登録日:2024/04/22 Mon 11:40:00
更新日:2025/04/25 Fri 03:32:24
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クロノン破壊波動関数生命体
とは、ビデオゲーム及びテレビドラマ『
Quantum Break』に登場し、『レメディー・コネクテッド・ユニバース(RCU)』関連作品でも存在が示唆された超常的な存在。
後述の様に通称は
シフター
。
【概要】
空間を満たすことで時間の流れを正常に保つ
クロノン粒子
が放射するエネルギーに大量被曝した結果、自らクロノン粒子を生成し続けることができるように身体が変異する
クロノン活性
と呼ばれる状態を経て未来視能力
「タイム分岐」
を会得し、
永続的な量子重ね合わせ状態
になった人間。
2021年に訪れるというクロノン粒子が枯渇し時間が永久に停止した世界「
時間の終わり
」では、シフター達が世界中を跋扈しているとされている。
【外見】
全ての並行世界の同位体が重なった状態であるため、姿が次々と同一人物の別バージョンのものに切り替わり、挙動が
テクスチャーエラーを起こしたゲームのキャラクター
の様に見える。
また、身体全体が
歪みフィールド
と呼ばれるシールドの様なものに覆われており、光が屈折することで外部からは
破片を寄せ集めて人型にしたかの様な異形の怪物
に見える。
【特徴】
◇量子重ね合わせ
また、矛盾した存在であるが故にクロノンフィールド内ではどこにも存在できずに姿が消える場合もある。
クロノン粒子の枯渇により不定期なタイミングで訪れる時間が停止した状態「
時間のひずみ
」の中では
全ての並行世界の自分が一つの世界の一つの場所に同時に存在する「永続的な量子重ね合わせ状態」
、
シュレディンガーの猫で例えると「箱を開けても生きている猫と死んでいる猫が同時に存在し続ける」という状態になる。
その異様な状態を視覚的に表すように、前述の通り並行世界の別バージョンの自分に姿が次々と変わる。このことから「移り変わる者」と呼ばれる。
また、この状態では全ての並行世界の自分が同じ体験をしているが故に前述の精神的苦痛が無くなるため、シフターは「ひずみ」が永久に続く「時間の終わり」を求めている。
◇非常に高い物理的耐久性
前述の通り「ひずみ」の内部では永続的な量子重ね合わせ状態で存在し、致命的なダメージを受けてもそれで死ぬのは重ね合わせになっている一個体に過ぎず、他の並行世界のバージョンは無傷なままであるため、全てのバージョンを殺害されるまで活動できる。
そして並行世界は無限にあるとされているため、
事実上の不死身
である。
◇高い身体能力
原理は不明だがシフターは非常に身体能力が高く、繰り出されるパンチやタックル等の体術は常人にとって
全てが即死攻撃レベル
となり得る。
◇歪みフィールド
シフターの身体を覆うシールドのようなもの。
空間や光を物理的に歪ませており、
常人は近付くだけで死に至る。
【弱点】
◇活動領域
前述の通り、「ひずみ」の中でしか量子重ね合わせ状態を保てず、クロノンフィールドの中では矛盾した存在であるが故に存在できず消滅する。
ただし、
クロノン粒子が含まれた目薬
を使用することで安定したクロノンフィールドの中でも単一の姿で存在し続けることが可能。
また、逆に周囲の全てのクロノン粒子を排除する機械「クロノンダンプナー」が生み出すフィールドも弱点となる。
◇非常に高い攻撃性
前述の通り、シフターは常に多大な苦痛を受けているため
理性が消し飛んでおり、
非常に攻撃的な傾向にある。
また、シフターにとって「ひずみ」は安らぎの場所であるため、それを脅かすクロノンフィールドを排除しようとする性質がある。
モナークソリューションズの隊員が身に付けるクロノンハーネスは小規模のクロノンフィールドを発生させて「ひずみ」の中でも活動できるようになる機械であるため、シフターから優先的に狙われることになる。
【能力(タイムパワー)】
クロノン活性により会得する時間に関する超自然的な能力。時間経過によって能力は強化されていき、使える能力の数も増えていく。
◇タイムシールド
物理的な攻撃を全て遮断する球状のシールドを展開する能力。
会得したばかりの段階では数秒間シールドを展開できるのみだが、シフターはほぼ無制限にシールドを持続できる。
ただしタイムパワーを使い過ぎるとクロノン粒子が一時的に枯渇し、シールドも消えてしまう。
◇タイムブラスト
高濃度のクロノンエネルギーを
障害物を無視して
離れた敵対者に放ち、そこに
歪みフィールド
を発生させて物理的な損傷を与える能力。
範囲は手榴弾の爆風程度。
シフターはこれを連発できる上、半径数十メートルにもおよぶ
特大タイムブラスト
も放てるが、特大タイムブラストに関しては大量のクロノンエネルギーを消費するため諸刃の剣でもある。
◇タイムビジョン
感覚を研ぎ澄まし、周囲に存在する敵対者を
障害物を無視して察知
する能力。
◇タイムストップ
手をかざし集中することで、特定の狭い範囲の時間を一時的に停止できる。
◇タイムドッジ
数秒間だけ時間を停止し、その間に移動することで
短距離の瞬間移動
を実現する能力。
緊急回避に用いる。
なお、『
Control』には全く同じ能力を持つ
強化ヒスが登場する。
◇タイムラッシュ
数秒間だけ時間の流れを遅くし、その間に全力疾走することで
残像を残すほどの高速移動
を実現する能力。
なお、モナークソリューションズのセキュリティ部門は、身に付けることでこの能力を人工的に再現できる戦闘服
ストライカースーツ
の開発に成功している。
また、『
Alan Wake』『
Alan Wake Ⅱ』には全く同じ能力を持つ
テレフランカーやスロワーが登場する。
◇タイムトリガー
特定の場所の時間を一時的に巻き戻すことが可能。
ただしすぐに元に戻ってしまう。
◇タイムエコー
特定の場所の過去の映像をエコーとして垣間見ることができる。
『Alan Wake Ⅱ』ではアラン・ウェイクも同じ能力を会得している。
◇タイム分岐
クロノン活性した人間が
最後に会得する能力。
前述の通り未来視能力であり、別の宇宙に分岐する様な場面に直面した際に
勝手に発動
する。
非常に有用そうな能力だが、この能力を会得するのが
地獄の始まり
となる。
停止した時間の中で生体に起こりうるあらゆる可能性を同時に体験することになり、
精神的、肉体的に多大な苦痛を伴う。
この苦痛に蝕まれる症状を
クロノンシンドローム
と呼ぶ。
クロノンシンドロームが進行すると
現在のタイムラインと身体が同期しなくなっていき、
最終的にはタイム分岐能力が常時発動した状態、すなわち量子重ね合わせ状態となってしまう。
シフターが「ひずみ」の中でしか存在できないのは、タイム分岐能力が停止した時間の中で発動するためと思われる。
【シフターになった人物】
青い瞳とグレーの髪の白人男性。
クロノン研究に力を入れている大企業モナークソリューションズの設立者にして社長。
詳細は個別項目を参照。
「自分を大きな門のようなものだとは思っていない。それほど尊大にはなれない。もっと小さな扉、ハッチのようなものだ。」
茶色の瞳でスキンヘッドの黒人男性。
モナークソリューションズの広報担当のCEOにしてポールの友人。
はるか昔、洞窟の中で
天然のタイムマシン
に遭遇したことでクロノンエネルギーを大量被曝し、シフターとなった人物。
当初は異なるタイムラインに同時に自分が存在し、それらと知覚を共有するというシフターの特徴に多大な苦痛を感じていたが、ある時「正常になれる様態」を獲得し、さらに
クロノン粒子が含まれた目薬をさす
という方法で単一の姿を保ち常人に擬態する術を身に付けた。
その最終目的は
シフターが自由に行動できる「時間の終わり」を実現させること
であり、そのためにモナークソリューションズとジャックの双方を利用する。
詳細は個別項目を参照。
◇ヘンリー・キム
黒髪と茶色の髪の50代後半の男性。
モナークソリューションズのクロノン技術主任研究員。
C.F.R.で時間の終わりが来ても時間が正常に流れる安全な場所を作り、そこで解決策を模索するという「ライフボートプロトコル」の研究中にクロノンエネルギーを大量被曝し、シフターと化してしまった。
人工的に再現された「ひずみ空間」に閉じ込められ、公式には死んだことにされていたが、2016年にハッチにより解放され消息不明となった。
青い瞳、茶髪の白人男性。
『Quantum Break』の主人公にしてクロノン研究の第一人者ウィリアム・ジョイス博士の弟、そしてポール・セリーンの幼馴染みにして親友。
最終的には完全にシフター化するものと思われる。
詳細は個別項目を参照。
【『RCU』に登場するシフターらしき存在】
◇ワーリン・ドア
「ドア、ゲート、ポータル、ポート、開口部、アクセス、窓」
『Control』で初めて言及され『Alan Wake Ⅱ』から本格的に登場する
超常現象生命体。
茶色の瞳と黒髪の黒人男性。黒のビジネススーツと眼鏡を身に付けており、ハッチに雰囲気が似ている。
一瞬で姿を現したり消えたりする、何十年も前から姿が変わらない、多元宇宙に変わらない姿で現れるなど、「何処にでもいて何処にもいない」というシフターの特徴と合致しており、
ハッチと同一の存在であることが露骨に示唆されている。
元々はハッチを演じた故ランス・レディックが演じる予定
であり、設定上では
ハッチと同じ顔と声だと思われる。
また、名前のスペルの
Warlin
も
Martin
に酷似しており、ファミリーネームの「
ドア
」は「
ハッチ
」と同様に人名らしからぬ「開口部」を意味する類義語である。
『Alan Wake Ⅱ』のDLC『
ナイトスプリングス』エピソード3:「時空の破壊者」では起源について言及され、
洞窟内で能力を得た
ことが判明し、
ハッチ=ドアがほぼ確定した。
詳細は[マーティン・ハッチ/ワーリン・ドア]を参照。
◇ティモシー・ブレーカー
愛称:
ティム
。『Alan Wake Ⅱ』に登場するワシントン州ブライトフォールズの保安官。
ジャックと全く同じ顔と声を持つ
。
「失われた時間」や「別の世界の別バージョンの自分」、「赤毛の女」、「多面体」など『Quantum Break』の内容を思わせる事柄についてを
現実の様に感じられる夢
として言及しており、別の宇宙の自分と知覚を共有できるシフターの能力と合致しており、
量子重ね合わせになったジャックの別バージョンの一つ
であることが露骨に示唆されている。
また、「自分の名前には隠された意味があるのでは?」とも言及しており、実際にTim Breakerという名前はtime breaker(時間破壊者)のもじりであり、『Quan
t
u
m
Break
』ともスペルが似ている。
詳細は[ジャック・ジョイス/ティモシー・ブレーカー]を参照。
以下はそのティムの別バージョン。
◇保安官
『Alan Wake Ⅱ』のDLC『ナイトスプリングス』エピソード2:「北極星」に登場するアリゾナ州ナイトスプリングスの保安官。
ティムと全く同じ顔と声を持つ、ティムの別の宇宙の別バージョン。
政府の機密機関「
ダーク・トライアングル・コーヒー」の本拠地である「コーヒーワールド」に潜入し、コーヒーの化け物となってしまったナイトスプリングスの住人達と戦っていた。
コーヒーワールドにやって来たダーク・トライアングル・コーヒーに弟を捕らわれた「
赤毛の女」を手助けするが、最後は自身もコーヒーに洗脳されてしまった。
◇ショーン・アシュモア
『Alan Wake Ⅱ』のDLC『ナイトスプリングス』エピソード3:「時空の破壊者」に登場する、
実在する俳優。
しかし我々の宇宙とは別の宇宙の住人であり、レメディーではなく
ポイズンピル・エンターテイメント
のゲーム『タイム・ブレーカー』の主人公として採用された。
ティムを演じた俳優なので当然だがティムと全く同じ顔と声を持つ、ティムの別の宇宙の別バージョン。
休憩時間に多元宇宙を渡り歩き別バージョンのショーンを次々と殺していき「タイム・ブレーカー」(※後述)と呼ばれる怪物に変貌させる「
数多の世界の主
」ことワーリン・ドアに遭遇し命を狙われ、政府の機密機関「リップルエフェクト社(REC)」のエージェントである「赤毛の女」の手を借りて多元宇宙を渡り歩くことになる。
最後は「
数多の世界の主
」と対面するが、その正体は
ドアではなくアラン・ウェイクであった。
◇ブランチ
「時空の破壊者」に登場する、RECエージェント。
ショーンがゲームの中で演じたキャラクターだが、別の宇宙では実在していた。
ティムの別の宇宙の別バージョン。
「赤毛の女」と行動を共にしていたがショーンのいる宇宙でドアに殺害された。
「時空の破壊者」にて登場する、多元宇宙でドアに殺害され怪物に変貌させられたショーン・アシュモアの別バージョン達。
青白く光る人影の姿で無数に存在し、超自然的な挙動を取る。
「タイム・ブレーカー凝固装置」という特殊なライトで照らさないと攻撃が効かない。
追記・修正は量子重ね合わせになってからお願いします。
最終更新:2025年04月25日 03:32