登録日:2024/09/25 Wed 00:19:31
更新日:2024/10/01 Tue 23:34:52
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『杖と剣のウィストリア』は大森藤ノ(原作)・青井聖(作画)による漫画作品である。
『別冊少年マガジン』(講談社)にて2021年より連載されている。
既刊10巻(2024年6月現在)
【概要】
華やかな学園生活の中で、「
無能者」と周囲から冷たい視線を受ける主人公が、想い人の
幼馴染に出会うために上級学校への進学するというハードルの高い目標を掲げ、困難に向き合いながら戦う。こうしたボーイミーツガール的な側面と主人公のヒロインへの一途さを感じる展開も魅力的な要素と言えるだろう。
本作の舞台では魔法が絶対的な地位を占めているが、主人公はその素質がない。
その中で剣と力、知恵と勇気をもって勝ち抜く展開は、ある意味王道的な少年漫画的要素も秘めていると言えよう。
メディアミックスとしては2024年7月よりTBS系列にてテレビアニメが放送している。
【あらすじ】
リガーデン魔法学院6年のウィル・セルフォルトは、 “筆記のみの優等生ラーナー”。初歩的な魔法すら使えず、学院の落ちこぼれとみなに見下されている。幼なじみのエルファリアとの約束を守るため、魔導士として最強の称号“至高の五杖マギア・ヴェンデ”を目指しているが、その道ははてしなく遠い。ある日、いつものようにダンジョンでモンスターを倒して単位を稼いでいたウィルは、自分を蔑む同級生のシオンたちが、本来であれば低層階フロアにいるはずのない強敵に襲われている場面に遭遇してしまう…。
【キャラクター】
(主要人物)
・ウィル・セルフォルト
CV:天﨑滉平
「僕はエルフィと一緒に夕日を見に行く!」
本作の主人公。
リガーデン魔法学院の6年生。
まもなく卒業を控えた学年であるが、魔法の習得ができず、魔法の実技に関しては単位を修得できていない。よって周囲のクラスメイトからは「無能者」と蔑まれている。
それでも彼は上院への進学を果たし塔の上へ上りたいと考えている。幼なじみかつ想い人であるエルフィと再会する「約束」を果たすためである。
魔法の実技はからきしであるが、座学に関しては真面目に受けているだけあって、それなりに単位を獲得できている。時には独自の視点で魔法について言及できていることから、一目置かれている。
そして彼の特筆すべきところは魔法を使えない代わりに、超人的な身体能力によるアクロバティックな「剣技」、ダンジョンでのモンスター討伐における豊富な経験値と機転である。こうした才能は時に「異端児」としてワークナーを始めとする教師陣から認められることになる。
とは言え、この世界は魔法至上主義の世界。彼の能力が大々的に認められるのはそう簡単なことではない。
・エルファリア・アルヴィス・セルフォルト
CV:関根明良
「ウィル・・・、ずっと待ってる」
本作のヒロインでウィルの幼馴染。ウィルからの愛称は「エルフィ」。
わずか15歳で史上最年少になる「至高の五杖」に上り詰めた才媛である。「氷姫の杖」と呼ばれている。自身が想像した十二の魔法が最大の武器である。
塔に上ってからもウィルのことを見守っており、彼に恋する気持ちを抱きながら、再会を心待ちにしている。時にウィルへの気持ちを全面に押し出す言動も見られるくらいに一途である。(要は二人とも時間が経過しても相思相愛なのである)
聖女として崇め称えられ、学院内でも屈指の人気を持つ彼女。
しかし実際のところは・・・。
・コレット・ロワール
CV:天野聡美
「ウィルはあなたより優しくて誰よりも努力家だわ!私の友人を侮辱しないで!」
リガーデン魔法学院6年生。ウィルの同級生。
没落した貴族の一人娘である。心優しい性格で、周囲から「無能者」呼ばわりされ、からかいの対象にあってきたウィルを唯一かばってきた。それにはウィルへ対する恋愛感情もあるのだが、当の彼はエルフィに一筋でなかなかその想いは伝わらない。
そして最近では謎のルームメイトであるロスティも出てきて心休まらない日々を過ごしている。
・シオン・アルスター
CV:水中雅章
「お前は絶対、僕が打ち負かす」
リガーデン魔法学院6年生。
炎魔法の名家であるアルスター家の嫡男。
「無能者」であるウィルをいじめている1人でもある。彼が単位取得に向けてダンジョンへ赴くのを聞きつけ妨害しようとしたが、モンスターを目の前にして歯が立たず。そこへ颯爽とやってきたウィルに助けてもらうことで、彼のプライドは傷付く格好になった。
この結果、彼はウィルの能力を認めないあまりに、彼を乗り越えようとコンプレックスともライバル意識とも違う複雑な感情を抱くことになる。
なろう作品とかでよくある「ざまあ枠」とは違い、ウィルを「超えるべき存在」として対抗心を燃やしているのが特徴的である。
(リガーデン学院生徒)
・ユリウス・レインバーグ
CV:
柿原徹也
魔法学院6年生。氷魔法を得意とし、学院内でもトップ3に入るほどの実力者
反面、
ナルシストでドワーフをはじめ、自身より低い地位や身分にいる者に対する差別意識が強い。
ドワーフの経営する酒場に入ってきたときは傍若無人な振舞を起こした。
同じ氷魔法の使い手であるエルファリアの後継者を目指しており、彼女の魔法をいくつか体現するに至るが、ウィルとの勝負でエルファリアの魔法に関する本質を告げられた際は・・・。
「裸の王様?私が?いやそれよりも2歳?幼女!?この魔法を会得して喜ぶ私は幼女と同レベル?」
・リアーナ・オーウェンザルス
CV:
Lynn
魔法学院6年生で成績もトップ。「
完璧少女(ミスパーフェクト)」と呼ばれる。
騎士の家系であるオーウェンザウス家の出身である。
魔導士でありながらも近接戦闘を主とする。そんな彼女であるが、他の学院生と比較するとウィルに対する差別意識はない模様で、これまでの彼の戦闘・能力を的確に観察・評価してダンジョン探索のパーティーに誘うなど、冷静沈着な面が見て取れる。
反面、性格はやや天然気味かつ
食いしん坊なところがある。
・イグノール・リンドール
CV:河西健吾
魔法学院の6年生。高い能力を持つ風魔法の使い手。
エルフ族という特性もあるだろうが、物言いを含め、割とドライな性格。
自身が認めた者でしか肌に触れることを許さないなど、徹底している。
そんな彼であるが、エルフの中では「落ちこぼれ」の烙印を押されていることに、心を痛めている模様。
それでも乳兄弟であり、「至高の五杖」に上り詰めたエルノールに再会することを夢に研鑽を積んできた経緯がある。
「でも僕はいまだ落ちこぼれのまま必死に君たちメイジを見下して、自分をごまかそうとしていた醜いエルフさ」
しかし、ダンジョン探索で追い詰められた際、彼の過去話に共感したウィルに励まされ、
同じ塔で待っているだろう憧れの人のために戦うことを決意する。その後、ウィルとはお互いを認め合う仲になり、友人になれた。
ウィル「キミは決して嫌なエルフなんかじゃないってことを僕は知っているから」
・アイリス・チャーチル
CV:
大久保瑠美
リガーデン魔法学院4年生。
おさげに眼鏡をかけた容姿の女性。
過去にダンジョンでエルファリアに助けてもらったことをきっかけに彼女を心酔している模様。
そんな彼女であるが、ダンジョンにてモンスターに襲撃されていたところをウィルに助けられる。その後ウィルに同行してダンジョン共にモンスター討伐に出向くことになる。
一見すると普通の女子学生に見えるのだが・・・。
・キキ
CV:いなせあおい
ウィルの使い魔でダンジョン探索では彼をサポートする。
・ロスティ・ナウマン
CV:???
ウィルのルームメイトの魔工科生。
魔導具作成でウィルのダンジョン探索などをサポートしてくれる心優しい存在。
水や氷の魔法を行使することが可能である。
面倒見のいい性格なのだが、どうもウィルに他の女性の影(主にコレット)がチラつくと、嫉妬にも似た感情が見え隠れする。
「気のせいじゃないよ。だって僕はウィルが誰よりも好きだから」
コレットとマウント合戦したアニメ8話でその片鱗を見ることが出来る。
謎多き人物でCVも伏せられている。
だが、その雰囲気、ウィルへの理解度を考えるとあるキャラを彷彿とさせる印象も・・・。
(教師陣)
・ワークナー・ノーグラム
CV:
関智一
魔法学院教師。「魔法生物学」を担当している。
落ちこぼれの烙印を押されているウィルに対して、厳しく接しながらも、ダンジョン討伐による単位の取得に関する情報を提示してくれるなど、彼の理解者でもある。
・エドワルド・セルフェンス
CV:
遊佐浩二
魔法学院教師。担当は「闇魔法学」と「魔源学史」。
至高の五杖にあと一歩まで迫った実力者でもある。
魔法絶対至上主義の考えを持っており、魔法がからきしのウィルの存在を認めないなど、ワークナーとは対照的な存在である。ウィルの素質を見極めるべく一対一での試験という名の決闘を行い、彼を追い込んだことがある。
某魔法学校の先生に雰囲気は似ているが関係ない。
・コルドロン・アヌーブ
CV:鈴木れい子
リガーデン魔法学院校長を務める老女。
非常に食えない人物という印象。魔法を使えないウィルの在学を認め、彼の行く末を見届けるのを楽しんでいる節がある。
(魔法使いの塔)
・キャリオット・インスティア・ワイズマン
CV:
福山潤
炎の派閥を率いている。「炎帝の杖(インスティア・バルハム)」と呼ばれる。
至高の五杖のまとめ役
・ゼオ・トルゼウス・ラインボルト
CV:古川慎
雷の派閥を率いている。「雷公の杖(トルセウス・ファッジ)」と呼ばれている。
武闘家な風貌で、豪快な性格。
・エルノール・エルリーフ・アールヴ
CV:
雨宮天
妖聖の派閥を率いている。「妖聖の杖(エルリーフ・カナン)」と呼ばれるハイエルフの女性。
イグノールが塔へ上がりたいのは彼女との再会を願っているために他ならない。
・アロン・マテリアス・オールドキング
CV:
大塚芳忠
光の派閥を率いている。「光皇の杖(マステリアス・ノア)」と呼ばれる老人。
至高の五杖の王とされる。
【テレビアニメ版】
2024年7月よりTBS系列で放送されている。
アクション作画の評価が高く、モンスター討伐や戦闘描写のクオリティの高さは必見である。
「ダンまち」の作者ということで、両者を比較しながら物語を楽しんでいる視聴者もいるとか。
監督・シリーズ構成・脚本は𠮷原達矢。キャラクターデザインは小野早香。
アニメーション制作はアクタス×バンダイナムコピクチャーズ。
(主題歌)
OP:「Fire and Fear」
PENGUIN RESEARCHによるオープニングテーマ
ED:「フローズン」
TRUEによるエンディングテーマ。
追記・修正は魔法絶対至上主義の中で剣を用いて大成した時にお願いします。
- ダンまちとは別時空とされるレフィーヤとフィルヴィスも登場。こちらは古く長い付き合いの模様。 -- 名無しさん (2024-09-25 13:24:44)
- マガジン版ブラッククローバーかな?主役の気質は180度異なるけど -- 名無しさん (2024-09-25 18:28:57)
- アニメ組だけど主人公に対して重い感情を持った男の子多くない? -- 名無しさん (2024-09-25 19:15:59)
- ↑ダンまちも主人公に重い感情を抱いている男は多いし…作者の作風よ -- 名無しさん (2024-09-25 20:24:25)
- 野郎キャラの辛辣な感情が変な形の愛に変わっていく事からウィストリアッーとも呼ばれている -- 名無しさん (2024-09-29 23:51:46)
- 杖と剣(意味深) ウィル「ところで僕の剣を見てくれ。こいつをどう思う?」 -- 名無しさん (2024-09-30 18:04:08)
最終更新:2024年10月01日 23:34