念により形成された強靭極まりないメンタルの持ち主であるため、会話等により心理戦に持ち込み精神的ミスを誘うこともほぼ不可能。

スペックが劣っている者がジャスティスマンに挑む場合、全方位に渡って相手が付け入る隙が無い厄介極まる難敵であり、
古代に交友があり、地上堕ちを経てゴールドマン時代より実力を増しミラージュマンとアビスマンを倒していた悪魔将軍でさえ、「始祖のなかでも技術・隙の無さは群を抜いている」「あれほど冷静沈着という言葉が似合う男を知らぬ」「奴を倒すとなるとこの私でも少々骨が折れるかもしれんな」と太鼓判を押す。


メタ的な欠点を言えば、あまりに戦術がガチガチすぎる上にスペックにも隙がないので、対戦相手によっては終始一方的な消化試合、塩試合にしか見えないことか。
他の始祖達がパフォーマンス的にもエンターテイメント的にも映えるド派手なバトルスタイルの面々が多いため、
基本技がシンプルすぎる癖に凶悪無比な威力を誇り、試合中に遊びや派手なパフォーマンス、虐殺王ことシルバーマンの様な見栄えするネタ性すらないジャスティスマンは、他の始祖と比べるとどうしても地味さが拭えない。
というか作中でもサンシャインに、からかう意図はなくむしろ畏怖のこもった評価であるが「強いけど戦い方が地味」と断言された。
おまけにレスラー特有のマイクパフォーマンスの類を一切行わなずズバズバ物事を端的に言う傾向にあり、地味っぽさに拍車をかけている。
特に再登場したサタン戦においてはサタンがヒールらしい(プロレス的)煽りをする中で、「黙れゴミ屑」とバッサリ切り捨て、
あまつさえそれまでの話の流れをガン無視して勝手に自分の疑問を話し出すという塩対応っぷりを見せた。
しかしサタンの「私を誰だと思っている!」という発言に「大魔王サタンだろう?それがどうしたー!と返すあたり、マイクパフォーマンスもできないのではなくしないだけの可能性が非常に高い。
そういった点でも犬猿の仲なサイコマンとは対照的なバトルスタイルである。

結果あまりの強さからファンも多い一方で、読者から「空気が読めない」「興行が出来ない」「プロレスが出来ない」「塩試合製造機」「1人だけプロレスじゃなくて総合格闘技やってる」だのとネタにされているある意味悲劇の始祖。


得意技・必殺技

  • 蹴り
攻めや守りの起点として鮮やかなキックを見せることが多く、何気に『キン肉マン』では珍しい戦闘スタイルだったり。
身体能力は他の始祖同様に桁違いだが体格自体は普通なので、リーチ差や体格差を補うという意味合いもあるのかもしれない。
基本的には牽制に使うが、大魔王サタン様(笑)戦では巨体を物ともせずにギャグマンガみたいに吹っ飛ばしていたので、その気になれば蹴りだけでかなりの実力者でも仕留められそうである。


  • タービンストーム
全身を捻って竜巻を発生させる。ポーズが変。というかほぼサボテンダーである。
アシュラマンの「竜巻地獄」の威力を上回る。
後述の「裁きの技」には含まれておらず、試合の流れ的にカラスマンの「体躯鸚鵡返し」のように相手の得意技を瞬時に学習して出した、即興の上位互換技の可能性もある。

  • 大木腕固め
アシュラマンの3本の腕を纏めて腕固めに極めた技。
アシュラは良く3倍の攻撃力や効果を謳っているが、貰うダメージも3倍だ。

  • ジャッジメントクラッシュ
「裁きの技」と呼称される一連の必殺技の一つ。
腕や脚といった相手のボディを確実に破壊して機能を封じていき、最期はほぼ死に体となった相手にダメ押しの一番強力な技を叩きこんで粉砕するという、殺人フルコースめいた構成である。
これは師であるザ・マンの説いた格闘理論に則った戦法であり、壱式・ゴールドマンの「地獄の九所封じ」とも同様のもの。

相手の背後から左右の腕を抑えた状態で後方に飛び、相手の頭を激突させる。
この技でアシュラマンの左下段の腕を破壊した。
テリーマン戦でも彼の両腕を負傷させ、機能しなくなったかに見えたが、友情パワーの発動によって一度は持ち直している。
腕にかかる負荷はもちろんだが、当然激突した頭にもエグイダメージが加わっている。

  • ジャッジメントツイスト
裁きの技No.2。
相手の背後から頭を抑え、相手の腕に足を絡めた状態で体をひねり、頭と腕を極める技。
この技でアシュラマンの右下段の腕を破壊した。
テリーマン戦でも彼の左腕を負傷させもぎ取られこそしなかったが、完全に機能不全に陥らせた。
サタン戦では技の掛け方が若干異なり、両足をサタンの脚に絡めた上で首へのダメージのみに集中させている。
本来はそのまま抑え込んだ首を捩じ切る技のようで、耐えられなかった者はここで首も脱落する。

  • ジャッジメントアヴァランチャー
裁きの技No.3。
背後から相手を逆さまにした状態で両腕を抑え、尻でマットに落下する技。この技でアシュラマンの左右中段の腕を破壊した。
……腕が脆いのではない、ジャスティスマンが強いのだ。
事実、テリーマンももぎ取られこそしなかったが両腕が使い物にならなくなってしまった。
この時点で奥義を喰らってもがら空きの腕が既に壊されているので、対象はろくな抵抗ができなくなる。
余談だが、この技の形は現実では人気の高い、多くの選手がフィニッシュとして使うこともある“リバースゴリースペシャルボム”という技とほとんど同型で、現実では頭を落としていく危険技と認識されている。
それを知ってか知らずか、腕だけ破壊してるけど頭には影響ないの?とする声もあったのだが、ジャスティスマンの場合は怪力過ぎて腕の引き締めの効果のが遥かに強いということなのかもしれない。

  • ジャッジメントウィンドミル
相手の背後から左右の腕を抑えたまま後方に飛び、相手の頭をコーナーポストに激突させる。


  • 完璧・陸式(パーフェクト・シックス)奥義 ジャッジメント・ペナルティ

アシュラマンよ~~っ これがおまえに下す最後の裁きだ

その思い上がりごと砕け散るがいいーーっ!

完璧・陸式奥義 ジャッジメント・ペナルティーーッ!


有罪(ギルティ)ーーーッ!


ジャスティスマンが誇る最強にして文字通り最後のフェイバリット。
両手で相手の両足首を掴んだ状態で跳び上がり、右足で相手の両足をフロント・インディアンデスロックに極め、右手で相手の顔面を掴みマットに激突させる。
いわゆる落下系の必殺技だが、ロックしているのは両足と顔面のみで、両手が完全にフリーという特徴がある。
両腕が無事な相手はもちろん引き剥がそうとするのだが、ジャスティスマンの膂力の前では逆にダメージを受けてしまう。*4
アシュラマン戦では、残っていた笑い面と引きはがそうとしてジャスティスマンの腕を掴んだ4本の腕を同時に破壊。
砕けた腕でなおも抵抗しようとするアシュラマンの顔面を完全に握り潰しKOした。
テリーも必死に腕を殴りつけて脱出しようとしたが通じず、サタンも引き剥がそうとしたら既にヒビの入っていた腕が崩壊しそうになる等、抵抗する側が悲惨なことになるのがお約束である。

この技の完遂を以て相手の罪の全てを裁き切った事になり、この技を受けて生還する事はジャスティスマンの下す「裁き」を全て耐えきり、許された事と同義。
対戦相手が「裁き」を全て乗り越え、「相手は無罪である」と判断したジャスティスマンは、「二重処罰の禁止」という法規に則りたとえ自身は無傷で相手が半死半生の満身創痍という状況であろうと自ら敗北を認めてしまう。

この彼の思想と理念が、攻守共に文字通りの『完璧』で、精神面も含め全くつけ入る隙が無いジャスティスマンを突破できる唯一の攻略手段となっている。
……ただし、実際にこの「攻略手段」と言えるかどうかすら怪しい方法で生還できるかどうかは全く別の話。
技の直撃を受けたアシュラマンは一撃で完全にKOされ、唯一生還できたテリーマンの場合も、生き残れたのは自ら義足にダメージを加えて外れかけさせたことで、直撃時の技の掛かりがやや甘くなっていたことが大きいと思われる。
なお、回想時にはジャスティスマンは通常のアイアンクローで超人の頭を豆腐の如く容易く握り潰して殺害しており、鍛え方が足りないと技の掛りがどうのという以前に普通に頭を潰されて死亡するものと考えられる。

オメガ・ケンタウリの六鎗客編でも大魔王サタンへのトドメとして披露。
こちらは完璧超人始祖としての使命やサタンに対する静かな怒りもあってか、炸裂した時には何とサタンの身体をバラバラに粉砕してしまうという、テリーマン戦やアシュラマン戦の比ではない圧倒的な破壊力を見せ付けた。


●余談

無慈悲なツッコミの数々

ゴミ屑の始末に際してジャスティスマンは淡々と作業をこなすように戦い、確実にダメージを蓄積させていった。
  • 蹴り脚を即座に捻ってへし折るドラゴンスクリュー
  • まだ手があるとのたまうサタンを全否定しながら脳天をキャンバスにブッ刺すツームストン・パイルドライバー
  • 逆立ち体勢のまま長口上を続けるサタンをガン無視して土手っ腹にブチ込まれるミドルキック
  • ジャスティスマンへの憑依に最後の望みをかけたサタンをあっさり引きずりだしての延髄斬り
相手のペースを全く考慮せずに一発一発をキレッキレの全力で叩きこむ様はまるでどつき漫才。
特に逆立ち大魔王に入れた蹴りは…

会話を断ち切る
物理的にサタンの腹筋を破壊する
それを読んでいた読者の腹筋も破壊する

…という次元を超えた切れ味を見せた。
技がエグいのかサタンが痛がりなのかは判然としないが、一発喰らうたびに「ゲギャ~ッ」とカッコ悪い悲鳴を上げてゴロゴロ無様に転がるサタンのリアクションも含めて、非常に味わい深い攻撃である。

ミロスマンについて

ジャスティスマンの弟子だが、アシュラマンの先祖に倒された。
歴史上初めて「下等超人」に公式戦で敗北した完璧超人。

アシュラ一族も元々は他の超人と同じ二本の腕であったが、
ミロスマンの腕を奪ったことで、その子孫達にも複数の腕を持つという特徴が継承され、
同時にジャスティスマンがミロスマンに教えた戦闘技術も無意識の内に受け継がれてきた。
魔界には今もなお、両腕を奪われたミロスマンを模した石像が飾られている。

ちなみに、師匠ジャスティスマンのデザイン変更ほど目立ってはいないが、
ミロスマンの石像も作中でさりげなくデザインが変更されている(単行本では修正済)。
その名前と腕のない石像という点から、元ネタは「ミロのヴィーナス」と思われる。
応募キャラの原案によれば、墓場のマリア像がモチーフのオーバーボディ超人だったらしい。

一応、「超人総選挙2017」の投票リストにも名前が載っている。
誰が投票するんだ



追記・修正は感情の力を確かめてからお願いします。


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最終更新:2024年04月08日 09:48

*1 他作品だとアニメ「バロムワン」のバロムワンによく似ている

*2 一部のトランスフォーマーや勇者ロボのような雰囲気もする

*3 ゴムアゴムアと奇妙な音を発しているのが特徴。

*4 魔のショーグンクローといいサイコマンといい、始祖には握力自慢が多いが、悪魔将軍やサイコマンの握力と同レベルだと考えると納得出来る話ではある。