登録日:2024/05/18 (土) 14:16:01
更新日:2025/04/13 Sun 19:40:00
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『ぼくらの ~
alternative~』とは、小学館のガガガ文庫より発行されているライトノベルシリーズ。全5巻。
月刊IKKIにて連載されていた
鬼頭莫宏のSFロボット漫画『
ぼくらの』を原作にした小説である。
同作のアニメ版が2007年4月に放送開始されたことを機に、2007年5月に発行開始された。
著者は、後に
ニトロプラスに所属し『
GODZILLA3部作』の前日譚小説等を執筆する大樹連司。
今作は大樹氏の小説家デビュー作であり、文章は若干の拙さが垣間見えるが、原作の小ネタを抽出した構成力の才能が見て取れる。
挿絵とキャラクターデザインは原作者の鬼頭氏が担当。
加えて鬼頭氏は1巻巻末にコメントを寄せ、5巻巻末には大樹氏との対談も果たしている。
概要
今作は、『
ぼくらの』の小説版と銘打っているが、内容は「alternative(もう一つの)」の名にあるように原作とは大きく異なっている。
始まりこそ原作と同じだが、メインキャラクターである子供達は4分の1が新キャラであり、また
ロボットのパイロットとして選ばれるのも原作とは順番が異なる。
それにより、キャラクター達の運命も原作とは一変した者も多い。
更に、パイロットから逃れたと思われた子供も、全く思わぬ形でストーリーに巻き込まれていき、特にある人物の、原作とは別人のような扱いには驚愕した読者も多い。
また、小ネタが原作に比べて非常に多いのも見所の一つである。
原作では断片的に語られた「日乃レポート」「日中和親条約」等の世界観を説明するキーワードの深掘り、過去の鬼頭作品で登場した「トミコローツ」「プッシュダガー」を作中用語への使用、
更には『
ゴジラ』『
日本沈没』などの特撮映画作品のネタや『
ひぐらしのなく頃に』をはじめとした他作品パロなど、何度も読み込みたくなるネタが豊富だ。
そして、今作は原作とは大きく異なるストーリーを辿るが、その多くが非常に陰惨であるのが特徴である。
一言で言えば、「ADVゲームで言うバッドの選択肢をひたすら選び続けた『ぼくらの』」である。
子供達や他のキャラクターが原作とは違う選択肢を選び続けた結果、あれよあれよという間に事態は最悪へと直進していく。
最終巻一歩手前では、どうあがいても絶望としか言いようのない状況に突入し、読者を大きな絶望へと落とし込んだのも事実である。
しかし、最後に残った解決策により、一筋の希望が残って、原作とはまた別の余韻を残した。
紙での出版は2024年現在絶版状態ではあるが、電子書籍であれば購入は可能。原作ファンの方も一読の価値ありである。
ストーリー
南の離れ小島「宇津保島」の自然教室にやって来た14人の中学生と、1人の小学生。
そんな彼らの前にある日、黒服を着た浮世離れした少女が現れる。
「ねえ、あなたたち、世界を救ってみない?」
「
ゲーム」の類だと説明された彼らは少女に従って契約を交わす。
しかし、それは地球を襲う敵怪獣を倒すべく黒い
ロボットを操るという、「本物の戦い」だった。
そして、
ロボットを操るとその代償として命を奪われる。
恐怖と混乱。介入と破壊。守るはずが蹂躙されていく地球。
絶望へと突き進む地球に、「ぼくら」に、未来はあるのか……?
登場人物
《人形》=「ジアース」の関係者
小説版オリジナルキャラ。
車椅子に乗る少女。
幼い頃事故で足に怪我を負ってしまい、以来歩けなくなってしまった。
自然教室ではワクに面倒を見てもらう事が多く、彼と親しくなっていた。
最初のパイロットに選出され、歩行ができずにアウェイの地球で惨劇を起こすが、ワクの支えがあって無事戦闘を継続出来た。
戦闘後、自分の足で歩くために《人形》の外に出るが、数歩歩いた瞬間に命を奪われ、《人形》の真下へと落下。
その後遺体は回収もされず、カコの戦闘までは行方不明扱いとされた。
お調子者で「普通」な少年。
原作通りの、弱者を見下し強者に媚びへつらい死ぬのを恐れる、ごく普通の価値観をしている。
2番目のパイロットに選ばれ、死の運命を知らずに増長し、周囲に傲慢に振る舞うようになる。なお、チズに告白したがあっさり振られた。
だが、ジアースでの戦闘が始まる直前、脅かすつもりで避難中のいじめっ子たちにレーザーを撃ち、周囲の建物や人間諸共彼らを殺害してしまう。
結果パニックに陥って暴れ回り、さらに被害は拡大。敵からの攻撃にも何一つまともに対処できず、キリエから煽られるまで一方的にボロボロにされていくという無様を晒した。
戦闘が終わった頃には仲間からドン引きされていた。
戦闘直後にマーヤとコエムシから死の運命をカミングアウトされ、恐怖と絶望に苛まれた挙句、落ち着かせようとしたワクに首を絞められながら死亡。
「好きな子に殺される権利すら失うとは」と原作の鬼頭氏からも同情される惨めな結末であった。
快活で他人の面倒見がいい少女。
原作ではモジの幼馴染で片想いの相手として登場し、パイロットではない。
自分の死の運命を知り、幼馴染のモジとナギを遺して死ぬ事に罪悪感を覚えるが、そんな中ナギの告白と諦めを聞いてしまう。
二人に未来を託すために戦いを決意するが、その先にとんでもないものを見てしまう。
戦闘中、半壊した家でモジがナギの薬を奪って間接的な殺人を犯すところを目撃。
戦闘を終えて急いでナギを助けようとするが手遅れだった。自分のやった事が全て無駄だったと悟り、絶望の感情を吐露しながらナギの遺体に口付けし死亡してしまった。
明るくサッカー好きな少年。
原作では序盤の「主人公」と見せかけたミスリード要員だが、本作では1巻分までは彼の視点で進む。
コズエに密かに恋心を抱いていたが目の前で死なれ、カコ、ツバサも死んでいき戦う意味を見失っていたところで自身の番になってしまう。
国防軍のサポートと自分の死の偽装で戦いに備える中でも徐々に精神がすり減っていき、終いにはチズから色仕掛けで戦いを強要される始末。
そうこうするうちに戦闘になるも、更に彼を打ちのめす事実が発覚する。
敵が並行世界の地球だと発覚し、戦いを拒否して味方の戦闘機まで撃ち落とすほどに混乱してしまう。
そして、邪魔と見做したチズが、彼に拳銃を突き付けていた庄治に指をかけて彼を射殺。何一つ決断も行動も起こせないまま死亡した。
一見大人しくも苛烈な内面を持つ少女。原作に比べて髪が短い。
原作同様、畑飼の裏切りに遭い集団凌辱を受け強い復讐心を抱く。なお、カコとの絡みはたった一言で振るだけでほぼなし。
原作以上に覚悟が決まっているため、庄治に襲われたという狂言による脅迫(未遂)やワクに裸で迫るなど、自分の体を売るような過激な言動をする。
戦闘を拒否したワクを殺害し、自分の番が来るや否や、庄治から拳銃を奪って彼を脅迫し、凌辱した男達を暗殺するよう命令。
命令に応じなければ味方艦隊を攻撃するという暴挙に出る。その甲斐あってか、次々と男達が暗殺され、計画通りに進む。
しかし、最後の一人の畑飼が乗る車に姉の市子が乗っていると知り、暗殺を中断させるが、間に合わず起こった事故により市子だけが死んでしまい、絶望。
落とした拳銃でコダマから戦えと脅されるが、彼に殺意がないと見抜き、拳銃を奪い返して自殺した。
その後の戦闘は、チズの胎児が半ば強制的に戦闘させられ、辛うじて勝利出来た。
一見どんくさいが物事を達観している少年。
カコから自分の優位性を示すために馬鹿にされていたが、
小学校時代は仲が良かったエピソードがある。
原作同様、敵が並行世界の地球だと知り、戦う事に悩む。
なお、それが振り切れる田中との対話は原作とほぼ同じ。
自分の為すべき事を自覚し、カコの走りを活かした戦闘で勝利。そして、敵ロボットのコクピットに侵入し、自らの手でパイロットをチズのナイフで刺殺。
本意を成し遂げた最初のパイロットとなった。
畑飼に会った際、彼が市子の死により絶望していると知り、一度は殺そうと思ったが結局チズのナイフを使えなかった。
選民思想に囚われていた少年。
原作とは代わって、
ゲーマーとしての側面が大きく出ている。
当初は原作同様に弱肉強食の選民思想主義だったが、様々な戦闘を経験し、更にはチズを殺せなかった苦い経験も相まって成長。
命の尊さを自覚し、「一般人を可能な限り死なせない」戦術を考えるようになり、マコからも信頼されていく。
また原作での父への過剰な崇拝も自省し、兄(次男)が持っていた伊達眼鏡を受け継ぐ。
アウェイ戦において、研究したように犠牲者を一人も出さずに完勝。だが、結局敵世界の消滅を引き起こす事となるため、無力感を自覚していた。
仕切り屋で軍事関係に詳しい少女。
原作の半井摩子が阿野家で養子として育てられた「IF」の存在である。
そのため、役割としては原作のナカマ、マキ、ダイチの混合となっている。
原作同様、パイロットコスチュームを家事の片手間に制作し、弟の誕生を待ちわびていた。
弟の誕生を待たずして戦闘になり、両親に全てを告白し、紆余曲折の末に送り出される。
その後、《人形》を「ジアース」と名付け、戦闘終了後は両親に看取られた。だが、その現場が写真に撮られ、ニュースに流れてしまう。
ニュースキャスターの娘でアイドル志望の少女。
原作同様に「アホの子」寄りのキャラだったが、自分の番が来た際にジアースパイロットの情報が流出。
戦闘では原作以上の被害をもたらしたのも相まって、日本中から憎まれる存在となってしまい、やむなく軍との取り決めで「パイロット情報は自分の自作自演で、責任を取って自殺する」というシナリオで報じられる事になってしまう。
普通の生活が送られなくなったのもあり、父には自分の死を告げる他なく、嘘のインタビューが組まれる事となる。
インタビューの撮影中にアウェイ戦に突入し、一般人を盾にする戦法をする敵に苦戦。
そして、「自分達には後がない」事を通信で相手の地球に伝えながら、覚悟と共に敵を撃破した。結局彼女のテレビ出演はされず、世間のジアースへの憎しみは増す一方だった。
唯一の小学4年生で兄・ウシロからの暴力に耐える少女。
原作同様人探しをするが、田中が作中中盤で子供達のお目付け役を降ろされ、依頼は続行不可能となる。
その後も、途中で「未契約者かもしれない」と見做される中でも兄の理不尽に耐え続ける。
原作同様契約しており、自分の番が来た際にコモに頼んで順番を偽装してもらい、悟られないよう振る舞い、戦闘でも平然を装っていた。
だが、ウシロ以外は薄々その事に感づいており、居たたまれない想いが周囲を充満。
そして、「兄」に「ひとりぼっちにしてごめんなさい」と告げると絶命。
その後、遺体は逃げ出したウシロの側に置かれ続けた。
海軍一佐の娘で争い事を嫌う少女。
原作同様、当初は戦いに消極的だったが、徐々に覚悟を決めていく。
そんな中、戦闘中に逃走した敵パイロットのマキが並行世界で自分と親友だったと発覚。
彼女と交流を深め、戦う決意に迷いが生じる。
ジアースを敵勢力と思い込んだ米軍が核攻撃をしたため、マキの《孔雀》と共にそれを迎撃。
そして、コモの世界の存続を望んだマキの願いで、彼女を射殺した。
小説版オリジナルキャラ。
米海軍少将の娘で日米ハーフの褐色肌の少女。
コモとは対照的に、軍人の娘であることを受け入れ、仮想敵国であるアメリカと日本との関係に悩んでいる。
陽気な性格で一同のムードメーカーに努めていたが、ジアースを巡った日米関係の悪化や溺愛していたカナの死が重なり徐々に殺伐とした態度になっていく。
そして、コモ戦において日米が戦争状態になった際に日本と決別し、パイロットの時になりようやく復帰するが……。
敵の作戦によって殺人ウィルスがアメリカにばら撒かれ、米軍とも戦う羽目になるも、関ら国防軍の捨て身の作戦のため長時間の戦闘を続行。
そして、相手の急所を仕留める事には失敗したものの、関が敵パイロットにウィルスを感染させる事で勝利する苦い結果に終わってしまう。
最期は、敵国同士だった両親の仲睦まじい姿を見ながら希望を抱いて絶命した。
飄々とした態度の大人びた少年。
原作同様、幼馴染のウシロのフォロー役に回り、ダイチやモジが不在なためリーダーシップを執る事が多く若干多忙な日々を送る。
そんな中で、日々状況が悪化した結果心も余裕を無くしていき、カナのパイロット発覚時にはウシロに対して本気で軽蔑するなど心を荒ませていった。
とうとう、母の自殺の原因となった沖天楼の破壊すら、解体工事の進行で叶わなくなり、戦う理由すら失っていく。
日本に対する核攻撃で精神が衰弱する中で、敵の能力で「全員生きている理想の世界」の夢を見させられ、一度はそれに溺れるが、かつての仲間達が抱いた悔恨も希望も思い出し、その世界を拒絶。
敵を撃破後、ウシロに後を託して死亡した。
内なる暴力衝動を妹にぶつける幼稚な少年。
原作同様、周囲に無関心なトラブルメーカーとしてツバサ、マコ、マリアからの叱責を受けていた。
だが、原作において重要なイベントをこなさなかったためか、自省する機会を失い、身勝手な振る舞いを続けて徐々に孤立していく。
カナの死やカンジからの決別によって絶望してジアースの中でひっそりと自堕落に暮らし、マーヤから愛憎籠った扱いを受け、時として彼女に性衝動をぶつけるも、カンジの言葉で生きる事に希望を見出す。
そして、マーヤの生き様を見た彼は、引継ぎのパイロットとして契約する決意をする。
なお、田中が実の母親とは最後まで知らない。
子供達に戦いを教える「最初」のパイロット。原作のココペリに相当する。
マーヤに言われるがまま戦い方を伝授し、次のパイロット達に、自分の地球では果たせなかった希望を託した。
小説版オリジナルキャラ。
黒いゴスロリ風ドレスを身に纏った神秘的な少女で、子供達を
ロボット同士の戦いに誘う。
そして、時として子供達を煽って厄介事が起きるよう誘発し、それを嘲笑う。言わば原作におけるコエムシの役割も担っている。
更に、畑飼にジアースパイロットの情報を渡し、アメリカ大統領に「ジアースで米国を攻撃する」と吹き込んで戦争を勃発させるなど、戦火を拡大させていく。
名前の元ネタは『
ザ・ムーン』の魔魔男爵。
本名は田中未来(ミク)。並行世界の田中美純の娘。
自分の世界で母が《人形》のパイロットとして死に、遺された父も遺族の誹謗中傷で自殺して家庭が崩壊したため、ぬいぐるみを使った世界の剪定のゲームそのものを憎むようになり、ゲームを台無しにするため、「人間が生存不可能な地球」を勝ち残らせるよう暗躍し、数多くの世界を滅ぼしてきた。
今作の場合も、あと一歩のところで目論見は成功したものの、それに気付いたモジに騙されジアースと契約を交わしてパイロットになってしまい、田中の「D2計画」による生存作戦も生じたため計画は破綻。
だが、母やコエムシの自分を想う気持ちで、贖罪として戦う決意をする。
原作とは「別」のコエムシ。
アイマスクをしており、元ネタ『ザ・ムーン』の糞虫により近いビジュアルとなっている。
マーヤを「お嬢様」と呼び、彼女に忠実に働く。
慇懃無礼だが、原作のコエムシに比べると愛嬌と人情のある性格。
マーヤが徐々に邪悪な本性を現していく中で、割とまともな言動になっていく。
別世界のマーヤ(ミク)の使用人で、彼女に恩義を感じて服従していた。ちなみに女性。
だが、徐々に暴走するミクの姿が見ていられなくなり、モジと協力して彼女をパイロットにさせる。
やがて、ミクと和解後は彼女の兄であるウシロの世界を存続させるために全面的に協力する。
原作のパイロット
冷静沈着な少年。
ツバサの幼馴染であり、彼女の事を密かに片想いしていた。
なお、心臓の移植適合については検査しておらず、ナギに対しては恋敵としての感情が強め。
ある日、ナギがツバサを好きだと知ってしまい、直後に接触したマーヤから「怪獣災害現場に置き去りにして殺せば罪にならない」と唆される。
自宅付近でツバサの戦闘があった際、自宅が崩壊してマーヤの示唆通りにナギから薬を奪って発作を起こさせ逃走。遂に幼馴染を殺してしまった。
だが、結果ツバサも死んでしまい、絶望して抜け殻のようになってしまう。
そこで、マーヤから今度は「ジアースの偽のパイロットとして表舞台に立ち、戦争を煽れ」と依頼され、世界に嫌気が差していた彼はその依頼を承諾。
だが、日本が核攻撃されジアース内に避難した際にカンジの戦闘で「理想の世界」の夢を見て、自分のやっている事に疑問を抱き、コエムシを問い詰めてマーヤの正体を知る。
そして、彼女を騙して次のパイロットに仕立て上げるという復讐を果たし、罪を償うために崩壊した地球に残る事を決意した。
家族思いで力持ちな少年。
並行世界の住人として登場し、妹達と日常を過ごし、遊園地へ遊びに行く前日に怪獣騒動に巻き込まれる。
ジアースパイロットのコダマの戦術で遊園地は破壊されず、戦死者も出なかったため歓喜したが、直後にゲームの敗退によって世界ごと消滅してしまった。
軍事に詳しい元気な少女。
コモの戦いにおける敵パイロットとして登場し、戦闘中に逃走する。
自身の世界では遺族からの弾圧によって家族が死んでしまい、世界に絶望しつつあったが、並行世界の親友のコモと出会い、希望を見出していく。
コモと共に日本に向けられた核ミサイルを迎撃し、彼女に後を託して自らの死を望み、射殺された。
本作には登場しない。
世界間を渡る渡航者である彼女は、兄である原作のコエムシ同様本作の戦いには関与していないためと考えられる。
周囲の人物
子供達のメンター役を務める空軍一尉。
原作同様、不安定なパイロット達のサポートに徹するが、パイロットのデータ流出とその対応が後手に回った事を機に、サポート役を降ろされてしまう。
だが、その後裏で暗躍するマーヤの正体に感づき、地球人存続のための計画を立案する。
同じくメンター役の海軍一尉。
アニメオタクなのは原作と同じ。
原作におけるカンジ戦同様、マリア戦で勝機を見出すために捨て身の作戦に出る。
ジアース監督役の空軍一佐。
原作以上に厄介事が増える状況に頭を抱える日々を送る。
佐々見の副官。
田中、関と共に配属された陸軍一尉。
原作は即退場したが、本作ではワクとチズの戦闘までは参加。
チズに脅迫される形で彼女の復讐を手助けしたが、その失敗により彼女に撃たれて重傷を負い入院した。
アンコ戦後に意識が回復したが、彼の証言が田中がサポート役を解任されるきっかけを作ってしまう。
エピローグでは、次の地球でのパイロットとして志願した。
ツバサとモジの幼馴染。
重い心臓の病を抱えており、自身の死期を悟っている。
モジにツバサを託すつもりだったが、彼に殺される形となってしまう。だが、その中でも彼はモジに感謝していた。
チズの担任教師。
原作同様の畜生だが、本作では思わぬ一面を見せる。
市子を本気で愛しており、彼女の死により世界に絶望してしまっていた。
そして、マーヤからパイロットのデータを渡され、復讐のために世界に流出。
最後は核攻撃で死亡した可能性が高い。
チズの最愛の姉。原作とは全く違う運命を辿る。
畑飼とのドライブデート中に車を狙撃され、事故によって死亡。運転席の畑飼は生存してしまった。
キリエの幼馴染で彼の恩人。
廃人化していたところ、カコの戦闘で自宅が火事になっても逃げなかったため亡くなってしまった。
マコの育ての両親。
この世界でも養子に分け隔てない愛情を注ぎ、生まれた新しい命が並行世界の娘の希望となった。
マコの実の母親。
マコが赤ん坊の頃、友人の恋人との口論で殺されてしまい、彼女は阿野家に養子に出された。
コモの父で海軍一佐。
娘に対して厳しいが、愛情を上手く示せずにいる。
日本に向けられた米軍の攻撃から娘を守ろうと前線に立つが……。
マリアの父で米海軍の少将。
日本人女性と恋愛結婚し、娘のマリアに軍人さながらの教育を施す。
日本と敵対する事になってしまい、二人に対して複雑な思いをよぎらせる。
アメリカ合衆国大統領。
マーヤから日本を代表してジアースによる攻撃を示唆され、日本を敵国と断定し、宣戦布告する。
日本国首相。
ジアースを巡る様々な争いに振り回されてしまう。
ぬいぐるみ/トミコローツ
ご存じ、原作と同じ主人公機の黒い巨人の
ロボット。
スペックとしては原作版とほぼ同じ。
国内でのコードネームは「アムシペ」。
「ジアース」の名前は3巻のマコ戦でようやく付けられ、「Z」には「後がない」という意味合いが付けられた。
《教師》戦の敵。ホーム戦。
原作の「アラクネ」と同タイプの機体。四本の脚で屹立する蜘蛛型。
コズエ戦の敵。アウェイ戦。
原作の「エニグマ」と同タイプの人型機体。二本の巨大な腕で攻撃する。
カコ戦の敵。ホーム戦。
風車の羽根から発射したレーザーを収束させることで高威力の砲撃を行う。
羽根部分は切り離して有線操作をすることができ、ケーブル部分で敵を拘束したり、ビットのように飽和攻撃を繰り出したりといった戦法もとれる。
ツバサ戦の敵。ホーム戦。
二体一組の特殊なトミコローツで、突進攻撃を行う「矛」とレーザーでの牽制・防御を担当する「盾」で構成されている。
ワク、チズ戦の敵。ホーム戦。
原作の「フィッグ」に似た機体だが、戦法は「ゴンタ」に似ている。
敵を上から拘束し、溶解液を浴びせて攻撃する。
キリエ戦の敵。アウェイ戦。
高速で飛翔し、二枚の翅で敵を斬りつける。
コダマ戦の敵。アウェイ戦。
四足歩行型のトミコローツ。鈍重だが巨体と質量を活かして戦うパワータイプ。
マコ戦の敵。ホーム戦。
おそらくはジアースの同型機。原作のマキ戦とは逆に、ジアース側が変形戦法を仕掛けられることになった。
アンコ戦の敵。アウェイ戦。
先端からレーザーを発する。自軍の一般人を人質に取る戦術を行った。
カナ戦の敵。アウェイ戦。
原作の「ドラム」そっくりの円筒形の機体。自軍の地球は既に核戦争で滅んでいた。
コモ戦の敵。ホーム戦。当時のパイロットはマキ。
ジアースに似た外見の人型機だが、戦法は原作の「ハムバグ」と似ている。
背中に生えた羽根のようなパーツから「攻撃肢」という細い触手のようなものを伸ばし、敵のコックピットに直接攻撃を仕掛ける。
マリア戦の敵。ホーム戦。
名前通り巨大な鳥のような姿の機体。機動力は低いが「艦載機」を多数搭載しており、一方的に相手を攻撃できる遠距離戦特化タイプ。
敵地球にウィルスと戦闘機を持参し、アメリカにウィルスをばら撒いて解毒剤と引き換えにジアースを攻撃させようとした。
カンジ戦の敵。ホーム戦。
独特の羽音で敵パイロットに幻覚を見せる事が可能。
ミク戦の敵。ホーム戦。
浮遊しながら触手を伸ばして攻撃する。
ウシロ戦の敵。ネクスト戦。
ジアースと同型の白い人型をしている。まんま『ザ・ムーン』である。
追記・修正はD2計画を決行してからお願いします。
- 原作の政治情勢を深堀考察して話の根幹に据えたり、 -- 名無しさん (2024-05-18 17:36:18)
- ↑途中送信失礼。ゲームルールを逆手に取った仕掛けとか、原作進行中のノベライズとしてはかなり満足いく内容だったなー -- 名無しさん (2024-05-18 17:37:56)
- パイロットになる代償を知らないでパイロットになったカコ、知ってからパイロットになったワクとif要素もあるの好き。(どっちも原作より悲惨な結末になっちゃったけど…) -- 名無しさん (2024-05-18 19:38:56)
- ↑コダマも良かったな。原作だと世間知らずなガキンチョだったが、あんな成長を見せてくれるとは。 -- 名無しさん (2024-05-18 22:02:31)
- 鬱展開に耐性ある(むしろばっちこい!)な人なら是非おススメしたい -- 名無しさん (2024-05-19 10:32:22)
- カンジ戦は何回読んでも泣ける -- 名無しさん (2024-05-22 18:59:21)
- 異論は全然認めるけど、ぼくらのシリーズで一番好きなんだよね。どうしようもなく普通で愚かなカコ、要所要所で活躍するキリエ、改心するコダマ、コエムシを見てアニメもののお約束を見破るマコの父ちゃん、読者が見たかったカンジ戦のみんな等々、見どころがいっぱい。 -- 名無しさん (2024-12-11 20:40:01)
- おぼろげだけど、庄司さんって死んでなかったような気がするんだよな。 -- 名無しさん (2025-01-29 03:54:08)
最終更新:2025年04月13日 19:40