ツッコミ

登録日:2025/05/26 Mon 11:44:05
更新日:2025/06/03 Tue 12:06:55NEW!
所要時間:約 4 分で読めるやないかい!




ツッコミとは、文字通りボケにツッコむ事である。






追記修正お願いします。






























立て逃げすなーっ!


👆💦


…ごめんなさい、真面目にやります。


ツッコミとは、話の途中でギャグやジョークを入れたり、笑いを促すような行動をとったりする役割(ボケ)に対して注意や指摘などを行ったり、合いの手やフォロー等を入れたりする事によって笑いを誘う役割の事であり、漫才やコントなどではボケ共々お馴染みの役割である。
ツッコミ役とも呼ばれる。



概要

元々「ツッコミ」という言葉は、「勢いよく何かにぶつかること」や「深く突入すること」などを意味する「突っ込む」という単語から派生したものである。
実際、媒体によっては「ツッコミを入れる」と書く所を「突っ込みを入れる」と表記する事もあったりする。本項では分かりやすさを優先するため、前者の表記を用いる事にする。

ツッコミの起源に関しては様々な説があるが、一説では『萬歳(まんざい)』と呼ばれる現在の漫才のベースだと言われている平安時代の伝統芸能において、曲に合わせて鼓を叩く"才造(さいぞう)"と、曲に合わせて舞を踊る"太夫(たゆう)"の二人が曲の合間で行う「しゃべくり」という滑稽な会話のやり取りから、現在のボケ(=才造)とツッコミ(=太夫)の原型が生まれたとされている。
近代では1920~30年代のアメリカで「ダブルアクト」と呼ばれる漫才が人気を博し、ローレル&ハーディやアボット・コステロは日本でも人気を博した。
近代漫才の祖とされるエンタツ・アチャコの芸風はアボット・コステロとの類似性も指摘されているほど*1
尤もその後欧米圏ではダブルアクトは全く流行らなくなったため、日本独自に進化を遂げて今のツッコミになったと言えよう。

さて、この項目を読んでいる人の中には「ツッコミ役ってボケ役のボケにツッコむだけだから何か地味そうだな…」と思う人もいるかもしれないが、実際の所はそうではない。
まず、ツッコミ役はどんな言葉でツッコミを入れるべきか、どのタイミングでツッコミを行うのか、ツッコミを入れる際はどれぐらいの力加減がいるのか、などといった技能が求められる。また、ツッコミ役はどのような感じでボケにツッコミを入れ、そのツッコミを聞いた者に「そのボケのどこがおかしかったのか」と思わせるのも重要となってくる。
だからといって、ボケのおかしい点を説明しておけば良いという訳ではない。ボケのおかしい点を拾いまくると、ツッコミの文章量が多くなって間延びしてしまい、その結果ボケが成立せず笑いに繋がらないことがあるからである。
このように、ツッコミ役はボケ役に匹敵する程の重要性を持った役割と言えよう。


ツッコミの種類

一言にツッコミと言っても、実際は様々な種類のツッコミ方がある。
全ての種類を記載すると項目が長くなりかねないため、一部の紹介に留める。

否定

その名の通り、相手のボケに対してすぐさま否定的な言葉を入れるツッコミ。最もオーソドックスなツッコみ方でもある。
特に有名なフレーズとして知られるのが「なんでやねん!」であり、関西出身ではない漫才師は「なんでやねんに代わるフレーズを見つける」ことを目的とする人も少なくない。

どつき

ボケをかました相手の頭や胸をどつくツッコミ。
一見単純明快で分かりやすいが、突っ込む時の力加減やタイミングを間違えると、ギャグではなくただの暴力になりかねないため、細心の注意と何より相方との信頼関係が必要となってくるツッコみ方である。
原則は「欧米か!」でお馴染みタカアンドトシ等の様に、観客に伝わりやすくするため音を出しつつ軽く叩くのが基本だが、一方でカミナリの様にあえてガチで思いっきり引っ叩くコンビもいる。
その他にもハリセンやピコピコハンマーなどの小道具で相手をどつくこともある。『世界まる見え!テレビ特捜部』でのビートたけしが有名だろう。
極端な例としては、ごく一部のプロレスオタクな芸人だと稀にツッコミにガチのプロレス技を持ち出したり、『浦安鉄筋家族』『喧嘩商売』など格闘要素のあるギャグ漫画ではラリアット、ビンタ、心臓狙いのパンチなんかがどつきに用いられる事がある。この場合、強烈なものはツッコミを受けた側のリアクションまでがワンセットでギャグとなる。

ノリツッコミ

相手の意見を一度肯定し、直後にその意見を否定するツッコミ。分かりやすく言うと、相手のボケに一度乗っかった後、すぐにツッコミを入れる行為。
ボケへのノリ方については人によってまちまちで、一瞬だけ乗っかることもあれば、長時間乗っかることもある。
例としてはツッコミ「おい、銃を貸せ」ボケ「(水鉄砲を渡す)」ツッコミ「そうそうこれで相手をずぶ濡れに…ってバカ!拳銃だよ拳銃!」といった具合。

例えツッコミ

相手のボケを「お前は〇〇か!」「〇〇みたいだな」という風に何かに例えてツッコむ事。因みに、〇〇には名詞や物事などが入る。
くりぃむしちゅーの上田晋也やフットボールアワーの後藤輝基がよくこのツッコミ方を多用している。
ボケを何かに例えればいいのでかなり簡単な反面、例えの意外性と用いる物事の分かりやすさのバランスが求められるため、結構奥が深いツッコミ法である。
一種の大喜利でもあるため、「どんな例えをするか」が別のボケとなるパターンもしばしば見られる。
またダウンタウンの松本人志や麒麟の川島明は本来ネタではボケ担当だが、バラエティ番組では起きた事象に対して瞬時に例えツッコミすることを得意としており、特に川島はその能力の高さから人気司会者へと登り詰めたこともあって、芸人の力量を測るバロメーターとなりつつある。

無視

相手のボケに対して、あえて無視を決め込むツッコミ。
「ボケをガン無視しちゃっていいの?」と思う人もいるかもしれないが、たまにツッコミ役がボケを無視する事によってそのボケがどれほど強烈なのかを示すケースがあったりするため、そういった意味では意外と侮れないツッコみ方と言えよう。


創作におけるツッコミ

ギャグ漫画を始めとしたギャグ色が強い作品では、多くても数人、少なくても一人はツッコミの役割が与えられたキャラが登場する事が多い。大体そのキャラは真面目や常識人といったキャラ付けをされることが殆ど。
キャラによってはボケ役とツッコミ役を同時にこなしていたり作品の主人公でありながらツッコミ役に徹していたりすることも。
また、バトル漫画といったシリアスな要素が強めな作品でもギャグシーンやコミカルなシーンがある場合、登場人物がツッコミを入れる事もある。

ツッコミの仕方についてはツッコミを行うキャラや作品の作風などによって大きく異なっており、項目冒頭のように「〇〇すなーっ!」と指摘する形でツッコんだり目が飛び出すくらい仰天した顔でツッコんだり「オイィィィ!!」と叫ぶようにしてツッコんだり100tハンマーによる攻撃でツッコんだりと様々。
かつては下手したら事故になりかねない過激でバイオレンスなツッコミ描写が存在する作品(連載初期のこれこれなんかが分かりやすいか)もあったが、表現規制が厳しくなった現代ではそのようなツッコミを行う作品は少なくなってきている。

実写では吉本新喜劇が代表例で、近年は座長が特定のキャラに扮してボケまくる…という役回りを演じることが多いためツッコミ役が欠かせない。
ツッコミ役は全編にわたって出演する重要な役回りのため、ツッコミ役から中堅・座長へと昇格する座員も少なくないのである。

なお作品によってはツッコミ役が一切存在せずキャラがひたすらボケまくるという、所謂「ツッコミ不在の恐怖」状態になることもあるが、その場合は作品の読者・視聴者にツッコミを委ねたりする。笑いがあるところには、必ずツッコミが存在するのである。



追記・修正は相方のボケにツッコミを入れてからお願いします。

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最終更新:2025年06月03日 12:06

*1 エンタツについては1929年に渡米しており、実際にアボット・コステロの芸を見る機会に恵まれている。