Stellar Blade

登録日:2024/07/07 Sun 12:49:35
更新日:2025/06/30 Mon 22:31:03
所要時間:約 8 分で読めます





失われた楽園を取り戻せ




概要

Stellar Blade(ステラーブレイド)とは、韓国のゲーム会社「SHIFT UP」によって開発され、ソニーインタラクティブエンタテインメントによって発売されたアクションゲーム。
2024年4月26日にPlayStation5独占作品として発売され、その後2025年6月12日にsteam版も発売された。
マルチプラットフォーム展開は当初から予定されていた模様。

昨今はポリコレ事情により表現規制が強まる中、主人公・イヴのセクシーなキャラクターデザインが話題を呼び、一方でゲーム部分としてはポストアポカリプスな世界観と、重厚なアクションゲームとして高く評価を受けた作品である。

戦闘システムは有体に言うと『SEKIRO』に近いもので、ジャストパリィ&ジャスト回避を駆使して相手の猛攻を華麗に捌き、体勢を崩した相手に強烈な一撃を叩き込むのが主となる。
シナリオを進めると追加されるベータスキル・バーストスキルによる派手な必殺技も魅力。
所謂「死に覚えゲー」であり難易度は割と高めだが、アクションゲームが苦手な人のため、低難易度モードやアクションアシスト機能なども充実している。


用語集

  • 人間
この世界の人間達は、肉体の大部分を機械化したサイボーグであり、現実の我々とはだいぶ異なる存在である。
判り易い半機械の人間がいる一方、一見普通の人間にしか見えないリリーやカヤも例外ない。
機械化によって病を克服し、数百年単位の寿命を持ち、身体能力も非常に高い。
死んでも記録保存端末である「メモリースティック」を回収することでその人物の記憶と記録を共有できる。
一方で、「有機人類」、つまり機械化改造を受ける前の人類については不自然なほどに情報が残されておらず、数少ない記録にもマザースフィアによって高度なロックがかけられ徹底的に秘匿されている。

  • ザイオン
ネイティブの脅威に晒された地上に生きる人々が集う深い崖に囲まれた集落。
九龍城のように建造物が密集したような形状をしているのが特徴的。
地上の最後の砦と言える場所だが、慢性的な資源不足に悩まされており、ネイティブの跋扈する危険地帯に使えそうな資源を取りに行く「回収屋」たちの手によって、辛うじて成り立っている。
エネルギーも不足しており、殆どの住人が「揺り籠」と呼ばれる装置の中で冷凍睡眠することで資源を節約している。
そのためザイオン住人の中には指導者であるオルカルや天使ことコロニーの空挺部隊に対して懐疑的な者も多く、一枚岩ではいかない様子となっている。

  • マザースフィア
人類の守護者とされる上位存在。
「人類は皆マザースフィアの庇護の元産まれ、そして死ぬとマザースフィアに還る」とされている。
実態については不明なものの、おおむね神のような存在とされ、特にコロニー育ちの空挺部隊は狂信的とまで言えるほどマザースフィアを信望している。
地上にも多くの信徒がいるが、地上での過酷な生活の中でマザースフィアに対する不信感を抱いている者も多く、マザースフィアの方も不都合な情報に厳重なロックをかけるなど怪しい雰囲気を纏っている。

  • 空挺部隊
ネイティブ討伐を目的としてマザースフィアが送り込む兵士達。
軌道上の輸送艦から降下カプセルによって出撃する。
描写されている限りでは全員がエロい身体してる女性で、「ナノスーツ」と呼ばれる身体にフィットする防護服を纏っている。
地上の人間よりも高性能で状態もいいパーツがふんだんに使われているため、戦闘能力は人類最強クラスであり、ザイオンの衛兵達が束になっても敵わない強力なネイティブも単独で討伐してみせる。
ネイティブ討伐のための戦士にしてマザースフィアの使者ということで、地上の人々からも「天使」として崇拝・尊敬の対象になっている。
…と言えば聞こえはいいが、彼女達の戦闘力を以てしても戦局は好転していないのが実情。
殆どの隊員達はネイティブの対空砲火によって降下前に輸送艦やカプセルごと撃墜され、運よく降下に成功した者もネイティブの強さと圧倒的な物量の前に次々と殺されている。イヴが所属する第7空挺部隊も最初の戦闘で彼女を残して全滅しており、他の部隊の生き残りもリリーなどのごく一部しか登場しない。
また、地上とコロニーでは通信が出来ないため、実際の任務内容も「降下地点のネイティブを掃討したらあとは頑張ってエルダーネイティブを捕まえるか倒せ(要約)」という作戦とも呼べないようなアバウトなもので、早い話が捨て駒の特攻要員である。
地上でマザースフィアへの不信感が広まっていることもあって反感を抱く者も多く、イヴも何人かの地上人からは冷淡に当たられる。
ついでに、高品質なパーツが多数使われていることから一部の闇商人にも狙われており、守るべき地上人に殺害され、パーツを抜かれて闇市で売りさばかれるという悲惨な末路を辿った者もいる。

  • ネイティブ
作中で主に戦うことになる敵生命体の総称。
見た目は千差万別であり、総じて醜悪な肉塊と呼べるような、どこか某宇宙最強のエンジニアの活躍するゲームに登場する寄生生命体のような見た目をしている。
一部には機械や、人間の死体に寄生して操れるタイプも存在する。
その圧倒的な物量で襲い掛かり、人類は壊滅の危機に瀕している。
通常の個体の他、一層強力な力を持つ「アルファネイティブ」、それらを統べる「エルダーネイティブ」がおり、どこかに潜んでいるエルダーネイティブに辿り着くにはアルファネイティブを倒し、アルファコアを4つ集めねばならない。

しかし一方でネイティブは相手を殺すことに特化したような、生物としてはどこか不自然な姿のものが多く、またネイティブ出現についても何時頃出現したのか、どこからやってきたのかなどについての詳細な情報が残されていないなど多くが謎に包まれている。

  • レボワ
各地に点在する謎の地下施設。
ネイティブに関する何らかの研究を行っていたようだが、バイオハザードによって職員全員がネイティブ化してしまったらしく、現在はネイティブに汚染された人外魔境に成り果てている。
劇中ではザイオン近郊の荒野に「アルテス・レボワ」、砂漠に「アビス・レボワ」が登場するが、その危険性からオルカルによって禁足地に指定されており、彼の許可を得た上で門番との決闘に勝利しなければ中に入ることは出来ない。



登場人物

緑色のナノスーツに身を包んだ、膝まで届く長いポニーテール*1がひと際目を引く本作の主人公。
第7空挺部隊所属。
地球降下中にネイティブの攻撃を受け、味方に甚大な被害を出しながらも着陸。
同僚のタキと共に戦っていたがグロッキーになっている隙をアルファネイティブに狙われ、タキの犠牲とアダムの乱入によって一命を取り留める。
その後は生き残りとしてネイティブ討伐の使命を全うするため活動することになる。

常に冷静沈着で物おじしない性格だが、宇宙のコロニー育ちなため地球の文化に疎いところも。
何故か缶飲料に強い興味を示す。

プロデューサーのキム・ヒョンテ氏によると、そのセクシーなボディラインは韓国の人気モデルであるシン・ジェウン氏のそれを3Dスキャンして制作されたもの。なお顔の方は完全オリジナルでデザインが起こされている。

  • タキ(CV:山根舞)
イヴと共に地球に降下した黒いスーツにオレンジラインの隊長用ナノスーツが特徴の第7空挺部隊。
曲刀タイプの大型ブレードを使う。
地球降下直後、襲撃してきた黒い翼のアルファネイティブからイヴを庇って左腕を斬り落とされ、そのまま身体を貫かれた。
彼女の犠牲によってイヴは辛うじて命を拾うこととなった。

  • アダム(CV:川田紳司)
浅黒い肌と黒髪の男性の回収屋。
イヴの窮地を救い、彼女のネイティブ討伐に協力してくれる。
非戦闘員なため基本的に飛空艇「テトラポッド」で待機し、ドローンを介して助言をしてくれる。
マザースフィアにはやや懐疑的。
モデルとなったのは俳優の三辻茜氏。

  • リリー・アルテミス2世(CV:松岡美里)
第五空挺部隊所属のエンジニア。
降下作戦中に部隊の仲間とはぐれてしまい、ポッドに閉じこもって救難信号を発していた。
味方になってからはエンジニアとしての腕を振るい、アダムのドローンを改造したりとサポートしてくれる。
ドローン越しに聞こえるアダムとのやり取りは本作の清涼剤。
しかしマザースフィアに対する信仰心は人一倍強く、懐疑的なアダムとは度々衝突することも。
ログなどを拾った際など画面右上に表示される彼女の好感度がエンディング分岐の条件となっている。
何がとは言わないが、そこまで大きくはないのだがよく揺れる

  • オルカル(CV:麦人)
ザイオンの指導者たる老人。
ザイオン最奥にて機械に繋がれておりその場を動けないが、その代わりネットワークにアクセスすることができて様々な情報を集め、イヴたちの次に行くべき場所を示してくれる。
ただし資源・エネルギーの不足している現在のザイオンでは検索範囲が限られており、アルファネイティブの情報提供の代わりに「ハイパーセル」と呼ばれるエネルギー端子を集めてくるよう依頼する。

  • カヤ(CV:漆山ゆうき)
ザイオン内にあるジャンク屋「シスターズジャンク」を営む少女。
イヴのことを「天使様」と呼び慕ってくれる可愛い子。
店名の通り元々は姉妹で店を経営していたが、ネイティブに襲われて姉が行方不明になっている。

  • ロクサーヌ(CV:村中知)
ザイオンの路地裏、掲示板の近くに佇んでいる情報屋の女。
どこか胡散臭い雰囲気を纏っており、自身も「善人ではない」と公言して憚らない。
商売も基本的には真っ当だが、時には空挺部隊兵のボディコアを取り扱っていたりと何処か胡散臭く、イヴからもあまり信用されていない。

  • エンヤ(CV:白石晴香)
ザイオンのバーで歌を歌っている女性。
しかし身体を失った首だけの状態でいつ死んでもおかしくない状態であり、恋人のスーから心配されている。
十分な素材と腕利きのエンジニアがいれば彼女を治してあげられるかもしれない。

  • クライド(CV:志村知幸)
ザイオンを離れ、大砂漠にあるオアシスで日がな一日釣りをしている男性。
彼に会うことで各地の水辺でミニゲームの「釣り」をすることができるようになる。

  • D1G-g2r(CV:河本邦弘)
資源回収用の小型ドローン。名前は「Digger」のLeet表記。
本来はプログラムされた通りに動くことしか出来なかったが、ある日人間のような自我に目覚め、それからは「人間とは何か」という命題の答えを求めて日々思慮にふけっている。
「自我を持って哲学に耽る小型ドローン」という珍しさからか、ザイオンでも有名人。
機械系の敵を倒すとドロップする「マイクロ~」系のアイテムを有用な素材と交換してくれる。

  • レイヴン(CV:行成とあ)
イヴたちより遥か前に地球へ降下した第2空挺部隊の一員。
イヴたちの行く先々に「レガシー」という情報記録端末を残しており、彼女らに自らが得た情報を共有してくれる。

  • 黒い翼のアルファネイティブ
イヴが地球に降下した直後襲い掛かってきたアルファネイティブ。
小柄で身体も細いが非常に強力且つ狡猾であり、弱っていたイヴを狙って庇いに入ったタキを殺害した。
オルカル曰く、「強い憎悪」を抱いているようだが、その理由は…?


イヴの装備&アイテム

  • ブラッドエッジ
イヴのメインウェポンである剣。
未使用時は髪飾りとしてポニーテールに仕舞われる。
ウェポンコアと呼ばれるアイテムを使用することで攻撃力を強化できる。
レボワでは使用することができない。

  • ドローン
アダムが遠隔操作しているサポートドローン。
ターゲットロック、周囲のスキャン、マップなど多彩な機能を備えている。
後にリリーに改造され、イヴの左腕とドッキングすることで射撃モードに変形できるようになる。
ドローンアップグレードモジュールを消費して性能や撃てる弾薬の種類を増やせる。
ただし弾薬は余剰分をストックしておくことができず、弾切れになるとその都度買って補充する必要がある。

  • ナノスーツ
イヴたち空挺部隊の隊員が纏っているスーツ。
一見防御能力はなさそうだが、装備中は体力ゲージの下に「シールドゲージ」が出現。
このゲージがある間は被ダメージを軽減してくれるが、被弾するとゲージが減り、ゲージがなくなると被ダメージが大きくなってしまう。
各地でナノスーツの設計図を入手することで新たなスーツを作成可能になる。性能は変わらないので好きなスーツを選ぼう。
なおナノスーツを装備していない状態は「スキンスーツ」と呼ばれ、シールドなしで常時被ダメージアップのハードモードになる。

因みにアダムとリリー、ドローン用の専用スキンも別に存在している。

  • ボディコア&ベータコア
所謂ハートの欠片に相当するアイテム。
空挺部隊の亡骸から思いを継承することで獲得することができ、それぞれ3つ貯めると最大体力かベータスキル最大値が増えるようになる。
一周ごとに再配置されるので、取り逃がした状態でクリアしても周回すればいつかは上限に到達できる親切仕様。
マップ内に巧みに隠されていることが多いので、スキャンを活用して小まめに探そう。

  • WBポンプ
所持しているとゲームオーバーになった際、その場で復活できるようになる消耗品。
ただし一度に所持できるのは1つだけで、転落など一部の死因では復活できないので過信は禁物。

そのまんま、何の変哲もないドリンクの缶。
最終戦争前に製造していた企業の戦略として、表面の塗装にはNFTの情報が組み込まれているそうだが、あまり大した業績には結びつかなかった模様。
ただし何故かイヴはこれに強い興味を持ち、冒険の合間に収集アイテムとして拾っていくことになる。
拾った時の「デデーン!」というSEと共にポーズを決めるイヴの姿はシュール。
単なる収集アイテムではなく、一定数拾うたびにザイオンの拠点でリワード報酬も貰えるので積極的に集めていこう。

前述したクライドとのイベントで釣竿を手に入れると各地で釣りができるようになる。
釣り場とエサの種類によって釣れる魚の種類が変わる。
海水魚と淡水魚が同じ場所で釣れるのは謎。
たまにゴミとか物資の入った箱なども釣れる。
釣る度に貰える釣りポイントをクライドのショップで交換することが可能。
色んな種類の魚を釣るとクライドの品揃えや聞ける話が変わる。
また、釣った魚はザイオンにいるバリーという男が買い取ってくれる。


余談

  • 本作を開発したSHIFT UPは尻ゲーで有名な『勝利の女神:NIKKE』と同じ開発会社であり、後に自社コラボが実施された。

  • 本作の諸々の要素を見ておや?と思った方もいるかもしれないが、その通り本作は『NieR:Automata』から多大に影響を受けていると明言されている。
    向こうのディレクターからも認知されている他、コラボDLCが11月20日に発売されている。
    • DLCでは各種スキンがエミールショップで購入出来るが、その際原作同様にエミールを射撃して止める要素がある。あの爆音ショップBGMも健在。
    • ちなみに2Bスキンのイヴのスカートの下を覗くと蹴り飛ばされる。それはどっちかと言うとカイネでは?

  • 世界的に高い評価を受けた本作だが、一方でストーリーについてはしばしば練り込み不足が指摘される。
    スタッフもこの点については認めており、「コストの関係で、世界観やキャラクター描写を補完するためのカットシーンを多数削除せざるを得なかった」「韓国ではまだストーリー重視のゲーム開発の土壌が整っていない」とインタビューで語っている。
    同時に「DLCの予定だったものをベースとして既に続編の開発が始まっており、ストーリーについても改善するつもり」と語っているので、そちらに期待しよう。

  • 今日のPCゲーム界では、大作タイトルが発売されるとMODも多数登場するのが恒例だが、なんとSHIFT UP公式は「公序良俗に反する使い方*2をしない限りはアダルト系も含めてMODを一切制限しない」という寛容な姿勢を示し、PCゲーマーやMODクリエイターを喜ばせた*3
    一方でキム・ヒョンテシは「今はまだ公式コンテンツの方が優れている」「ゲーム内容を大きく変化させるようなMODの登場に期待したい」とも語っている。そして案の定きかんしゃトーマスMODが早速登場し、Xで公式アカウントにリポストされた


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最終更新:2025年06月30日 22:31

*1 設定でポニーテールの長さを変えることができる。

*2 例えばMODの有料販売など

*3 「韓国本国でのレーティングが『青少年利用不可』なので、アダルト系MODを制限する大義名分はない」とのこと