登録日:2025/05/26 (月曜日) 23:05:00
更新日:2025/07/09 Wed 01:51:55
所要時間:約 35 分で利益出ちゃう!
とある世界で、錬金術師として生きようとする、ひとりの人間がおりました。
『だんなさま――どうか助けてください』
異世界に転生した青年、
パラケルススがであったのは、
奴隷として売りに出された女性ノラだった。
これは、
あるひとりの錬金術師が、
異世界でがんばるお話。
『ニセモノの錬金術師』は作画:うめ丸 原作:杉浦次郎の漫画作品。
あらすじ
転生者である新人錬金術師のパラケルススは書かれた手順通りに作れば誰でも完璧なものができるチート・スキル「天地万物のレシピ」を活用しながら生活していた。
しかし高額商品の材料を仕入れる資金はなく、目立つことも避けていたのでなかなか儲からず、忙しいばかりの日々。
人を雇うにもスキルの事は隠しておきたかったため、罪悪感を抱きながらも呪術契約によって秘密が漏れない奴隷購入を決め、そこでノラとボロボロのエルフに出会う。
これは錬金術を生業とする転生者が、とある女性と出会い、異世界でがんばる話。
概要
原作は
ロボット人妻は感情がある『
僕の妻は感情がない』の杉浦次郎で、当初のタイトルは「異世界でがんばる話」。
冴えない青年が交通事故死後に神様から特別なスキルを2つ貰い、転生先の異世界でそれを活かすいわゆる
異世界転生モノ。
本作は元々杉浦氏が2020年から2021年末にかけてX(旧Twitter)のアカウント、ニコニコ静画、
pixiv等に投稿していたもの。
全82話+おまけ漫画5話。
「落書き」「ラフ版」と本人が言うように、ざざっと線描きした絵で構成されているものの、ストーリー自体はこの時点で完成されている。
開始時点のタイトル通りに、
トラックにはねられた主人公がチートスキル付きで異世界に転生してがんばっていく……
という導入なのだが、てっきりカワイイ女の子の奴隷と一緒にエルフさんを治療する、クラフト系ほのぼのスローライフが続く……と思いきや、
ジョジョや『HUNTER×HUNTER』、『呪術廻戦』のような能力頭脳バトル漫画へと舵を切る。
- やたらしっかりした錬金術や呪術の理論など設定の練り込み具合
- 一度戦闘シーンに入れば敵も味方も容赦なく手足がもげ、目が潰れ、首がふっ飛ばされる強烈なバイオレンス描写
- 錬金術、呪術、チートスキルを駆使した「場の読み合い」を中心とする思考戦と肉弾戦
といった要素もそれっぽさを加速させている。邪悪に笑ったときの顔の描き込み具合や線の粗さが似ているという意味ではない。
その後も思いもよらぬ展開を異様な速度で更新し続けた結果、寝不足になったとの声もあがっている。
なんなら、初手の時点でカワイイ女の子の奴隷が助けてくれた主人公に惚れていくのではなく、主人公が童貞を奪われてスパダリ系奴隷に助けられて惚れている。
頭のネジが外れた覚悟ガンギマリな登場人物が多いが、出てくる女の子はみんな無茶苦茶強い。
上述の通りネーム同様の状態でありながら、次にくるマンガ大賞2022年のweb漫画部門にて12位にランクイン。同大賞コミックス部門6位の『僕の妻は感情がない』とダブルノミネートとなった。
2023年6月より、うめ丸氏の作画によってComicWalkerにて商業連載が開始された。
商業版は帯の「異世界の全てがある」の触れ込み通りにRenta!マンガ大賞2024異世界要素コンプリート賞を受賞している。
原作者付き異世界物の作品であるためか、「原作」を
なろう系小説作品と勘違いした検索サジェストも見られるが、先述のように原作はWeb漫画。
現在も作者のpixivやニコニコ静画、Kindleの無料配信で最後まで見ることができ、
続編として『第二部 呪術師たち』および『第二部 偉大なる、偉大なる、偉大なる者』、『
第百部 スカイファイア』
第3〜99部は無い、
同一世界の外伝作品『神引きのモナーク』などの短編を現在更新し続けている。
なお前述のpixivはじめWeb投稿版(以下、
原作)では女性キャラの乳首はしっかり描かれているのに対し、全年齢向けリメイクのComicWalker版(以下、
商業版)ではうまい具合に隠されてギリギリ見えないように工夫している。
あと原作だと場面によって様々な男性キャラが
コロコロコミック的作画でチンコがモロ出しになるが、さすがにこっちも同様に影や葉っぱで規制が入って見えない処理がされている。
【注意】現在連載中の商業版について多少はネタバレになる記述があってもご容赦ください。
登場人物
パラケルススたち
主人公。
パラケルススの名前はこの世界に転生し、初めて他人と会った際に咄嗟に名乗ったもの。読者からの愛称は「パラくん」。
異世界とはいえ、勢いで実在する中世ヨーロッパの超大物の名前を借りてしまった点は一種の
黒歴史になっており、恥ずかしさで名乗るのが苦手。原作ではトトリがノラに紹介する形で
ボロクソに言われながら名前が判明するという、主人公にあるまじき様。
ついでに苗字についても判明したのはストーリーの後半。おそらく生前の名字が「サコガシラ」と思われる。
とてつもないお人好しであり、ボロボロの状態だったココを見かねて8万ゼニーで購入。その処置を手伝ったノラに対し発生した利益が2万5000ゼニーだったほど。
ノラの取り分は利益の3%なので元は約83万ゼニーとなる。つまり8万円で引き取った相手を1日毎に10倍の80万円の人件費をかけて処置する篤志家である。
たった一度ノラと関係を持っただけで200万ゼニーの利益(原価ではなく3%である)を発生させる。つまり女性経験のないお前ら
この時点でノラは2回半自由になれるのだが、これほど稼げる仕事はないという彼女の「得」と希望を優先させ、
自身もそれほどの「価値」を感じられる相手といられるのは何よりも幸運だからとノラの忠告は全く聞かず奴隷契約を解除せずに一緒に暮らすことを決める。完全に風俗にはまった男
友人・取引先商人、さらにまともに人権の無い奴隷であっても他人には丁寧かつ大切に接するのに対し、自己評価はとても低い上に命を捨てることを一切顧みず、
また奴隷がいるにも関わらず危険な作業や肉体労働すべてを自分1人でやってしまおう(=周囲の人に何かあったら大変だから)とする卑下具合にノラはかなり心配している。
戦闘による負傷でほとんど見えなくなっていたからといって、成功の保証があるならばとスライムのショゴスを救うために右目を躊躇なく差し出して一体化したほど。
しかし、ノラやダリアといった大切な家族を守るため、そして師匠を越えるためにだんだんと自信を取り戻していく。
スキル自体はまったく戦闘向きでないのに加えて性格も基本的に荒事には向かないが、機転は利く方で戦闘用スキルではない『天地万物のレシピ』を使って水蒸気爆発でゾンビを蹴散らし、
対話不能と見做せば
敵対する相手の生皮も容赦なく剥ぎ取る。
あと
爆弾が好き。いわく、
爆弾が爆発してなにもかもめちゃくちゃにするところを想像するとスカっとして気持ちいいとのこと。
爆弾魔に気をつけろ
ちなみにレシピ召喚するときに気合が必要なので必ず
「むんっ」と言う。
画面内での見た目の都合で原作47話より短い黒髪と引き締まった筋肉を持つデザインに変更。商業版でもこのビジュアルが1話から使われている。
レシピが万能すぎてそれに頼るあまり「何でもできる」と増長していた時期があり、そのときに起きたカワヤ山での辛い経験に加えて、
師匠のサン・ジェルマンから破門された際の出来事がトラウマとなって異様な自己低評価に繋がっている。
上の文で「だんだんと自信を取り戻していく」とは表現したものの低評価する部分は完全に払拭されないまま残り、かなり後になってマズイ事態を引き起こす。
『天地万物のレシピ』
念じると手からレシピ帳が出る。レシピ帳には最大5個までレシピを表示させられ、できあがるとレシピから消える。
できあがらない限り作り方が消えず、またレシピが表示されればされるほど本人の体に負担がかかる仕様。このため「現在の自分が作れる範囲のもの」を表示させなければ詰む。
表示された材料で表示されたとおりに作ると絶対に成功する。それどころか
最高品質SSS級の完璧な品が製作できる。
カレーライスのレシピから不老不死の妙薬まで望んだものならなんでも読み出せるが、欠点として『材料が手に入らない』『使う材料が不明(誰も発見したことがない)』ものは表示されるが作れない。
現在は『不老不死の薬』『
賢者の石』が使用材料不明の影響で表示が出っぱなしになっており、実質3つしかレシピが使用できない状態。
そして無名のペーペー錬金術師がこんな最高水準商品をポンポン作ってしまったら当然周りから怪しまれる上に、
錬金術師協会に睨まれようものなら暗殺される可能性もあるため、製作する物・材料費と売却時の採算・市場の需要供給バランスの観点から慎重に選んでいる。
『セーブメーカー』
念じるとクリスタルが出る。クリスタルを呼び出した場所がいわゆる1回限定の
簡易セーブポイントとなり、それ以降にクリスタルを破壊するとセーブ化された場所・時間に巻き戻ることができる緊急装置。
クリスタルは同時に1つしか生み出せず、2個目を作ると1個目に作ったクリスタルおよびセーブ地点は機能しなくなる。
しかしセーブポイントに引き戻されるたび自分の中の『一番大切な記憶』を喪失する特大級の欠点があり、
レシピ能力が失われる可能性を考慮してこの能力は使っていない。
念のために原作12話(商業版3話)で自宅の居間にセーブを指定し、記憶を失ったときの覚書を大量に用意する予防策を取った。
純度SS級幸運のポーション
幸運ポーションの製造法は材料から幸運の成分を抽出して液体にするものだが、その過程で不運の成分は幸運の成分とくっつぎたがるため、生半可な技能ではどうしても混ざってしまう。
そのため市場に出回ってる物は純度C級かそれ以下、あるいは偽物。純度A級ともなれば存在すら怪しいため、事実上純度B級が最高級品で市場にもまず出回らないとされている。
そんな中で『レシピ』で幸運と不運の成分を「完璧」に分離してできた幸運のポーションはA級を2段飛ばしてSS級に至ってしまう。
幸運の発生率は言うまでもないのだが、具体的な効能の最大の違いとしてA、B級が「遠距離攻撃の命中率低下。ただし直接斬られることには(ほぼ)無力」に対してSS級は「遠距離攻撃は当たらない。直接斬られてもなかなか致命傷にならない」と、接近戦に対しても効果を発揮する上に「攻撃者は1日頭痛になる」と、微力ながら自動的にカウンターまで仕掛けることができる。
また、不幸の接近の察知もできるようになる。
なお、『レシピ』なしでつくるとランク外。具体的にはただの水と同じ。利益も出ない
運気操作性錬金物には『幸運魚』も存在。「水槽に金貨を落として100枚連続で表にする」という、レシピなしでは気が狂いそうな製造工程だが、他の錬金術師は運気アップアイテムを使うらしい。バッタをビックリするような形で使う方法もあるようだ。
パラケルススが作成し、彼の身体と共にあるスライム
人間の老廃物が好きな垢舐めスライム。お風呂に入るよりもキレイにしてくれるので、下水道が未必達の中世風世界では重要な存在。
名前を与えられたことで知能が高く、鍵の解錠なども行える。彼とは長い付き合いで前日譚にも登場。
普段はパラケルススの直腸に住んでいる。アッーーー
敵からの逃亡中ダリアにも使わせている。お尻にも入ろうとしました
裏設定として作品世界のトイレの多くは内部にうんちたべスライムが飼われていて排泄物の処理をしてくれるのだが、パラケルススはセレナの存在から飼っていなかった。ノラが来たことでパラケルスス邸にもこのスライムが導入されたが、おしりを舐めて処理をしたら怒られたという。
鏡の世界でゾンビの軍勢に対抗するために生み出された微生物(分解)スライム。
『レシピ』の力と合わせて腐乱死体のゾンビを凄まじい勢いで堆肥へと変えながら大きく成長していった。
『レシピ』で生み出され、厨二な名前を与えられたことでパラケルススと連携し、自発的に戦略的な行動を取れるほどに高度な知能を持つ。
ドラゴンゾンビの攻撃で身体の大部分を失いながらも、辛うじて残った一部がパラケルススと一体化。失われた視力を強化させ、致してる雌雄のテントウムシや術式などを見破る特殊な目となった。
ヒロイン というかぶっちゃけもう一人の主人公。
パラケルススが購入した奴隷。東方の小国に住む呪術師・ペタン一族の少女。
褐色でソバカス顔の
三白眼。
名前の通り貧乳。
奴隷ではあるが、とてもそうとは思えない肝っ玉の据わり方とふてぶてしさで今を生きるリアリスト。そしてお金儲けが大好き。
舞台となるオリハルコニア国的にはあまり美人判定されないらしい。
また、表に出さないだけで情に厚く優しい性格。パラケルススの性格が女に甘いものと気づけばそれとなく忠告する。
全然聴いてないんですけどね
「奴隷」と言っても自宅で寝床を用意すれば食費だけで半永久的に雇用できる関係ではなく、
1.1日の基本給は、奴隷が働いたことで得た利益の3%。
2.80万ゼニーを支払うことで自由市民の権利を得られる。
という契約が呪術でパラケルススと結ばれている。
この利益による報酬は雇用主の心で決まってウソがつけず、各奴隷が所有する報酬帳に自動記載される。あと奴隷側は利益発生の度に主人の感謝の気持ちでキモチヨクなる
一人称は自分の名前の「ノラ」だが本来は「私」。これは「主人よりバカな振る舞いをした方が気に入られて、早くに解放される」と奴隷商の主人に言われたため。
別の国から奴隷となったのでオリハルコニアの文字は読めず、当初は文字を学ぶことを考えていたが、こちらも「本を読むようなことがあっても、主人に毎回読んでもらうようねだれば喜んで応じてくれるだろうから、たとえ覚えても知らないフリをしろ」と言われている。
が、パラくんが無害の良い人だとわかるとだんだんそれも無くなり素に戻った。
かくしてエッチな服で「どんな本を読んでるんですか」とパラケルススに迫った結果、一晩で200万ゼニーの利益が出ちゃって立場が逆転である。
以来、毎晩利益を出して報酬帳は見たことない額に、パラケルススがノラさんのことを書いたラブレター未来から戻った自分に宛てた手紙はその厚さから封筒がパンパンとなる。
しかし一方的に搾取してるわけではなく、直接好意を口には出さないものの、内面では損得抜きにパラケルススにベタ惚れである。そりゃもうデレデレデレデレデレくらいに。
いわく「だんなさまの自己評価が激低いうちに私のことを世界で一番大好きにさせる!その後で自信を付けさせる!!そうすればだんなさまも『力』も私のモノ…」
自分は既にだんなさまが世界で一番大好きなんですね
その後は完全に尻に敷いて力関係が逆転している。
優れた呪術の才能を持ち、やはり呪術師であったノラの父は魂だけとなった状態で奴隷の身に落とされていた彼女の元にたどり着くと呪術の基礎を伝授。そのたった一度の教育で応用を見せたため父を驚かせたほど。
呪術は恐れる人が多いので、奴隷商の主からも黙っておいた方がノラのためになると言われ、知られることも不安に思っていたが、『秘密』を教えられた事をパラケルススは喜んでいる。ノラのほうが気味悪く思うほどに
筋力自体は年相応なものの、ここに呪力や憑依した父親の力を併用すると腕力や脚力が跳ね上がる。
本来の髪は短いのだが、父親の霊体が髪に居ついているあいだはその影響で長髪になっている。
呪いの基礎は挨拶、約束、もてなし、
性行為等の
縁を結ぶことでなされ、相手が「呪われても仕方がない」という禁忌を覚えることで発揮される
ドンブラ式呪術。そのため呪術師は
アイサツ挨拶を欠かさないらしい。
縁のある者を不幸にすることができる能力であるため、ノラが父から呪術師が最初に行うことと教えを受け使用した呪術は、自らを対象にした「自分の欲望のために呪術を使わない。その時は死ぬ」というもの。
人が人を呪うことをやめられなくても、少しでもよくありたいという願いがこめられたこの呪術をノラは愛している。
かつては弟や妹もいたようだが、現在どのような境遇になっているかは不明。
杉浦氏曰く、故郷や奴隷になった経緯は面白くまとめる構想ができていないので特に過去編を作る気は無いらしい。
『亀のアキレスくん』
パラケルスス家に出向いたアレウスじじいからノラが死闘の末に奪い取ったチートスキル。
アキレスくんがいる空間に外部の者が行こうとしても絶対に辿り着くことができない。元ネタは古代ギリシャの哲学者ゼノンが提唱したパラドクスと、その例え話「アキレスと亀」。
グリーン・グリーン・グラス・オブ・ホームや
五条先生の無下限呪術で被弾距離無限にするアレのようなもん。もしくは
フェニックス一輝がくらった2発目の六道輪廻。
ひっくり返して行動不能にすると無力化される。
日常生活でノラと接する内にパラケルススの中に芽生えた脳内ノラさんを、ノラの力で自律行動できるようにした存在。つまりエアノラさん。
パッチリお目々にサラサラヘアー、フックラしたオッパイからも分かるだろうが、パラケルススも言うように本物ソックリである。
本物ソックリである。
ノラの生霊などではなく、あくまでパラケルススの脳内の存在なのでパラケルススが知っていること以上の情報は持たないが、「ノラが言いそうなこと」を踏まえた会話を脳内ですることで客観的な情報整理ができる。
特殊な力としてパラケルススに対して
- 少しの間見つかりにくくする
- 痛みをやわらげる
- 安楽死させる
ことが可能。
脳内の存在故に死ぬ時も本当に同じ瞬間にいられる事を本物にもできない事だと優越感を抱いている。
エルフの奴隷。
実際の名前はわからず、『ココ』という名前はノラの故郷で「可愛い赤ちゃん」を意味する『ココモチ』から採られたもの。
四肢のみならず眼球、鼓膜、乳房、全ての歯、舌が欠損と、
どっかの少年侍みたいな状況に加えて全身に火傷の跡がある上に再生を阻害する呪いまでもがかけられている。
唯一無事と言えるのは性処理に使わせる事が可能な下半身くらいのものだが、性行為に『悦び』を見出す感情すら呪いで抑制されている。
他にも呪いによって『眠り』はおろか『発狂』にまで制約を受けているが、これらは『恨み』の類ではなく『慈しみ』『愛情』によってかけられている。
100年以上の長きに渡ってこの状態で半ば放置されてきた。
ここまで内側から鎖でがんじがらめにされているが「怒りの感情」は封印されていなかったため、敵の怒りに反応して無意識に攻撃することがある。
ノラの解呪とパラケルススの献身的な治療によって、美少女エルフの姿を取り戻す
……と多くの読者が思ってたのに、何故か髪の毛オバケと化してアレウスを貪り食ったのを皮切りにノラさんの乗り物と化す。エルフとは……?
その後も髪の毛を動かして移動する奇妙な姿が物語中で散見され、気色悪い姿に変貌して駆けつけることもある。
本来の正体と名前はこの世界の始祖エルフ、ヘルメス・トリスメギストス。
神に『与える者』として作られた錬金術の始祖でもある。
同じ始祖エルフのアレウスは髪の毛オバケ呪いで縛られた彼女が何者か分かっていたようで、喰われる間際に彼女の名前を口にしている。
人々を慈しみ愛する心がかつて友との間に解釈違いを起こし、呪いをかけられ生ける屍として奴隷商に売られた。
終盤、美少女エルフの姿となり、錬金術の始祖としてその格の違いを見せつける。
「だから今日もあなたに与えます。苦くてしぶい敗北をね!たっぷりとね。あじわわわせてあげますよ!与えるものですからね!!」(原作原文ママ)
本編終了後に無事五体満足に治ったらしく、後の第百部ではとても元気な力押し第一のパワフルゴリラ姿で登場する。
パラケルススが吸い込まれた鏡の世界で出会った少女。当初は
メカクレだったが、中盤から髪を結うようになった。
ものすごく勉強熱心で、独学で術式の勉強をした結果、他の錬金術師や呪術師では到達できないような高度な術式を次々に生み出す努力の天才。
魔術書や術式についてもパラくんに教えるほど。ただし独学故に基礎と加減を知らない。
戦闘面では体内に埋め込まれた術式を使って戦うことができる
パワータイプのマッスルメイジ。
術式と肉体攻撃の組み合わせかたが上手く、街の道場からスカウトの声がかかるほど。
鏡の世界でパラくんに助けられ行動を共にしたことで好きになり、同時に勇敢かつ頭の良いノラにも尊敬の念を向けている。
親を知らずに育った影響で、この2人は彼女にとって理想のお父さんとお母さんに相当し、終盤からは実際そう呼んでいる。
オリジナルのダリアは数十年前に死亡している。
鏡の世界の魔術実験で生み出された何百体ものダリアのホムンクルス、そのうち1体が彼女。親を知らないどころか「親」は存在しない。
エーテルを素体に生み出されたため厳密には人間ですらない。心の持ちようで肉体の形や強度をいくらでも変更可能。
『大魔法陣』
目の術式を展開して発動する魔法。時期によって「魔法」「魔方」と表記がブレる。
本来の大魔法陣はその名の通りいくつもの魔法陣を星座のようにつなぎ合わせ、大きな別の魔法陣のように扱う大規模魔法だが、彼女は体内で形成することができる。
まず心臓や子宮などの体内臓器に刻まれた他の術式を経由させて四肢に魔力を移動させ、
手に移動させれば筋力が劇的に増強されたパンチが、足に移動させれば目でも追えない瞬発力で高速移動が可能になる、
極大バフ効果付与特化能力。
欠点として、とにかくバフにのみ極振りするので威力の制御が効かない。
全力パンチで惑星がぶっ壊れるし全力キックで地が裂ける。
『キャンディちゃん』
ダリアが創造した人工人格入り魔導書アシスタント。
質問すれば今日の日付や天気予報を教えてくれるし、スケジュール管理もしてくれる。SiriとかGoogleアシスタントの類。
あまりにも未来すぎる発明にパラケルススもノラもドン引きしたのは言うまでもない。
ノラが奴隷に身を落とす前に亡くなった父親。
現在はオオカミのような霊体の姿でノラの使い魔として彼女の髪の毛に宿った、いわば地縛霊的存在。
祖国では最上級の呪術師であり、その実力は舞台の国の1級呪術師を越えるほど。
しかし本作ほぼ唯一きっての常識人枠。
ノラに「父さんもダンナ様とまぐわえばいいのよ」と提案されてはうろたえ、アレウス対策として「父さんが私の身体でまぐわうことができなければ貴方の娘は死ぬことになる」と、
娘の身体で性的奉仕をしろと娘の命を人質に娘から脅迫される羽目になる。
なお、ノラさん本人よりもパパが入ってたほうがエッチでカワイイと専らの評判。
ノラが幽体離脱で肉体を離れることで、代わりに父親が肉体の操作主導権を受け取ることができる。ノラの皮膚など彼女の体組織でできたものに憑依しても同様に操作可能。
(まぁ年頃の女の子を演じるのは厳しいので口調とかがガバガバになるが)
娘のためならどんな相手であっても果敢に受けて立つ良き父親の鑑。
パラケルスス邸に住まう精霊。
現代日本人的価値観であまりにも不用心極まりない主人にいら立ったノラが呪術で呼び出した精霊。
人間と同じくらいの大きさの黒い1つ目スライム。会話するときは頭上に掲げた人間の頭蓋骨のアゴをカチカチさせる。
(本来普通に話すことはできるのだが、ノラに呼ばれたことがめちゃくちゃ嬉しくて少しでも人間っぽい振る舞いを入れたかったため地中の骨を使ってやっている茶目っ気の演出であることが原作で捕捉されている。商業版ではカット)
真っ黒な塊に一つ目という不気味な姿に反して非常に人懐っこく、自分を精霊と呼び崇めてくれたノラに涙ぐんで感謝の意を述べていた。そんなノラの為に事ある毎に力になろうとする様はまるでワンコ。
ノラも精霊の加護に応えるように自分達が日々の食事で食べた内容を構成する材料と同じ物
つまり調理の過程で出た生ゴミを捧げている。
この世界では人間は無意識に「じぶんと似た精霊いる場所をすみかに選ぶ」特性があるらしく、精霊もパラくん同様に情に篤く心配性でお人よし。
終盤において黒幕を倒す一手を打つと同時に、ノラと連携して打倒に貢献する。
第二部以降のシリーズでは、ある意味『もう1人のパラケルスス』となってパラくん本人にはできない重要な役割を代わりに果たべく奔走する。
アーレンビック魔法店
錬金物・魔法雑貨といったアイテムの販売から術式代行までなんでもおまかせの何でも屋さん。
1階は飲食店になっているが、獣人が働いているのと店主が肉を食べるやつをぶん殴りたいと思っているため提供される料理は動物の肉が使用されていない。
料理は肉好きな人も喜ぶメニューも用意されており意外と好評。持ち帰りも可。
錬金術で作成されたポーションに更に魔力を込めることで回復量・速度共に通常よりも強化されている。
奴隷のための勉強会も無料で開かれており、奴隷の互助会として不当な扱いを受けている場合の相談も請け負っている。
パラケルススの取引先でもある。
アーレンビック魔法店を経営する女性。
三つ編みおさげにメガネのドジっ娘お姉さん。でも多分若く見積もってアラサー
占いが大好きで、2級錬金術師・2級魔術師・1級調理師その他多数の資格を有し、呪術についても資格を有してないだけで造詣が深い。資格マニア
1つの事に集中できず、その対象がすぐに別のものに移ってしまうという魔術師や錬金術師として致命的な欠点を抱えるため、どちらでも1級になることはできず、2級魔術師になれた事すら奇跡。
しかしどちらでも1級になれなかった苦しみを、複数の知識を組み合わせることで専門家にも簡単に越えられない「壁」にまで昇華させている。
その最たるものが錬金術と魔法を組み合わせた錬金魔法で、
魔法の原動力である魔力を周囲からかき集めると、それを錬金術における万物の素材である第一質料として扱って2つの性質を付与。第一質料は周囲の影響ですぐに状態変化を起こすため、熟練の魔術師が基礎的な魔法として小さな火球を産み出す時間(4秒ほど)よりも高速で尖った岩や水流を産み出しさらにその水を氷結させられる。そのスピードは誰も追いつけず、止められない。自分にも
「だったらみんなそれ使えばいいじゃん」と思うかもしれないが、「無意識の圧力」と呼ばれる一種の世界のルールでそれは難しくなっている。
このケースで言うと呼び方が異なるだけで第一質料と魔力は同じ存在であり、錬金術師にとっては「第一質料=物質」、魔術師にとっては「魔力=原動力」でアプローチが異なる。
錬金術師には体内から「物質」を炎に変える魔法が非現実的に、魔術師には「原動力」を蒸留器で精製した物質として扱うことが不可能に思える。
これらのことが人々の集合意識で共有された「無意識の圧力」という魔法を生み出し、この圧力下でそれを行おうとしても上手くいかず、錬金術と魔術の研究施設は別々のエリアに分けられている。
一応天才、あるいは努力でこの圧力を突破して両者を使いこなせる人もいるらしい。
やってることだけ見ると「わたしなんかやっちゃいました?」だが、
実際は世界のルールすら打ち破るに至ったのは血が滲む努力あってのことである。
正義感が異様に強く、奴隷のノラを貶める発言をしたグレコフにその場で決闘を申し込んで
途中で気持ちよくなりながらぼろ雑巾にしている。
異世界からやってきた能力者を
授かりし者と呼んで独自に追跡し、人々が守るべき規範の市民法から逸脱した悪事を働いているようならば私的制裁、
場合によっては抹殺しようとも考えている。
しかし10年に渡って調査を続ける中でギフテッド疑惑のある監視対象者全てが確認が取れる前に行方不明・死亡・再起不能になっていることから、能力を奪う者・
収穫者が存在するとみて警戒している。
また、パラケルススが能力者である事も
偽装工作がお粗末なので気づいている。
明らかに違法である私的制裁を下す行為については「正しいことではなく、やりたいことをやっている」とうそぶく一方で、
私刑という法を逸脱した手段を繰り返す自分自身も許すことができないため、他者に鞭打たせる事で自分にも罰を与えている。しかし法の遵守は「目的」ではなく自分の正義感と暴力性を暴走させないための「制限」である。
全ての生命は平等であるべきという考えから奴隷や獣人が人間扱いされていない現行法も尊重はすれど納得はしていない。
あと肉を食べる人はぶん殴りたいこれだけ完全に個人的な感情
元々はとある男に仕える奴隷だった。男を愛していたが、男が死んだあとに偶然彼の持っていた『恋天使の弓矢』の能力が自分のものとなる。
これを得たことで自分の愛の気持ちはすべて転生者の能力で造られた紛い物と知り激昂。
アグノシアから心と力の制御方法を学び、打倒アレウスじじい及び能力を私利私欲のために悪用する者達を殲滅する復讐鬼となった。
『恋天使の弓矢』
奴隷時代に元主人から奪ったチートスキル。
鏃がハートの形をした矢を相手に射ることで強制的に相手を自分に惚れさせてしまう、
洗脳系スキル。
能力者本人が死ぬか能力が譲渡されるまで洗脳は継続するので非常に強力。
弓は無限に出せるが、洗脳可能人数は最大3人まで。4人目に当てると1人目の洗脳が解除される。
『導く者の十字星』
道を歩いていたじじい(notアレウス)に『恋天使の弓矢』を射って奪い取ったチートスキル。
どんな占いでも必ず当たる。良い傾向が出ても悪い傾向が出てもその通りになる強制力がある。
占い自体は必ず当たるのだが、どこでどんな吉事・凶事が発生するのかまではわからない。
つまり悪いことが起きるとしたら、例えばタロット占いならばそのカードの絵柄から「どこでどの規模の悪い事態が発生するのか」を予測して自発的に動かなければならない。
『破壊の手』
1つの物事に集中できないノルンの意志が『怒り』の心で満たされ、その思考がまとまった時にのみ到達する宇宙(錬金術の根源)。そのため能動的な発現はできない。怒りはノルンの錬金術師としての根源でありながら、その激しさから1級錬金術師になることを阻んでいる原因でもあり、発動条件を満たせば苛立が隠せなくなる。
その名の通り他者を魂までも含めて破壊し尽くす能力で、一度発動すれば、『怒り』をぶつける発動原因の相手を滅ぼすまで止まらない。
発動中は膨らみ続ける宇宙(=怒り)を抑えるのに手一杯で歩くことすらできなくなり、抑えきれなくなれば半径1000m内の全てを破壊し尽くす。善良な市民すら巻き添えにしかねないが、これは普段の「悪人を許せない」怒りに
「悪人を私の前に連れてこれない無能な善人も許せない」が追加されているため。
これは当然彼女が誰よりも忌み嫌う『チートスキルを自分のために使って罪の無い人を虐げる悪人』に該当する行為であり、
正気に戻った際には己の所業を理解して泣き叫び錯乱してしまう。
獣人
アーレンビック魔法店の従業員でノルンの仲間。
獣人の出自はかつて錬金術師が好奇心のままに造りあげた存在であり、「獣人種」が元から存在する訳ではなく、神が創った存在(元からこの世界にいた存在)ではない為か蔑まれている。
ノルンは彼らも社会的に「人間」として認められてほしいと願っている。
共通して奴隷の紋章を持つ。
ウサギ。非常に優れた聴覚、足の速さおよび脚力を持つ。しゃっす!
アーレンビック魔法商店に商品を卸す際の窓口業務も担当しており、パラケルススの元に赴いて直接の取引も彼が行う。あっす!
彼とはかなり気安い間柄であり、パラケルススが作成した来客を伝える照応のベルの音にかなり口汚くダメ出しを行っている。
獣人も奴隷も分け隔てなく接してくれる主人を尊敬している反面、過剰なほどの正義感にはさすがに怯えている模様。
また命の危機に直面すればするほど身体スペックが上昇し、神の攻撃ですら一切命中しなくなるほど高速で動けるようになる。
牛。調理を担当し、非常に鋭敏な味覚を有する。
舐めたことないだろうにパラくんの味も分かる
また治療のエキスパートでもある。
作画が付いたことで妙に色っぽくなったと評判。
鳥。パラケルススのレシピによって作られた魔法爆弾の「完璧な」断面や、人間業とは思えない高純度な素子の違和感に気づくという高い知識を持つ。
猛禽類の見た目通りに肉食。流石にノルンも生物としての食性に口を出しはしないようだが、悲しい顔をするので隠れて食べている。
犬。外見はほとんど普通の小さな犬でしゃべる事はできないようだが、直立することができ、前足は人間の手と同じ五本指で文字を書くこともできる。
ホシバナモグラ
チュチューン!。こちらも外見は直立した小柄なモグラといった感じだが、明るいところが苦手なのか日中はローブを目深に被り顔を隠している。
触手状の鼻先を伸ばすことで対象の匂いを嗅ぎ取る鋭敏な嗅覚を持つ。
人。ハゲの武闘家。アーレンビック魔法商店の常連客。
来店中のノラ=奴隷を蔑む発言をしたことからノルンに悪人判定を下され、決闘を申し込まれたが敗北。
徹底的にボッコボコにされ降参したのに、ノルンの自分にも止められない錬金魔法でギリギリ致命傷生きてるレベルの負傷を受けるも治療を受け、『恋天使の弓矢』を用いて強制的に洗脳・隷属。殺人未遂の罪と同じ3年間の奴隷化の契約を結んだ。
なお、ボコボコにしすぎたので当初の目的の「ノラに謝らせる」事はできなかった。
錬金術師
錬金術協会の最高位・達人の称号を持つ唯一にして世界初の女性。
おっぱいの大きくて美人なアラアラ系お姉さん。かつては始祖錬金術師オールダーの元で技術を培ったとされる。
誰もが認める美貌、でかいおっぱい、人当たりも良好でまさに神が二物も三物もプレゼントしたかのごとき傑物。
チートスキルと地球の常識の影響で錬金術師としてステップアップできないパラケルススに力を貸し、いずれ達人にしようと協力を惜しまない。
同様にノルンにも錬金術師の心得を始め、彼女の精神的な支えになってあげている。
「あら、おっぱいがお好きです?」大好きです
奴隷屋で見かけたココを不憫に思い、手助けができないかとパラケルススの元に訪れ、ココの為にと「真理の目」という錬金物をさずける。
『この世のあらゆるものを少しずつ良いものに変える』という錬金術の基礎を自身の信条とし、もう1つはパラケルススが完成させるべきだと2つあった内の1つを持ち帰る。
錬金術協会の最高位にいながら、辛うじて独り立ちできてると言えるようなパラケルススの成長を見守る心優しい女性
……のように見えるが、本気で助けたいなら資金面からしてもすぐにココを買い取れるのにそうはせず、
ノラが呪いに触れた直後に現れた点から彼女こそがココに呪いをかけた張本人ではないかとパラケルススとノラの2人から初手で怪しまれ、実際2つあった真理の目の内持ち帰った片方を自らの眼窩にはめ、照応効果による監視を試みている。
なお、ココは100年以上呪いに苛まれているので、その呪いをかけた張本人の年齢も自ずと……
悪人に傷つけられる人、貧困や飢えに苦しむ人、その他世界にあふれる一切の苦しみを全て自分の能力で消し去り、世界をより善いものに変える事を自分の「使命」と考え、そのためには一切の手段を選ばない狂人。
目的は崇高なもので、否定されるようなものではないはずなのにその言動の端々…というか「愛情」を伴ってココを呪ったことからも明確に狂気を感じさせる。目的が達成できない事に絶望はしても諦めたことは1度もない。
パラくんやノルンに協力を惜しまないのも、パラくんは彼の持つ『宇宙』(錬金術そのもの)が自分の理想を成就させるために必要だから。
ノルンは愚かで醜いのに正義感を振りかざして生きる姿が愛おしいから。全部自分本意でしかない。
『実りの手』
達人はその手の中に宇宙を拡げる。その手ひとつで万物の理を捻じ曲げ、石を黄金に、食材を料理に一瞬で変えられる。
すごいですけど、こんな所で火を使わないでもらえますか
もちろん、
骨と内臓が丸ごと吹き飛んだ人間に
手をかざして一瞬で元に戻してしまうことすら造作もない。
そこにある物を今よりもランクアップした物に『変成』させられるが、ランク最上位にあるものをさらに『変成』させることはできない。
パラケルススの師匠の錬金術師。
不老不死の秘薬「生命の水」を錬金できたと噂され、200年近く生きている。通称
『不滅のサン・ジェルマン』。
技術は見て盗めと言う考えで、レシピだけ教えてもらって再現するならちょっと
賢い犬にもできるのだから、大切なのは真理を追求することだと説いた。
そこには近道などなく、地道で目立たない基礎の繰り返し。修練の積み重ねこそが万物に秘められた真理へ近づく一歩と言えるのである。
だからワシのために毎日雑用をこなしなさい。
は?もう少し知識を教えてくれないと錬金術試験に合格できない?
しらんよそんなの。
雑用してればいいじゃん…
一生やってればいいじゃん…
ブチギレ不可避である。
しかし安易に答えを求めるのではなく、地道な行いで真理を追求すべきという考えは確かだったようで、スキルというチートによって、本来は能力に見合っていない試験を合格したパラケルススを真理の追究者であるはずの錬金術師とは認めず破門。
この事はパラケルススの心にも深い影を落とすこととなる。
その後に勘違い(厳密に言えばちょっと違うのだが)でオンネンに依頼しパラケルススの記憶を消そうとする、修行と称してその過程で発生する稀有な物品で荒稼ぎしてたなど、全体を通して見ても師匠ポジとしてカスな行動が多い。
長年の研究の末に不老不死の妙薬『生命の水』の製法を晩年発見した。
『生命の水』の製法を発見したまでは良かったが、そのまま後世に残さず死ぬことを選んだサン・ジェルマンに対して彼の中の『宇宙』が意思を持って叛逆。
彼の肉体を乗っ取って顕現し、「不滅」と名乗ってパラケルススと対峙する。
不滅
サン・ジェルマンの宇宙が彼の意志を無視して暴走し災厄化した姿。
宇宙の発現欲求であった「生命の水」の研究は他者への関心を持たず、自分だけが最盛期であればそれでいいという考えの下で行っていたため、若い頃の姿を取り戻し、どのような物理損傷を与えてもそれを継続させる事ができない。
サン・ジェルマンがかつて愛した女性とその子孫であるサンサを同一視し、果たせなかった性的欲求を彼女で満たそうと行動する。なので常に勃起してる。
〝最初の一発〟はサンサで行おうと決めているため、彼女を探してる間は人的被害は出ていないが……。
サン・ジェルマンとしての人格は既に残されていないため実質別人なのだが、「宇宙」は錬金術師でも一級以上になって初めて教えられる特殊な摂理であり、錬金術師のみならず他の分野の術師でも中途半端に知れば能力の使用に支障をきたしかねないため、限られた関係者以外にはサン・ジェルマン本人が災厄をもたらすようになったと伝わっている。
この世で一番最初に錬金術の概念を生み出し、世に広めた2人のうちの1人。
とてつもなく長い時間を生きているが未だ健在。クリーチャーじみた見た目をしているが一応女性。
普段は穏やかな人格者で非常に物静かだが、気に入らないことが起こるとブチ切れて暴走し周囲に甚大な被害を出す。丁寧に対話して落ち着かせてあげるとちゃんと言うことを聞いてくれる。
要するにめちゃくちゃ強い認知症の老人。
ある人物の「お母さん」とも呼べる存在。
また、直接的に示されたわけではないが、第百部の "とある人物" が人類誕生以前の過去に飛んだのが彼女の正体だとおぼしき描かれ方をしている。
『賢者の手』
己の手の宇宙の力を行使し、対象の
第一質料を自在に変化させられる。破壊と再生を司る作中最強の能力。
この世の物質はすべて
第一質料で構成されているため、砂粒から人間にいたるまで一瞬で破壊できるし、自分好みに再構成も可能。簡単に言うと
Dr.マンハッタンと同じやつ。
まず絶対に勝てない能力なので戦うこと自体が無謀無意味。
「殺せる方法があるなら伺いたい」とまで言われている。
達人の称号を持つ術師。
手の中の『宇宙』を抑え込んで完全制御する手袋なんてとんでもない発明もさらっとこなすナイスミドル。
本人は武器の開発が本領らしく、災厄化した錬金術師を殺すための武器も作ってみたいと自身の師匠が災厄化して被害を振りまいたパラくんに向けて嬉々として言ったりするので、
やっぱり頭のネジの吹っ飛び具合も実に達人。
そもそも『宇宙』を抑え込む手袋も、暴走した術師の弱点を知りながら相対したら戦いがつまらないから作ったなんて言うくらいなので……。
バルカン砲などの名称で有名になった「バルカン」とは本来、ローマ神話の火の神ウルカヌスを指す。
ウルカヌスはギリシャ神話の鍛冶神
ヘパイストスと同一存在とされる。つまり彼の正体は――。
鏡の世界の住人たち
ドクロの仮面を着けた鏡の世界を作る能力者。多分名前からしてパラケルススと同じくらいの厨二病
パラケルススの持つ『天地万物のレシピ』を手に入れるために噴水の水鏡を通して鏡の世界へと引きずりこむ。
数か月前からパラケルススが何も考えず『レシピ』を出してアホ面で素材一覧を見ながら市場で買い物をするのを観察していた。
使い方どころか能力名までバレてる迂闊者……
目的はハーレムを作ることとして多くの女性を鏡面世界にさらっている。
死体を操り、ゾンビにパラケルススを襲わせているが、これは倫理観や常識による「無意識の圧力」で阻まれて実行のできない「禁呪」と呼ばれる屍術であるため、チートスキルによるものと思われるが……?
原作では名乗りを上げた際、心の中で「ダサッ」とツッコまれて続編でも擦られているが、商業版で普通にカッコよくなったので単行本では修正されている。
ダークナイトにさらわれたという女性たちのリーダー格の魔術師。
パラケルススを魔術で救い、クロスグリ大聖堂に匿う。
ダークナイトの屍術がスキルであるなら本の形で持っているはずがそれがなかったため、同じ場所にいてずっと本を持っていたことからダークナイトの正体であるとパラケルススに疑われる。
しかしその本は魔力を流すことで術の詠唱の肩代わりや威力のブーストをしてくれる「魔術補助書 火の巻」。
実は貧乏な家の出で、魔法は独学で身につけたことから見習い魔術師の資格もなく、基本的なファイアボールといくつかの術式しか使えない彼女は、この本に魔力を流すことで魔法を行っていた。
この本は鏡の世界で入手したが、本来は家一軒が建つほどの値段。
剣と盾で武装したポニーテールの女性。
苛烈な性格で、自分たちに窮地を救われておきながら「仲間にしてくれたら助けてあげられる」と口にしたパラケルススをボコボコにする。
しかしショゴスを伴い単身でゾンビの群れに立ち向かう姿を見て加勢。ダークナイトに抑え込まれているのを救助する。
元はただの町娘という割には強すぎる上に、戦いや殺し合いを楽しむダークナイトにも「気が合う」と受け答えているが……
ゴールディ曰く「私を護ってくれる騎士様」
「クッ殺」というか「ブッ殺」な女騎士
ダークナイトにさらわれた女性たちの内、主な戦闘要員。
実はゴールディとダークナイトはグル。
屍術師なのはゴールディ自身であり、ゾンビを使役してたのは彼女。ダークナイトは仮面に取り憑いた死霊がゾンビに張り付くことで別行動を取っていた。
他の5人は「頭に思い浮かべた記憶の中の生物のコピーを種から産み出す」スキル『オモイデ草の種』で作られたコピーで、オリジナルはゴールディと冒険者のパーティーを組んでいた仲間。
過去に冒険を続ける中で屍術師としての自らの才能に気づいた彼女は、パーティーから隠れて能力を成長させる事を決める。
オークの集落を襲撃して住民を皆殺しにすると屍術師の能力を成長させる拠点とするが、近隣にそれを阻む『無意識の圧力』の発生源となる人間の住む村があることに気づき全滅させる。生き残りがいたことで賞金首になってしまうが、今度は自分を狙う冒険者を返り討ちにし、その怨念すら成長の糧にし続ける。能力の成長に喜んでいたある日、死体の山の中にシルビア達がいる事に気がつくも仲間の魂は既にグチャグチャに混ざり合い、唯一抽出できたシルビアの魂が現在のダークナイトである。
『オモイデ草の種』から産み出した仲間はまだ「完璧」ではないと考え、『鏡の世界通行券』で作り上げた鏡面世界で何組もの5人のコピーを産み出し、別々のコピーの彼女たちが存在するいくつものコミュニティを形成。それらをゾンビの軍団に襲わせ「強い完璧なみんな」の「再現」を目論んでいた。
そこで目をつけたのが「完璧なものを作り上げる」事ができる『天地万物のレシピ』である。
また、鏡の世界で当たり前のようにゾンビの大群がひしめいていたのは、コピー達がそのゾンビの動く様を見て「ここではゾンビがうごめく世界」という常識が共有されたことで、制限を課す「無意識の圧力」とは反対に、その力を引き上げるいわば「無意識の張力」が働いたため。
なお、選択したチートスキルとこの世界で目覚めた屍術師の才能が噛み合いすぎて
1.『オモイデ草の種』に魔力を注いで10人のコピーを産む
2.ソウルドレインでコピーから生命を奪って注いだ時より多くの魔力を回収する
3.コピーの死体をゾンビとして操る
4.1に戻る
という、雑にも程がある無限マナ+ゾンビのループコンボを決めてくる。
本物のシルビアはゴールディがこの世界に来て最初の友人。ダークナイトの正体を知った後にパラケルススへの紹介を読み返すと切ないものがある。
彼女はシルビア。私を護ってくれる騎士さまよ
転生者
大切な人が死んだことにうろたえている際に運悪くトラックに轢かれ、この世界に転生。
死ぬ前の経験からアレウスじじいに貰った転生者能力も比較的「大切な人と一緒にいる」点に特化している。
魔力量を多量に保持していたにも関わらず魔術の使い方がヘタで、紙に書いた術式を中継して魔術を発動するまどろっこしい方法でしか発動できない欠点があった。
生前、大切な人と死に別れたことが少しずつ、だが確実に心に変調を与えていた。
異世界に来ても魔術はいつまでも上手くいかなかったが、なぜか死体を
ゾンビ化させる違法禁術――屍術を行使する才能は持ち合わせていた。
「大切な人達が不死になればもう悲しむことはない」 そう考えた彼女は、身近の大切な存在 "以外" を虫ケラのように何十人何百人と殺してまわり、腕を磨いた。
その後は鏡の世界に姿を隠し、不死の術の完成に必要なパラケルススのレシピを付け狙う。
実はコピーであったゴールディのオリジナル。
コピーを介して行動していたのは、罪の重さには耐え難いが、自分を法で裁く方法はない。命で償うことはしたくないので、自分のコピーを苦しめ、その様を見て許されたかったという、極めて自分勝手なもの。
その為ダークナイト(=オリジナルのシルビア)からも「俺の相棒はゴールディだけ」と見限られている。
パラケルススとの対決の後に逃亡を図ろうとしたところ、占い能力で先回りしていたノルンから攻撃され敗北。
さらに彼女から39回にも及ぶ石打の拷問を受けた末に『オモイデ草の種の能力使用禁止』『屍術を他人のために使う』『パラくんが困っていたら手を貸す』という条件で解放された。
ちなみに、あまりに頭のイったノルンと出会ったことで自分のために能力を使うこんな女と同じ存在でいたくないと自覚したのが改心理由。
ツユリ「あなたの言ってることめちゃくちゃよ!」
ノルン「めちゃくちゃですけど?」(真顔)
パラくんにすら「あなたほどひどい人間はそういない」と嫌われている、作者公認のクズ。
後の第二部や第百部においては、この『屍術を他人のために使う』『パラくんが困っていたら手を貸す』が遺憾なく発揮されており、縁の下の力持ちとして人知れず活躍する。
第百部ではハッチャケてるけど
『鏡の世界通行券』
能力者がこの能力を初めて使用した時、その力につきひとつ新しい
鏡合わせの世界が生まれる。
この鏡の世界は使用したタイミングの時間が固定されるので、例えば元の世界が50年経過しても鏡の世界の建物等は50年前の見た目そのままになる。
その後に念じると10枚綴りの紙が出てきて、これを鏡に差し入れると、チケット1枚につき1人が鏡合わせの世界に入り込むことができるようになる。
鏡の世界に入ると、その場所から鏡合わせになった場所の最も近い鏡が出入口に変わる。
本編中では噴水を介して引きずり込む、沼の水面から元の世界に出るシーンもあるので、厳密には
鏡のように映る場所すべてが出入口の対象になるのかもしれない。
彼女もしくは彼女から通行券を受け取ったものしか入れず、彼女とその周辺人物だけが平和にいられる理想郷。
『オモイデ草の種』
念じると手に10個の草の種が出てくる。
自分が今まで見たことのある生き物を思い浮かべながら種を蒔くと、その生き物のホムンクルス(コピー)が生まれる。
ただし、1回につき生成できる生き物は1種類に限定されており、例えば記憶にある人物を想像しながら10粒蒔くとその人物が10体分生まれてくる。
屍術
文字通り死んだ生物を復活させ使役できる能力。ゾンビ技。
『生き物だったもの』に仮初の魂を与えて忠実で死なない無敵の兵士を作れる。
ただし、肉体がある程度残っている者にしか通用しないらしく、白骨化や火葬され灰にまでなっているとさすがに復活させられない。
ソウルドレイン
生き物の魂を強制吸収し、力にする。
魂を吸われた相手は死ぬ。魂を吸収した分だけツユリの能力は強化される。
作中ではホムンクルス相手にのみ使っているので、生きた人間から吸収できるかは不明(できるならパラくんと相対したときに使って一発終了だし、それをしない以上できないのかもしれない。また、パラくんと同行していたダリアさんが無事だったのは生きる意志が強かったため)
これがまたチートスキルとの相性が最高で、『オモイデ草の種』でホムンクルス生成→ソウルドレインを繰り返せば(時間はかかるが)無限に強くなれる。ダークナイト曰く、ゾンビが無限に湧くのは副次効果でしかないとのこと。
他の転生者の能力を改変できる力を持つ青年。
誰が転生者でどんな能力を持っているのかが彼には筒抜けで、パラケルススの能力も一瞬でバレた。
態度がデカいわりに小心者で焦りやすい・イキって相手の能力を見誤る・煽られ耐性0とかませの見本市のようなキャラ。
そもそもパラケルススの持つ能力をどんな料理の作り方も書いてある万能レシピだと勘違いしたアホの極み。異世界料理無双でもしたかったのか?
天地万物のレシピ 念ずる事でレシピがでてくる鉄板がでてくる。 「いでよ完全なる調理法よ」と唱えることでレシピがでてくる。 |
「錬金術師…なんでもできる能力…!料理作る能力じゃなかったのか…!」
調子に乗った生意気なアホではあるが、根は相手思いの良い人。
最初こそチートスキルが原因で対立したものの、なんやかんやあって最終的には友人になった。
『鏡写しのワイルドカード』
念じると片面が白紙のカードが召喚され、相手能力者に向けると能力を奪える。
複数の能力を持っている場合は神の転生者用「わくわくチートスキルカタログ」の若い順から奪取可能。奪える有効射程範囲は200メートル。
奪取した能力のカードを破くと能力が発動されるが、欠点として発動のたびにアレウスじじいの説明が入る(ウェスリーが相手能力を奪い取ったとなるため)ので、彼視点だととてつもなく話のテンポが悪くなることだろう。
『スキルリメイカー』
念じると手からノートとペンを召喚。
ノートには自分がコピーし所持している能力が表示され、これをペンを書き換えると能力内容が変更される。
ただし、元々の能力よりさらに上位互換の性能に組み替えることは不可能。ついでに書き換えてもアレウスじじいが気まぐれ裁定で
判定を通したり通さなかったりするギャンブル仕様。
ウェスリーに能力を奪われ、かつ未使用の状態で彼が死ぬ or 記憶が消されるようなことがあればその転生者能力は永久に失われてしまう。
さすがのパラくんも自分が適当に名乗った偽名の元ネタが異世界に来ているとは夢にも思うまい。
まさかの転生した元祖パラケルスス本人様。パラくんの名前を見た瞬間に「自分の名前を拝借している」ことに気づき盛大に噴き出していた。
元祖パラケルススは史実での死因に病死、暗殺、ケンカの末に撲殺なお複数の説があり定かではないものの、本作では毒殺説が採用されている。
史実で本人が提唱していたのと同様に万物に『アルカナ』が内在し、それを明らかにすることで新しい発見や人類の進歩に繋がると考え研究を続けている。
転生者は死んだときの肉体および見た目のまま異世界に移動させられるのだが、
なぜか彼の場合は15世紀当時と現在はまったく違う見た目。当時のアレウスじじいの気まぐれだろうか?
なお、15世紀の人間だろうと転生方法はトラックである。
見たこともない恐ろしい乗り物で轢き殺されたため、悪夢を見て悲鳴をあげるほどにトラウマになっている。
呪術師
最序盤から登場するハゲた1級呪術師。サン・ジェルマンとも顔見知り。
呪術の才能があるものは身分や出自に関係無く取り立てて育てる実力主義の男。
サン・ジェルマンからパラケルススの触れた「禁忌」の記憶を呪いで抹消する依頼をされ、ネムネムと共に実行に移してうっかり呪い殺すが呪術戦の末に返り討ちに。
対決後は正式にパラケルススに謝罪し和解。彼に協力することとなり、終盤のサン・ジェルマン邸探索ではその力量を如何無く発揮してくれた。
ノラの父・ウルには同じ呪術師として実力を認め、一種の友情のような感覚で接している。
実力確かなおじさんなのだが、自分に向けられた呪いへの防御方法は「自分がかわいいお人形だと思いこむこと」である。……人形は余計なことを考えないから「禁忌」にも触れないという意味で、ちゃんと合理的なのである。「かわいい」はいるのか?
私はかわいいお人形
だから心はない
何も考えない
呪いは効かない
オンネンの弟子。オッパイの大きい元娼婦。恐らく本作唯一の普通の女性
この世界でも体を売る商売はいやしいものとされており、それにも関わらず才能を見抜いて弟子に取り立ててくれたオンネンに心から感謝している。オンネンもまた人から恐れられる呪術師の自分に、普通の客と変わりなく接してくれた彼女に心を開いている。
だがオンネンに関わってしまったことでたびたび命の危機に陥り、生活や実利との兼ね合いで相当悩んだ結果、やむなく彼との師弟契約を解除。
娼婦の仕事に復帰しつつ、独立して1級呪術師を目指し再スタートを切った。
本人は搦め手しか能が無いような認識をしているが、ウルは数年で1級呪術師になれるほどの才能があると見抜いている。実際、作中で信じられないくらいのジャイアントキリングも打ち立てている。
何よりも豊満なその肉体はそれだけで男の目を惹き、飢えさせる呪術となる。
娼婦としては最高級で、自宅兼仕事場が馬車も入れない道を抜けた先の辺鄙なところにあるにも関わらず、通いの客も多く隣国から訪ねてくる客もいるのだとか。
武闘家
タチマチ流現師範。
ダリアが鋼杉で作られた道場の門を見様見真似の「流撃」で破壊したのを見て門下生に加えることも考える。
パラケルススに劣らず、かなりのお人好しのようで、鋼杉の門の修繕費300万ゼニーを子どもが悪気なくやったことなら請求しないだろうという点から、同じくお人好しのパラケルススとの間で支払う額は50:50で話がつくだろうとミソカに予測され、実際それで話がついていた。
タチマチ流十二段の女性武闘家。
小柄ながらも「気」の扱いに長け、スパルタ式指導でパラケルススをしごく。
パラケルススを筋がいいとみなしていたが、体内で気を移動させて破壊力を高める「流撃」を見様見真似で放っただけで道場の門を粉砕したダリアの素質に惚れ込むが、ダリア本人が本心では
破壊衝動がある武道をやってみたいのにパラケルススの目を気にして本音を出せないでいるのを見抜いて
(どっか行ってくれないかな)と、心のなかで邪魔者扱いし始める。
不滅討伐チームの一員でもあるが、
話を聞かないでパラ君が余計な事をしたのと不滅に武道の歴史の重みを愚弄された事でブチギレてそばで見ていたパラ君が涙目になるレベルで痛めつけ、骨が折れようとも
全集中の呼吸文字通り
気合でつなげて追走しと、
この漫画の女性なのでやっぱりおっかない人であった。
ダリアの憧れの対象らしく、髪型を真似されるようになる。
ちなみに「気」とは魔術で言う魔力、錬金術で言う第一質料のことである←パラ「みんな好き勝手呼びすぎだろ…」
タチマチ流三段。軽薄そうな青年。
気の流れを見る目に優れ、相手の気を伴った攻撃を受け流すことに長けている。
その目の良さだけで現在の段位に至り、武道家としての努力をしたことは1度もないので防御以外は完全な素人。
その理由は、何の努力もしていない自分に攻撃を容易く受け流され、「こんなはずはない、信じられない」と今までの努力が否定された相手のガッカリした顔が見たいから、というもの。それ以外には価値がないとまで思っているので、「努力をしない」という努力を命がけでしている人。
本気を見たいミソカの口車に乗せられた破壊した門の修繕費を国から出される褒賞金で賄うために道場破りを名乗ったダリアの対戦相手。
ミソカから死んでも努力不足だったフツカの自己責任だからむしろ死んだほうがいい、本気を出して構わないと聞かされたダリアは「本気を出しても壊れない相手」として様々な流撃を試すが、ヒートアップする攻撃に耐えきれずについに降参したため、彼女の心底ガッカリした顔を見ることとなった。
その他の人物
サン・ジェルマン邸で働くメイド。クール。
正体は錬金術協会から、暴走の恐れありと判断された一級錬金術師の監視役を任された自動人形。
雇用主であったサン・ジェルマンに恩義を抱いており、それを冒涜する「不滅」を許すことができない。
師匠とケンカ別れする形となったパラケルススの事も気にかけていたようだ。
2体1対で作られており、虚ろの手を発動して動けなくなれば、照応効果でもう1体にも伝わるようになっていた。
その名の通り何も無い『虚無』の宇宙。
触れた相手の宇宙が自分の宇宙の中に満たされるまで吸収し、その間は相手の動きを封じることができる。
対象は無差別なようで、近づけば同じように動けなくなるからサンサを連れて逃げるようにパラケルススに伝えている。
サン・ジェルマンの邸で働くメイド。
天真爛漫で本作で希少な戦闘能力を持たない普通の女性キャラ。
サン・ジェルマンがかつて愛した女性の子孫で、彼からは孫のように可愛がられている模様。
災厄「不滅」につけ狙われた事から、アグノシアによって絶対に安全な場所に匿われるが、それは読者の嫌な予感予想を遥かに上回る場所であった。
不滅「隠すならもっといい方法があるだろう!」
アグノシア「不滅さんがびっくりするかなと思って」
不滅「お前は気が狂っているのか!?」
トラックにはねられて地球から
物理的にはじき出された地球人にチート能力を2つ授けて転生させる上位存在の老人。
なお、異世界に転生させられる人間の選定方法は不明だが
アレウスの仲間カロンがトラックに乗り込んで轢き殺すことで条件が満たされるのは確定している。
そして轢くときのカロンは非常に楽しそう。
異世界の住人に原初の魔術を授けた始祖エルフでもある。なお「アレウス」という名前はギリシャ神話の戦神
アレスの異表記でもある。
続編では「争いと狂乱の神」と称されている。
魔術は全てを飲みこむ災害・原始のスライムに対抗するために授けられたと伝わっているのだが、授けた本人の意図は人類が魔術で争うのを見たかったため。
実際に戦争で魔術が使われることから死者は増えたものの、一方で人類が想像力や能力の限界のみならず倫理観からも魔術を弱体化させていったのを不満に思っている。
原初の魔術そのままであるチートスキルに残留思念を忍ばせ、それを通して能力者同士の殺し合いや、もしくはこの世界の人間が能力者から力を奪い合う殺伐っぷりを単なるエンターテイメントとして楽しんでいるただの外道。
性格は無邪気で、無邪気故に残酷な子供そのもの。
そのためおだてに弱く、能力者やその関係者に褒めたたえられるとホイホイ地上に顕現して会いに来るほどフットワークが軽い。
基本的にパラケルスス以外の会った人全員から嫌われている。パラくんはおじいさんと呼んでいるけど他の彼を知る人物からはだいたいじじい呼びがデフォルト。自称も「じじい」。
異世界物で転生者にスキルを授ける存在という、設定面ではラスボスクラスのクセに主人公陣営の初戦の相手。
パラケルススですら戦闘系スキルではないと言うのに、対峙したのはチートスキルを持たないノラという無理ゲー……。
チートスキル内で説明してくれる各個体は一種の録画、地上に顕現してくるじじいは分霊のようなもので本体ではなく肉体的には不滅の存在なのでバラバラに殺してもプラナリアのように蘇生し非常に厄介。
アレウスはチートスキルカタログを常備しており、必要に応じてその中からスキルを選択している。
本編では下記3種類のみを使用したが、事実上カタログ内の全スキルを使用可能だと思われる。
『魔封じの針』
針を当てられた対象は24時間魔力を封印される。魔力自体は使えなくなるため、当然魔術や呪術などは一切使用不能。
よほど強制力があるのがじじい本人に命中してもちゃんと効く。
『骨伝導マインドスピーカー』
転生者用チートスキル。
相手の心の声が聞こえる骨伝導イヤホン。
『切り裂きナイフ』
転生者用チートスキル。
ナイフを振るうと幅3メートル程度の大きな衝撃波が飛び、対象を真っ二つに切断する。
僕が何百年も3つしか力を使ってないから
他の力の使い方忘れてんじゃないのって言ってたよね
真っ黒な表紙に「うら」と書かれたもう1つのチートスキルカタログ。
どれも強力な効果を持つ上にじじいしか使えない。あとどれもこれも
クソみてェなネーミングセンス。
そもそも選び放題のカタログ入れた2冊で能力2つと言い張るな
絶対破壊するビーム
対象に向けるだけで粉微塵にしてしまうビーム。右手の指先から照射される。
第百部では名称が「絶対破壊ビーム」に変わっている。
絶対守るバリア
アレウスの許可したもののみ遠し、それ以外を跳ね返すバリア。
ただしアレウスの肉体も許可されたものに該当するので、ちぎれた腕や足をぶん投げればバリアを貫通して本人に命中する。
絶対回復マシン
致命傷も即座に全回復+ダメージ前よりも強化させる回復装置。ゆるキャラのような顔が付いている。
普段はアレウスの頭の中に入っており、彼のピンチに応じて助けてくれる。だから脳が足りてないのね…
自身の魔力が続く限り永遠に回復し、回復ついでに前より強い肉体にも自在に変えることが可能で、本編では斬られた首だけとなったアレウスを天井に頭が届くほどの大男へと変貌させたのみならず、サイズ調整として縮小までさせた。
この世で一番最初に錬金術の概念を生み出し、世に広めた2人のうちの1人。錬金術の神。ヘルメス金貨にはヒゲの老人として描かれているが本当は女性。
人間だったオールダーに対して彼女はエルフ。
強さ弱さなんてそんなの関係ない、人間全部を慈愛の心で包んで愛そう! みんなハッピー! という博愛主義を持っていたが、
それがオールダーとの間に壮絶な解釈違いを生み出してしまうことに……。
アグノシアがあまりにもインパクトありすぎる狂人なので印象が霞みがちだが、ヘルメス本人も別ベクトルで脳筋かついろんな意味で狂人。
まぁこの漫画は狂人女性しかおらんので……。
彼女がどうして人間に甘々なのかというと、始祖エルフは人間に『与える』役割をもった全肯定の存在として生まれたと杉浦氏がマシュマロの質問で解説している。これは裏設定で本編では説明されていない。
元ネタは錬金術の祖とされるギリシャ神話の
ヘルメスと
エジプト神話のトト神を習合させて生まれた架空の賢人、ヘルメス・トリスメギストス。
アレウスじじいの孫。何を司る神かは不明。
神の言葉が届き切らない場所に掟を届ける、という役割を担っている。
その役割通り、絶対に耳に入ってしまう『声』と、言ったことが現実になる『本』の力という厄介な能力を使いこなす。
元ネタは豊穣を司るギリシャ神話の女神
デメテル。デメテル・テスモポロスとは別名で「掟をもたらす者」という意味を持つ。
『声』
その声を聞くと誰しもが耳を傾けるようになり、
言葉の持つ真の力を理解してしまう。
簡単に言うなら「自分が喋った内容がそのまま現実に反映される」力で、
玉音や
呪言と同義。
同じく所持能力の『本』との組み合わせでとてつもない凶悪性能に仕上がる。
『本』
今まで神が語ったとされる言葉をまとめた本。
これだけではどこにでもある普通の聖書や福音書の類だが、『声』と同時に使用することで一変。
本文にある「神はこう言った~」の部分を引用し、言った文章の内容を現実に変えてしまう。
例えば物事が困難であるといったニュアンスの「骨が折れますね」をデメテルが言うと、本当に相手の骨が折れる。
お前の匙加減ひとつじゃねえか!
この2種類の能力だけ見ると事実上最強にも思えるが、実は最強ゆえに欠点が存在。
それはデメテル自身にも耳があるし自分の声が聞こえているということ。相手が同じく神の語った言葉をデメテルに言い放つとクリティカルに効いてしまう。
作品舞台となる異世界の創造主。固有の名はあるようだが人間に知覚できる発音ではないらしく、実際に聴いたパラケルススには認識できず、100部で人々の前に姿を現した時にこのように名乗った。
球体から先端に顔のついた触手のような首を伸ばしているため、読者からはエーテル団子とかチンアナゴ呼ばわりされている。
正体は錬金術の概念が科学の発達で否定されたことで地球から弾き出されたエーテルと第一質料のうねり。
帰ることの叶わぬ地球への郷愁から異世界を作り出したが、地球から追い出された自分では地球に近づけることは難しいという考えから、自分同様地球から(トラックで物理的に)弾き出された地球人を転生させ、その後異世界で第二の人生を終えた転生者を自分の元に呼び寄せて改善点などを聞いている。
しかし地球に近づける事を目指しているならば、排除すべきであろうエルフや魔術のような地球では空想上の概念がこの異世界に多いのは、自分が地球から追い出される原因となった「科学」を人々が手にすることを恐れているため。
オンネンの呪いで臨死体験したパラケルススと遭遇。彼の言葉で不条理で理不尽な世界=心のままに動く神としての自覚を持った。
『神引きのモナーク』ではこのやりとりである「パラケルススが神に対して述べた言葉」を反対に「神が偽パラケルススに伝えた言葉」として本に記していた。
「偽」と自ら名乗っているように、神というのはこの世界の創造主という意味においてだが、言葉を述べるだけでそれが現実となる。ゴリ押しで無効化されるけど
チートスキル
トラックにはねられた人間が転生特典として「転生者必見 わくわくチートスキルカタログ」から好きなものを2つ選ぶ事ができる。
しかしアレウスの機嫌を損ねると急かされてゆっくり選ばせてもらえない。
大半のスキルは実体の出てくるアイテムの形態をしており踏ん張る念ずると出てくるが、入墨のように常に表に出たものもある。
サポート系から戦闘向けまで、作中人物のセリフを引用して『こんな力があればいいな ってやつが大体そろってる』と表すのが的確。
大雑把に分別すると能力は3種類のタイプがあり、
①【念じると能力が形になって現れるタイプ】
②【念じなくても能力が形になって常時発動しているタイプ】
③【念じると能力が本来とは別の形で現れるタイプ】
という具合。
パラくんの場合はレシピが①、セーブが③に該当。
①と②は物理的に奪って能力譲渡が可能だが、③を奪う描写が無いため可能かどうかはわからない。
これらのスキルは奪い取って自分のものにできる。しかし入れ墨なら獲られないと思いきや皮ごと剥ぎ取って装飾品にしても効果を発揮する。
スキルが奪えることは隠された秘密のようなものだが、奪える事を最初から教えられてないのは恐らく言わなくたって欲しかったら奪ってみるよねくらいのノリ。
転生者のみならず異世界の住人も奪うことができる。
奪った際にアレウスの残留思念が能力の説明をすると共に、転生者にチートスキルを2つ授けている事を伝え「もう1つ奪えるかもよ(はぁと)」と余計なことを言って積極的な強奪を推奨してくる。
他にもご褒美に1つだけアレウスの知ってることならなんでも教えてもらえる。なんでもは知らないわよ。知っていることだけ。
この際、現実世界で3秒間硬直してしまっているが、親切な事に「奪われた持ち主が取り返しに来るかもよ」と注意喚起もしてくれるしマジモンの戦闘中なら頼めば1秒に短縮してくれる。
なぜかダンジョンに誰の物でもない能力がアイテムのように置かれることもあるらしく、探索して手に入れた者も一定数いる。
この世の全てのチートスキルを手中に収めたとき用のコンプリート特典も存在。
コンプするとスキルを持ったまま地球に行けるらしいが……?
今日は君の第二の誕生日だからね。じじいからお祝いがあります
このカタログギフトから好きなチートスキルをふたつ選んでいいよ
カレーから不老不死の薬まで、どんなレシピでも5つまで書き出すことができ、その手順に従えば誰でも完璧なモノを作り出すことができる。
この工程は作業に関わる人間の腕前も問わず、水槽に金貨を落として百枚連続で表にするといった、通常では考えられないものでも必ず実現する。
上限は完成させることで回復するが、材料を揃えられないなどの理由で完成できない場合でも途中で取り消すことができず、枠は埋まったままとなる。結果としてチートアイテム「ただのメモ帳」が生まれる。
この作成途中の枠は能力そのものに紐づけされているため、所有権の移動でのリセットはされない。
材料がなければ何もできないので、こと戦闘面においてはハズレスキル…かと思いきや、熱源を噴水に放り込んで水を一気に水蒸気にして水蒸気爆発を起こす(どれだけ小さい熱源でも"熱源と水を接触させる"という手順が守られているためすべて水蒸気にすることができる)、相手の身体を材料にする("想定敵の体の一部"が最後の材料・完成手順になるように事前準備が必要)など、応用次第で凶悪な性質も発揮できる。
スキル説明文にはカレーライスも作れるとあるが「レシピ」とつくからと言ってけっして料理作る為のスキルではない。
念ずることで「セーブポイント」と呼ばれる宝石を1つ作ることができる。2つ目以降は古い物が消失する。
この宝石を砕くことで、その宝石を生成した時間へと記憶を保持したまま戻ることができる。代償は砕いた時点での最も大切なモノの記憶とそれに対する感情。
宝石はスキルを使用した結果出てくるものなので、第三者が触れてもスキルの所有権は移らない。
そのため「スキル本体」が見える形で存在せず、他者に使用権を移せるのか作者本人にも不明。
この入墨を所有するものは必ず正しい占い結果を得ることができる✳の入墨。しかし占い自体に様々な解釈ができるため注意が必要。
入れ墨のスキルだがノルンは「所有」しているのであって、身体にこの入墨があるわけではない。
矢で胸を射抜かれたものは射手を心から愛するようになる、ハートの意匠がファンシーな弓矢。
矢は右手からいくらでも出すことができるが、対象とできるのは3人までで、4人目を射った瞬間最初の1人の効果はなくなる。
そしてこの手のアイテムのお約束として……
頭に思い浮かべた記憶の中の生物のコピーを生み出せる種。種は一度に10個まで出せるが、1回につき同じ生物のコピーしか出せない。
種だけに地面にまいて成長を待つ必要があり、成長にかかる時間はおよそ10日ほど。魔力をこめれば即座に成長させられるほどに時間短縮はできるが、それには大量の魔力が必要となる。
「記憶の中」のコピーである為、実物とのズレも発生するが逆に意図的な改変も可能。
念ずることで10枚つづりで発行される「鏡」と漢字で書いてあるチケット。
券を鏡(反射さえすれば水面でもよい)に差し入れる毎に1人の人間が鏡の世界に出入りできる。
鏡の世界には虫などもいるので、同じタイミングでの人間以外の出入りは特に制限されてない模様。
鏡の世界は「能力者専用」らしいので、別々の能力者の持つ通行券ではそれぞれの「鏡の世界」が作られるのではないかと思われる。
念じると片面が白紙のカードが召喚され、相手能力者に向けると能力を奪える。有効射程範囲は200m。
複数の能力を持っている場合は「カタログ」に割り振られた通し番号の若い順から奪取可能。同じ能力者から同じ能力は1度しかコピーできないが、複数の能力を持っているならそれらを1度ずつはコピーできるということである。
奪取した能力のカードを破くと能力が発動され、アレウスの説明の後に1度だけ使用ができる。
回数の概念がない能力は3つまで出しっぱなしにできるが、オリジナルの能力者が出し入れすると消失する。
転生者と出会うこと前提のスキルで、コピーも相手に知られる事なくできるため、「奪う」事を考えた時もどんな能力なのか事前に知ることができる強みが得られる。
単なる再現コピーではなくコピー元と紐づいているのか、ウェスリーがやったように『スキルリメイカー』の影響が参照元にも及んでいる。
念じると手からノートとペンが召喚される。
ノートには自分が所持している能力が表示されるので、これをペンを書き換えると能力内容が変更される。
ただし元々の能力よりさらに上位互換の性能に組み替えることは不可能。書き換えはこのスキルの残留思念のアレウスが判定を行い、不適切と判断した場合は無効化される。
この書き換えた情報は残留思念も知らないようなので、発動条件を書き変えることでそのスキルを奪われても相手に使わせない事ができる。取り返すのも難しくなるけど
身につけていると勝負事でかなりいい結果がでる。
チートアイテムなのに出てきた瞬間にSS級幸運ポーションのカマセになると読者に憐れまれた不遇アイテム。
パラくんも選択するか迷ったそうだけど、自分でポーション作ればいいっていう……。
一番最後に眼鏡越しに目が合った人物の見ている映像がレンズに映る。
ただし、使用中は前が見えないので注意が必要。
発動条件からして最初に見えるのは多分自分の顔
甲羅に∞マークの書かれた亀。
彼のいる場所にはその主人以外はたどり着くことが出来ない。ひっくり返すことでその能力は無効化される。
また他者であっても主人と同行する形でならそこまでたどり着ける。
有名なアキレスと亀のパラドクスが由来。
刺された相手は24時間魔力を体外に排出できなくなる=魔力を用いた行動ができなくなる。えらく凶悪な返しが付いているため、簡単に抜くこともできないようである。
通常の魔術の使用禁止だけでなく、チートアイテムの召喚もできなくなるため、対転生者においても非常に強力なアイテム。
スキルを授けるアレウス本人ですら自分に刺さった針を消すことができなかったほど。
ただし既に出現させておいたアイテムの継続使用は可能。
ちなみに、カタログNo.は43。
注視している相手の心の声が聴こえる。
出し入れするタイプのアイテムだが、アレウスは着けた状態でノラとのお茶会を続けていた。
パラケルススは迷ったがノイローゼになりそうなので断念したとのこと。
斬りつけることで斬撃が飛び、3m程のものを真っ二つにできる片刃のナイフ(鞘付き)。
念ずることで出てくるタイプのアイテムだが、カッコイイという理由で愛用しているアレウスは普段から出しっぱなしにして懐に入れている。
用語
錬金術の地位向上を目指して設立された組織。
硬貨を発行する機関でもあり、錬金術師は金に最も長けた存在であるため、その内のヘルメス金貨はこの世界で最も信頼された金貨である。
ヘルメスとは、錬金術師の祖であり幸運と富を司る神人として崇められるヘルメス・トリスメギストスの事で、表面にはヒゲの老人としてその姿が描かれている。
錬金術師が作成し、商品とする錬金物に対して購入者の信頼となる証明書を発行している。
しかしその発行料でせっかくの高額商品の利益もほとんど飛んでしまうことがある。パラケルススは相当嫌な思いをしたようでノラにムスッとした顔でその事を語っている。
協会員になれば照応効果で常に一定の温度の保たれた熱源となる『照応のコイン』が支給されることも大きなメリットなのだが、
前述の通り陰湿な錬金術師は新しい秘密にたどり着いたと思しき同業者にはスパイ用の小型ゴーレムや妖精を送り込んで1日中でも監視を試みる。
のみならず1年に1人は有能な新人が行方不明になってるらしく、
ヘルメス金貨100枚の入った水槽を邸の裏庭に
「誰も来ないから大丈夫でしょ」
と放置するパラケルススですら、同業者に対しては強い警戒心をみせている。パラケルススはパラケルススで異常
協会の幹部クラスは赤いマントを着用し、アグノシアは協会に3人しかいない達人。パラケルススは3級。ノルンは2級。
同じ時間に作られた同じ大きさ同じ重さ同じ外見の物が同期され、片方に発生した事象がもう片方にも同様に発生し、状態が連動する現象。2つのものの「完成度」が近ければ近いほど効果が高くなる。
アグノシアが持ちこんだ『真理の目』は2つの色、大きさから重さ、血管の形まで同じだったためパラケルススに怪しまれ、事実彼女はこの目で監視カメラのような運用を試みていた。
基本一対で運用されているが、作れさえすれば連動数は2つ以上にすることが可能。
この効果を利用した(前提とした)代表的な錬金物が『照応のベル』。
1つのベルが鳴れば同期した全てのベルが同時に同じ音色で鳴り響くため、作中では来客を知らせる合図として活用されている。
2つペアで作った場合、ベル上部の吊り下げるための穴を覗けばもう一方のベルから覗いたのと同じ光景を見ることができる。
照応のベルは一般的な錬金物であり、「1つ鳴らすと同時に全部鳴る」くらいなら逸脱した高性能ともなりにくそうなので『天地万物のレシピ』でも目立つことなく作れそうだが、パラケルススは自宅の物すら「ここまで酷いものはない」と評される代物になっている。
というのも、『レシピ』の作成手順に「いくつ作っても良い」と表示されるものの、最初の1つが完成した時点で「ベルの作成」手順をこなしたとみなされてレシピが消失してしまい、同期させたいベルの内、最初に完成した1つだけ完成度が極端にかけ離れてしまうため。穴から覗いた景色はボヤけ、同時に鳴っても本来同じ音色となるはずの両者の音は一方はチンで他方はコンのように異なってしまい、市販の最安値のベルよりも出来が悪くなってしまう。それでもパラケルスス本来の腕前だとレシピ使った方がマシ
他にもボードに書かれる文字を同期させれば通信アイテムとして使える。
また鏡の世界でダリアが同じ術式が刻まれたコピー体を大魔方陣で繋げたのはコレの応用と思われるが詳細不明。
「呪術」によって自由の制限を課した契約がなされている。
胸などに奴隷契約の証しの紋章が印されている。ここは対象の皮膚を引き伸ばして作られた『奴隷の部屋』と呼ばれる一種の異空間となっており、内部には人生すら縛る長大な術式が書かれている。
その名の通り奴隷に唯一許された自分だけの場所で
四次元ポケットとして活用できる他者が内部に触れると呪いが返ってくる。また、報酬帳がここに入っている。
契約で「主人の命令は絶対」とあれば、主人による「命令」は記憶に関する事にまで作用する強力なもの。
主人に一定額の支払いで自由市民となる権利も獲得でき、報酬については前述の通り主人の感謝の心で決定される。とは言え一般的な主人ではなかなか報酬は出ず、解放には時間がかかると思われる。
でもパラケルススは現代日本人基準でも異常
奴隷が契約に反した行動は取ること自体ができないのは当然だが、主人側にもできない。
また奴隷と主人のあいだに出来た子供は「奴隷の子供」という扱いになり、奴隷商預かりとなってしまう。解放されたあとに出来たのなら主人の子として扱われる。
舞台のオリハルコニア国では
「奴隷は市民共通の財産である。これをみだりに傷つけてはいけない」
「正当な罰以外では殴ってはならない殺してはならない」
「適切な食事と衛生的な環境を提供しなければならない」
と奴隷の権利を守る法律もあるが、他の国では「好きに殴れる」場合もある模様。
奴隷屋の親父にとっては奴隷の権利を保証する法律があることは誇りのようだが、ノルンのように奴隷制度の存在自体を許せない人間もいる。
は?なにも言ってませんけど、なんか言ったみたいに言うのやめてください。
良項目を作るには……う〜ん
えっ!?バッタをそんな使い方で!?
これだ!
「追記」と「修正」
- 続編どこでやってるの?Pixivには無いよね? -- 名無しさん (2025-05-27 00:18:04)
- ラフ版のならpixivにもあるよ。でもニコニコの方が見つけやすいと思う。 -- 名無しさん (2025-05-27 01:04:22)
- 最初に不老不死薬作ろうとして、更に中間素材作ろうとして、で2枠潰してるのだいぶ間抜けだけど誰でもやらかしそうなんだよな -- 名無しさん (2025-05-27 08:20:39)
- 異世界転生モノあるあるの裏をついてくる意外な展開が押し寄せる一方で、よく練られた設定と丁寧な描写によりこの手の作品にありがちなご都合感は薄い マジで読む手が止まらなくなる -- 名無しさん (2025-05-27 10:19:56)
- ラフ版ならkindleで無料 作者にお金入るからみんな買ってね -- 名無しさん (2025-05-27 16:47:01)
- 「御心のままに」この言葉の使い方が素晴らし過ぎるんよな -- 名無しさん (2025-05-27 17:05:42)
- 原作と直接の続編が完結しているし、ツユリやウェスリー、ヘルメスやオンネンとかのキャラクターや説明も追加したいんだけどいいんじゃろか? 商業漫画版の更新に合わせて追加していくといつ追記できるかわからん速度なので…… -- 名無しさん (2025-05-28 16:06:02)
- ↑作成者です。作成者としては注釈も付けたので、そこまで気にしなくてかまわないです -- 名無しさん (2025-05-28 17:09:54)
- 主人公以外の登場人物の人物像が相当どぎついので、結構読み手を選ぶ話だと思う… -- 名無しさん (2025-06-04 19:23:03)
最終更新:2025年07月09日 01:51