オムナス(MtG)

登録日:2024/08/19 Mon 14:33:30
更新日:2024/08/31 Sat 21:22:06
所要時間:約 12 分で読めます




それは迫り来る嵐に立ち向かうために集まる。


概要

オムナス/Omnathとは、TCG『Magic the Gathering』に登場する伝説のクリーチャーである。

マナが乱動する神秘と危険に満ちた次元、ゼンディカーに存在するマナの具現であるエレメンタルの大いなる存在。
エネルギーそのものが4本の腕を持つ頭の無い巨人のような形に集まった姿をしている。

ゼンディカー次元の創造神話の多くに登場し、マナの起源や大破壊をもたらす原初の力であると考えられている。
オンドゥ大陸の奥深くに存在する「オムナスの牢獄」に封印されていたが、エルドラージの侵攻により封印が破れ解放された。

ゼンディカーの大地そのものの性質を持ち、解放後はエルドラージによる脅威に対する免疫として変化を開始。
森やジャングルの力だけでなく、山の怒り、容赦のない海、そしてゼンディカーの生命を与える平原の力を体現した。
が、新ファイレクシアによる侵攻時にはこの性質が裏目に出てしまい、ファイレクシアに汚染された沼を取り込んで完成化してしまった。

……とはいえ、実際のところ設定だけは存在するが物語の本筋にはあまり関わらないタイプのクリーチャーだったりする。



各カードの解説

レアリティは1枚を除き神話レア。その1枚もレアだがボックス特典なので別の意味でレア。
土地のマナを取り込む性質からか、登場するたびに色が1色ずつ増えていくのが大きな特徴。


マナの座、オムナス/Omnath, Locus of Mana (2)(緑)
伝説のクリーチャー — エレメンタル(Elemental)
あなたは、ステップやフェイズの終了時に際して未使用の緑のマナを失わない。
マナの座、オムナスは、あなたが持つ未使用の緑のマナ1点につき+1/+1の修整を受ける。
1/1
「ワールドウェイク(WWK)」で登場した初代オムナス。カードも体も緑単色。

未消費の緑マナを蓄積する能力を持ち、さらに貯め込んだ緑マナに応じて巨大化する。

マナ蓄積は現在においても珍しい能力であり、一種のマナ加速として機能する。
素のサイズは1/1と一見非常に貧弱だが、土地から緑マナを絞り出すだけでで際限なく強力になる。
更にルール上「マナを出す」行為は基本スタックに載らない(≒対応して行動ができない)ため、火力に対して対応して大型化することも自在。

総じて「森と大地の力を受けて強くなる伝説のエレメンタル」を体現した能力と言える。


怒りの座、オムナス/Omnath, Locus of Rage(3)(赤)(赤)(緑)(緑)
伝説のクリーチャー — エレメンタル(Elemental)
上陸 ― 土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、赤であり緑である5/5のエレメンタル(Elemental)・クリーチャー・トークンを1体生成する。
怒りの座、オムナスかあなたがコントロールする他のエレメンタルが1体死亡するたび、クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。怒りの座、オムナスはそれに3点のダメージを与える。
5/5
「戦乱のゼンディカー(BFZ)」で登場した2代目オムナス。赤が加わって赤緑となり、4本の腕が炎のように赤くなった。

7マナと極めて重いが土地が出るたび5/5のエレメンタルを生み出し、さらにエレメンタルが除去されれば3点バーンが飛ぶ

これを出すためのマナ加速を出した後の上陸誘発に使えるため、総じて土地を過剰に伸ばすタイプのデッキと相性がいい。


乱動の座、オムナス/Omnath,Locus of the Roil(1)(緑)(青)(赤)
伝説のクリーチャー — エレメンタル(Elemental)
乱動の座、オムナスが戦場に出たとき、クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤー1つを対象とする。これはそれに、あなたがコントロールしているエレメンタル(Elemental)の総数に等しい点数のダメージを与える。
上陸 ― 土地1つがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたがコントロールしているエレメンタル1体を対象とする。それの上に+1/+1カウンターを1個置く。あなたが8つ以上の土地をコントロールしているなら、カード1枚を引く。
3/3
「基本セット2020(M20)」で登場した3代目オムナス。青が加わり緑青赤となったが、よく見ると水辺を歩いているだけで本体に青色は増えていない。

出たときにエレメンタルの数分の火力を放ち、さらに土地が出るたびに自分のエレメンタルを強化。その際に土地が8枚以上あればドローまでついてくる。
総じて【エレメンタル】の同族デッキ向きのロードである。

登場時のスタンダードでは同セットで登場した《発現する浅瀬》や《炎の侍祭、チャンドラ》などと組んで【ティムール・エレメンタル】が成立。
《死者の原野》《王冠泥棒、オーコ》に挟まれた秋枯れの時代にあって、それらとリソースで張り合える数少ないデッキとしてそれなりに活躍した。
色が合うし土地シナジーもあるのでそいつらとも相性が良かったが

ただこの時期の活躍はエレメンタル全てがドロー&土地加速エンジンとなる、同セットの化け物アンコモン《発現する浅瀬》の強さによるものが大きい。
活躍こそしたが単独で評価されていたというわけでもなかった。
オムナスが真に単独で壊れるのは1年後を待つこととなる……


創造の座、オムナス/Omnath,Locus of Creation(赤)(緑)(白)(青)
伝説のクリーチャー — エレメンタル(Elemental)
創造の座、オムナスが戦場に出たとき、カード1枚を引く。
上陸 ― 土地1つがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、このターンで初めてこの能力が解決されるなら、あなたは4点のライフを得る。二度目なら、(赤)(緑)(白)(青)を加える。3度目なら、創造の座、オムナスは各対戦相手とあなたがコントロールしていない各プレインズウォーカーに、それぞれ4点のダメージを与える。
4/4
「ゼンディカーの夜明け(ZNR)」で登場した4代目オムナス。白が加わり現代でも該当カードの少ない赤緑白青になった。
今回はちゃんと4本の腕のうち2本が白と青に染まっている。ついでに一本は前より緑っぽくなって4本の腕全てが別々の色になった。

……そしてスタンダード最速禁止記録を打ち立てた、ゼンディカーの夜明け屈指のパワーカードでもある。

の四色を体現した能力を持ち、そのどれもが強力。

まず出た時に青の能力でカードを1枚引く。いわゆるキャントリップ。
非常に地味だが、実態としては一番ヤバい能力だったりする
なんせ後述する3つの能力により絶対に対処しなければいけないのに、対処した時点でカード1枚分の差がついているわけだ。
無視できないカードがついでのように手札補充する凶悪さは《精神を刻む者、ジェイス》だの《時を解す者、テフェリー》だのを見ればわかりやすい。

他の3色の能力はその次の上陸、つまり「土地が出たとき」に誘発する能力で発揮される。
この能力は登場時期の前後で出てくるようになった「解決した回数で効果が変わる能力」になっており、3回までそれぞれが別々の能力になる。
通常土地は1ターンに1枚までしか置けないので1つ目しか使えないが、土地加速を使えば2つ目以降の能力も使えるという感じ。

……が、あろうことかこいつと同期のスタンダードにはフェッチランドである《寓話の小道》があった。
フェッチランドとは「自身を生け贄に捧げることでライブラリーから他の土地を持ってくる土地」であり、つまり1枚で2回土地を置けてしまう
結果として何の消費も無く2つ目まで上陸を簡単に誘発させられていた。
さらにこれと加えて3色出る土地であるトライオームの存在によって自身の色拘束の強さもカバーしていた。
さらにさらに「テーロス還魂記(THB)」屈指のパワーカード《自然の怒りのタイタン、ウーロ》まで居てしまったのも問題だった。MTG史上最強の土地加速の一つであり、当然上陸を持つオムナスとの相性も最上。

上陸能力は以下の三種。

1回目は白の能力でライフ回復
一見地味なのだが回復量が4点と大きく、出るだけで並の速攻デッキは封殺できてしまう。
本体は色拘束の強い4マナだが、3トライオームや《水蓮のコブラ》あたりと組めばスタンダードですら下手すると3ターン目着地で4ターン目に使える。
そんな奴が持っていていい能力ではない。

2回目は緑の能力でマナ加速
先述した通り、フェッチランドやらウーロやらのせいで非常に簡単に使える。
それでいて起きるのは4色4マナ追加。見た目も実情もド派手。
出た時のキャントリップとのかみ合わせが非常に良く、手札1枚と4マナを使って手札1枚と4マナが帰ってくるため完全にタダに近い。
気軽に後続を投げつけるだけで大きなリソース差がついてしまう。

3回目は赤の能力で本体火力
土地を3回も置くのはフェッチランド込みでも流石に厳しく、派手さもそれなり。
だが単純な本体火力ではなく「相手の全てのプレインズウォーカー」も焼ける。
コントロール対面で大量に並んだプレインズウォーカーを一掃しうるのは魅力。
そもそもリソースエンジンが勝ちに直結する能力を持っていること自体がだいぶおかしい。余った土地加速も打って損はなくなる。

総じてランプ戦術に必要なリソースをたった4マナで無尽蔵に稼ぎ続ける、ランプの星ともいえるパワーカード
その結果スタンダードでは紙で17日、オンライン基準で25日後に禁止され、《記憶の壺》の45日にダブルスコア以上を付けての最短禁止と相成った。


万物の座、オムナス/Omnath, Locus of All(赤)(緑)(黒/Φ)(白)(青)
伝説のクリーチャー — ファイレクシアン(Phyrexian) エレメンタル(Elemental)
((黒/Φ)は(黒)でも2点のライフでも支払うことができる。)
あなたが未消費のマナを失うなら、代わりにそのマナは黒になる。
あなたの戦闘前メイン・フェイズの開始時に、あなたのライブラリーの一番上にあるカード1枚を見る。そのカードのマナ・コストに3つ以上の色マナ・シンボルがあるなら、あなたはそれを公開してもよい。そうしたなら、それの色であるマナを望む組み合わせで合計3点加え、それをあなたの手札に加える。それを公開しないなら、それをあなたの手札に加える。
4/4
「機械兵団の進軍(MOM)」で登場した5代目オムナス。黒が加わり5色となったが、同時にファイレクシア・マナにも汚染された。
侵略樹の枝が深々と突き刺さり完成化され、腕1本のが黒くなった代わりに頭部が赤く光っている。

ファイレクシア・マナは「マナの代わりにライフ2点で支払える」というメカニズムであり、《創造の座、オムナス》と同様に4色デッキで運用可能。

1つ目の能力は《マナの座、オムナス》に近いマナ貯蓄だが、あらゆるマナを保存可能になった代わりに全て黒マナに汚染されてしまうようになった。

2つ目の能力はドローエンジン。毎ターン堅実にアドバンテージを得ていける。
さらにドローしたカードがトリプルシンボル以上であれば、見せることで3点のマナ加速ができる。
(黒)(黒)(黒)から(青)(黒)(赤)まで、見せたカードの色と合っていれば単色多色は問わない。なんなら自身を引いても誘発する。

総じて一つ一つの能力は非常に強力なのだが、かみ合わせが微妙に悪く即効性がないのが難点。
返しに除去されてしまうだけで機能不全になり、2つ目の能力でマナを出すまで考えるとデッキ構成がかなり限られてしまう。



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最終更新:2024年08月31日 21:22