ユニバース戦士(ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー)

登録日:2025/05/27 Tue 12:00:47
更新日:2025/05/29 Thu 14:44:58NEW!
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ユニバース戦士とは、『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』における番外戦士枠にして第3勢力的存在である。


【概要】

銀のテガソードとセンタイリング(ユニバース指輪)を使い、歴代のスーパー戦隊の戦士と同じ姿に変身する人々。
原典の戦士にはない技や能力を持っていたり、他のセンタイリングを使って能力だけを引き出したりするといったことも可能。
彼らもまた指輪を奪い合うライバルとして、時にゴジュウジャーと対立する事となる。
オリジナルの戦士と異なり銀のテガソードを持っている他、共通デザインの金のベルトバックル(ツメガバックル)を付けているのが特徴。
分かりやすく言うと「戦隊版リ・イマジネーションライダー」であり、変身者は一見ゴジュウジャーよりもまともなヒーローとして造形されているものの、それぞれ元になるヒーローのあり方を皮肉ったような難のある性格をしている場合も多い。
もっとも、巡のようにヒーローとしてはなんか微妙に既視感ある普通の価値観な人もいる事から、全員が全員性格に難ありというわけではないようだが(但し、そのせいで中には夢や目標とも言えない物凄く個人的な理由で力を手にした者もチラホラいる)。
また最大の特徴として、本項目で紹介している面々までが登場した現状では番組内で第1のレッドと扱われていたメンバーしか選出されておらず、例えばトンボオージャーやオニシスター、タイムファイヤーやビッグワンのユニバース戦士はそもそもいない様子。
これも巡が言及しており、少なくとも考古学者としての彼が確認・調査した範囲では、現在活動している「指輪の戦士」のなかでレッド以外の色の戦士がいる戦隊なのはゴジュウジャーのみであるとのこと。
ただ、本編未登場だが、DX玩具では「ゼンカイジャーで同枠に入る戦士はゼンカイジュランではなくゼンカイザー」とされているため、仮にこの設定がそのまま本編の設定に反映されるなら『機界戦隊ゼンカイジャー』はユニバース戦士の中で唯一「レッドしかいない」パターンが当てはまらない例となる*1
まあジュランって「チームのセンター格の『いい意味で正反対な相方』」ってのはある意味ブルーンよりブルーらしい性格だしね。

一応、巨大戦力も扱う事が可能だが、当の巨大ロボが揃ってロボの墓場にいるため
固有能力で復元する(大獣神)、ユニバース戦士の想いに応えて復活する(ガオキング)などその登場の仕方は様々。
というか、いずれもかなり低確率のイレギュラーな現象であり、原則として自発的に巨大戦を行うことはできないと考えるべきだろう。
また、コクピットもテガソードのものと共通の1人乗り仕様になっている。

ゴジュウジャーや他のユニバース戦士と戦って敗北すると銀のテガソードが消失して失格扱いとなり、それまで持っていたセンタイリングも相手に渡って脱落する。
また、自分からセンタリングを手放した場合でも脱落扱いになるが、いずれの場合も他にペナルティが課せられることはなく、そのまま元の生活に戻れるようである。

なお、番組開始時点でゴジュウジャーや後述する常夏がセンタイリングを使う描写があることから、既に何人かのユニバース戦士がゴジュウジャー達や常夏らに敗れて脱落している様子。

劇中では単に「指輪の戦士」と呼称されている事が多いが、この呼び名は指輪を持つ戦士全員を差す呼称であるため、ゴジュウジャーも含む。
「ユニバース戦士」の名称が初登場したのは、第13話冒頭の竜儀のモノローグだが、それ以前にも第3話のドンモモタロウの名乗りの際に「UNIVERSE」のカードが掲げられている。


【一覧】

第1クール(第1~12話)

  • (つつみ)なつめ/クワガタオージャー
俺の曲を届けたい人がいるんです。その為に、俺はバンド界ナンバーワンを目指すんだ

願い:バンド界ナンバーワン
固有能力:硬化(ソリッド)
演:井内悠陽

吠と一緒にコンビニバイトをしていた青年。
一見穏やかで人当たりのいい青年だが、夢や目標を持たない吠を「つまらない」と蔑む狭量な一面も持ち合わせている。

演者を見てもらえればわかるが、前作『ブンブンジャー』にてブンレッド/範道大也を演じた井内氏が続投しており、ファンの度肝を抜いた*2

詳細は当該項目を参照。

  • 熱海常夏(あたみとこなつ)/ドンモモタロウ
人生はずっと上り坂……苦しいよな? 辛いよな!?
だけど、今日は昨日より高い所にいるんだ! だから、自分を信じて!

願い:本当の友達をつくりたい
固有能力:召喚(サモン)
演:七瀬公

日本史上最年少総理大臣。
明朗快活で奉仕精神に溢れた熱血漢であり、支持率5000%を誇るなど一見すると理想のリーダーと言うべき人格者だが……?

詳細は当該項目を参照。

  • 桜庭(さくらば)/リュウソウレッド
一河緒乙……その名前は知りませんが、あなたのその指輪はよーく知ってますよ?

願い:検事界ナンバーワン
固有能力:不明
演:大森界人

眼鏡をかけた理知的な雰囲気を漂わせる凄腕の検事。
仕事帰りに角乃に緒乙の事件について聞かれるが知らず、彼女が指輪の戦士と気付くや否やリュウソウレッドにチェンジして襲いかかる。
角乃もゴジュウユニコーンに変身して戦おうとするがなぜか指輪が作動せず、彼女を助けるため割って入った常夏と交戦。

剣技で常夏に対抗するが、固有能力を見せる間もなくセンタイリング タイムレンジャーの能力でフィギュアサイズに圧縮冷凍されて身動きを封じられてしまい、そこにセンタイリング ドンブラザーズの能力「ドッカン大噴火」を受けて敗北。

劇中で初めて脱落する姿が明確に描かれたユニバース戦士であり、彼の描写から「善人と言い切れない人物でも願いを持ち、テガソードに認められればユニバース戦士になれる」「敗北しても力を失うだけで死亡するなどのペナルティはない」事が明らかになった。

(劇中でもツッコまれたが)理知的な検事が剣士になる割に、変身できない角乃に平然と襲いかかるなど騎士道精神はあまり見られず、むしろその行動は騎士道精神を学ぶ前の蛮族暴れん坊だった頃のリュウソウレッド/コウに近いと言えなくもない。
劇中では名前と願いは語られず、公式サイトで明らかになっている。

撃破されたことでリングは熱海常夏に渡ったが、その後角乃に貸し与えられた。
その後は返却する前に常夏がリング争奪戦から脱落したため、返却することなく引き続き角乃が使用している。

  • 往歳巡(おうさいめぐる)/ティラノレンジャー
ええか? 戦隊ってのはな、オムライスなんや!

願い:真の戦隊の復活をこの目で見ること
固有能力:復元(リゲイン)
演:上田堪大

第6話ラストで顔見せし、第7話から本格的に登場。

大学で『戦隊考古学』を教えているという大学教授。
関西弁で話し、自らを「戦隊考古学者」と名乗る。
ティラノレンジャーの固有能力として「復元(リゲイン)」を持ち、ユニバース大戦で破損したジュウレンジャーの専用ロボ・大獣神を復元して所持している。
詳細は当該項目を参照。


  • 川島/バルイーグル
演:キャッチャー中澤
スーツアクター:竹内康博

  • 岩下/ジュウオウイーグル
演・スーツアクター:橋渡竜馬

願い:陸王への恨みを晴らす
固有能力:不明

百夜陸王被害者の会だ!

第11話でダンスの自主練中だった陸王を襲撃した、「百夜陸王被害者の会」を名乗る男性2人組。

嵐山長官を思わせるグラサンを掛けた肥満体で強面の男性が川島、バドを思わせる銀髪のチャラ男風の男性が岩下。
ちなみに川島はエンゲージする際に体型が変わって普通の体型になる。

名前は劇中で語られず、公式サイト及びスタッフクレジットで判明した。

川島は「彼女のハルカちゃんがリクオニストになり失恋した」、岩下は「婚約者のマキちゃんが結婚資金を陸王のグッズに使い込んでしまった」ことから、その遠因である陸王を一方的に恨んでいる。
……生々しい理由だが、よくよく考えれば結構な逆恨みでは?

陸王に戦いを挑むも、実力は大したことなくレオンバスター50の射撃に敗れ、2人揃って敗北し脱落。立ち去る際に岩下は「一生1人で踊ってろ、この落ちぶれアイドル!」と捨て台詞を残した。

見ての通り、同じイーグルモチーフの戦士であり、後述のガオレッドと合わせると動物モチーフ戦隊繋がりとなる。
ちなみにバルイーグルは原典途中で代替わりして2人いたため、川島はいわば3代目とも言える。

  • 等々力凱亜(とどろきがいあ)/ガオレッド
俺は等々力凱亜。さすらいの野獣遣いだ。

願い:一本角の野獣を見つける
固有能力:一獣一奏(いちじゅういっそう)
演:中村優一

第11話より登場。
時代錯誤のカウボーイのような恰好をした、「さすらいの野獣遣い」かつ「野獣遣いナンバーワン」を名乗る男。
登場する前の回がちょうどそういった恰好のヒーローが登場していた昭和回だった事と関係あるかは不明。
普段は動物保護官として働いている。
自分の名前も含めて、外国人や帰国子女のように名前→苗字の順で読む癖がある。

世界各国の様々な楽器を持ち歩いており、その楽器から奏でる美しい音色で獣や、獣の能力を持つ戦士を自在に操ることができる一獣一奏(いちじゅういっそう)という能力を持つ。

詳細は当該項目を参照。

第2クール(第13~24話)

  • 家守召子(やもりしょうこ)/レッドレーサー
坊ちゃま! 少し目を離した隙にこんな暴れん坊っちゃまに!

願い:竜儀坊ちゃまを暴神家に連れ戻したい
固有能力:一時停止(ストップ)
演:松田リマ

竜儀の実家である暴神家に仕える「スーパー家政婦」。家政婦だからcar safeということでレッドレーサーになったのかは定かではない
本編では初となる女性のユニバース戦士である。
メイド服*3を纏っており、笛を鳴らすことで道路標識型の光の壁を展開し、相手の動きを封じる固有能力の使い手。
実家を飛び出した竜儀を連れ戻すべく、ゴジュウジャーの前に現れた。
神経質で融通の利かない堅物だが、それらは全て「竜儀の身の安全を守りたい」という思いから来るものであり、竜儀自身も実家には戻らないと言いつつも、彼女を嫌っている様子はない。
かつての姿とあまりにかけ離れた竜儀の姿にショックを受けたことや、頑なに自分の説得に応じない竜儀に対して心配と苛立ちを募らせた結果、増幅したセンタイリングの力に呑み込まれて「暴走レッドレーサー」と化した。

変身ポーズには「激走、アクセルチェンジャー!」の両手でハンドルを回すような動きを取り入れている。
戦闘では主にバイブレードを用いた剣術で戦うが、バイブレードを受け止められ引き抜けず、やむを得ずグリップを引っ張ってみたら電撃が発生する視聴者も知らないギミックに自分が驚く等、過去に登場したユニバース戦士に比べると、レッドレーサーのスペックを理解していない部分があり、あまり場慣れしていない事が伺える。

なお、原典にレッドレーサーの暴走形態は登場しないが、仲間が(自転車での)暴走族状態に陥ったことがある他、暴走族モチーフの悪役戦隊は存在している。


その他のユニバース戦士達

  • アカニンジャー
  • ゴセイレッド
  • スペードエース
回想シーンにて登場。いずれもガリュードに敗北して指輪争奪戦から脱落した。
3人とも主武装として銀のテガソードを使用しており、アカニンジャーは加えて身代わりの術を使用していたことが描写されている。


センタイリングのみ登場

アカニンジャー達同様既に指輪争奪戦から脱落していると思われる。

  • ブンレッド(センタイリング ブンブンジャー)
陸王が所持していたが、9話でクオンに奪われる。
『補ジュウ計画 ナンバーワン懺悔室』における陸王曰く「スピンオフ1本作れるほどの激闘」だったらしい。

  • オーレッド(センタイリング オーレンジャー)
竜儀が所持。

  • レッドホーク(センタイリング ジェットマン)
  • タイムレッド(センタイリング タイムレンジャー)
  • ボウケンレッド(センタイリング ボウケンジャー)
常夏が所持。6話にて吠に権利が譲渡された。

  • アバレッド(センタイリング アバレンジャー)
  • キョウリュウレッド(センタイリング キョウリュウジャー)
往歳が所持。7話にて、アバレンジャーは竜儀に、キョウリュウジャーは禽次郎に渡した。

  • デンジレッド(センタイリング デンジマン)
  • ゲキレッド(センタイリング ゲキレンジャー)
クオンが所持。

  • ギンガレッド(センタイリング ギンガマン)
13話でMr.シャイニングナイフが回収していたが、同話で角乃に奪われた。


【余談】

ユニバース戦士が歴代のいわゆる『レジェンド戦隊/センパイジャー』本人ではなく、キャラの癖も戦闘スタイルも原典に比べて大幅に異なる点は松浦Pの意向。
原典設定のまま本人が出てくればたしかに往年のファンは楽しめるが、それでは本作が戦隊初視聴の人や過去作品を観ていない最近のファンが置いてけぼりになって内輪ネタ化してしまう事を危惧し、
あくまでゴジュウジャーの対等なライバル、そして今を生きるキャラクターとして描く目的でスターシステム方式の別人とした経緯がある。
故に製作サイドでも本作以前の過去戦隊は「レジェンド」呼びではなく「ユニバース戦士」呼びを徹底しているとのこと。

なつめと常夏、凱亜、召子など特撮出演経験者が演じていたこともあってか「過去にスーパー戦隊、または他番組にて変身ヒーローの出演経験のある俳優が演じる」と思われたが、実際はその縛りで選んでいるというわけではない。
東映公式によれば『ゴジュウジャー』のスタッフには光の国愛好者が多く、各エピソードの監督がその役者のファンであるからだという。また真面目なこと言うと特撮関係の出演者は横繋がりが強く、オファーしやすいと言う面もある。
なお発言を察するに今後も光の国から登場予定を示唆している
公式youtubeチャンネル「ゴジュウジャーちゃんねる」では、ユニバース戦士がストーリーに絡んでくる際に、ユニバース戦士の紹介的な意味合いでそのユニバース戦士の元ネタとなる作品の本編エピソードのうち、何話かが傑作選的に期間限定で配信され、本編開始前にゴジュウジャーのメンバーが配信される戦隊の簡易的な紹介を行うとともに、その戦隊のレッドとの寸劇(?)を行う。
対応する戦隊のレッドは大人の事情からか一切台詞を発しないが、その挙動から中身はユニバース戦士ではなく元ネタとなる戦隊の変身者本人と思われる。

追記・修正は銀のテガソードに認められてからお願いします。

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最終更新:2025年05月29日 14:44

*1 明言されていないので諸説あるが、『ドンブラザーズ』版の介人が明らかにブラックだったことや『ゼンカイレッド大紹介!』の存在を考えても、色としてはゼンカイホワイトに相当すると解釈される。

*2 第1話ではOPがなかったため本編前に出演者の情報が分からず、メガネを着用していて雰囲気も違っていたため、変身前にメガネを外す段階で驚いた視聴者が多かった。

*3 昨今流行りの「萌え属性」としての要素はなく、装飾も露出もほとんどないクラシカルなもので、スカートではなくロング丈のパンツを着用している。