死者の原野/Field of the Dead(MtG)

登録日:2020/07/04 (土曜日) 20:23:04
更新日:2020/07/15 Wed 09:55:37
所要時間:約 7 分で読めます




《死者の原野/Field of the Dead》とはマジック・ザ・ギャザリング基本セット2020に収録された土地カードである。

死者の原野/Field of the Dead
土地
死者の原野はタップ状態で戦場に出る。
(T):(◇)を加える。

死者の原野か他の土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたが名前の異なる土地を7つ以上コントロールしている場合、黒の2/2のゾンビ(Zombie)・クリーチャー・トークンを1体生成する。

条件こそ重めだが、満たせば土地セットだけでトークンが湧き出てくる特殊土地。タップインとはいえマナ能力もある。
過去のカードで言えば《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》に近く、あちらは3点火力を投げるため即死を取りやすく、こちらは2/2クロックを用意できるのでじっくり殴るのに向いている。

最大の強みは終盤は腐るはずの土地や土地サーチもトークン生成カードとして機能するようになる点。
これにより本来ならあまりに多く積むと事故要因になるはずの土地や土地サーチカードを多めに積んでも安定性がますばかりか自然と地力が付いたデッキが仕上がる。
もちろん土地サーチは対象内なら「死者の原野」も対象にできるので自然とコンセプトも成立するだけでなく複数枚並ぶことになる。
能力が土地枠で完結しており、手を出す手段が限られる土地故に対処が非常に困難な状況下で、土地一枚セットで2/2トークンを3,4体、作り出すことも珍しくない。

それに伸ばした土地からのマナは手つかずなので、《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis》や《不屈の巡礼者、ゴロス/Golos, Tireless Pilgrim》等に注ぎ込むことでさらなるアドバンテージを得られる。

総じて相応の手間こそかかるものの、妨害や事故にも強いことから長期戦になればなるほど強くなるタイプのカードであり、
このカードをメインに据えたデッキは非常に強力なものとなり、環境でも大きな結果を出した。
助けてっ!結果を出しすぎてコントロールちゃんが息をしてないのっっ!!

活躍

スタンダード
《死者の原野》デッキは登場から禁止まで一貫してスタンダードのトップメタに君臨し続けた。
スタンダード環境では神に匹敵、凌駕する《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》を擁する全盛期の食物デッキが二番手に甘んじていたと言えばその凄まじさがわかるだろう*1
ローテーションに伴い【スケープシフト】と【ゴロス・ランプ】という2タイプのデッキが存在する。

【スケープシフト】
風景の変容/Scapeshift (2)(緑)(緑)
ソーサリー
望む数の土地を生け贄に捧げる。あなたのライブラリーから、その数以下の枚数の土地カードを探し、それらをタップ状態で戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。
《風景の変容》による大量土地サーチを利用したコンボデッキ。
モダン(とエクステンデッド)には既に同様のギミックで《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》と山を大量に出して20点以上の火力で即死を取るデッキがあり、そのフィニッシャー枠を《死者の原野》に変えたものが、基本セット2019が落ちるまでの短期間スタンダードでも成立していた。

土地が戦場に8枚あるときに《風景の変容》を唱え、《死者の原野》2枚+名前の異なる土地6枚を戦場に出せば16体のゾンビトークンが生成される。
土地7枚の時に唱えても2/2が7体。ショックランドが環境に存在した関係でこれでもライフを削りきれることもあった。
緑白青のバントカラーが主流で、《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》の[+1]能力で相手の終了ステップに《風景の変容》を唱える動きが強力。
対戦相手はテフェリーの常在型能力により妨害すらできずにゾンビに蹂躙されることになる。
この【バント・スケープシフト】はグランプリデンバー19で優勝者を含むTop8の半数を占めるほどの活躍を見せた。
プレイデザインチーム「計画通り」*2

しかしその後現れた、《隠された手、ケシス/Kethis, the Hidden Hand》をキーカードとした【ケシス・コンボ】には、コンボ成立ターンの問題で大幅不利。
ローテーション直前に行われた日本選手権では【ケシス・コンボ】がワンツーフィニッシュを決める一方で、《死者の原野》を使うデッキはトップ16までに1つも存在しなかった。
こうしてスタンダードプレイヤーたちの間では「そういえばそんなカードもあったね」と忘れ去られるカードで終わるかと思われたのだが…

【ゴロス・ランプ】
不屈の巡礼者、ゴロス/Golos, Tireless Pilgrim (5)
伝説のアーティファクト クリーチャー — スカウト(Scout)
不屈の巡礼者、ゴロスが戦場に出たとき、あなたは「あなたのライブラリーから土地カード1枚を探し、そのカードをタップ状態で戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。」を選んでもよい。
(2)(白)(青)(黒)(赤)(緑):あなたのライブラリーの一番上からカードを3枚追放する。このターン、あなたはそれらをそれらのマナ・コストを支払うことなくプレイしてもよい。
3/5
《風景の変容》のスタン落ちに伴って出現した【スケープシフト】の後継デッキ。
《不屈の巡礼者、ゴロス》による《死者の原野》のサーチを主軸としている。
エルドレインの王権で新たに土地サーチも兼ねた《むかしむかし/Once Upon a Time》等の強力カードも獲得。
やはりバントカラーが主流だが、《創案の火/Fires of Invention》を採用した4色タイプ、除去を多めに搭載した黒緑青のスゥルタイタイプも存在する。

【スケープシフト】ほどの爆発力はないが、そちらを越える安定性と長期戦の強さからミッドレンジ、ランプ、コントロールデッキに対し有利をつけ、トップメタとしての立場は揺るがなかった。
ミシックチャンピオンシップロングビーチ19秋ではゴロス採用型の《死者の原野》デッキが全体の3割ちょっとを占めることに。
当然警戒されメインデッキから強烈にメタられるなどトップ8には1人しか残れなかったが、準優勝する結果を残した。
その1週間後にメタゲームを歪めている要因として《死者の原野》は禁止カードに指定されることとなった。
こうしてある一枚のカードを補佐するために生まれた存在は、失敗作としてスタンダードから追放されるのであった。
プレイデザインチーム「ん?まちがったかな?」


パイオニア
【ゴロス・ランプ】をベースに《不屈の巡礼者、ゴロス》の代わりに《約束の刻/Hour of Promise》を採用したデッキが存在する。
約束の刻/Hour of Promise (4)(緑)(緑)
ソーサリー
あなたのライブラリーから土地カードを最大2枚探し、それらをタップ状態で戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。その後、あなたが砂漠(Desert)を3つ以上コントロールしているなら、黒の2/2のゾンビ(Zombie)・クリーチャー・トークンを2体生成する。
基本は【ゴロス・ランプ】と同じだが【スケープシフト】のギミックを仕込むこともでき、マナの注ぎ先も豊富。スタンダードほどではないが大会でも良い結果を残している。
環境のコントロールデッキを抑圧していることを理由に、パイオニアにおいても《死者の原野》が禁止カードに指定された。


モダン
原始のタイタン/Primeval Titan (4)(緑)(緑)
クリーチャー:巨人(Giant)
トランプル
原始のタイタンが戦場に出るか攻撃するたび、あなたはあなたのライブラリーから最大2枚までの土地カードを探し、それらをタップ状態で戦場に出し、その後、あなたのライブラリーを切り直してもよい。
6/6
《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》に近い性質を持つため、お馴染み土地の巨人こと《原始のタイタン》との相性が良く、
【タイタン・シフト】や【アミュレット・タイタン】、【ヴァラクート】等のデッキの追加の勝ち筋として《死者の原野》が採用されている。

テーロス還魂記で登場した《イリーシア木立のドライアド》と組み合わせ、《原始のタイタン》が出るだけで土地が伸びダメージを飛ばしゾンビが出てくると、《原始のタイタン》+《業火のタイタン》+《墓所のタイタン》の3つのタイタンを合わせたような大惨事に。
挙句の果てには「こいつは《ジャンドのタイタン》だ*3」などと言われることとなった。


ヒストリック
ほぼMTGアリーナ専用フォーマットのヒストリックにおいて、《死者の原野》はスタンダードでの禁止指定にともないサスペンド(暫定的な使用禁止)されるが、《幽霊街/Ghost Quarter》などの対策カードの収録とともに解禁された。
スタンダードほどではないが、高Tierデッキの一角として存在している。



禁止後のスタンダード
2019年10月21日(11月18日の予定から繰り上げ)の禁止改定にて《死者の原野/Field of the Dead》はスタンダードの禁止カードに指定された。
《死者の原野/Field of the Dead》だけが。
これにより一切のダメージを受けなかった環境二番手、《王冠泥棒、オーコ》を擁する食物デッキがトップメタへ駆けあがり、環境を席捲。
オーコの秋が訪れることになるのはまた別の昔話。


あなたが名前の異なる土地を7つ以上コントロールしている場合、黒の2/2の追記・修整・トークンを1体生成する。

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最終更新:2020年07月15日 09:55