ひぐらしのなく頃に

登録日:2009/05/27 Wed 04:33:13
更新日:2025/03/08 Sat 20:58:09
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ひぐらしのく頃に
   07th Expansion presents.Welcome to Hinamizawa...
            "WHEN THEY CRY..."



同人ゲームサークル07th Expansionより発売された同人ゲーム、並びにそれを原作とする派生作品。

原作者、キャラデザは竜騎士07


【概要】

元はコミケの片隅のブースで生まれたしがない同人ゲームに過ぎなかったが、
鬼隠し編が体験版としてプレイできるようになってから広く知られるようになり、様々なメディアで展開されるようになった。

大きな特徴としてサウンドノベルでありながら選択肢がほぼ存在しない一本道のストーリーになっている。
ただし、あえて謎めいたストーリー展開にすることでプレイヤー自身が謎を推理する仕掛けになっている。
その「謎」の中には意味深に提示しておいて最後まで解答が用意されていないものがかなり多く、プレイヤーに自発的に考察を促す仕掛けにもなっている。
逆に「主要な謎の答えが明示されないと気が済まない」というタイプの人には著しくオススメ出来ない。

もっとも実際には話が進むにつれオカルトやファンタジー、SF的な要素も強くなってくることから、
物語性よりもリアル寄りの推理ミステリを期待していたり、絶対に回答を導き出してみせるといった人にもあまりオススメはできない。
あくまでミステリ要素のあるサスペンスホラーとして見るべきだろう。
ただし、オカルト&ファンタジー要素の存在も含めて文中や描写にヒントは用意されているので、決して推理が不可能な作品という訳ではない。



【作品の内容や趣向について】

ごく一部のギャグ話を除いて、ほぼ全編に渡って残虐な暴力描写や、マニアックな性的嗜好などの要素がドカドカ出てくる。
ただネットによる風評被害&アニメ化を境に作られたMAD動画*1などの悪影響もあってか、一部の層からは「登場人物が突然狂って殺し合う様を愉しむサイコ向けの作品」ではないかとの印象を持たれている場合もあるが、
あくまでそういう要素があるというだけで、基本的には過剰な暴力(というか犯罪行為全般)については肯定どころか全編通してとにかく強く戒め・否定する形で描かれている*2
少なくとも、原作の範疇においてはキャラ達が殺し合う展開自体存在しないし、殺人自体を愉しむようなキャラも展開も無い。

そして、「解答編」にさしかかってから徐々に謎や真相がひも解かれていくと同時に惨劇や凶行がどんどん減っていき、仲間同士の結束や絆の重要性や「奇跡」の起こし方…といった道徳的な要素も多角的に、尚且つ強く押し出されていく。
そのため、テーマ的にもストーリー的にも非常に健全な作品とすら言える。「そうだねとってもKOOLでKENZENだね!(笑)」と茶化したくなる人も居るだろうが、2020年からは双葉社より小中学生向けの児童文庫版も刊行されている
また、前述の風評被害や作風の影響もあり鬱作品だと誤解されがちだが、上述した通り展開が進むごとに浄化されていくため、
話ごとに鬱要素こそあるものの作品そのものをひっくるめて鬱作品と称する程ではなく、本質的には明るい作品である。というより、最終的には本当にそうなる。

登場人物に於いても、黒幕側を含めてサイコパスやソシオパスに該当する人物はいない。
全員が自らの蛮行における罪の深さを自覚しており、それを承知で尚凶行に手を染める相応の決意や経緯が深く取り沙汰されており、
彼等が罪悪感にのたうち苦しむ・悔い改める場面も数多く描写され、何よりほぼ全員が共通して「(額面通りの)楽しく過ごせる平穏な日々」を求めているのがその証左である。

基本的な各章の流れとしてはいきなり残虐な話が始まるのではなく、最初は男の子1人と女の子4人…所謂「部活メンバー」を中心としたいわゆるハーレムラノベ系日常パートから始まる。
この日常パートにははっちゃけたギャグ・コメディ描写がかなり多く、特に同人ゲームだった原作版には商業流通ではまず出来ないだろうアブないパロネタなどが随所に捻じ込まれている*3
しかし、あるタイミングを境にそんな平穏な日常に徐々に陰が差し込んでいき、様々な要因や不幸な偶然から凄惨な悲劇の描かれる大惨事パートに突入するという構成になっている。

そして、一つの章が完結するとこの大惨事パートがなかったことにされ、再び大惨事パートに突入する前の時間軸で日常パートから物語が描かれる。
だが、その日常パートの内容は前の章と全く異なっており、そして今度もそれに合わせるように前の章とは全く違う大惨事パートが繰り広げられる。

各章は上記の流れを繰り返しながら進行するが、章が進むごとに過去の章における惨劇を省みる展開が挟まれるようになる。
これにより各章の関係と謎が明かされていき、黒幕の登場や過去の過ちを反省したことによる成長といった展開を経て、大団円へと進んでいく。

当時として萌えとミステリー・ホラーの融合という当時としては斬新な内容が男性ファンはもちろん、女性ファンにも人気が出た。
また、可愛い萌えキャラのヒロインが猟奇的な行動を取るいわゆる「ヤンデレ」の代名詞にもなった。

なお、本編とは別にお疲れ様会やミニゲームなどのおまけ要素も収録されている。*4
特にお疲れ様会はギャグ要素や楽屋ネタ的な要素が強く、悪役も含め全員が演者として登場することも多い。
役者同士の雑談という形式で作中の描写を元に真相の推理を言い合うのが基本だが、悪役を演じてるキャラが「悪役をやめたい」などの発言をしたり、
作者が本編を製作した経緯や裏設定などのメタな話について語られることもある。

他にもやたらと麻雀絡みの描写が多いのも特徴。
舞台となる雛見沢村では真冬になると麻雀がブームになったり雀士レベルの実力を持つキャラがいたり、物事を配役などで喩えたり様々。
暇潰し編などでは実際に一局打ち、その仔細だけで1場面まるごと使う事まである。
麻雀を知らないと分かりにくい場面もちらほらある。

また、長期間に渡って同一舞台の作品を出していたことや、関連作品が多数誕生したことにより、
特に作品間における描写や設定にも細かい矛盾が多々あるため注意が必要である。

物語の舞台となる雛見沢村のモデルは岐阜県の白川郷だが、作中には富山県側にあるような描写が多く出てくる。
これは原作者が白川郷は富山県にあると勘違いしていたため。


【大まかなあらすじ】

昭和58年、国の政策であるダム建設により村が沈む危機を村民一丸となって乗り越え存続を勝ち取った、某県の寒村「雛見沢」に住まう数人の少年少女たちが今日も騒がしくも楽しく過ごしていた。
時期は6月、季節外れの猛暑の中、村で唯一最大のイベントである「綿流し祭」を直前に控え、村そのものも活気を見せていた。しかし、ふとしたきっかけで彼らの運命は静かに、そして大きく狂いだす…


【主な登場人物】


画家を生業とする父と母の3人暮らし。最近、都会から雛見沢に引っ越してきた。
都会の学校では成績優秀だったらしく頭の回転も早いが、ツメが甘くひどい目にあうことも。
口も非常に達者で、「口先の魔術師」との二つ名が付けられるほどである。
また、「萌えの伝道師」も自任しているらしく、メイドさんやスク水・猫耳など、コスチュームには一家言あるらしい。
好奇心旺盛で熱血漢、うまい話にはすぐ乗らずにはいられない行動派な少年。

献身的な性格で、毎朝一緒に学校に通うなど、圭一とは一番の仲良しである。
本名は礼奈(れいな)であるが、本人の希望でレナと呼ばれている。
「かぁいい」ものに目がなく、見つけると手当たり次第自宅に「お持ち帰り」してしまう癖がある。
…その対象は物に止まらず、梨花や沙都子まで連れ去ろうとするから始末に負えない。

圭一やレナの一学年上級生であり、クラスでは委員長を務めるリーダー格。
少々おじさんっぽいときもあるが、テンション高くノリが良い姉御肌ゆえに、周囲からは慕われている。
ガサツに見える一方で、意外と女の子らしい一面も併せ持っているらしい。
「部活」と称し、圭一たちと様々な遊びで盛り上がることを放課後の日課としているが、
例えゲームでも勝利のためなら手段を選ばぬ性格で、周囲を恐れさせている。
また一方では村の名家、園崎家の次期頭首という意外な顔を持つ。

圭一やレナの下級生で、雛見沢随一のトラップの名手。
その才は部活の際にも縦横無尽に展開され、魅音すらも恐れるほどである。
負けず嫌いで、ヘンなお嬢様口調でしゃべる。
生意気な面もあるがまだ幼く、圭一や魅音にからかわれ泣いてしまうことも。
そんなはねっかえり娘な彼女だが、どうやら複雑な家庭事情を抱えている様子。

古手神社の一人娘。
子猫のような愛くるしさで、周囲をいつも和ませる。
毎年6月に行われる「綿流し祭」では巫女役を務める。
自分のことを「ボク」と呼び、言葉数は少ないが「み~」「にぱ~☆」などの口癖をもつ。
同い年の沙都子と同じ家で生活し、一緒に居ることが多い。
年齢に似合わぬ冷静さとミステリアスさを兼ね備えた、不思議な雰囲気の女の子。

魅音の双子の妹で、外見はまさに瓜二つ(担当声優も一緒)。
興宮(雛見沢の隣町)にあるファミレス「エンジェルモート」でウェイトレスのアルバイトをしている。
お嬢様っぽい印象とは裏腹に非常にしたたかで魅音を手駒にとるなど、姉に負けず劣らずの曲者。
圭一に対して好意を持っているらしく、積極的な行動をとるが・・・?

沙都子の兄。
圭一より学年一つ上。
圭一が転入してきた時点(昭和58年5月頃)では失踪しており、他の登場人物の会話・回想で登場することが多い。

年に数回、東京から雛見沢にやってくるフリーのカメラマン。
野鳥撮影を専門にしているらしいが、なぜ雛見沢に興味を持っているのか、
カメラマンとしてさほど著名でもない彼がどうやって生活しているのか、など、
ある意味謎が多い人物。

入江診療所の看護婦。
物腰はやわらかいが、その反面、雛見沢の暗黒史や残酷な儀式に興味を持ち、独自の研究を行っている。
大人の魅力を大いに感じさせる女性だが、大好きなオカルト話になると子供っぽく無邪気な面も覗かせる。
なんとも掴みどころのない人物である。

入江診療所の医師で、少年野球チーム「雛見沢ファイターズ」の監督も務める。
そのしゃべりや仕種から落ち着いた大人の印象を与え、みんなのお兄さん的存在。
実はかなりのメイド好きで、興奮すると突然とんでもない言動に走ることも!?

毎年雛見沢で起こる連続怪死事件を追う興宮警察署勤務のベテラン刑事。
定年退職までに事件を解決させようと執念を燃やすが、しつこく事件を調べる彼を疎ましく思う村人は多いらしい。

警視庁公安部に勤務する刑事。
暇潰し編は彼を主人公とし、彼の視点で語られる。

圭一たちが通う学校の担任教師。
まだ年若いが、生徒たちに対する責任感は人一倍。

沙都子と悟史の叔父。
詐欺と恐喝で生計を立てているチンピラ男。
兄夫婦が死んだことで悟史と沙都子を引き取った後、兄夫婦が残した財産を使い込み、北条兄妹に虐待を繰り返していた。

  • 葛西辰由
詩音・魅音の父が組長の暴力団、園崎組の幹部で興宮界隈を取り仕切っているが、同時に詩音のボディガード兼世話係も優先的に行っている。
強面な上に寡黙なのでかなり凄みがあるのだが、暴力団の面子などにひっかからなければ子供相手にも礼儀正しい紳士的な人。
詩音が思うところには、詩音・魅音の母である茜に昔から惚れているらしく、
そのこともあってか家との関係が良くない詩音に対しては特に甲斐甲斐しく世話をしている。
(昔の詩音はそれを気味悪く感じていたようだが、現在はかわいらしく感じるようになったとか)
散弾銃の辰」という通り名を持ち、動けば血の雨が降ると言われ、警察からは国家転覆を企んでいたと認識されているほどに、昔は気性が激しかった模様。



【原作】

原点。
竜騎士07氏自身が手掛けた各キャラクターのイラストはややクセが強い。

  • ひぐらしのなく頃に


基本となる出題編。
恐らく世間一般における「ひぐらし」のイメージはここから来ていると思われる。


  • ひぐらしのなく頃に解


出題編の謎が解かれていく解答編。
BGMに定評がある。


  • ひぐらしのなく頃に礼

賽殺し編
昼壊し編
罰恋し編(目明し編お疲れ様会の再録)

いわゆるファンディスク
賽殺し編のみ、本編の直接の後日談になっている。


  • ひぐらしのなく頃に奉

ひぐらしアウトブレイク
神姦し編
雛見沢停留所

シリーズ全シナリオ全部入り+新シナリオ入り。
ひぐらしアウトブレイク及び神姦し編は本編とはパラレル設定でサバイバルホラー、パニック物としての側面が強い。
雛見沢停留所はひぐらしのプロトタイプである舞台脚本が原作。


【コンシューマー移植版】


鬼隠し編~皆殺し編の移植に新エピソードを収録したもの。キャラクターデザインはrato氏が担当。
各章が完全に独立していた原作に対し、本作以降のCS移植版は選択肢式サウンドノベルの要素が含まれており、
鬼隠し編~祟殺し編の序盤部分を無理やり結合し、選択によってどの章に突入するかが決定する というシステムそのものの大きな変更、
原作完結前に製作が開始した関係で 最終話である祭囃し編が未収録 であったり、脚本を担当した叶希一氏による後付け設定、
自主規制に伴って発生した多くの矛盾点やカット、追加シナリオや、
祭囃し編の代わりに収録されたもう一つの最終話である澪尽し編は賛否が大きく分かれている。
後にバージョンアップ版といえるアペンドディスク「カケラ遊び」が発売。

盥回し編
憑落し編
澪尽し編


  • ひぐらしのなく頃に絆(DS)
祭をベースに全4部作で展開される。
選択肢に加え、タッチパネルを使った感情選択システムで分岐する。
しかし、綿流し編への分岐が難解だったため公式に謝罪があり、以降は簡単になった。
さらに後付け設定が増えており、原作と微妙に食い違う設定もある。

原作が漫画として存在している宵越しや染伝し、影紡しはまだいいが、
解々しはそのタイトルに反して新・澪尽しへの前振りのために更に伏線が増えるタイトル詐欺、
言祝しと新・澪尽しは好きになった人にはとことん高評価される一方で、「面白いが『ひぐらし』でやる必要がない」という意見も目立つ。
残念ながら新澪はボイス無し。

「祟」
染伝し編

「想」
影紡し編
異本・昼壊し編

「螺」
宵越し編
解々し編

「絆」
新・澪尽し編
賽殺し編
言祝し編


  • ひぐらしのなく頃に粋(PS3/PSV)
絆をベースに、祭のシナリオも収録されている。その結果、クリア時間が200時間も掛かるという大ボリューミーなことになった。
絆ではボイスなしだった部分も完全にフルボイスとなっており、特に澪尽し編裏の声優陣は豪華。
新規ムービーも収録されており、ゲームとしての評価も高い。
販売元の加賀クリエイトが解散したため、一時プレミアが付いていたがDL版がエンターグラムから配信再開された。


  • 携帯アプリ / スマートフォンアプリ
原作を誤字修正、一部立ち絵削除、一部BGM変更して移植したもの。


  • ひぐらしのなく頃に奉(Switch/PS4)
粋の内容に加えて同人版 奉のシナリオ3編と罰恋し編が収録されている決定版。
Switch版の販売開始直後は大川透氏が病気療養中だった影響もあり一部ボイスが未収録となっていたが、氏の復帰後に後にパッチで追加された。(PS4版はSwitch版より後発のため、未収録部分はない)
更に雛見沢停留所についてはキャラクターデザインはコミカライズ版がベースになっている他、2015年に上演された舞台版のキャストがボイスを担当している。

  • Higurashi When They Cry Hou(Steam
原作パッケージ版の頒布終了に伴い、原作Steam版として移植された。
販売元はMangaGamer。各編は個別に順次販売する方式となっている。
2015年5月に鬼隠し編の販売が開始されたが、翻訳量のためか以降はスローペースで順次販売され2020年5月にようやく祭囃し編が販売された。
テキストや音源、背景などは原作版と誤字脱字含め同一。
UIとテキストは英語と日本語に切り替えが可能。立ち絵は一新されたが原作版の竜騎士07による立ち絵に切り替えることもできる。版権の都合上、ミニゲームは収録されていない。


【派生作品】


  • 携帯ゲーム百選

携帯アプリで配信されたアニメ版を元にしたアドベンチャーゲーム。各500円。
どちらも主人公は部活メンバーではなくオリキャラも数名登場する。

贄捜し編
心崩し編



黄昏フロンティア・07th Expansion共同開発による2on2対戦格闘ゲーム。
アルケミストによりPSPに移植されたが、元より劣化していると評判は悪い。


  • ひぐらしの哭く頃に雀

AQインタラクティブ開発のアーケード用麻雀ゲーム
後にPSPにも移植された。
キャラデザは大きく変わっている。イカサマあり。
近代麻雀で漫画化。だが世界観はしっかりひぐらししていると好評。



【アニメ】

スタジオディーン制作で開発された。ひぐらしのメディア展開の代名詞。
あまりにアニメが有名過ぎて今でも「ひぐらしはオリジナルアニメ」と思い込んで原作ゲームの存在すら知らない者も多い程。中には原作[[ゲーム]]に対しアニメの二次創作?などと言い出す輩も居るくらい。

第1期は2006年4月4日~9月26日に鬼隠し編~罪滅し編を放送、第2期「解」は2007年7月5日~12月17日に皆殺し編と祭囃し編に新規シナリオの厄醒し編が放映された。
原作から端折られに端折られ(特に1期は6エピソード分を放送した為)、大筋を最低限撫でる程度にしか再現されておらず、アニメを全話見ただけではひぐらしを網羅できたとは言えない
どのくらいの差があるのかと言うと、原作プレイヤーとアニメのみ視聴したファンと考察議論を行ったところ、アニメ勢が原作の展開や設定に対し悉く「そんなのあった?」の連続で全く議論にならず、原作プレイヤーはほぼその説明だけで終わってしまったケースもあるほど。

しかし打ち切りENDなどではなく完結まで放送し、長大な原作を上手く要約しつつ見せ場や魅力を抑え、罪滅し編クリア後のTipsを上手く拡張した「サイカイ」などの良アレンジも光るなど完成度は高く、何よりマイナーだった原作を有名作品にしたらしめた功績は非常に大きい。
特に第1期opはひぐらしを象徴する曲としても有名。
手っ取り早く、ざっとで良いから「ひぐらし」を知りたい、という方にはこのアニメ版が最適。それでも50話以上あるが…。

2009年には原作の「礼」を基にした第3期OVA「ひぐらしのなく頃に礼」、2011年には第4期OVA「ひぐらしのなく頃に煌」*5を発売。

2013年にはパチンコの宣伝用作品として単発OVA『ひぐらしのなく頃に拡~アウトブレイク~』が発売されている。





【新アニメ】

そして、2020年には再アニメ化が決定。
キャストは一部故人を除いてほぼ全員が続投。しかし制作はパッショーネに変更された。
2020年7月に放送開始予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で同年10月に延期した。
第1話のEDに旧アニメ版第1期OP「ひぐらしのなく頃に」が起用されたことはちょっとした話題を呼んだ。
そして旧アニメ版を見た人達は、旧鬼隠し編によく似た第1話を見て「リメイク版かな?」「令和にネタが割れているひぐらしを今更やる意味はあるのか」などと感想をこぼしていた………が!!!
第2話冒頭でいきなり世界観の核心部分を暴露、OPで今作はリメイクではない完全新作たるアニメ第5期「ひぐらしのなく頃にだと掲示された。
プロットは原作者の竜騎士07氏による書き下ろし。(脚本監修も担当)
初期1クール分の3編は旧問題編と似通っているものの大きく結末が異なるルート、そして後半2クール目からは本作が「祭囃し編」の続きであると判明。
キャラデザなどが今時風に寄せられているが残虐描写に関しては旧アニメ版を遥かに凌ぐすさまじさを誇り、TV放映版の一部の話どころか、動画サイトですらモザイクや黒塗りなどの措置が多くなされていた程。*6

鬼騙し編
綿騙し編
祟騙し編
猫騙し編
郷壊し編

2021年7月からは更なる続編シリーズ『ひぐらしのなく頃に』が放送開始。

鬼明し編
綿明し編
祟明し編
神楽し編



【漫画】

スクウェア・エニックスよりガンガン系列で鬼隠し編~祭囃し編と『礼』のシナリオ、新規シナリオ、『雛見沢停留所』が連載された。角川系列でも新規シナリオが連載。『○○編』ごとに複数の漫画家、複数のガンガン系列の雑誌で縦断連載されていた。
アニメ版と同じくひぐらし入門用といった内容だが、部活シーンなどアニメ版では省かれがちな部分もある程度描かれている他、アニメ版では媒体上難しかったキャラの心理描写もかなり追加されている。本編(鬼隠し編~祭囃し編)のコミカライズだけで合計で30巻を超え、番外編、スピンオフも合わせると40冊を突破している。200ページ以上の特別仕様のものも少なからずあり、一般的な単行本漫画で換算するとそれ以上になる。
アニメ版を見た後の手軽な知識補完用としても使える。特にアニメの祟殺し編や暇潰し編は最低でも漫画版も併せて読まないと結末自体が分からない。
また、原作の展開や台詞にも細かいながらもアレンジがかかっており、原作をやり尽くし重箱な考察合戦に花を咲かせるガチ勢でも読んでみる価値は十分ある。
一方全体を通して残虐描写などに非常に力が入っており、かなり鮮烈に描かれているのでそういうのが苦手な人は要注意。リアルな出血や内臓描写も普通にあるよ。

鬼曝し編
宵越し編
現壊し編
心癒し編

現在はwebコミックサイト、ヤングエースupにて新アニメ版『業』のコミック版が連載。
2021年10月に新アニメ版『業』と『卒』をベースにした新たな解答編「ひぐらしのなく頃に巡」が連載開始。
アニメ版の問題点がある程度改善され、最終章は明暮し編として改められて神楽し編とは全く別物の内容になっている。

更に11月に原作20周年としてガンガン系列にて新シリーズ「ひぐらしのなく頃に令」が連載開始する。


【小説】

講談社BOXより鬼隠し編から賽殺し編まで竜騎士07の全面改稿によって発売されている。
講談社BOXは凝った装丁のせいで単価が高くなりがちなレーベルであり、ひぐらし文庫版もぼったくり値段と言われても仕方ないお高さ。
他にもプレゼントや各種雑誌に書き下ろされた外伝作品がある。

星海社から文庫化もされ始めたので、新規に入手するならこちらの方が非常に安上がり。
更に『業』の放送に合わせて双葉社ジュニア文庫でも刊行がスタートした。



【ドラマCD】

原作のシナリオをドラマ化したものとギャグ中心のアンソロジー系に分かれているが、ここでは主に前者について解説する。

HOBiRECORDSより2005年から2012年にかけて製作され、祭囃し編まで完結。
ひぐらしの商業展開の原点とも言える存在であり、現在に至るまでの殆どのCVはこのドラマCDで決定されたものである。
罪滅し編まではジャケ画も原作者が担当している。皆殺し編以降は南向春風氏が担当。
何より突筆するべきは、 移植以外の各メディア版に於いて最も原作再現度が桁違いに高い事である。
短めな鬼隠し編や暇潰し編ですら3枚組、それ以降だとCD4~6枚組で一編。皆殺し編以降は怒涛の10枚以上となり、原作分だけでも 約50枚組
これはアニメ版の原作全話分とほぼ同じ数である(オリジナルエピソードの厄醒し編を除けばアニメ全話を越える)。しかも殆どのディスクが70~79分(アニメ1話あたりの放映時間のおよそ3.5倍)とCD容量ギリッギリまで収録している。
…と言えば、アニメや漫画版との原作の再現度の違いがうかがえるだろう。というか音声作品界隈でもここまで気合の入ったシリーズはそうそうないだろう。

声優の熱演は言わずもがな、効果音やBGMの演出にも凝っておりかなり高いクオリティを誇る。またドラマCDの規制の緩さ故か、アニメ版などでは大人の事情で改変されがちな色々アブない原作の表現や台詞が比較的忠実に再現されている。
かつてはCDに付属しているパスワードをドラマCD公式サイトで入力すると、幕間のサイドストーリーや原作での会話系のTipsを音声化した「音声TIPS」がダウンロードできた(現在は公式サイト削除により不可能)。
現在は目明し編までのTipsをCD音質にして収録したアペンドディスクが発売されているので、これらも交えて聴く事をオススメする。

現在、出題編は(中古なら)大体投売り同然の価格だが解答編以降はそこそこの値段を保持している。
特に皆殺し編以降は出荷数も少なかった為か中古市場でも在庫があまり無く、あったとしてもかなりのプレミア価格な事が殆ど。
完全コンプを目指すなら、それなりの資金と在庫にめぐり合うリアルラックが必要。

他にも、有志による二次創作ボイスドラマも多くつくられた。
原作エピソードのドラマ化はもちろん、オリジナルエピソードまで何でもござれである。


【語咄し編】

ひぐらしのなく頃に大賞の受賞作品を集めたもの。要するに公認の二次創作。
小説と漫画とドラマCDで公開されている。ただしドラマCD版は一部の話がかなり端折られており不評。


【実写映画版】

2008年公開。鬼隠し編をベースとしている。
沙都子のお嬢様口調がほぼなくなっていたり、富竹が髭面のワイルドなイケメン(というか中の人的に完全に伝説のヒモ)だったりと、コスプレ感が出ないようにリアルに寄せようとした結果、キャラクターだけを見ると原作の雰囲気がどっかにすっ飛んでいるためファンからは散々な評価を受けた。
ただし、さりげなく圭一のカルテの隅に記載された「L4」の文字や、圭一が目撃したいつもと違う態度の「魅音」、意外なところで登場する羽入など、原作を知っているとにやりと出来るような場面も多々ある。

2009年には続編として罪滅し編をベースにした「誓」が公開。
惨劇に挑め(色んな意味で)。まぁ良くも悪くも前作の続編ということである。
ちなみに見どころは屋上での決闘。
スタントなし、途中から命綱もなしで撮影したとか。


【実写ドラマ】

BSスカパー!で2016年に放送。
第一部は鬼隠し~祟殺し編が各前後編の全6話構成。
第二部「解」は目明し編、罪滅し編が各前後編の全4話構成。

キャスティングがAKB系列のNGT48メンバー(鷹野も)で固められ批判が殺到したが、
地上波の規制ではやれないような本格グロ描写と原作に忠実な演技・演出で概ね好評。



【舞台】

劇団「進戯団 夢命クラシックス」により『舞台 ひぐらしのなく頃に~流/明~』として2019年に舞台化。
題目は『綿流し編』と『目明し編』の2編で、前後編の構成となった。


【パチンコ、スロット】

それぞれのメーカーが権利を奪い合った。上記のアニメのみならずここから「ひぐらし」に興味を抱いたという人も数知れず。
スロットはオーイズミから登場。
技術介入で機械割りが100%を超える。
余談だがスロット板は毎日賑わっている。
絵や演出はPS2版の、ひぐらしのなく頃に祭である。
パチンコ版はDaiichiから登場。
確変中のリーチで運命分岐スルー通過の一球勝負で大当たりの継続か時短落下が決まる。
絵と演出はアニメ版である。



【余談】

原作ではキャラの些細な表情の変化や瞳の変化で静かに迫る狂気を表現していたが、
アニメ以降ホラー路線が強くなり顔芸なくらい表情をぶっ壊して狂気を大々的に表現する傾向にある為(特に漫画版)、特に原作重視のファンからは賛否両論


解答編のぶっ飛び方から「『推理もの』じゃないじゃないか」との批判が噴出し実際その通りなのだが、
作者が推理して貰いたかったのはどうやら「どのように事件が実行されたか」ではなく「何故事件が発生したか」であり、謳い文句の正解率1%はそこからきている(そもそもこの「1%」は物語全体の難易度の話ではなく「鬼隠し編の核心に発表時点の段階で辿り着いたのが100人中1人だった」ことを指しており、その後の宣伝で謳い文句にしてしまったことが問題と言える)。
愛がなければ理解できないかもしれない。


最近はコンシューマーハードに移植されることが多くなったが、新規シナリオを読むために旧シナリオを読まなければならなかったり一度バッドエンドに進まなければいけない…などの制約が多いシステムにされている故辟易するファンの声も聞かれる。
また新シナリオを執筆することが多い叶のシナリオや、公式設定に食い込みかねない創作態度にも賛否が分かれる。


少年少女が殺人をする設定のため、未成年やオタクによる凶悪犯罪が起きると心無いマスコミの格好の餌にされている。
主人公の少女が親の離婚騒動がトラウマになり、斧を使って敵を殺していくゲーム 』と報道された事もあるが、そもそも本作は敵を殺す為の作品ではなく、冒頭にも記したがそのような行為については寧ろ強く否定的に描かれており、それを廻る登場人物の心情、それらを擁する狭くも奥深な世界観との交錯から 『どうすれば惨劇を防げるか』を模索する為のゲームである。
尤も、連中にとっては大衆へのインパクトにさえなれば作品の詳細などはどうでもいいのだろうが。
だがその一方、作者を現代の江戸川乱歩と評価する声もある。


ひぐらし 「が」 なく頃に、と呼んではいけない。
別の意味でお子様向けではないものになってしまう。


発表された当時は人気が無かったが、後にHPにて鬼隠し編を無料で公開したことで口コミで爆発的に広まった。
一見「女の子萌えゲー」みたいな上に、日常会話もそれだけで楽しめるレベルだったため、「エロゲのつもりで始めたら、とんでもない事に…」という人も多かった。
アニメ版最盛期には「ひぐらしに興味を抱いたのですがどんな作品ですか?どれから見れば良いのですか?」→「ひぐらしは女の子がきゃっきゃうふふしたりけーいちやダメなおっさん達が変態語りをしたりする萌えギャグアニメだよ(棒)」などと誘導されてギャグメインの「昼壊し編」「煌」から見始めてと萌えギャグアニメと思い込み、もっと萌えたいからと原作や本編アニメに触れてその落差に愕然とする人も同じくらい多かった。


同じ作者による「うみねこのなく頃に」には、本作と関連があると思われるキャラが何人か登場しているが、
本編がぶっ飛んだことになったため、本作と関係あるのか、単なるスターシステムかは不明。





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最終更新:2025年03月08日 20:58

*1 作中の残虐シーンやキャラが発狂する瞬間ばかりを題材にした動画などが多く作られ視聴者の腹筋を崩壊させたが、同時に多くの誤解も生みだした。アニメ版では総じて心理描写などが不足してキャラの心境の変遷が分かりにくくなっている上キャラの突発的な変貌を露骨に誇張する傾向があったので猶更である。

*2 目の前の問題に対し凶行で解決しようとするも全く解決になっていなかったばかりか更に悲惨な末路を遂げる、他の編でその凶行を強く咎める展開が用意されるなど

*3 ガンダムやゴルゴ13のパロネタなど序の口、伏字にしてるとはいえ実際のゲーム機や特定の作品名が出てきたり「ケネディは撃てても梨花ちゃんは撃てると思うなよ~!相手がゴルゴでも守り切ってみせるわ!」という、商業流通しようものなら回収騒ぎになるレベルの台詞まで。

*4 内容については媒体毎に一部異なっている。

*5 全体的にコメディ要素強めの番外編

*6 そのため、わざわざ未規制版を見ようとしない限り、グロに関してはそこまで心配がいらなくなっている。ただし、海外版は未規制版であることが多いため、閲覧注意。また、ネット上にはMADなども含め、未規制版という警告なくアップロードされている動画も一部転がっているため、公式動画以外の動画を見に行く場合も閲覧注意。