ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!(テレビドラマ)

登録日:2024/10/09 Wed 12:05:00
更新日:2025/03/18 Tue 09:00:02
所要時間:約 25 分で読めます






二人は殺し屋

正体は社会に馴染めない女子





『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』(英題:Baby Assassins Everyday!)は2024年9月5日より放映されているテレビ東京の連続TVドラマ。
映画『ベイビーわるきゅーれ』シリーズ初のTVドラマ化であり、映画第3弾『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の公開に先駆けて放映開始された。
映画のTVドラマ化って、普通逆じゃない!?*1

脚本は変わらず阪元裕吾だが、監督には阪元に加えて平波亘工藤渉が新たに加わっており回によって異なる。
OP曲にsyudouの『あいきるゆぅ』。
ED曲にTeleの『包帯』。
OPはアニメ映像となっており、anoの『ちゅ、多様性。』のMVや日本マクドナルドのTVCMを手掛けた渡邉直が監修、Adoの『オールナイトレディオ』を手掛けたビジュアルアーティスト・映像作家のNIOが監督を務めている。


◆概要

殺しの腕はピカイチ、だけど社会にはなかなか馴染めない殺し屋女子2人の日常を、本職のアクションパフォーマーが動くガチすぎる本格派アクションと、オフビートなゆる~い日常を同居させることで人気を博してきた映画『ベイビーわるきゅーれ』シリーズが遂に地上波に上陸!!
前述通りシリーズ第3弾『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の公開に先駆けての放映であり、そちらの方で「この二人、これで最期。」まるで最終作のように宣伝された最中でTVドラマ化が発表されただけに、ファンはもちろん阪元監督自身も驚きを隠せていなかった。
阪元監督「『これで最期』ってマジでなんだったんですか?!」

地上波と言えどやることは変わらず、映画版同様にアクション監督として園村健介を迎え、映画と比べても遜色ないハイクオリティの高速アクションが繰り広げられる。
ファミレスでの無駄話から始まり、そこから本格的な2対多の格闘戦に移行する1話目の冒頭は、TVドラマからベビわるシリーズに入門する人に一発で世界観を説明できる名刺替わりの掴みと言えるだろう。

またテレ東のドラマらしく(?)グルメ要素もあり、阪元作品としては初のフードコーディネーターが起用されている。
担当は映画監督や映像ディレクターも手掛ける加藤綾佳で、キャラクターや物語に沿った料理が毎週提供される飯テロドラマにもなっている。
料理のレシピは氏のXアカウントで公表されているので、気になった人は是非作ってみよう!

毎話ドライに人を殺しながらも、平穏な日常に戻って〆となる独特の緩急も映画と変わらず。
ターゲットにどのような事情があろうとも、一緒に働く中で情らしきものが湧いても容赦なく殺し、その後は平然とご飯を食べてほのぼのとする殺し屋2人の倫理観の欠如っぷりが垣間見えるサマはブラックユーモア的でもある。
また、職場の面倒な同僚や気難しい上司との人間関係の軋轢など、やけに解像度の高い社会人の世知辛さ描写もマシマシ。
一応、映画よりも血糊は少なめだったり、若干抑え目になっている描写もある。


ドラマは主に二つの話で構成されており、前半部では殺し屋協会きっての一大プロジェクトが始動する「風林火山」篇、後半部からは遂にベールを脱いだ殺し屋協会監査部の粛清さんと共に殺しに挑むことになる「ジョブローテーション」篇から成る。
どちらも同時公開中の映画の内容とリンクする連動的側面は薄く、これまで小出しにされてきた殺し屋協会の情報を深掘りする世界観の補完的側面が強く表れている。
加えて終盤にかけては、これまで言及が避けられていた「ちさととまひろは何のために殺し屋を続けているのか?」というシリーズの核心に触れる部分もあり、歴代で最シリアスだった映画に負けず劣らずのハードボイルドな展開もある。

また、ドラマ11話の放映後コミカライズ化も発表された。
ドラマのストーリーのほか、阪元裕吾監督書き下ろしのエピソードも描かれる。
作者は結川カズノ。2025年2月15日からU-NEXT Comicより配信開始。


◆あらすじ

凄腕殺し屋杉本ちさとと深川まひろの正体は社会に馴染めない不器用な女の子。
殺伐とした殺し屋稼業に日々勤しみつつも、2人でルームシェアを行っている自宅に戻ればダラダラと日常を謳歌する二重生活を送っていた。
うっかり同僚を冷凍庫に閉じ込めてしまったり、殺しの都合でやりたくもない居酒屋バイトを始めたり、ぬい活したりと、ちょっとした刺激はあれど変わり映えもしない、それでも満ち足りた毎日。
しかし、社会は目まぐるしく変わり、2人の所属する関東殺し屋協会でも「風林火山」プロジェクトと「ジョブローテーション」という2つの変革の波が巻き起こるのであった──


◆登場人物

主要人物

  • 杉本ちさと
演:髙石あかり

自分が作った料理が美味しいと嬉しいな
自炊は自分へのサービス業だからな……

初対面の人間とすぐに仲良くなれる陽キャだが、堅気と深く関わらないように気を付けている 黒髪ロングの殺し屋。
性格はややエキセントリックで、また金に不自由なく生きてきたので金遣いが荒い。
映画1作目ではまひろがおでんを作る描写があったが、ドラマ版では主にちさとが料理を担当している。
まひろの扱いは最早手馴れすぎており、バイト先でやらかした彼女を宥めて店に連れていくなどお母さんの領域に達している。
まひろが始めた「ぬい活」に対しても撮影補助など献身的にサポートしており、あたたかい目で見守っている。阪元監督によるとドラえもん のび太の恐竜2006』のポスターのドラえもんのような気持ち*2での演技をお願いしたとか。
本作にて実家が仲も良好な一般家庭で、殺し屋稼業もまひろに誘われた成り行きでやっていることが判明した。
学生時代から何でも器用にこなしていたらしく、実家にはテニスや絵画、ライフル射撃の大会で入賞した賞状が多数飾られている。


  • 深川まひろ
演:伊澤彩織

黒歴史だ…いや…歴史じゃないんだよな…現在進行形なんだよ…
毎日黒歴史……黒現在進行形……黒現在進行形だ…!

身体能力は高いが、初対面の人と話すのが苦手なコミュ障で優柔不断な金髪ショートの殺し屋。
薬局でハンドクリーム1個買うのにもわざわざネットのレビューを見てしまうらしい。
一応これでいてコミュニケーション能力はちょっとずつ改善してきており、ちさとと宮内の会話に独り言かどうか判別がつかないレベルの相槌で混ざっている。
反面、ちさとに対する依存度がかなり高まっており「ちさと撮り専用カメラ」を持っていたりと何かと感情が重い。
特に趣味もなく1日にひとつ以上の予定を入れられないが、宮内から教わった「ぬい活」にハマりだしている。
本作にてちさとを殺し屋稼業に誘ったのはまひろの方だと判明した。
実家も田舎で裏稼業をしている家系で現在は疎遠なことも明かされたが、ちさとを家に招くこともやぶさかではないことから、家族仲はドライながらも良好ではある模様。


  • カルビイカ
黄色いイカのような被り物を身に付けた牛のぬいぐるみ。
宮内から「ぬい活」を教わったまひろが、雑貨屋で見つけて惚れこみお迎えした「推し」。
名前はトーナメント形式で厳粛に決められた。
工藤監督によるとカルビイカはイカに憧れる牛で、牛の斑点を隠すために黄色いシーツをかぶっているらしい。


  • 須佐野
演:飛永翼(ラバーガール)

いやあこういう社会みたいなもんに揉まれるとやっぱ昔みたいにはいかないよ

殺し屋協会調整部所属で、ちさととまひろのマネージャーを務める眼鏡の男。2人が高校生の時からの担当。
真面目で誰にでも丁寧口調な物腰柔らかな性格。
ちさまひの性質も熟知しているため、扱い方やあしらい方も心得ている。
結構な激務らしく2日で4時間しか寝ていないと愚痴をこぼしていた。
2人に指令を出す時には主にアジトらしい古い和民家を使用している。
夏目とは旧知の仲であり、2人きりになると「敬」と下の名前で呼ぶなど砕けた口調になっている。
その会話の中で彼もまた元殺し屋だったことが判明しており、夏目によると「現場でイカれていた」とのこと。

  • 田坂守
演:水石亜飛夢

許せない!!!

ブルーのキャップを身に付けた死体処理業者の青年。
現場を凄惨に荒らす上に職業意識も酷いちさまひコンビとは犬猿の仲であり、会うたびに手にしたメジャーを出し入れしながらねちっこく説教をしてくる。
慇懃無礼かつ大言壮語気味なこともあってかなりウザく、ちさまひに翻弄された後にブチギレるも部下の宮内から軽く流されるのがいつものパターン
これでいて寂しがり屋なのか、ちさまひと宮内がお茶をする時は、しれっと自分のオススメの店に連れていく形で同行しようとしていたが総スルーされた。
須佐野や夏目とは仲が良いらしく、休日に誘われれば飲みに行く仲。
性格がウザすぎるのは事実ではあるものの、休暇中に突如呼び出されたり、死に切れてなかったターゲットに襲われたりと同じくらい苦労人気質でもあるので周囲には一応同情されている。

  • 宮内茉奈
演:中井友望

やっぱり暴力振るう人には暴力ですね!

田坂の部下を務める赤いつば広帽を被ったイマドキの女子。
クリーナーとして優秀な上に、色々面倒臭い田坂を相手に軽く流せる度量を持った本物の陽キャ。
何にでも興味を持ち、行動力も高いため、1日のスケジュールがギッチリ詰まっているリア充でもある。
ちさまひとも友好的な関係を築き上げており、田坂の説教を回避する為に一足先に帰宅する際もあっさり見逃しているほか、一緒にお茶しに行ったりもしている。
最近のトレンドは「ぬい活」であり、ぬいぐるみの「くまきち」を連れて写真を撮ってインスタにあげている。
後述のぶつかりおじさんによって「くまきち」を落とされた際には珍しくキレて声を荒げてもいる。
「ジョブローテーション」篇の途中から「独り立ち」をして田坂の下から去っている。


「風林火山」篇の登場人物

殺し屋協会

  • 夏目敬
演:草川拓弥

社会っていうのは「だって無理なんだもん」で許してくれるようなところじゃないんです
いつだって責任が伴う場なんです 無理じゃないんです やるんです

殺し屋協会のプロジェクトマネージャー。一大プロジェクト「風林火山」を取り仕切る。
スーツをバッチリ着こなしたエリートサラリーマン風の青年。
プロジェクトメンバー選出のための調査としてまひろを尾行していたが、尾行に勘付いた彼女に敵と見做されて昏倒させられてしまう。
そのまま、殺してしまったと勘違いしたちさまひによって生きたまま死体置き場の冷凍庫に閉じ込められる災難に遭うが辛くも生存。曰く耐えられるくらいの訓練をしているらしい。
その応酬として2人に殺しの又請けを持ちかけ、その後上司の宮原の意向もあってプロジェクトにも無理矢理参加させる。
気難しすぎる上司と色々と面倒臭い現場の殺し屋に挟まれる苦労人で、若くして中間管理職の悲哀が滲んでいる。

  • 宮原幸雄
演:本田博太郎

僕はねえ 誰かわからん名前も顔も知らん人間に消化されるために殺し屋をやっているんじゃないんだ
人と人が目を合わせて「殺してくれてありがとう」って手を握り締める……そういうことでしょう

夏目のボスで全国2位の伝説の殺し屋。
オールグレイのヒゲ面で眼鏡、家の中でも黒の山岳帽を身に着けるナイスミドル。趣味はガーデニング。
80年代後半から活動しており、某国の軍隊に4年間潜入しての最高指揮官の暗殺など数々の伝説を打ち立てた大御所。
狙撃の名手で、初登場時にはウィリアム・テルよろしく部下の頭の上に載せたリンゴを撃ち抜く余興に興じていた。
また、殺し屋長者番付で5年連続1位になるほどの金持ちで「カナリヤ製作所」といった別荘を所有しており、プロジェクトの際には合宿場として提供している。
ここ10年間は引退していたものの、今回久しぶりに受けた依頼こそ「風林火山」プロジェクトである。
一見飄々としているように見えるが、その実は非常に拘りが強い上に妙なところで頑固で気難しい難物。
今回のプロジェクトも様々なプランを没にしたことで離脱者が続出し、6年間も遅延させていた。
AIやSNSを嫌悪しており、人と人との直接の触れ合いについて力説するが本人はSNSをやっているしかも女性にやたらリプライを送っている

  • 桑原新之助
演:田島亮

殺し屋協会所属の殺し屋。
「風林火山」の選出メンバーでプロジェクトでは殺し屋専門の脚本・演出家を担当。
七三分けに黒縁眼鏡、派手なネクタイをつけた舌っ足らずな口調の男。
主に殺し屋が潜入する際に無理のない設定・シナリオを組むことが仕事なのだが、かなりの凝り性で明らかに過剰な演技指導も行う。
脚本の練り直しを要求されれば従うが、時間がかかる上に当て付けがましく愚痴愚痴言い出す。ある意味田坂の同類

  • 武井聡子
演:天木じゅん

殺し屋協会所属の殺し屋。
「風林火山」の選出メンバーでプロジェクトでは銃器プランナーを担当。
苺柄のシャツに迷彩柄の上着を羽織った女性。
よく心にもなさそうな言葉を無感情に口にする。

  • 秋間敏夫
演:新名基浩

殺し屋協会所属の殺し屋。
「風林火山」の選出メンバーでプロジェクトでは殺し屋専属スタイリスト。
小太りの男で職業柄か可愛らしい柄の入ったお値段高めのインポート生地シャツを着ている。
SNSを嫌っている宮原の前でSNS関連の話題を振って聞きかじりの知識を披露するなど、壊滅的なまでに空気を読むことができない。

  • 川原真
演:舘野将平
  • 岡八子
演:詩乃渚

殺し屋協会ハラスメント防止委員会指導員
川原はポロシャツで体育教師のような男、岡は丸眼鏡の女性。
殺し屋がハラスメントを感じて上に報告すれば即座*3にやってきて指導・講習を行う。
やってくるとハンドブックを手渡し、岡がホワイトボードでその場にいる全員に講習を行い、反論しようものなら川原が無言で威圧して制する。
指導・講習に拒否権は一切ないため殺し屋たちからも一方的に恐れられている。

  • 入鹿みなみ
演:前田敦子

殺し屋協会宮崎支部所属の殺し屋。
映画最新作『ナイスデイズ』からまさかの客演。
宮原とは面識があるらしく「あの老害」と毒づいていた。
最終話にも登場。東京に出向いて仕事をしていたようだが……
本作にて田坂のほか夏目や日野とも同期であることが判明。まとめてキセキの世代と呼ばれていたらしい。


ターゲット

  • 文松
演:関町知弘(ライス)

殺し屋協会所属で宮原の元部下。新進気鋭の殺し屋プランナー。
どうやら仕事で一度ミスをしたことで粛清対象となっていたらしく、現在は身を潜めてトイレの清掃員をしていた。
息子がいるらしく死の間際に会うことを懇願するも、夏目からの依頼を受けたちさまひに聞きとがれることもなくあっさりと射殺された。
後に殺しとは特に関係なくSNSでの炎上が原因で粛清対象となったことが判明した。

  • 菅原ハジメ
演:田中俊介
  • 高浦ケンゴ
演:二ノ宮隆太郎
  • 片平マユ
演:海津雪乃

居酒屋「碧」の店員たち。
裏で叩きや詐欺を行い、居酒屋を隠れ蓑として資金洗浄をしているという噂があり、ちさまひは潜入捜査の一環でバイトとして配属された。
3人ともノリが軽く、店の方針も店員は必ずあだ名を付けてそれで呼び合うなど陽キャ特有のソレ。まひろ曰く「最悪のバイト先だ…」
とは言え、ロクに接客ができないどころか酔っぱらって悪絡みをするまひろを邪険に扱わず優しく慰める寛容さであり、最終的にまひろも「良いお店だね」と認めている。

ハジメは店長の青年で筋トレ好き。元バンドマンらしいが現在は引退している。
ケンゴはYoutuberとして活動中でそちらでのハンドルネームは「ベジータ」。声が甲高いおじさんでベジータ要素は皆無
マユは若い女性。モデルをやっており、インスタのフォロワー数が2000人いるらしい。

  • 松本洋子
演:不明(ノンクレジット)

「風林火山」プロジェクトにおけるターゲット。
若い頃に会社を興して成長させ続けた75歳の老婆であり、現在は引退して豪邸に住んでいる。
会社を成長させる過程で時に邪魔な人間を自殺に追い込むなど悪どい商売をしていたようで、これまで恐らく間接的にではあるが男152人、女111人を殺しているらしい。


堅気の人々

  • 形部
演:山本浩司

居酒屋「碧」の客でお疲れ気味なサラリーマン風の男。
一見客だったが、碧のアットホームな雰囲気を気に入ったようで、行きつけにすると語っている。

  • 桂梅
演:水澤紳吾

身体を揺さぶりながら歩いているいかにも挙動不審な中年男性。
所謂有害タックルジジイぶつかりおじさんであり、宮内にぶつかってくまきちを落とさせたことで逆鱗に触れ、同行していたまひろによって関節技を極められて謝罪させられた。
「ジョブローテーション」篇(第8話)でまさかの再登場。あの後、会社をクビになったらしく無駄にタックルが進化していた。
恨み骨髄とばかりにちさまひ達に再度絡むも、別のタックルジジイ(演:岩永ひひお)とぶつかり醜い争いを繰り広げ見かねたまひろに両成敗を受けて諭され何故かタックルジジイ同士仲良くなって帰っていった


「ジョブローテーション」篇の登場人物

殺し屋協会

  • 日野彰
演:柄本時生

そんなことより俺また相棒(バディ)組まされるって本当?
一人がいいんだけどなァ……

映画1作目からその存在を示唆されていた殺し屋協会監査部所属の「粛清さん」
「粛清さん」は殺し屋協会のタヴーである「私怨での殺人」の禁を破ったり、著しいミスや反逆をして協会に大きな損害を被らせた殺し屋を誅する役割である彼に付けられた異名であり、謂わば殺し屋を殺す殺し屋
業務内容には同僚である殺し屋の監視も含まれ、全クルーからの嫌われ者だと自嘲する。
プリン気味でボサボサの長髪に髭面にピアス、衣服もよれよれと一見浮浪者にも見える風貌。実際風呂嫌いで臭うらしい。
ジョブローテーションではまひろとコンビを組むことになる。
殺しの手口はまずターゲットを拘束し、清掃員らの前で自ら調合した毒物をあおらせるという省エネなもの。田坂も「仕事が楽」とご満悦
実力自体も相当なものらしく、須佐野曰く「ランキング上位レベル」。土壇場で相手を惹きつける話術・詐術にも長ける。
一匹狼気質で例え相棒であろうと信用はせず、一緒に仕事をしていたまひろに対してターゲットの殺し屋をわざとけしかけて試したりもしている。
それでも社交性はそれなりにあるらしく、コミュ障のまひろともバディを組んで仕事をする内に信頼していき、お互いに軽口を叩き合ったり飲み屋で気安く喋り合う間柄にまでなっている。
その際には殺し屋を辞めたがっている素振りを見せ「ドムドムバーガーで働きたい」と語っている。

  • 山下牧尾
演:後藤剛範

殺し屋協会営業部部長。部の中でも先鋭集団とされる「オフィス向日葵」のリーダーでもある。
筋肉質な見た目であり、部署もバリバリの体育会系気質。元現場の殺し屋だが、デスクワークとなった今も筋トレは欠かさない。
というか唱和を求めたり、臨時ボーナスとして札束の掴み取り大会を実施したり、営業確約の度に仮にも殺し屋のアジトにもかかわらずオフィスに寿司職人を呼んで祝ったりと大分ヤバイ方向にイケイケな内輪ノリが発揮されている
「ニーズは自分達で作り出す」がモットーで、部下には常に頭をユニークに使うよう求めている。
体育会系の悪いところを煮詰めたような社風ではあるが、新人のちさとに対して親身になって接しており、ストレスを貯める彼女のガス抜きをしたり気の利く上司としての側面も一応ある。
報復を受けて一家全滅した悲しき過去も持ち、現場出身者には同情している。

  • 栗原真央
演:小島藤子

営業部所属。
ジョブローテーションでやってきたちさとのサポートを担当する。
営業の電話が得意なようで、完璧な電話対応によって顧客を獲得している。
ちさとにもにこやかに仕事を教えるものの、営業の電話に失敗すると笑顔を崩さないまま拳銃を突き付けて威圧的に責めるパワハラを行う。

  • 三好龍
演:一ノ瀬竜

営業部所属。
ジョブローテーションでやってきたちさとのサポートを担当する。
主に外回りを担当している部のエースで、最近では1件4000万円の仕事を30件獲得して臨時ボーナスを貰っている。
外回り中にちさとに詰め寄ったり、体調不良で早退するちさとを信じず付けて脅したりとかなり高圧的で陰険な性格。

  • 常岡修治
演:山口祥行

殺し屋協会所属の中年男性。通称「ツネさん」。
日野やみなみらとも面識があるベテランで荒事慣れした凄腕。
部署は不明だが、任務内容からして粛清さんを粛清する「粛清粛清さん」と思われる。
ビルの屋上で寝泊まりしているようで、特に殺気で起きる素振りも見せないなど普段は凄みも感じさせない普通のおじさん。
みなみからは「主人公気取りなんだよ」と毒づかれている。
ちさまひのことも知っているらしく「いつか殺り合うことになるかもしれない」と語っている。


ターゲット

  • 麻織夢人
演:諏訪太朗

赤ニット帽を被って杖をついた老人。
かつてはランキング3位の凄腕の殺し屋だったが業務中の怪我で引退。
現在は協会の支援金で生活しているが、予算削減の為の支援打ち切りに際して粛清対象となった。
外で常に何かモノに当たり散らしているような怒りっぽい老人ではあるが、殺し屋としての腕は健在。
訓練により毒物の類に耐性を持ち、清掃員レベルなら複数人を奇襲で殺せる程の実力者。日野とも面識があり、新米殺し屋の時から面倒を見ていたらしい。

  • 梶原吉見
演:浜野謙太

白スーツに柄シャツの大手建設会社社長。
横暴な性格で、社員を人とも思わず暴力を振るっている。
パワハラと長時間労働により何人もの社員を鬱と自殺に追い込んでいるが、地元の有力者の力でその事実を揉み消し顧みることもない。
自殺に追い込まれた社員の妻から殺しの依頼が出されていた。


依頼者

  • 金成
演:木村圭作

豪邸に住む関西訛りの髭面の男。
オフィス向日葵のお得意さんらしく、ちさとを連れた一ノ瀬からプランの説明を受けていた。
ジャージを着込んだ女中を多く雇い、ちさとを「お嬢ちゃん」と呼ぶヒヒジジイ。


杉本家

ちさとの実家で、石神井に庭が広い一軒家を持っている。
ちさとは姪が4歳になる誕生日を祝うために高校時代ぶりに帰省した。
家族仲は良好で、家族全員がちさとがまひろと一緒に殺し屋をやっていることを認知して普通に受け入れている

  • 杉本かなえ
演:中島ひろ子

ちさとの母。
話好きの世話焼きで、家にやってきたまひろも暖かく迎え入れる。
娘が殺し屋をしていることを知っているどころか、ご近所さんに娘が殺し屋であることを公言していた
基本的に「不思議な人」の認識で通っているため、特に信じられることはなかったようだが……
一応、娘の身を案じる良き母親ではあるのだが、殺し屋の認識にはズレがあり、そこまで危険なことはしていないと楽観視している。
いつの間にか心霊スポット巡りが趣味になっていた。

  • 杉本たつみ
演:橋本じゅん

ちさとの父。
こちらも娘が殺し屋をしていることを知っており、態度には出さないが心配はしている。それでも妻と同じで基本的には楽観視している。
得意料理はオムレツで、シャウエッセンを出し惜しみせず全部使うことを娘に真面目に諭すなど、謎の拘りと贅沢意識を持っている。
いつの間にか釣りが趣味になっていた。

  • 杉本しんご
演:三河悠冴

ちさとの兄。結婚しており4歳になる娘がいる。
トイガンメーカー「LayLax(ライラクス)*4」勤務でドラマや映画での銃の扱いまで気にするマニア。
本職のまひろ相手にその拘りをマシンガントークで喋ってギリギリ会話させた気にさせるなど、ちさと同様の強引なコミュ力を見せる。

  • 杉本まりな
演:高柳明音
  • 杉本いお
演:安田月姫(子役)

しんごの嫁と娘。つまりちさとにとっては義姉と姪。
兄嫁のまりなもちさとの殺し屋稼業を知っているが拒絶意識は全くなく、娘のいおの前で殺しの話をすることに苦言を呈するくらい。


堅気の人々

  • 重岡勝吉
演:前田旺志郎

猫カフェ帰りのちさまひを職務質問した私服警官。
一見軽薄なナンパにも見える関西弁の男だが、洞察力に優れておりちさまひの些細な違和感に気付いては次々指摘していく名探偵属性。
実際に拳銃を所持していて焦るちさと「小説家にでもなれそう!」と言われるが本当に書いてたらしい。ただしジャンルはラブコメ。

  • 川原一平
演:森下能幸

町中華「平安」の店主。
雨の中、店の前でうずくまるちさとを心配して店を雨宿り先として提供し、料理もサービスしてくれる人情味溢れる性格。
実は車で子供を轢いてしまった過去があり、被害者遺族から殺しの依頼が出されていて……

  • 徳美
演:田口音羽

山下牧尾の死んだ娘と思われたが実際は金成から紹介された女。
山下のスマホの待ち受け画面に山下と共に映っていた女性であり、ちさとは「娘さんですか?」と尋ねたがその際の山下の答えはあくまで「無言」である。直前に家族が皆殺しにされた話をしていたのがミスリードになっていた。
休日を一緒に過ごす恋人に近い関係ではあるらしく、牧尾のことを「まーくん」と呼んでいる。


◆エピソード一覧

話数 放送日 サブタイトル 監督 ターゲット 登場料理 備考
第1話 2024年9月5日 10年後も一緒に死体凍らせよ 阪元裕吾 シャラライカ反社会組織「シャイニング」と「バラライカ」
殺人コック集団「シャドウ」
文松
塩豚汁 「風林火山」篇開始
第2話 2024年9月12日 社会は責任が伴う場ってなんだよ 平波亘 居酒屋「碧」 まかない親子丼
みそうどん
第3話 2024年9月19日 この子をお迎えします 工藤渉 コンビニモツ鍋*5
第4話 2024年9月26日 大切な事は140字で伝わらない 阪元裕吾 ローストポーク
第5話 2024年10月3日 指導とハラスメントの境界線は 阪元裕吾 松本洋子宅用心棒 釜めし弁当(鯵の照り焼き)
第6話 2024年10月10日 信じられるのはお金だけです 阪元裕吾 松本洋子
夏目敬
カルボナーラ*6 「風林火山」篇完結
ナイスデイズ』より入鹿みなみ客演
第7話 2024年10月17日 ひさびさ実家帰ったらあるある 平波亘 杉本家のオムレツ(シャウエッセン6本入り) 映画1作目2作目の回想有り
第8話 2024年10月24日 経験も成長もしたくありません 阪元裕吾(前半)
工藤渉(後半)
「ジョブローテーション」篇開始
特殊エンディング
第9話 2024年10月31日 殺ししかできないから 工藤渉 粛清対象の殺し屋5人 ちさとの菓子パン三銃士(ウインナーロール、塩パン、ベーコンチーズ)*7
第10話 2024年11月7日 そっちは殺しだけでいいけど 平波亘 麻織夢人 町中華の玉子スープと炒飯*8
第11話 2024年11月14日 私はなんで殺し屋をしてるのか 阪元裕吾 日野彰
山下牧尾
オフィス向日葵
最終話 2024年11月21日 未来の話も二人でなら 阪元裕吾 梶原吉見 焼きそば
クリスマス気分記念日のクラムチャウダー
「ジョブローテーション」篇完結
ナイスデイズ』より入鹿みなみ客演


◆余談

  • 本作と映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の公開を記念して公開“殺し屋”オーディション動画が公開された。
    何故か大物演歌歌手の細川たかしがやってきて番組出演権を賭け、髙石・伊澤と射撃勝負をする内容になっている。果たして細川はドラマに出演することが出来るのか…?

  • ナイスデイズ』で20歳になるまで飲酒をしていなかった筈のまひろが第2話で酔っ払っていることから、時系列は「ナイスデイズの後」と推測されていたが、最終話でちさまひが入鹿みなみと既に面識があることが判明し、1年前の宮崎旅行や冬村かえでに触れる発言もあったことから時系列は「ナイスデイズの1年後」で確定した。

  • 登場人物の多くがSNSをしているが、これらのアカウントは実際に稼働している。判明しているアカウントは以下の通り。
+ 皆さんはどうしてSNSをやっているんですか?
X(旧Twitter)アカウント
  • 杉本ちさと(@chisato_sugimot)
アカウント名は「すぎもと」。アイコンは料理(親子丼?)。
鍵垢だが承認されれば中身も確認できる。
呟き内容は主に料理についてが多めだが、まひろの妄想内でセンスのない人の言葉の例として挙げた「午後の紅茶午前に飲んだ」と呟いたり支払期限ギリギリまで放っておいたりと過去作の内容を踏まえたものも多い。

  • 深川まひろ(@kurokenmalove1)
アカウント名は「崇めよ」。アイコンは簡素な似顔絵。
鍵垢だが承認されれば中身も確認できる。
呟き内容は本編で行っている「ぬい活」と連動していたりする。
ところでID名は恐らく『ハイキュー!!』の音駒コンビのことだろうが好きなのだろうか?

  • 文松(@humihumiSUSURU)
アカウント名は「文松すする」。アイコンはラーメン。
鍵垢だが既に故人だからか一向に承認されずポストは確認できない。

  • 宮原幸雄(@miyasan______)
アカウント名は「みやじい🌻」。アイコンは去年天国に旅立ったというネコちゃん。
特に鍵垢にもしておらずオープンで、趣味で育てている花の写真を「#お花好きさんと繋がりたい」のタグをつけてアップしている。
絵文字を多用しており、良くも悪くもおじさんのアカウントっぽさが凄い。流石に女性へのクソリプまでは再現されていない





僕はねえ 誰かわからん名前も顔も知らん人間に消化されるためにWiki篭りをやっているんじゃないんだ
人と人が目を合わせて「追記・修正してくれてありがとう」って手を握り締める……そういうことでしょう

昔、僕が編集していたアニヲタwiki(仮)はそういうのばかりだった
人と人とが巡り会ってWikiがあるんだ
そんなこともわからないで
編集しているのか君たちはァ!?
極めて…不快ですっっっ!!

宮原さんの怒りを鎮めるためにも追記・修正お願いします。

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最終更新:2025年03月18日 09:00

*1 一応、映画→連続TVドラマ→映画…の順番の『海猿』といった例もあるが。

*2 同映画の劇中での奇怪な目つきにわざとらしい口角の吊りあがりによる「あたたかい目」ではなく、どちらかと言うと原作コミック版『のび太の恐竜』における「あったかーい目……のつもり」と表記されているような目つき。

*3 昼食時に報告されたら日も沈まないうちに講習を始めるほどのスピード感である。

*4 大阪にある実在のエアガンメーカー。主にカスタムパーツの企画・設計・開発、サバゲーグッズの販売を行っている。

*5 この回はちさとが自炊をしておらず、ラストでまひろが食べていたものがこれだとXで明かされている。

*6 この回もフードコーディネーターの仕事がお休みの回だが、夏目がストロングゼロと一緒に食べていたスパゲティに肖っておつかれさまですの気持ちのもとで掲載された。

*7 因みにまひろの三銃士は「メロンパン、あんバターコッペパン、ツナマヨメルトorツナチェダー」。

*8 ロケ先の中華料理店「平安」の店主が実際に作ってくれたもの。